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  • イギリスのバークレイズ銀行におけるサービスデザインの事例

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    イギリスのデザインエージェンシーであるRawnetがイギリス三大銀行の一つでクライアントのバークレイズ銀行のサービスデザイン部門のディレクターであるClive Grinyer氏へのインタビューをYouTubeで共有していました。企業におけるサービスデザインの事例は海外では多いのですが、日本で紹介されているものは少ないので、ここでアウトラインをご紹介します。

    ボク自身もシンガポールやオランダの銀行のサービスデザインのプロジェクトに関わったことがありますが、このインタビューで語られていることはそのままどの国のどのプロジェクトにも当てはまることだと思います。

    あなたにとってサービスデザインとは?

    • エンドトゥーエンドのカスタマーエクスペリエンス
    • 全てのタッチポイントの組み合わせ
    • 厳格な顧客中心アプローチ

    バークレー銀行ではサービスデザインを取り入れる上で組織的に難しかったことをどうやって乗り越えた?

    • サービスデザインを取り入れると、組織の構造的な課題に挑戦することになる
    • 組織は基本的に縦割りで、顧客のエクスペリエンスはその縦割りを横ぐしで通り抜けるもの
    • サービスデザイナーの仕事はカスタマーエクスペリエンスは組織横断的なもので、組織の壁をまたいで働くことだと理解してもらうこと
    • そのためのツールの一つがビジョンづくり
    • ビジョンを作り、組織間のコラボレーションをファシリテートし、最終的には組織文化を変える

    サービスデザインは部門でリードしたほうがいいのか、または全従業員で理解するべきことなのか?

    • 企業内におけるサービスデザインのポジションは様々な議論がある
    • 最終的なゴールはサービスデザインの考え方は全ての人に浸透すること
    • 最初はスキルセットのフォーカスポイントが必要。つまり、一箇所に集約する。それが私個人のバークレーでのアプローチでもある
    • これまでの銀行職員とは違う考え方を雇い入れる。サービスデザインはこれまでの銀行とは全く違う考え方
    • これまでに触れたことのなかったデザインのツールやメソドロジーを展開する
    • まだまだ最終ゴールにはたどり着けていないが、たどり着いたとしても期待値はどんどん上がっていく

    伝統的な部門の壁をどうやって乗り越えて協業ができる環境を作る?

    • サービスデザインを取り入れるということは伝統的なやり方を変えていくといことで、それを理解しないといけない
    • 例えば2週間のスプリントで機会や課題を集中的に扱う。それはこれまでの金融機関では数ヶ月、数年かけていた
    • そういう意味では参加する部門にちゃんとフォーカスして時間を取ってもらうことがチャレンジでもある
    • サービスデザイナーは一緒に仕事をする。それによって部門のオーナーシップや自分たちで成し遂げたというプライドが生まれる
    • 課題を探すだけでなく、一緒に解決する

    具体的な事例は?

    • 顧客がやりたいことを実現するための知識やプロセスに詳しい詳しいチーム(Super Hero)の設立
    • バークレイズの社員が顧客のやりたいことをどう実現するかわからないときに、誰でもアクセスできる
    • このような取り組みは顧客にも社員にも喜ばれる
    • 誰もたらい回しにされたくないし、したくもない
    • デジタルだけがサービスではないし、このような小さな取り組みがインパクトを生むこともある

    バークレーではどのようにサービスデザインの価値を測っている?

    • 顧客満足度やNPSが尺度になっている
    • 蓄積的な変化ではなく、トランスフォーメーションとしての変化
    • 特にバークレーで行なっているのは小規模の内部や外部でのテストを重ね、リスクを最小限にすること
    • 大きな投資をいっぺんに行うのではなく、少しずつ変化を確認する

    サービスデザインはどんな産業に適している?

    • すでにプロダクトをデザインする余地はあまりなく、デザインのメソドロジーだけが残った
    • そしてデザインを形のないものに当てはめることが様々な産業で起きた
    • 特にコモディティー化して差別化が難しい産業でサービスデザインは活きてくる
    • しかし、公共サービスでの可能性は大きいし、GDSの仕事は素晴らしい。金融業界でも見習うことが多い

    サービスデザインのビジネスにおける将来は?

    • ビジネスに対してサービスの説明をしてきて、それは見えてきた
    • 形のあるプロダクトから形のないサービスのデザイン。それらを全て包括したエンドトゥーエンドのデザインになる
    • デザインはもっと戦略的に、将来を見渡せる力をリーダーシップに与える
    • イノベーションはテクノロジーだった。しかし、みんなテクノロジーのイノベーションを目指している
    • それを人間を中心にまとめ上げることができるのがサービスデザイン

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  • コインベースが作るオープンな金融システムは集約型か分散型か?

    コインベースが作るオープンな金融システムは集約型か分散型か?

    原文:”Is Coinbase creating a centralized or decentralized financial system?” by Brian Armstrong

     最近、ひとりの社員から私たちのような集約管理型の企業がどのようにオープンな金融システムを作るのか質問がありました。

     これはとてもいい質問で、私はこう答えました。

    人々は以下の二つ両方が必要となる:

    1. 暗号化通貨の入手(これは集約管理される傾向にある)
    2. 暗号化通貨の利用(これは分散管理される傾向にある)

     コインベースはこの両方をカバーする商品を提供していて、最初の段階(暗号化通貨の入手)は次の段階が起きることを可能にします。

     暗号化通貨はいくつかの段階を経て一般に浸透していきます。

     投資段階では暗号化通貨の価格情報を期待してそれでお金を儲けようとします。現在の活動の90%はこの分野で、中央集約化された取引所で行われています。

     利用段階では暗号化通貨はdapps(分散アプリ)などを通じて実際の商品やサービスの対価として支払うことに使われます。現在の活動の10%はこの分野で、主にウォレットなどで分散化(ユーザー管理)された方法で行われています。

     別の言い方をすれば、投資段階で十分な人を引き付けることによって利用段階が活性化することになります。ツールのために来て、ネットワークのために居続ける(Come for the tool, stay for the network)戦略*1です。

     法定通貨*2と暗号化通貨の交換は集約的になります。これは伝統的な金融システムと取引をする必要があるためです。例えばCoinbaseGDAXはあなたの銀行とつながることによって暗号化通貨を買いやすくしています。つまり銀行や監督省庁と緊密に連携して最も準拠したシステムを作っています。これを実現するにはそれぞれの国の「実世界」とやり取りをする必要があります。

     暗号化通貨同士のウォレットはそれと比較すればもっと分散化されています。ユーザーが自分の資産を管理します。例えば、ToshiCoinbase Commerceではユーザーがウォレットを管理することができます。

     上記のテーブルにそれをまとめましたが、例外もあります。例えば、分散化取引所や中央集約型のウォレットは(現時点では広く普及していないものの)それぞれ特有のメリットがあります。

     ポイントとしてはオープンな金融システムには中央集約型と分散型の商品があるということです。例えればインターネットサービスプロバイダー(中央集約)とブラウザー(分散)の関係にも似ています。インターネットのエコシステムには両方必要です。一方が他方より優れているという考え方は誤った二分法です。両方必要だからです。

     Coinbaseはオープンな金融システムを促進するために集約型と分散型の両方の商品を提供し続けます。

    訳者からの解説

     暗号化通貨(仮想通貨)が一部の投資愛好家のためのニッチな分野で終わるのか、それとも広く一般的に利用されていくのか。日本ではコインチェックの事件で市場は冷水を浴びた状態になっていますが、ここからどう立ち上がっていくのか注目していきたいと思います。

    なかむらかずや

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    *1:ネットワークを1から作り上げる戦略の一つ。シングルプレーヤーモードのツールで人を集めてネットワークを形成するやり方

    *2:日本円やアメリカドル – 暗号化通貨の用語ではFiatという

  • 中国のメディテックユニコーン「平安好医生」

    中国のメディテックユニコーン「平安好医生」

    おさえておきたいポイント

    • ユーザー入り口の獲得戦略
    • マネタイズポイントのヒント
    • インターネット事業だからこそ決済を抑えるべき

    中国でのメディテック(医療スタートアップ)

     中国でもテクノロジーで医療業界を変革しようとするメディテック系のスタートアップが増え、医療サービスの効率化や医療の質の向上などに取り組んでいます。日本企業でもエムスリーエス・エム・エスが中国でも成功を収めています。

     しかし、まだまだ中国の医療には改善する機会が多くあります。例えば、薬の処方箋をもらうための3分間の診断に何時間も待たなければいけない。仕事が忙しくて病院に行けない。今回ご紹介するのは中国のメディテックでいち早くユニコーンとなり成長を続けている平安好医生(ピンアンハオイーシャン)です。

     メディテックは難しいとはいえ、有望な市場であるがゆえに先行する春雨医生好大夫在线微医生杏仁医生企鹅医生といった競合も多く存在します。すごいのはこれらの競合がユニコーンとしての評価額を獲得するために4年以上かかっているのに、平安好医生は2年しかかかっていません。

    中国で医師の診断にかかれない問題

     欧米では健康管理は予防の考えが普及しているため、HMO(健康維持機関)のシステムが主流になっています。病気になった場合もまず家庭医者、次が小型クリニック、最後に大型医療機関に行かれるという「段階診療」が一般的です。

     中国の医療での問題の一つは信用の問題があります。医闹(イーナオ|集団による故意の医療妨害)のため、最初から信頼ある大型の医療機関に行くことが好まれます。診断の需要が大型の医療機関に集まるため、医師の診断を受けない(受けられない)層が多く存在します。

     現在、中国では280万の医者が資格登録され、毎日2000万人が診断を受けていますが、これは全体の需要の30%未満です。3500万人は診断を受けずに薬局で医薬品を購買し、さらに1500万人は単純に健康問題を無視している状態だと言われています。従来の大型病院だけでは、これらの診断を受けていない層の受け皿として十分ではありません。

    医療改革で成功しているオンラインプラットフォーム「平安好医生」

     この問題を解決するためにオンラインでの健康管理と家庭医療とオフラインの診療を組み合わせるオンライン・トゥー・オフライン(O2O)のアプローチの試みはあったものの、成功してきませんでした。処方箋を受け取るだけのと何分間の問診は、インターネットでマネタイズすることが難しいとされてきました。

     その原因の一つは医療サービスシステムは保険制度です。政府の医療保険がほとんどで、商業保険があまりない。コントロールが難しく、インターネットで受診した場合、医療保健の範囲が問題となっていました。しかしこの状況も改善されつつあり、2016年8月に複数拠点での医療ラインセンスが認められ、部分的な都市では、インターネット医療を医療保険範囲に収まるようになると政府から発表がありました。

     平安好医生(ピンアンハオイーシャン)はそのような背景から生まれてきてユニコーンとして成功しているメディテックのスタートアップです。2016年5月のAシリーズで30億ドルのバリュエーションで5億ドルを調達しました。これは中国のスタートアップ投資の記録となっています。現時点で既に1000名以上のフルタイム医師が登録、予約可能な病院が2000棟、検診が300社、260の都市をカバーしています。すでに45万人が毎日このサービスを利用しています。

    平安好医生のビジネスモデル

     平安好医生のビジネスモデルを以下にまとめました。

     医者ネットワークによる24時間の健康コンサルテーション(図右)、遠隔診療、病院予約、検診予約などの医療サービス、そしてオンラインで健康食品や健康用品の販売、薬品配達となります(図中央)。

     さらに健康情報メディア(図左)としての情報提供や健康に関する動画のライブ配信配信、カスタマイズ健康管理を提供しています。

    ビジネスモデル

    健康情報メディアサービス

     2015年4月に医療と薬の情報の統合をする目的で平安好医生アプリをリリースしたのが平安好医生のはじまりです。そして、現在はユーザー登録数は1.7億ユーザー。トラフィックの入り口となっているのはこの健康関連の記事や動画のライブ配信といったメディアサービスです。

    メディアとして提携先からの記事を配信

     特に動画のライブ配信が人気を集めていて、毎日数百万人がライブ配信を閲覧しています。ダイエット、婦人幼児保健、著名医者インタービューが最も人気なコンテンツです。

    動画によるライブ配信

     平安好医生はコンテンツ提供者にとっても魅力的なプラットフォームとなっています。例えば、ある著名外科主任が専門メディアで記事を書いても2ヶ月で閲覧数は400しかありませんでした。しかし、平安アプリでライブ配信を行ってから、最初からプロモーションなしで8万閲覧、その後も毎回10万人以上の閲覧があり、平均4、5千人からの質問がありました。

    問診プラットフォーム

     問診プラットフォームを利用して医者の受付は毎日45万回です。登録医者は一人あたり年間9.1万回の問診を行っていて、一回あたりの問診時間は15分です。

    医師による問診プラットフォーム

     小児科、婦人科、皮膚科が最も人気があります。 2016年のデータでは、問診を受けた1万人以上のうち、0時~6時の深夜問診が全体の10%以上を占めていました。また、50%の問診は午後7時から朝7時の医療機関営業時間外に発生していました。

    医薬コマース

     2016年では年間で320万人が平安アプリで医薬品を購入しています。北京のような大都市では、1時間で薬品が配達されます。月間売上が1.5億元を超え、うち、医療機器が60%、サプリメントが20%だそうです。

    健康用品のコマース

    競合との差別化ポイント

     平安好医生はどうして競合より多くのユーザーを獲得し、2年で30億のバリュエーションを得られることができたのでしょうか。その理由は決済を抑えたことだと考えられます。親会社である中国平安保険Wikipedia)はもともと中国の4大保険会社の一角で、漢方薬で有名な日本のツムラの筆頭株主です。

     中国の医療保険決済のシステムは複雑で、一般的な決済システムでは対応が難しいと言われています。このシステムを多くのパートナーと提携することによってエコシステムを構築、決済は医療保険と一般決済を分けて決められることを実現できたことが成長要因だったと考えられます。

     そのような強みを活かして、高頻度のメディア事業で入り口を獲得し、低頻度の看病や検診で利益を出すという明確な戦略により、事業を伸ばしました。

    邱開洲MediumTwitter

    中国出身、2009年来日。早稲田大学卒業後、ヤフーに入社。 入社後は広告営業部門に所属し、デジタルマーケティングのコンサルティングを担当、2016年より百度プロジェクトの立ち上げ、インバウンドや越境ECなど中国向けビジネスのマーケティング支援業務に従事。2017年よりYJキャピタルに参画。

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  • コインチェックのハッキングについてNEMのインタビュー翻訳

    コインチェックのハッキングについてNEMのインタビュー翻訳

    オリジナル:Coincheck 500M Hack Interview with Jeff McDonald, NEM VP

    これまでのアクション

    • まだ全てが解明されたわけではないが、コインチェックとは連絡を取っている
    • NEM財団としてはコインチェックをサポートするために全力を尽くしている
    • 盗まれたXEMを保有しているアカウントを追跡している
    • さらに世界中の取引所と連絡を取り、盗まれたXEMの取引をしないよう呼びかけている
    • NEMの良いところは強力なAPIがあること。APIをデポジットに加えるだけで取引所は盗まれたXEMがその取引所にデポジットされているかどうかわかる

    盗まれたファンドは戻ってくる?

    • あまり憶測で話をしたくはないがコインチェックに十分な預金が銀行にあればユーザーにファンドを戻すことはできるだろう(実際に持ってるかはわからないが)
    • コインチェックは初期に3億XEMを自身で購入している。盗まれたXEMがコインチェックが保有しているものなのか、それともユーザーが預けているものなのかわからない。
    • NEMには24時間アクセスできるホットラインがあり、コインチェックはこのホットラインを通じてNEMにコンタクトしてきた。その後すぐにビデオ会議を実施した。そしてタグ付けしてファンドを追跡を開始した。

    NEM財団が強制的にファンドを取り戻すことはできる?

    • ファンドがコインチェックから盗まれた時、全てのファンドはオンラインのホットウォレットに入っていた。おそらくAPIもプライベートキーも露出した状態だったでしょう。コインチェックがマルチシグを使ってればこのような事態にはならなかったと思う。
    • ブロックチェーンの履歴を書き換えるにはハードフォークしかない。それはNEM財団としては実行するつもりはない。NEMのプロトコルには全く何も問題はない。
    • 盗んだハッカーがコインチェックにファンドを返還するしか方法はない。

    やるべきことと、やらないべきこと

    • ユーザーも取引所もベストプラクティスに従うべき。取引所はこれまで何回もハックされている。取引所がセキュリティーを強固にしてもハッカーはそれを破ろうとするイタチごっこではある。
    • 次期の「カタパルト」実装で取引所がハッキングされプライベートキーが露出してもファンドが盗まれないようになる。
    • NEMでは取引所のハッキングが問題であることを認識していてそれを解決する手段をカタパルト実装で解決するつもり。

    盗まれたXEMによる長期的なインパクトは?

    • タグがつけられた、追跡されている。それでも、ハッカーはXEMの価格を操作して下げることができる?現時点ではわからない。ハッカーは500億円のXEMを市場で売ることができないのは確か。大手の取引所はすでに対応している。コミュニティーやパートナーも迅速に対応している。
    • コインチェックがどうなるのかはわからない。これまでの事例ではハッキングされて取引所が閉鎖する事例もあるし、ハッキングされても回復する事例もある。

    中央集権的なシステムで「神」のように振る舞いユーザーのアカウントを追跡したり、凍結したりできるってちょっと怖くない?

    • そんなことはない。ブロックチェーンなので情報は全てオープン。
    • NEMの良いところはAPIによってインテグレーションが簡単でそれによってファンドの動きがリアルタイムでわかり、それによりパートナーとコミュニケーションができること。コインチェックを助けるためにできることをするが、それに他の取引所が参加するかどうかは彼ら次第。
    • そういう意味において誰もブロックチェーンに対してのコントロールを持っていない。NEM財団ができるのはツールを提供して透明性を高めること。
    • このAPIによるリアルタイム性が他のブロックチェーンベースの仮想通貨とNEMの違い。他の仮想通貨ではトランザクションハッシュを一つづつ見ていかなければいけない。
    • そういう意味でもNEM財団はハードフォークを実行するつもりはない。その代わりにエコシステムにツールを提供して犯罪者の助けにならないようにする。

    セキュリティーについてもう少し詳しく教えてください

    • 通常、取引所は複数レイヤーのセキュリティー実装をしている。
    • その一つはホットウォレットとコールドウォレットの使い分け。通常は99.5%のファンドをコールドウォレットに保存しておく。これがベストプラクティスと言われている。
    • もう一つがマルチシグで他の暗号化通貨でこれをコアコントラクト実装していないものもある。NEMはコンセンサスによるマルチシグをコアに実装した最初の暗号化通貨。
    • 例えばビットコインでは後になってマルチシグを実装しようとしたのでBitGoという会社が複数の取引所のためにマルチシグをアウトソースとして提供している。NEMの場合、取引所はAPIを使うだけでマルチシグを使える。コインチェックを責めるわけではないが、コールドウォレットを使い、マルチシグを実装していれば防げた事件だった。

    ユーザーは取引所がベストプラクティスに従っているかどうかをどうやったらわかる?

    • 取引所が求めればNEM財団はトレーニングもするしサポートもする
    • 話をしている取引所は高度なセキュリティー実装をしているところもある。ただ、どの取引所がいい実装をして、どの取引所がよくない実装をしているのかを名指ししたくはない。
    • NEMの次期のNanoウォレットではオフラインでの認証も実装する
    • 次期のカタパルト実装で取引所がハックされる可能性はほとんどなくなる

    解説

    危機管理の対応によって評価を上げるか下げるか。NEMの迅速な対応は素晴らしく、これまで最大のハッキング事件であるにも関わらず評価をあげましたね。今回の件についてどのような考えで、どのように対応するのか全くブレがない。

    また、このインタビューにもある通り、コミュニティーとエコシステムの対応が迅速でした。これは本当にすごい!

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる
    • その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。
    • CTO室主導でアーキテクチャだけでなく調達も整理整頓。コスト削減効果が明確になってくる。
    • アプリは行政サービスには不向き。(個人的にはPWAは向いてると思う)
    • 検索できない「リッチテキスト」は追放

    原文:”A GDS Story 2013

    2010/2011年2012年|2013年|2014年|2015年

    2013

    1月6日

     Mike Brackenがこれまでのデリバリータイムラインを解説しました。

    1月13日

     トランザクションエクスプローラツールは「政府が市民に提供する特に大きな44の公共サービスにおける1トランザクションあたりのコストに関するデータ」を含むように更新されました。当時の内閣府のFrancis Maude大臣は以下のようにブログで書いています

    このデータを公開することは透明性の大きな前進です。英国政府にとって初の試みです。

    1月15日

    GDSが最初のスタッフミーティングを開催

    1月20日

    Sprint 13でのFrancis Maude

     GDSはロンドンでSprint 13を開催しました。政府のデジタル改革にフォーカスをあてたイベントで、これが第一回となり毎年行うことになります。Francis Maudeは2年間かけて行う改革プログラムを発表しました。これは特に大きな25公共サービスを更新するプログラムで、のちに手本となるプロジェクトとして知られるようになります。

     その翌日に写真が公開されました。当時の最高経営責任者(CEO)だったStephen Kellyは「政府を改革する400日」を発表しました。(写真


    Sprint 13 Overview

    1月31日

     司法省のRoger OldhamがMoJ Digitalの前身となるチームのためにGDSブログを通じて採用を呼びかけました。これはポジティブな前進でした。内閣府のモデルを通じて官公庁も同じことができる例を示しました。

    2月22日

     Abby PeelGDSを訪問する国際的な訪問者を歓迎することについて書きました。

    2月28日

    Inside Governmentの変更

     Neil Williamsは前年度の初期ベータ版に入って以来はじめてInside Governmentの変更について書きました。

    私たちが作り上げているものはワールドクラスというだけではありません。ワールドファーストです。ニュージーランド、クロアチア、スウェーデン、ノルウェーの各国政府がデザインからコードベース全体まで、私たちが作ったものを再利用してくれる予定です。

    3月1日

    歳入税関庁のコンテンツをGOV.UKへ移行することについて同庁のRobin Rileyが解説しました:

    歳入税関庁はそのほかの官公庁と比べて長い時間がかかりました。どうして? 率直に言えば私たちは一番後方に位置していました。歳入税関庁サイトの違いを比べてみてください(現在過去)。違いは劇的です。単なるお化粧直しではありません。歳入税関庁は情報をオンラインで公開する方法を再設計しました。

    3月12日

     Tom Loosemoreは政府にアプリの開発をやめるように呼びかけました。私たちはアプリっぽくない。

    アプリはゲームやソーシャルメディアを変えているかもしれません。しかし、公共サービスをWebサイトを通じてさまざまなデバイスで効率的に利用できるようにするアプローチの方が現在では最適と言えます。その方が改善のための実験を繰り返し簡単に行うことができます。市場インパクトを最小化して、サポートするのもはるかに安いです。

    3月14日

    Mike Brackenが政府全体のITガバナンスを大幅に変更したと発表し、CTOのLiam Maxwellがリードしてきたプロジェクトが表面に浮かび上がってきました:

    私たちは予算を多く持っている人たちの間で行われる調達に関する議論を少なくするべきです。立席ではない立ちながらクイックに行うスタンドアップミーティングでユーザーニーズに応えるべく日々のリリースを増やすべきです。私たちはウェブ、デジタルツールとサービスを政府内で活用することによりもっと素早くコラボレーションができるようになります。

     要するに、Maxwellと彼のチームはこれまでの古い政府のITガバナンス体系を以下のように変えました。

    以前のITガバナンス

    …このように。

    新しいITガバナンス

    同日、GDSはデジタルが基本(Digital by Default)のサービススタンダードとサービスマニュアルのベータ版を公開しました:

    これらは官公庁職員のためのガイドであり、デジタルサービスを正しく開発するために必要な情報を全て提供しています

    このスタンダードは2014年4月よりすべての大規模サービスに適用されます。スタンダードのポイントはGOV.UKで公開されているすべてのサービスが利用者にとってわかりやすく便利なのでそれを好んで選択することを確かなものにすることです。そしてAssisted Digitalがオフラインで適切な支援をします。

     私たちは新しいマニュアルとともに映画シリーズも作りました。


    Welcome to the Service Design Manual

    3月20日

    Francis Maudeの庶民院でのスピーチ

    私は紳士閣下がおっしゃることすべてのことに同意します。私たちがまだやっていないという彼の仮説を除いて。私は彼が優れた出版物を生み出したデザイン委員会のメンバーであることを知っています。実際にGDSの創設を含む、政府が取っているいくつかのイニシアティブについては非常に敬意を払ってくださっている。GDSは公共サービスの提供を改革する際に、ユーザーのニーズに合わせてデザインすることにコミットしています。これまで頻繁にそうであったように、政府の利便性を優先するのではなく。

    こちらがそのビデオ

    3月21日

    Richard Popeはサービスマニュアルを作成する過程について書いています:

    最初は私たちはマニュアルを作っていること意識していませんでした。やろうとしていたのは新しいデジタルサービスがどのような基準で判断されるのかを描くこと。政府のデジタル戦略で掲げられているデジタルが基本(デジタル・バイ・デフォルト)とは何か。官公庁のサービスオーナーとそのチームが優れたデジタルサービスを提供するのに役立つ豊富な詳細を提供する必要があることは認識していました。そして優れたデジタル公共サービスがどのようなものなのかシンプルな定義を共有する必要性を。

    3月25日

    GOV.UKワールドワイドセクション

     Inside Governmentに44の言語をサポートする新しいワールドワイドセクションが追加されました。これは、外務・英連邦省、国際開発省、貿易投資総省、国防省などの省庁にとって大きな一歩でした。

    3月26日

     後のCommon Technology Servicesチームになる仕事の最初の公での発表。こちらがそのIT改革グループのTariq Rashidのブログ記事

    3月28日

     GOV.UKにおいて各省庁はあたらしいHTMLのフォーマットを使うことが推奨される。「HTMLがPDF / RTF / Word添付ファイルに代わるデフォルトとしてのデジタル」としてデザインされる。

    4月16日

    サービスマニュアルはベータからライブに移行しました

    Mike Brackenのポスト:

    …このマニュアルは過度な官僚的な考えから政府を解放するようにデザインされています。このブラウザベースのサービスは意思決定を加速し、多くの委員会や会議や扱いにくいプロセスの必要性を排除します。公共サービスがデジタル化されるにつれ、私たちが使用するツールとガバナンスにに反映されるべきです。

    サービスマニュアルチームのメンバー

    4月17日

    Design of the Year授賞式でGDSチームのメンバーおよび他の同僚たち Photo credit: Elisa Figoli. Thanks to: the Design Museum.

     GOV.UKは「よく考え抜かれた控えめなデザイン」が認められ、この年のDesign of the Yearを受賞しました。

    Daily Telegraphの評論家Deyan Sudjicのコメント

    これは政府が実際に有効なコミュニケーションを理解していることの表れです。シンプルで直接的で礼儀正しい。このような政府から当然受けたいと思っているすべてのことは官僚主義と専門用語の海に沈み、実際に実現されることはありませんでした。GOV.UKはエレガントでほのかな英国らしさがあります。これは1960年代にMargaret Calvertがデザインした古典的なフォントのデザインのおかげかもしれません。それはウェブサイトのポールスミスです。世界は深く感銘を受けています。複数の公共サイトを合理化したため、税金を大きく節約できます。嫌いになる理由がありますか?

     タイポグラファー/デザイナーのMargaret Calvertは上の写真(一番上の列、右から五番目)にいます。彼女は2011年以降、GDSデザインチームに不可欠なアドバイスを提供してきました。GOV.UKは彼女とJock Kinneirが作成したNew Transportフォントを使用します。

    4月30日

    イギリスにある24すべての省庁、No 10と副首相オフィスのサイトがGOV.UKへ移行しました

    …今日は政府と国民にとって新しい時代のはじまりです。私たちが仕事を正しく行えたのであれば、ほとんどの人はどれほどの大きな変化が起こったことに気付かないでしょう。しかし、プロジェクトを近くで見てきた私たちは、そのインパクトが深いものなのかを理解しています。これから国民(そして国民と政府を取り持つ専門家や仲介業者)は政府が何をしてこれから何をしようとしているのか全体を見渡すことができます。国内で、そして国外で。一つの場所に一貫性があり、整理された、簡単に理解できる形で情報が集まっています。

    5月1日

     Tom LoosemoreがこれまでのGOV.UKの歴史を写真とともにまとめました。

    5月17日

     GOV.UKの1,000 回目のリリース

    5月21日

     Liam Maxwellが新しいITガバナンスの形について概要を紹介しました。「プラットフォームとしての政府」についての最初の言及となりました:

    ユーザーニーズに焦点を当てること、サービスをコモディティー化すること、組織の壁を破りサービスを共有することにより、私たちは納税者のためにコストを節約できます。更に技術革新により公共サービスの改善を後押しします。

    5月30日

    数百のWebサイトを移行するトランジションプロジェクトは進む。

    6月

     G-CloudはGDSに移行されました。これは後にDigital Marketplaceの大きな一部となります。

    6月3日

     政府は「事業の基本的改革」により100億ポンドの節減したことを発表しました。 翌週にGDSは5億ポンド以上の貢献についてブログを掲載しました。また、支出をコントロールすることTechnology Code of Practiceの重要性についても言及しました。

    6月7日

     Richard Sergeantは最初のサービスの評価について発表しました。サービス基準にデジタルサービスがどれくらい達しているかを測るものです。

    6月13日

    トランジションツール

     Neil Williams がトランジションツールについて説明しました。

    6月18日

    アイコン削除のビフォーアフター

    デザイナーのGuy MoorhouseGOV.UKで使われていたアイコンをどうして削除したのかを説明しました:

    最初にアイコンを導入したときユーザーデータはありませんでした。そのため、推測として正しいことをするしかありませんでした。しかし、時間の経過と共に多くのユーザーテストを実施しました。そしてアイコンが意図した結果を達成していないことが明らかになりました。ユーザーはしばしばアイコンをクリックすれば「何か起きる」と勘違いしてしまいました。

     GDSではこのケースについてその後も言及し続けました。これこそまさに反復的改善の実例だからです。

    7月2日

    Lasting Power of Attorneyのベータ

     典型的なプロジェクトの1つである”Lasting Power of Attorney”がパブリックベータに達しました。

    表彰棚のBlack Pencil Photo: Roo Reynolds

     コンテンツデザインの責任者であるSarah Richardsが「私たちは2週間前に“黒い鉛筆”を手にしました」とブログで書いています。D&AD Black Pencilはデザインで最も賞賛される賞の1つです。それは最も特筆すべき作品だけ一年に一つか二つのプロジェクトしか受賞できません。何年か受賞者がいない年もありました。

    7月9日

     最初のDigital Services Frameworkのローンチ。これも最終的にはDigital Marketplaceの一部になります。

    7月17日

    Sprint Alpha

     Sprint AlphaのイベントでMike BrackenがTransformation Programmeのこれまでの進捗を報告しました。そして新しいダッシュボードであるgov.uk/transformationを発表しました。これにより誰でも発見>アルファ>ベータ>ライブのステージを確認することができます。

    トランスフォーメーションダッシュボード

    Mike Beavenが翌日そのフォローアップをブログで書きました

    改革とはWebサイトではありません。全てです。一貫性があり質が高い「デジタル・バイ・デフォルト(デジタルが基本)」のビジネスプロセス全てです。

    7月23日

    アップデートしたGOV.UK

     GOV.UKの見た目を若干アップデートしました。

     同じ日にGDSのチームと王室土地登記所が共同でアルファを公開しました。

    7月25日

    Sarah RichardsがFAQsを使わない理由を説明:遅すぎるし重複の原因となります。

    7月26日

     ニュージーランド政府がGDSのデザインテンプレートを使った新しいWebサイトのベータ版のリリースを発表しました。

    8月6日

     Tom LoosemoreがA/Bテストについて書きました。A/BテストがどのようにNHS Organ Donor Register(イギリスの臓器移植ネットワーク)のプロジェクトの助けとなったか:

    このGOV.UKにおけるたった一つの小さな変更により臓器提供者が毎月一万人増えました。このたった一つのページはイギリスで三番目に大きな臓器移植の登録サイトです。

    8月8日

     GOV.UKがどのようにデザインされているかを説明するブログ記事。これにより特定の組織や個人のページが削除されることはありません:

    歴史的に見て政府のWebサイトは歴史家にとって簡単ではありませんでした。省庁や政府機関が政府の機械的な変更により閉鎖、統合、分割、改名されると全く削除されたり、完全に別のページになっていました。GOV.UKではすぐに使いやすいデータを提供し変更が理解できるようになります。後のために保存され、再利用されます。

    9月1日

    GDSがデザイン原則のポスターを作りました

    (日本語版はカタパルトスープレックスデザインで入手できます)

    9月4日

    GOV.UKのブログプラットフォームのリリース

    9月20日

    2013年時点でのGOV.UKをiPhoneで見た場合

    9月27日

    Liam Maxwellによるオープンスタンダードの説明

    オープンスタンダードを選択して利用することは私たちのサービスをよくするだけでなく、サービス提供者の選択肢に柔軟性を与えます。火曜日に二つのユーザー課題を解決するために四つのオープンスタンダードを採用するようボードの提案がありました。

    10月1日

    数ヶ月の準備の後、最初の300の政府機関のWebサイトがGOV.UKへの移行を開始しました。これは「トランジション」プロジェクトの一部となります。

    10月6日

    GOV.UKのページを反復検証

    GOV.UKチームによるナビゲーションの改善についての解説

    10月14日

    GOV.UKでのモバイルトラフィックが増える

     GOV.UKのローンチから一年が経過して、Tara Stockfordモバイルからのアクセス増加に気がつく。

    10月17日

    GOV.UK一歳の誕生日

     GOV.UK一歳の誕生日。Martha Lane Foxの訪問。当然ケーキあり。(More photos.)

    データアナリストのPeter Jordanデータの洞察について書く:「GOV.UKは一週間平均600万のユニークビジターがいる」

    当時のGOV.UKの責任者James Thornett一年の進捗について書く。

    Mike BrackenがワシントンD.C.で開催されたCode for Americaサミットでスピーチ。

    www.youtube.com

    10月18日

     G-Cloudの売り上げが5000万ポンドを超える

    10月25日

    内部で利用しているユーザーニーズの追跡ツールMaslow

     Lisa Scottが新しい内部ツールMaslowについて書く。ユーザーニーズを把握して、そのニーズがWebサイトであっているかパフォーマンスを追跡する。

    10月29日

    GDSからのプレゼン前の内閣室

     GDSがCabinetに参加。iPadと大きなスクリーン。内閣府のメンバーが私たちの仕事を明確にわかるように望んだ。

    Mike Brackenはのちにこう述べています:

    とても励まされたのは大臣たちが私たちの仕事の背景にあるプリンシプルに共感してくれたことです。彼らの質問は全て一つの観点から発せられていました:これはユーザーにとってどんな意味があるのか?どのようにユーザーのニーズを満たすのか?です。ユーザーニーズから始めることは公共サービスを根本的に変える原動力となります。これは大きい。

    10月30日

     Identity Assuranceチームがhubのベータ版をリリースしました。これはのちにGOV.UK Verifyとなる重要なコンポーネントの一つです:

    The hubはユーザー、サービス提供者、公共サービス提供者の間のコミュニケーションを管理します。ユーザーはIDプロバイダーとして登録しているサービス提供者を選ぶことができ、デジタルサービスが利用できることようになります。

    10月31日

    Pete Herlihyがデジタル政府を作る上でGDSと関係が深いエストニアを訪問

    おそらくソビエト連邦からの独立のタイミング(1991年)もあって、エストニアは国を運営する上で技術を決定的な要素としてみていた。彼らはビジョンと決意を持った政治的にも公共的にも抜け目ないリーダーグループであり続け、技術の活用を積極的に活用する決意を持っている。

    11月1日

    Kathy Settleが各官公庁とのデジタル戦略の展開についてアップデートを書きました:

    私たちは人事と採用に集中していました。そして正しくデジタルサービスを調達するフレームワークを作っていました。私たちはさらにデジタルを支援するためのリードの仕方、調整の仕方、技術の展開の仕方を変えました。CTO室は政府から参加したTechnology Leadersネットワークと共に戦略的な方向性とデジタルを展開する上でのベストプラクティスを推進しています。

    11月6日

    韓国の崔文基未来創造科学部長官とFrancis Maude

     韓国の未来創造科学部長官の崔文基がGDSを訪問し、Francis Maudeと対面しました。Liam Maxwellが韓国訪問について書いています。

    “Test your smoke alarm”リンクのテスト

     同日、GOV.UKチームは“When do the clocks change?”ページにおける“Test your smoke alarm”のリンクをテストしていました。Paul Cronkはその結果について書いています。

    11月7日

     GDSはバーミンガムでのSprint Shareを開催しました。政府のトランスフォーメーションプロジェクトに関わる人たちにとって一同に集まり経験を共有する機会です。

    www.youtube.com

    11月12日

    2013年後半のトランジションチームの壁

    11月13日

    内閣府Technology Transformationプロジェクトのためにユーザーニーズを特定する

    内閣府Technology Transformation (COTT) プロジェクトの開始。Tom Readがこう書いています:

    私たちの目的は少なくとも人々が普段家で使うのと同じくらいモダンで柔軟性の高いテクノロジーサービスの提供です。これらのサービスは現在のサービスよりコストが安くなります。

    11月14日

    DVLAのWebページのためのスケッチ

     デザイナーのGuy Moorhouseがスタートページの進化について語っています。

    11月28日

     後にDigital Marketplaceの一部となるDigital Services Storeが公開されました。

    11月29日

    Martha Lane Foxが「英国デジタルチャンピオン」を退任しました:

    このブログをよく読んでくれている読者であれば私たちがよくMarthaのレポートに言及していることを知っているでしょう。それはGDSにとってどれだけ評価しても足りないくらいです。それは政府にGDSを招集する弾みをつけ、ワールドクラスの「デジタル・バイ・デフォルト(デジタルが基本)」のサービスを作るミッションと任務を与えました。

    12月12日

     アナリストのAshraf ChohanがパフォーマンスチームによるGOV.UKのリアルタイムデータについて説明しました。

    12月20日

    一年で500億人の訪問者

     ローンチから500億人がGOV.UKに訪問しました。

     この記事はイギリス政府のGovernment Digital Service(略称:GDS)が自らの組織とGOV.UKの成り立ちをブログ記事にした”A GDS Story“の翻訳です。

     2012年にローンチしたGOV.UKですが、まだ全てが完了したわけではありません。各省庁に同じプラットフォームでコンテンツを構築してもらわなければいけないし、継続的にアップデートをしなければいけない。

     大規模構築から大規模運用への移行期が2013年となります。これを世界で初めてやってしまったGDSは本当にすごい。

    カタパルト式スープレックスなかむらかずや

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  • エストニアがICOプラットフォームとして暗号化トークン「エストコイン」の準備を開始

    エストニアがICOプラットフォームとして暗号化トークン「エストコイン」の準備を開始

    クレジット:E-residentのPeter Kentieさんが寄贈してくれたイラスト

    原文:”We’re planning to launch estcoin — and that’s only the start” by Kaspar Korjus

     エストニアはe-Resideincyが世界の起業家が信頼できるICOを実施するときのベストな選択肢であることを目指しています。そして三種類の暗号化トークン「エストコイン」を検討しています。

     スタートアップの世界はICOによって大きく変わろうとしています。

     株式を提供する代わりに、ブロックチェーンをベースとした暗号コインを発行して世界各国の投資家から資金を調達しています。

     アメリカ、シンガポールとスイスがICOを実施する上で起業家が検討する国としてリードしています。一方で各国政府はどのようにICOを規制するのかを検討しています。起業家にとっても投資家にとっても不幸なことに、ICOは法律上はグレーなエリアで実行しなければいけませんし、透明性と信頼性の問題によりこのイノベーションの歯止めがかかっています。

    解説

    ICOのトークンには二つの考え方があります。一つは「利用料」としてのトークン。もう一つは「証券」としてのトークンです。資金調達をする企業は「利用料」としてのトークンと位置づけることが多いように思われます。これは「証券」としてのトークンは法整備が整っていないからですし、「証券」の発行には大きな責任が伴うからです。

     それにもかかわらず、ICOを通じた資金調達金額はベンチャーキャピタルからの資金調達を上回っています。しかし、資金調達はICOの一面に過ぎません。スタートアップが発行した暗号化トークンに投資している人たちのインセンティブは開発の支援というオンラインコミュニティーに近いものがあります。

     エストニアの仮想住民プログラムであるe-Residencyも急速に成長しているスタートアップです。政府のスタートアップであるにも関わらずです。それは仮想住民からのフィードバックにより絶え間なく改善されているからです。そして商業セクターのベストプラクティスも取り入れています。私たちは急速に成長するコミュニティーを持ち、そのコミュニティーはe-Residencyプログラムからどのように価値を最大化できるのかを常に探しています。

     そこで、2017年8月にe-Residencyブログを通じて「エストニアのようの国がICOを通じて自らの暗号化トークンを発行したらどうなるか」を聞きました。その時につけた暗号化トークンのニックネームが「エストコイン」でした。e-Residencyがプラットフォームを通じてどのように「エストコイン」をグローバルで流通させ交換させるのかを説明しました。誰でも登録できるデジタルIDがあるからです。

     この記事はすぐにバズりました。世界中のメディアで取り上げられました。世界で2億人くらいの人がこの記事を読んだと推定しています。

     多くの人がこのアイデアに熱狂して「エストコイン」のあり方について意見を書きました。そして多くの人は批判的でe-Residencyプログラムのマーケティングスタントでしかないのではないかと推測しました。

     私たちはアイデアを閉じたドアの奥で作ることができますが、e-Residencyを作り上げる上でオープンポリシーは常にベストでした。できる限り早い時期からオープンに議論をはじめる。それによりアイデアを改良することができ、どのようなサポートが必要なのかも理解できます。サポートする人も批判する人も貴重です。

     暗号化コミュニティーは政府のこのような介入に一番批判的なのではと最初は予想していました。しかし、実際は違っていました。クリプトワールドの起業家も投資家も熱狂的に興味を持ち、アイデアを受け入れているようでした。反面、伝統的な組織は一番批判的でした。欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギも懸念を表明しました。

    qz.com

    「エストコイン」に対する多くの批判はエストニアが仮想通貨を発行したくてもできないことです。エストニアの唯一の通貨はユーロであり、これは私たちが誇りとするEUのメンバーの必須条件だからです。誰もそれを変えるつもりはありません。

     ですから私たちは「エストコイン」を暗号化トークンとしています。

     政府は暗号化トークンが通貨として利用できることによる破壊的なインパクトも考慮する必要があります。暗号化トークンは世界的に価値を交換するもっと効果的な方法だからです。しかし、暗号化トークンは通貨としての利用よりもさらに大きな重要性があり、必ずしもそのカテゴリーに押しとどめるべきものではありません。

     エストニアの観点から見ると、「エストコイン」はデジタル国家を開発するための世界的資金調達をする手段を提示しています。そして、e-Residencyを通じて起業するスタートアップを増やすという目的を達成するため仮想住民のインセンティブとしてトークンをデザインしたいと考えています。

     仮想住民によるビジネスはエストニア経済に前向きなインパクトをすでにもたらしています。2017年12月に発行されたDeloitteよる独立したレポートによると最初の三年間でエストニアは1億4400万ユーロを回収し、2025年には18億ユーロになると予想しています。これは1ユーロの投資に対して100ユーロを回収することになります。私たちは仮想住民たちに価値を提供し続けることによってのみそれを達成することができます。

    「エストコイン」の目的はそれを加速することです。そしてデジタル国家の開発のため追加の投資と利息を活用します。

     それでも疑問は残ります。「エストコイン」はコインを持つ人のどのような課題を解決するのか?「課題を探すソリューション」これもよくある批判でした。提案が発表されてからオーディエンスに「エストコインを買うのに興味があるか」を聞き、答えは「イエス」でした。どうして「イエス」なのかは自分でもまだ明確ではないにも関わらず。

     驚くかもしれませんが、私たちは「エストコイン」が「課題を探すソリューション」であることを完全に認めます。そして、それは必ずしも悪いことではありません。

     e-Residencyも立ち上げ時は「課題を探すソリューション」でした。このソリューションは世界中の誰でもエストニアのデジタルIDの申請ができ、エストニアのデジタル公共サービスを受けられるというものでした。しかし、最初の仮想住民たちはそれがどのような問題を解決するのかも確かではないにも関わらずに申し込みました。

     三年後に3万人の仮想住民申請を通じて私たちはe-Residencyが解決する課題について理解を深めました。世界的な起業の民主化と地域に縛られない働き方の推進です。エストニアの仮想住人に関してはここで詳しく読めますし、どのような課題を解決してきたのかはこのビデオ広告でも紹介しています。

    「エストコイン」の提案をしてから私たちは世界中のフィードバックに慎重に耳を傾けてきました。そしてどのように構築するかだけでなく、どうして人々がそれを欲するか理解を深めてきました。

     その概要を説明する前に、「エストコイン」のビジョンを実現するためにまず何をしなければいけないのかを説明します。私たちはe-ResidencyをグローバルでICOを実施するベストのオプションとしなければなりません。

    信頼できるe-ResidencyのICO

     ブロックチェーン技術は世界を二つに分けました。一つは政府や伝統的な機関でもう一つはクリプトコミュニティー。両方とも相手には将来がないというフリをします。

     多くの場合、真実はどこか真ん中にあり、分断も元に戻ります。暗号化を取り込まなければ政府は経済成長の原動力を手放し、妥当性すら失う危険があります。公共の監視を取り込まなければ、まともなクリプト投資家も偽物投資家によって変質してしまい、トークンの価値にも疑問符がつきます。

     リスクとその複雑さに関してはアメリカ証券取引委員会が暗号化通貨とICOに関する包括的な声明が読むに値します。

     私たちはブロックチェーンが非常に強力な破壊的なソリューションになりつつあることを認識する必要があります。そして、公共機関は全ての人の利益のためにできる役割があります。伝統的な派閥と暗号化の派閥。二つに分かれた派閥は平和的な合意に達する必要があります。

     それこそがエストニアで起ころうとしていることです。「エストコイン」の提案が発表されてから私はエストニア議会内で公共機関と商業セクターの代表者、クリプト起業家、世界中のハッカーを集めたキックオフを開催しました。この会議にはe-Residencyプログラムのチームメンバーと諮問委員、エストニア財務大臣、議員、エストニア中央銀行、ICOを実施している企業とそのアドバイスをしている法律事務所が参加しました。

    エストニア議会でのキックオフ

     私は特に遠くからエストニアに足を運んでくれたTrent McConaghy、Anish MohammedとBruce Ponに感謝します。

     私たちはエストニアがどのように取り組むかを理解するための膨大な作業を始めました。どのように正当な起業家を支援してデジタル国家として成長できるのか。同時に公共の利益を守り、国家とビジネス環境に対するリスクを軽減できるのか。

     私たちは他の国々でのベストプラクティスから学ぼうとし、エストニアのユニークさを活かしてさらに先に進むための方法を探りました。これ以来、私たちは継続して一緒に働き、定期的に意見の交換をしました。

     理解できる注意深い理由でエストニアは暗号化に対して友好的な国家とは言えませんでした。しかし、驚くべきことに最初に私たちが発見したのはエストニアはすでにクリプト起業家にとって絶好のビジネス環境だということです。100%オンラインのクロスボーダーマネージメントから分配されない利益に対する0%の法人税まで。

     さらに私たちの安全なデジタルIDはKYC(Know Your Customer|顧客の身元証明)の一部として利用できます。企業は投資家と起業家の両方の身元証明のために多大なコストと時間をかけています。投資家がキーを忘れて暗号化トークンにアクセスできなくなったという話はよく聞きます。このようなことは政府が保証しているデジタルIDがウォレットと紐づいている仮想住民には起こりません。

     実際に多くの企業がe-Residencyを通じてエストニアでICOの準備をしています。また、すでにe-ResidencyをKYCのプロセスに組み込もうと模索しています。

     ICO現象が成長し続けると、ICOにとって「天国」とされる国が出てくるでしょう。しかし、私たちは現在のICOに懸念を持ち、どのようなICOでも誘致したいわけではありません。未成熟な行動や資金の行き先の不透明性ですでに多くの投資家が失意によって離れていきました。また多くのICOは実際には関わりのない有名人や組織の名前に頼っていたりもします。暗号化トークンに関するe-Residencyやエストニア自体の告知はこのブログで詳細に説明することを覚えておいてください。

     現実はほとんどのICOに私達が望むような標準はありません。

     更に暗号化トークンの価値は現在は非常に揮発性が高くビットコインを含めその他の大幅な価格上昇は近い将来急速な冷え込みも考えられます。多くのアナリストは現在の暗号化市場と90年代のドットコムバブルの類似性を指摘しています。ドットコムバブルは崩壊しましたが、損背景にある基礎的な技術(インターネット)はなくならず、多くの可能性を切り開き世界を変えました。同じことが暗号化でも起きるでしょう、たとえそのバブルが崩壊しても。

     人々が最終的に求めているのは信頼を背景とした本当の価値です。信頼はe-Residencyの価値の一つです。政府に保証された安全なデジタルIDsそれを活用したオープンで透明性の高いビジネス環境があります。これが私たちが信頼のあるICOの誘致にフォーカスする理由です。

     ではどうやって信頼あるICOをe-Residencyを通じてサポートするのか?

     最も明白なソリューションは法律を変えることです。エストニアは仮想住民の起業家を支援するためやこれから成長する産業を支援するために法律を改定する意志があります。例えば、エストニアはヨーロッパの中で配達ロボットとライドシェアを合法にした最初の国です。さらに人工知能の法律の枠組みに関しても議論をしています。

     しかし、ソリューションを探すために必ずしも法の力が必要なわけではありません。さらに、多くの複雑さがあり、その中にはEUの枠組みで取り組まなければいけないものもあります。

     これらの議論は現在進行中です。しかし、私たちが最初にやらなければいけないことははっきりしています。規制された環境下において合法的に責任のあるICOを立ち上げるための明確なガイドラインを出すことです。

     e-Residencyは積極的に責任のあるICOを支援したいと考えています。私たちは国家としてその組織のICOをバックアップすることはできませんが、e-Residencyを通じたICOでの信頼性を高めるたるのガイドラインを提供することができます。そのガイドラインには投資家により高い信頼性と透明性を確保するためのベストプラクティスが含まれます。

     私たちは現在ガイドララインを作成中です。何がガイドラインに加わるべきかフィードバックをください。例えば暗号化トークンの分類や、どのような法律に従わなければいけないのか、どのようなベストプラクティスに従わなければいけないのかなどをガイドラインに含める予定です。こうすることによって投資家は投資がどのように使われているかをトラッキングすることができます。

     最もトリッキーなICOに関わる課題はトークンの分類です。トークンは証券なのか、利用料なのか。私たちのガイドラインは両方を取り組まなければいけません。起業家が自分のニーズに合わせて正しい分類のトークンを選べるようにしなければいけません。ある責任を避けるようにICOのトークンを構成するのではなく。私たちは起業家の暗号化トークンが「証券」とラベルづけされる事に慎重なことを認識しています。しかし、これは投資家からのより高い信頼を得られる方法です。私たちは大胆に起業家が証券としてのトークンをもっと実施しやすいビジネス環境を支援していきたいと考えています。

    「エストコイン」の提案が発表されてからe-Residencyの申請が跳ね上がりました。多くはICOへの投資が目的だと理解しています。つまり、e-Residencyを通じてデジタルIDとリンクした形でICOを実施することは成長しつつある投資家のコミュニティーへのアクセスのコスト、時間と手間が軽減される事を意味しています。

     多くの仮想住民はすでに投資目的でこのプログラムを利用しています。しかし、私たちの長期的な目標は投資家と起業家のコミュニティーによる規模の経済を実現する事です。

     商業セクターも起業家と投資家を支援する重要な役割があります。例えば金融や弁護士サービスです。もしこれを読んでいて支援できるとお考えであれば私たちのチーム(e-resident [at] gov.ee)にコンタクトしてください。

     私たちの目標はエストニアが信頼あるICOの世界でのベストオプションとなる事です。それは公共と商業セクターが協力してe-Residencyや透明性の高いビジネス環境といったエストニアのユニークな特色を活用することで実現します。エストニアはエンジニアたちがSkypeを開発することによって通信の中間業者を取り除いて以来、ビジネスの技術革新の最前線にいます。私たちはブロックチェーン、暗号トークン、安全なデジタルIDによって証券の中間業者を取り除くことができる機会に直面しています。これによりe-Residencyを通じて世界規模で真に分散化されたP2Pの証券取引を実現することができます。

    エストコインはどのようなものになるのか?

     公共と商業セクターの議論の中で私たちはエストニアの暗号化トークンがどのように機能しするか世界中からのフィードバックに基づいて審議しています。

     このプロジェクトの当初のニックネームは「エストコイン」でしたが、エストコインという名前は急速にグローバルブランドとなりましたので現在でもそのまま使っています。

     私たちはデジタル国家にとって、利用者にとって有効なエストコインを一つだけではなく、三種類を特定しました。三種類全て実行可能で欧州中央銀行に警戒心を抱かせるものではありません。

     私たちは批判にも関わらずエストコインの準備を進めるのではなく、批判に感謝をして進めます。批判によってどのように推進すべきか理解できたからです。

     一つまたはそれ以上のエストコインが複数の目的を実現するために実行される可能性があります。

     以下がそれぞれのエストコインの背景です。

    1. コミュニティーエストコイン

     暗号化トークンの強みの一つは行動に対してインセンティブを与えることです。トークンの保持者はコミュニティーの成長から恩恵を受けます。

     Ehtereumの創業者であるVitalik Buterinに私たちのアイデアの概要を発表まえに共有したのですが、これはその時に特に強調されたポイントです。以下がその引用です。

    e-Residencyエコシステム内でのICOは仮想住民とファンドを同じ方向性に向かせる強いインセンティブを作り上げます。共同にできることが多いため、経済的な側面を超えたコミュニティーへの帰属意識を高めます。

     コミュニティーエストコインは世界中の人たちが仮想住民として参加することにインセンティブを与え、e-Residencyの価値を引き出すことで新しいデジタル国家の成長に寄与すると考えられます。これには投資家や起業家がe-ResidencyをICOのプラットフォームとして活用することも含みます。

     すでに多くの仮想住民が様々なやり方でデジタル国家の成長にボランティアとして貢献してくれています。彼らの経験をコンテンツとして共有したり、他の人をプログラムに紹介してくれたりしてくれています。しかし、私たちはその貢献にどのようにリワードを提供したり支援できるか分かりませんでした。

     更に仮想住民の最も価値のある活動の一つはお互いのビジネスや実際のエストニア国民とのビジネスの活性化です。つまり、e-Residencyは公共サービスへのアクセスだけでなく、成長する価値あるコミュニティーに参加することによって事業を拡大することです。

     幸いに私たちはすでにコミュニティープラットフォームがあります。そこでエストコインがプラットフォームの「利用料」として価値のあるものとして、コミュニティーの成長に貢献した参加者には自動的に発行される仕組みが考えられます。

     例えばe-ResidencyのWebサイトにトラフィックを送り、実際に新しく仮想住民が増えた場合に、その仮想住民にはエストコインが発行されるなどです。またコミュニティー内でクラウドソーシングのような仕組みを作ったりが考えられます。

     エストコインはネットワーク効果でプラットフォームの成長を可能にしますが、調達された資金はこのプラットフォームのさらなる開発やエストニアでビジネスをする企業への再投資にも活用できます。

     私たちは商業セクターからの参加も求めています。商業セクターはeResidencyエコシステムで重要な役割を担っています。会計処理やバンキング、バーチャルオフィスなどのサービスをエストコインで利用できるようにしたいと考えています。仮想住民に対して様々なサービスを提供する企業があり、エストコインの交換も奨励していきたいです。

     実際にコミュニティーエストコイン立ち上げのための国家的ICOには公共と商業セクターのパートナーシップが必要です。単一組織がトークンとファンドの分配を管理すべきではないからです。

     最初のフォーカスは「利用料」としてのエストコインですが、e-Residencyの開発によってデジタル国家の成長の恩恵をエストコイン保持者が受けることも重要です。つまりコミュニティーエストコインは最終的には伝統的/暗号の双方の交換所でオープンに取引されることを意味します。実際には投機家を抑制するためにロックアップ期間が必要となるでしょう。エストコインの保持者はデジタル国家の長期的な成長から恩恵が受けられるようになります。

     透明性は仮想住民やその企業だけでなく、プログラム自体にとっても重要です。つまりエストコインの供給量について明確にしなければいけません。どのような法律の元でどのような利用ができるのか。ブロックチェーンのフェデレーションがエストニア政府と独立組織のネットワークのリーダーシップを提供するために必要となるでしょう。

     このような暗号化トークンの利用は多くの人たちが自律して全ての人たちのために協力しながら働く役に立つでしょう。私たちはすでに仮想住民がお互いにつながりビジネスをともに加速していきたいということを理解しています。またここ数ヶ月の間、エストコインを得たい人が増えていることも理解しています。

     e-Residencyプログラムはデジタルスタートアップとして国全体をオンラインでスケールアップするというこれまで誰もなし得なかったことを行っています。これは仮想住民へのメリットが高まるにつれて加速的に進行しています。コミュニティーエストコインはこれをさらに加速するメカニズムとなります。コミュニティーに参加する価値を高め、成長を助ける人たちにリワードを提供することにより全体のサービスを劇的に改善することになります。

    2. IDエストコイン

     エストニアのデジタル国家の中心(そしてe-Residencyプログラムの中心)は政府が提供する安全なデジタルIDです。

     これはデジタルIDでも世界をリードするイニシアティブです。しかし最先端でい続けるためにはそれを支える技術を継続的に改善していく必要があります。エストニアはすでにいろんな意味でブロックチェーン国家と言えます。ではブロックチェーンを活用してIDをトークン化してみてはどうでしょうか。

     このモデルにおいてエストコインはデジタル社会の中で利用されるブロックチェーンベースのトークンとなります。例えばデジタル署名、サービス利用のためのログイン、スマートコントラクトの実行などです。

     エストニア国民と仮想住民はデジタルIDに紐づく一定量のトークンを得ることができ、必要な時にはその量を増やすことができます。たとえこのIDトークンが購入されたとしてもエストニアの売り上げとはなりません。ネットワークの維持に利用されます。実際にこの提案によって全ての人はコストを抑えることができるようになります。

     このIDエストコインとコミュニティーエストコインの大きな違いはここです。IDエストコインは身分証明の一部なので取引したり売ることはできません。実際にe-Residencyプログラムが成長して人の数が増えればIDエストコインの価値は下がります。これは時間とともに取引コストが下がることを意味し、規模の経済に寄与します。

     すべの人が望むものではないかもしれませんが、この仕組みは私たちのビジネス環境にさらなる透明性をもたらします。しかしこの透明性は多くの人が仮想住民になることを選ぶ理由の一つです。透明性は仮想住民がグローバルでビジネス展開をするための信頼の源泉となります。実際にこのIDエストコインモデルはエストニア警察や国境警備隊がある状況下において法律違反を犯した仮想住民からトークンを取り上げることにも利用できます。

     なぜエストニア国民や仮想住民はこのIDエストコインを推進したいのでしょうか?

     IDエストコインにより現在デジタル国家を運営するために使われている技術をなくすことができ、そのコストも削減することが出来ます。

     エストニア国民と仮想住民はこの低コストの恩恵を受けるだけでなく、デジタルIDを利用してさらに簡単にサービスを受けることが出来ます。

     例えば、私たちは最近デジタルIDカードの証明書に関する問題があり、停止する必要がありました。実際にハッキングされた形跡はなく、新しい証明書もすぐにダウンロードできるようになりました。しかし、スムーズなプロセスとは言えませんでした。このケースを通じてデジタル国家はIDサービスがスムーズに機能し統合するために商業セクターに大きく依存していることがわかりました。

     対照的にIDエストコインはどのようなデバイスでも機能し、アップデートは必要ありません。

     エストニアにとってこれはデジタルインフラの信頼性、安全性、透明性の劇的な向上につながります。そして国をもっと効果的にスケールアップすることを可能にします。エストニア政府の様々な部門はe-Residencyの利益のためにハードに働いています。国境警備隊がIDカードを発行し、各国の大使館に届けます。そしてIDカードを手渡すために対面の面談をします。

     しかし、もし私たちが改善して遠隔地からのデジタルIDの認証を合法化したら仮想住民はオンラインですぐにデジタル国家に参加することができるようになります。カードが承認され配達され、自ら取りに行く必要は無くなります。

     IDエストコインの実現は私たちのデジタル国家が未来に備えることとなり、技術と法律が進化に対応することができるようになります。

    3. ユーロエストコイン

     ここまで価値が上がったり下がったりするエストコインのモデルを見てきましたが、単純にユーロと紐づいたエストコインを発行したとしたらどうでしょうか?これがユーロエストコインです。

     私たちはユーロの代替通貨を発行することはありません。しかし、e-Residencyコミュニティー内だけで使える暗号化の分散化の利点と安定して信頼ある認可された通貨の組み合わせの可能性はあります。

     ユーロエストコインと実際の金銭の交換には銀行が必要となります。しかし取引は独立してブロックチェーン上で行われます。つまりグローバルにある無料のコミュニティーベースの交換所で交換がされることになります。必要なのはデジタルウォレットと政府がユーロエスタコインを1ユーロで買い戻すという政府のコミットメントです。

     もしe-Residencyのプログラムチームが15人の小さなコミュニティーだとします。そして誕生日でどのようにユーロエストコインが機能するのかみましょう。メンバーの誕生日に私たちは一人につき10ユーロを使います。つまり一回につき13回の支払いが発生します*1。支払いには銀行で40ユーロセントかかります*2。つまり隠れた支払いコストは5ユーロ以上になりますし、プロセスにも時間がかかります。しかし、この価値は私たちの間で回るだけです。デジタルで処理したいからというだけで銀行の関与が必要あるでしょうか?普段の生活は銀行のネットワークなしで動いた方が早く効率的です。

     では次に日々国境をまたがり交流を続けている仮想住民コミュニティーの複雑さをみてみましょう。仮想住民は世界の住民で、世界中どこでもビジネスができるのが成長の要因の一つです。仮想住民コミュニティー内のユーロエストコインはグローバルの価値交換を可能にし、仮想住民とエストニア国民の間のビジネスを活性化します。

     e-Residencyコミュニティー内のユーロエストコインの運用はビデオゲームなどのオンライン世界でのトークンの運用と似ています。仮想住民はユーロエストコインを購入してそのほかの仮想住民と価値交換をすることができ、必要であれば銀行取引と納税義務に準拠して現金化することもできます。大きな違いは仮想住民はゲームのためにトークンを利用しないということです。仮想住民が得られるのは他の仮想住民との簡単なグローバル取引です。

    新しいデジタル国家に参加しましょう

     私たちはブロックチェーンを通じたトークン国家は今後の地球にとって重要だと認識しています。さらにICOはスタートアップの成長のあり方を大きく変えようとしています。しかし、信頼と合法性の問題は解決されないといけません。私たちは同時に提案されたエストコインに需要があり、エストコインは仮想住民コミュニティーを大きく成長する可能性があることを理解しています。

     私たちは引き続きこの提案をエストニアの公共と商業の両セクター、暗号化起業家、投資家、世界のパートナーとなる可能性のある組織とともに改善していきます。

     以前にe-Residencyのビジョンに書いたとおり、私たちは人類の歴史の中で非常に短い地政学の境界線に閉じ込められた機会の中で生きています。今は国家は生まれた場所で私たちに割り当てられ、多くの場合はそのままです。このランダムな人口の割り当てが何よりも大きく私たちの機会の大きさを握っています。

     しかし、変化は近づいています。暗号トークン化は私たちが行動するかどうかに関わらず世界の性質を変えます。だから私たちがリードする必要があり、それはすでにエストニアで起きています。私たちは新しいデジタル国家の構築と世界中の起業の民主化という全体の目標にフォーカスし続けます。

    私たちのe-Residencyのビジョンはこちらから。

    medium.com

     エストコインの提案に考えや、応援や、批判をくださった方々に感謝します。全ての人が改善に貢献し、私たちを前に進めています。新しい年にさらにアップデートをすることを楽しみにしています。

     e-Residencyから申請することで私たちのデジタル国家に参加することができます。もしプログラムを利用してEU圏内でEUの企業を立ち上げに興味があればこちらで詳しく説明しています。

    medium.com

    解説

    前回に紹介したアメリカ証券取引委員会とはうって変わって前のめりな姿勢のエストニアです。アメリカや日本のように歴史(レガシー)がないのがエストニアの強みですね。ソ連から離脱して国連に加盟したのが1991年、NATOとEUに参加したのが2004年ですから。

    アメリカやエストニアではICOで発行されるトークンを「証券」としてみなす方向に進んでいます。現時点でエストニアは最もICOに関して最も積極的に取り組んでいる政府と言えるでしょう。エストニアが中央管理の世界と分散管理の世界と二つに分かれた世界を調和させることができるのか、世界が見守っています。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

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    *1:14回の気がするのですがオリジナルは13回と書いてあるので…

    *2:ヨーロッパではデビットカードの利用が多いのでその利用料なのでしょう

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2012年)ベータ公開、コンテンツ移行と本番

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2012年)ベータ公開、コンテンツ移行と本番

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • データ分析大事。そのためのプラットフォームをこの時期に作る。GitHubとか使ってオープンにフィードバックを得るの大事。
    • GOV.UKではペルソナ使わない。あとで出てくるデジタルインクルージョンにもその思想は表れていると思います。公共サービスとしてはイギリスに住む人全員がユーザーであり、ペルソナのような紋切型は適さない。
    • この頃からGDSがイノベーションラボとして機能しはじめる。スケールすることが意識されはじめる。各省庁からチャンピオンを招集。イノベーションラボはトランスフォーメーションの定石。欧米では企業でも同じやり方。イノベーションラボに興味がある方はこちらまで。
    • アメリカのCode for Americaとはこの頃から付き合い。国内外でかなりコラボしてる。
    • この年の後半で戦略発表。1年くらいしかかかっていない。スタイルガイドとか基本となるものの準備も引き続き。

    原文:”A GDS Story 2012

    2010/2011年|2012年|2013年2014年|2015年

    2012年

    1月

    2012前半のスマホ版ベータ

    1月19日

    Photo: Jamie Arnold

    GOV.UKベータのデザインに関するブログ記事

    最初はうまくいかないでしょう。手探りで道を探しながら、地面に杭を指していくでしょう。うまくいきそうなアイデアをスケッチしていき、さまざまなソリューションをテストし、問題を解決する道筋を決める。これは巨大で複雑な作業です。

    1月31日

    2012年2月時点でのベータ

    GOV.UKベータの一画面

     GOV.UKのパブリックベータ版がローンチされました。それは「私たちの最初の大きなプラットフォーム」と呼ばれました。

     チームはgov.uk/tourを作っていろんな人に見せました。ベータ版はwww.gov.ukで公開されていましたが「非公式」のままでした。まだwww.direct.gov.ukを置き換えていませんでした。移行作業は2012年10月までのかかるはずです。ベータユーザーはGet Satisfactionページからフィードバックを求められました。

     エンゲージメントチームはソーシャルメディアをモニターしました。フィードバックの有用な分析をまとめました。Sotryfulの概要も含めて。

    ベータのローンチ直前のユーザー分布図

     Tom LoosemoreとMartha Lane FoxがBBCのニュースでインタビューを受けました。

     ベータ公開その日のうちにチームはユーザーのフィードバックに基づいてベータ版を反復改善しました。次の日にはより多くのフィードバック、より多くの反復改善。このような改善作業をひたすら続けました。

     この頃、GDSのメンバーは急速に増えます。Directgovの移行期日までわずか数カ月で、チームはより多くの人手を必要としました。

    2月

    ユーザーフィードバックのためのGet Satisfactionページ

     必然的に問題がたくさんありました。ベータユーザーは彼らが問題をフィードバックし、チームはそれを修正しました。この場合、火曜日のイースターがベータでは月曜日となっていました。

    2月1日

     一般市民からのGOV.UKに最初のプルリクエスト(Github)Matthew SomervilleはBank Holidaysページの間違いをフィードバックしました(スコットランドのBank Holidaysの間違った日にち)

    2月7日

     GDSとGOV.UKのブランドアイデンティティを生み出す – GOV.UKを全て大文字で表現したのがこれが初めて。これ以来ずっとこのように表現しました。

    GOV.UKのための斬新なロゴやアイデンティティはありません。これは時間とお金の節約でもあります。またGOV.UKが覚えてもらいたいURLだということもあります。単純にGOV.UKが必要な場所であること。新しい名前やアイデンティティーを発見または理解する必要はありません。しかし、名前を実際のアイデンティティーとするには(あるいは、オフィスで「何か」と言っているように)、常に大文字とすることに決めました。このようなことに多くの時間を費やしていると思われますが、私たちは約10分間でそれを決めました。

    2月10日

    シリコンバレー訪問中のMike Bracken、Liam MaxwellとFrancis Maude

     Mike Bracken、Francis MaudeLiam Maxwell(当時内閣府のIT改革グループで働いていた)はシリコンバレーのコンタクトを訪問しました。企業と公共部門の連携について視察しました。

    2月28日

     gov.uk/government内でInside Governmentのローンチ

     これはチームの構成と考え方が反映されています。GOV.UKの作業は「主流」と「Inside Government」という2つのプロジェクトと2つのチームに分かれていました。

    「メインストリーム」は市民向けのサイトでユーザーニーズに直接対応するもの。

    「Inside Government」はそれぞれの官公庁の旧来のページと似ていて、その省庁の仕事と役割について説明していました。

     このブログ記事のコメントは興味深いです。公開された翌日、誰かがアクセシビリティが貧弱だとコメントしました。数時間後チームはそれを改善するために変更を加えました。

     Neil Williamsはブログ記事を書き、Inside Governmentの「ガイド付きツアー」を紹介しました。

     そのブログ記事にある画像の1つはすべての官公庁は同じようにシングルドメインで公開されることを指しています。

    3月15日

    紙に穴を開け、その上に「ユーザー」と書きました。 穴から忙しい歩行者横断が見えました。

    Ben Terrett:

    誰かがいくつかのペルソナポスターを貼って、私はそれに対して怒りました。全ての市民が私たちのユーザーで、いい見た目のペルソナなんかじゃない。私は紙に穴を開けて窓に貼りました。

    3月23日

     Mike Brackenは2012年の予算に対応するブログ記事を書きました。彼は財務省からのこれらのコミットメントを強調しました:

     … 2014年から新しいオンラインサービスはそれに責任がある閣僚が自分自身でそのサービスを問題なく利用できることを実証できる場合にのみ公開することとします。また、2012年末までにすべての情報が「GOV.UK」シングルドメインのもとに公開され、2015年までにすべての手続きを「デフォルトでデジタル」アプローチに移行する予定です。

    3月28日

     デジタルリーダーの第1回会合。多くの異なる官公庁から集まり、知識と経験を共有するグループ。

    デジタルリーダーのRachel Neamanは次のように書いています:

    部門内のデジタルは孤独な場所です。しばしばオタクやトレンディな若いものの特殊な場所とみなされています。そのため、真の変化をもたらすための政府機関をまたがるプロフェッショナルのネットワーク作りは遅れています。厄介な問題に取り組んでいる人たちがほかにもいるということはよい発見です。今日も明らかになったことは単純で簡単な解決策はないということです。

    4月3日

    デザイン原則のアルファ

     デザイン原則アルファ版の公表。Tom Loosemoreのコメント:

    原則に従うことでチームは自律的に動くことができます。

     Head of Designのコメント

    デザイン原則がかつようされるにはシンプルで、明確で、役立ち、わかりやすくなければいけません。このデザイン原則が1ページのHTMLでまとめられ、各原則それぞれURLリンクを持っているのはそのためです。多くのデザイン原則は巨大なPDFファイルで読まれません。

    Dafydd VaughanとMazz Mosley

     その頃、GOV.UKの開発者(Dafydd VaughanMosely Melyを含む)数名がNumber 10 Downing Streetを訪れ、技術的な課題を検証しました。

    4月30日

    悪名高い出来事:Pete HerlihyはInside Governmentチームのアイスボックス(やらなければいけないけどまだ優先順位が付けられていないタスクリスト)を削除してしまいまい、多くの同僚を恐怖の底に突き落としました。

     彼はこの件についてこう書いています:

    もしそれが重要なら覚えているはず。…ある時点で、アイスボックスは50ストーリー以上になっていたため、私は全体を削除することに決めました。バックログの信頼性の問題となるので、そうするしかありませんでした。私たちチームのマントラは「覚えているのなら重要」でした。このマントラに従うことで実際にかなり自由になりました。

    5月14日

     Inside Governmentベータ終了。Ross Fergusonはそのフィードバック(いいのも悪いのも)について書きました

    5月25日

    チームは2012年5月にショー・アンド・テルを実施。チームの規模はどれくらいで、どれくらいのスペースがあったのか、そして壁がどれくらい空いていたのか注目してください

    5月30日

     新しいAssisted Digitalチームの最初のブログ記事。デジタルスキルが高くない人たちが新しいデジタル公共サービスを使えるように支援する。

    Rebecca Kemp がassisted digitalについて解説しています

     Assisted Digitalはユーザーやサービスによって異なります。ユーザー自身がデジタルサービスを利用できるようになるためにインターネットが使えるように支援することかもしれませんし、デジタルサービスの利用のために支援してくれる場所の提供かもしれません。Assisted Dugitalはそれを必要とする人々のために電話または対面サービスを提供します。

    6月26日

     Digital Performance Frameworkのアルファ版リリース。これは後にPerformance Platformの重要な部分となります。

     同じ日にChris Heathcoteは開発スピードに関してブログ記事を書きました。ユーザー中心の反復アプローチがどのように小さな変更を迅速かつ容易に行うことができるかを強調しました。

     これに続くのは正式な開発プロセスのスピードアップ版です。プロトタイプを作成し、フィードバックのためにチーム間で共有。改善されていることの確認、コードの変更、コンテンツエディタの変更点のチェック。カレンダーアプリの変更をプレビューサーバーにプッシュし、再びレビューされ、正式公開となります。これは一日で完了します。

    7月2日

     GOV.UKの編集スタイルガイドのアルファ版を公開。Sarah Richardsは次のように書いています。

     スタイルとははっきりと、簡潔に、専門用語なしで書くことです。単純さはすべての人に恩恵をもたらします。これを「バカ扱い」とする人たちもいます。しかし、オープンで誰もがアクセスできるのは「バカ」なことではありません。私たちの責務です。

    7月3日

    新しいタイポグラフィで少し引き締まる

     次のリリースの後、デザインチームはGOV.UKのタイポグラフィーの変更についてブログ記事を書きました

    7月11日

     Twitterアカウントを@govukから@gdsteamに変更。チームはGOV.UKとともに他のプロジェクトに取り組むために急速に拡大していたので、それに対応するための変更でした。Louise Kidneyは次のように書いています。

     私たちは成長、変化しました。私たちは私たちのスコープは@govukを越え、市民からの他のサービスについての問い合わせを受けています。現在の状況に対応するため、Twitterアカウントを@govukから@gdsteamに変更します。表面上はあまり大きな変更ではありませんが、私たちのルーツに立ち返った変更でもあります。

     開発チームがGOV.UKのアップデートをタイムラプスビデオにしたのがこちら。

    7月18日

    問題の多かったカルーセル

     フィードバックとユーザー調査の後、GOV.UKベータ版のフロントページにあるカルーセルが削除され、よりシンプルなテキストベースのリストに置き換えられました:

    よりシンプルなテキストバージョン

    8月10日

     GDSは貿易関税(Trade Tariff)の改良バージョンをリリースしました。これは当時の重要なビジネスリンクの一部で、チームとしてもとても重要な成果でした。小規模の民間サプライヤーと協力して以前の成功しなかった試みをわずかなコストで完成できました。

    8月24日

    さらなるイタレーション。Sarah Pragのブログでの解説

    10月2日

    2012年10月のGOV.UKベータ

    ホームページを大胆に刷新」 このリリースはブラウジングとナビゲーションの問題を解決しようとしました。

     翌日にブログ記事で解説しました

    10月4日

     当時の身分証明プログラム(Identity Assurance Programme:後にGOV.UK Verifyになる)は全国紙で報道されました。 Steve WreyfordはIDPチームの仕事を支える3つの原則についてブログに書きました。

    10月9日

     Directgovからの移行期限が近づいてきたので、Etienne Pollardはこれまでの作業をまとめました。彼はGOV.UKのスコープの「これを満たした入れる」リストを含め、ユーザーニーズを中心に置くことについて書きました

    10月10日

     コンテンツデザイナーのPadma Gillenは市民のためのWebコンテンツと顧客のためのWebコンテンツの違いについてブログ記事を書きました

    政府と関わるのはそれが必要だからです。市民として必要な部分です。できるだけ早く簡単にしたい。そうすれば人生にとって有意義な部分に時間を使える。利益となる動機がないので、行動は変えたくない。

    10月11日

    Photo credit: Paul Downey.

     Paul DowneyはDirectgovからGOV.UKへの移行に関してチームがどのように「ひとつのリンクも取り残さない」ことをどのように確認したか解説しました。

    10月16日

     2005年からDirectgovに取り組んでいるGraham Francisがその歴史をブログで振り返りました

     当時の内閣府のFrancis MaudeがブログでGOV.UKの紹介をしました。開発チームはGOV.UKの構築に使用されたソフトウェアを公開しました。

    Etienne Pollardは「ビジネス・リンクからすべてをコピーしただけではありません」と説明しました。

    これはGOV.UKから「ベータ」ラベルを削除したコード変更です。

    10月17日

    公開した!Photo: Tom Loosemore

     すごい日! GOV.UKはベータからライブに移行し、正式にDirectgovとBusiness Linkを置き換えました。

    全く問題なし

     開発者のPaul Downey:「国のウェブサイトをローンチした。問題なし」とツィート。 Mike Brackenは「なぜこれは重要なのか」という。ブログ記事書きました。そして私たちは動画をアップしました。

     ケーキを食べました。 このケーキはGDSの伝統と言えるなにか。

    10月18日

    分析ダッシュボード

     Sarah Pragは最初の日の数字を書きました:909,706人のユニークユーザーの1,129,578回の訪問。

    10月23日

     パフォーマンスプラットフォームのベータ版。

    10月26日

    開発者のJames WeinerがGDSを去るときにこれまでを簡単に振り帰りました

    おそらく、これまで働いたどの場所よりもGDSで学んだことは大きかったです。みんなが喜んでたみんなを助け合う。これはいい仕事ができる理由でもあります。お互いの意見や経験を尊重し、なおかつ建設的に批判をします。個人的な気まぐれではなく、使いやすいサービスを作ることを第一の目的としています。

    同日、私たちはチームがアジャイルでスケールすることに関する学びについてブログ記事を書きました:

    私たちは、本、ブログ記事、専門家がいう通り、より少ない作業をすることにコミットするべきでした。

    11月2日

    開発者のGareth Rushgroveによる定期的なリリースによるリスク削減について

    小さなカタマリを定期的にリリースすることで、何が変更されるのかがはるかに分かりやすくなります。何か問題が生じた場合は、そのカタマリを元に戻して、無かったことにする方がずっと簡単です。

    11月6日

     Government Digital StrategyDigital Efficiency Report発表

     この戦略には「可能な限り意味があり測定可能なアクション」のリストが含まれています。

    1. 官公庁および公共サービスに関わる行政機関のボードメンバーには活発なデジタルリーダーを含むこと
    2. 年間10万件以上のトランザクションを処理する公共サービスは経験豊富な権限のあるサービスマネージャーによって再設計、実行、改善すること
    3. すべての官公庁は人材を含め組織内に適切なデジタル機能があることを確実にする
    4. 内閣府は官公庁のデジタル機能の向上を支援する
    5. すべての官公庁は年間10万件以上を処理するサービスを再設計する
    6. 2014年4月以降、新しいまたは再設計されるすべての公共サービスはデジタルを基本とする(Digital by Default)
    7. 2013年3月までに24全ての官公庁のパブリッシングはGOV.UKに移管し、2014年7月までに関連政府機関や外郭団体のオンラインパブリッシングを移管する
    8. 官公庁はデジタルサービスの意識を高め、より多くの人々に周知、利用促進をする
    9. デジタルを活用支援するための政府間のアプローチを行う。オンラインを使ったことがない、ほとんど使わない人たちのためにオフラインでもアクセスできるサービスを提供したりデジタルを利用できる支援を行う。
    10. 内閣府はより軽量な入札プロセスを提供。規制要件が許す限り、業界でのベストプラクティスに近いレベルまで絞りこむ。
    11. 内閣府は次世代デジタルサービスの基盤となる新しい共通プラットフォームの定義と提供をリードします
    12. 内閣府は各省庁と継続的に協力し、便利なデジタルサービスの開発を不必要に妨げる立法上の障壁を取り除く
    13. 各省庁は内閣府が定める公共サービスのための一貫した管理情報を提供する
    14. 政策チームはデジタルツールと技術を駆使して一般の人々と関わりを深め対話していく
    15. 公共、営利団体および非営利団体など、セクターをまたがるパートナーと協力してオンラインサービスを人々に提供する協力関係を築く
    16. オープンデータを推進することにより、公共以外の新しいサービス構築とユーザーへの情報提供の改善を支援する

     これらのアクションはGDSにとっての今後の業務範囲の定義となります。Digital Efficiency Reportはこれらのアクションの基礎となっています。

    翌日、官僚のSir Bob Kerslakeは次のように書いています

    政府のデジタル化は幅広い利益をもたらします。政府のコスト削減と革新を推進し、国民にとって簡単で使いやすいサービスの提供を可能にします。私はデジタルが基本(Digital by default)を積極的に受け入れます。これはユーザーのニーズを満たすために行うべき正しいことというだけではなく、公共サービスに関わる人間にとって新しいやり方だからです。

    11月7日

    2012年11月時点のInside Government

    11月13日

     米国の仲間であるTim O’ReillyとJennifer PahlkaがGDSに初めて訪問*1

    11月15日

     Inside Governmentのローンチ

     これは長い移行フェーズのはじまりでもあります。各省庁で管理されていた何百もの古いウェブサイトをGOV.UKに移行させました。


    Inside Government

    11月26日

     Digital Leaders Networkが公式に発表されました。このアドバイザーグループ(政府機関の内外から構成)はシステム全体にわたって新しいガバナンスを構築して実行する上で不可欠でした。 彼らは後でGOV.UK戦略に同意し、それを元に各官公庁のデジタル戦略の開発を推進しました。Kathy Settleはその作業を指導する上で重要な役割を果たしました。

    12月10日

    Migratoratorの利用方法

     テクニカルアーキテクトのAnna ShipmanはGDSが開発したマイグレーションツール”Migratorator“について解説しました

    身元認証サービスの初期プロトタイプ

    12月13日

     改革チームについての短編映画。この時点ではまだまだ小さな規模でしたが、すぐに25の模範プロジェクトからなる組織になりました。2013年から2015年の間のGDSの新しいフォーカストなることが2013年1月のSprint 13で発表されることになります。

    12月14日

     GDSはLiam Maxwellが政府の最高技術責任者(CIO)としてGDSに参加すると発表しました。この人事に伴いIT Reform Groupが内閣府からGDSに移管されました。

    12月21日

     政府のAssisted Digitalの取り組みが発表されました

     同日18の官公庁がデジタル戦略を発表しました。Tom Loosemoreは次のように書いています:

    これまでではじめて、政府はデジタルの時代にふさわしいユーザーの期待を叶える集合的な野心を持つに至りました。

     前回に引き続き、イギリス政府のGovernment Digital Service(略称:GDS)が自らの組織とGOV.UKの成り立ちをブログ記事にした”A GDS Story“の翻訳です。

     今回は2012年の出来事。GOV.UKがベータ版から本番公開となります。繰り返し、繰り返し出てくるのが「ユーザー中心」の考え方と行動。これは本当に「言うは易く行うは難し」の代表例です。これがGOV.UKの成功のカギだと思います。単にデザインや開発技術を駆使したプロジェクトだったらこのような成功を収めていなかったでしょう。

     そしてデザイン原則、編集スタイルガイドや移行ツールなど基盤となるものを着々と準備するところがすごい。他にも読む人にとっていろんなところが参考になると思います。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

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    *1:このエピソードはティム・オライリーの著書”WTF”にも書かれています。これがCode for Americaの話に繋がってたりする

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2010/2011年)チーム立ち上げ、アルファからベータへ

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2010/2011年)チーム立ち上げ、アルファからベータへ

    ざっくり言うと

    • 偉い人のエアカバー大事。GOV.UKの場合は当時の内閣府大臣のフランシス・モード(Francis Maude)。GDSがかなり自由にやれたのはこの人のおかげ。ここには書いていないけど、当時のイギリス政府の課題の一つは増え続けるコスト。フランシス・モードはこのプロジェクトを通じて実はかなりコスト削減をしている。つまり、GDSをサポートする動機がフランシス・モードにはちゃんとあった。
    • 最初は16人のアルファチームでスモールスタート。このあとイノベーションラボ方式でスケールする。外からチームを招集して内製化。
    • アルファから一般公開。フィードバックを初期からとる。ユーザーリサーチ大事。一貫した行動を取るための原則がはっきりとあったのがGDSの強み。だからデザイン原則はかなり早い時期から形になっていた。
    • 8週間で最初のサービスをローンチ。すっごくアジャイル

    原文:”A GDS Story 2010” and “A GDS Story 2011

    2010/2011年|2012年2013年2014年|2015年

    イントロダクション

    GDSに訪れる訪問者に最もよく聞かれる質問は以下の三つ。

    • どうやってはじまったんですか?
    • どうやってここまで来たんですか?
    • どうやったら私たちの政府/チーム/組織は同じことができますか?

     これはこれらの質問に答えようとする試みです。これは慎重に組織の記憶をくみ出すことでもあります。わたしたちは常に自分たちのデザイン原則を信じています。そのひとつに「オープンにして、改善する」があります。これは私たちのスタート地点とこれまでの道のりについてのオープンな物語です。

    一つだけ注意点

     このストーリーは網羅的ではありません。物語のすべてではありません。そのためタイトルは “a story”であり “the story”ではないのです。間違いや抜け漏れなどいろいろと問題もあるでしょう。なにか不具合を見つけたら私たちに連絡してください。

    2010年

    2011年のDirectgovホームページ

     「英国デジタルチャンピオン」に任命されたMartha Lane Foxは当時の主要政府のウェブサイトであるDirectgovのレビューを行うよう依頼を受けました。彼女はTom Loosemoreを含むチームを招集しました。また、すでに独自の調査を行っていたコンサルティング会社のTransformも参加しました。

     Directgovに取り組んでいるチームは何百ものウェブサイトを閉鎖する野心的なプロジェクトにすでに取り組んでいました。数年後、Sarah Ricards(後にGOV.UKのコンテンツデザイン担当ヘッドになる)は次のように書いています

    私と素敵なチームがすべてのルールを守れば、決して何もなしえなかったでしょう。私たちは個人的な関係を使い一丸となって働き、上から跨いだり下を潜ったりしました。やれることすべて。ピカピカに光ったものができた?いいえ。素晴らしいものができた?いいえ。前よりいいものができた?はい。DirectgovがなかったらGOV.UKをローンチできなかったでしょう。

    10月14日

     Martha Lane Foxは当時の内閣官僚だったFrancis Maude宛てに手紙を書きました。その手紙で「進化ではなく革命を」と要請しました。

    私はDirectgovだけを切り出してレビューしません。政府がインターネットを活用して国民との会話ややりとりを改善すること。インターネットへシフトすることにより大幅に効率性を改善する一環と捉えています。

    この手紙がきっかけとなりGDSが設立されることとなりました。

    11月

     Martha Lane FoxsのFrancis Maude宛の手紙と彼の返信Transformによるサマリーとともに公開されました。

     官僚のChris Chantが責任者としてこの新しい組織の責任者に任命され、GOV.UKアルファ計画を立てました(この時点では、プロジェクトは「alphagov」と呼ばれていました)。 Chantの任命は翌年の2月まで正式には発表されませんでした。Tom Loosemoreはチームづくりを任されました。Chantは彼に「キミが必要とする人材を集めよう」と言いました。そして、アルファを構築するチームを探しはじめました。 早い段階で、David MannNeil Williams(後にGDSでGOV.UKのヘッドになる)に声をかけました。

    12月

    GOV.UKナビゲーションバーの初期ワイヤーフレーム

    GOV.UKにある10 Downing Streetページの初期ワイヤーフレーム

     クリスマスの直前、ホワイトホール向かいのデジタル人間達が仕事の後にランバート・ノースのパブに集まり、実際にMarthaのビジョンをどのように実装するかを議論しました。そのうちの2人、Neil WilliamsとWill Callaghanはワイヤーフレームのモックアップで考えを図案に落とし込んでいきました。

    2011年

    1月

     最初のアルファチームがウォータールー駅の近くの政府ビルHercules Houseに集められました。Tom Loosemore、Richard PopeDavid MannJamie Arnoldです。

    2月

     2月からさらに多くのメンバーが参加しました。James StewartJames WeinerPaul AnnettRelly Annett-BakerLisa ScottBen GriffithsMatt PattersonJoshua MarshallHelen LippellRussell GarnerPeter Jordanです。

    March

     アルファチームの仕事がはじまりました。Tom Loosemoreがブリーフィングをしました。「閣僚達に”この中のどれかが欲しい”と言わせるものを作る」

    初期のGOV.UKアルファのマインドマップ

     チームは壁にプロジェクトのマインドマップを描きました。

    Richard Popeによる初期スケッチ

     Richard Popeによるこの初期のスケッチはチームのアイデアが後期のものとどれほど違っているのかを表しています。そしてDirectgovとも大きく異なっていました。このスケッチでは、ページの上部にバナー広告風のCTAスペースがあると想定されていました。ページの多くのスペースは中央の検索窓が確保し「あなたのしたいことはなんですか?」という大きな見出しがありました。初期段階の名前は”ukgov.gov.uk”でした。

     リチャードはFlickrに数百点のスケッチをポストしました

    ユーザーニーズを書いた付箋紙を壁に貼り整理する Photo: Richard Pope

     数週間のアイデア出しとプロトタイプの後、チームは野心的でありすぎることを認識しはじめました。最初のアプローチはあまり適切ではなかった。Richard Popeは「もっと適切な方法を取らないといけない」と主張しました。ユーザーのニーズを優先しないといけない。そこでアルファのスコープを100人のユーザーのニーズに絞り込むことにしました。100人のユーザーニーズを付箋紙に書き、壁に分類しました。

    3月15日

     Government Digital Serviceについての公での初めての小さな告知。「Directgovとそのほかの小さなチームを統合した新組織」

    3月29日

     alphagovプロジェクトが公式に発表された。Tom Loosemoreが責任者(Foreign and Commonwealth OfficeにおけるHead of DigitalのJimmy Leachの助けを借りて)。 ブログで率直な宣言がなされました:

    通常「アルファ」は公開されません。そのあとの「ベータ」ではじめてドアが開けられます。今回はユーザーからの実際のフィードバックを得るためにとても急進的なアプローチをとります。

    4月

     5回目のスプリントに入りアルファチームは作業量と人手不足に苦しんでいました。 アルファが公開された後にJamie Arnoldはこの問題について書きました

    私たち(あるいはむしろ私)はすべてを正しくできていなかった。スプリント5が終わる頃にExcelを閉じて英国王立動物虐待防止協会に逃げ込む準備ができていました。

     チームが完全に集まってからメンバーリストを発表しました。

    4月7日

    アルファのプロトタイプ。パスポート紛失のときの報告ページ。

     これが最初に公開されたアルファの画面。The Daily Telegraphで報じられる

    4月28日

    アルファチームのオフィスに貼られたデザインルール

     Richard Popeは「少ない労力で」「すぐにやれることを見つける」「統一性ではなく一貫性」など、最初のデザインルールに関するブログ記事を書きました。これらは後にデザイン原則の基礎となりました。

    5月9日

     アルファチームのメンバーであるDavid Mannが政府横断のデジタルプロジェクトについて書きました。そしてそれはGDSがはじめての試みでないことも指摘しました

    私たちのプロジェクトは官公庁の広い支持者とともに進める文化的ムーブメントです。よりアジャイルで反復検証するユーザーのニーズに基づくデジタルプロダクトの開発を追求します。

    5月11日

    ローンチ時のGOV.UKアルファページ

     アルファのローンチ(予定より1日遅れ)

     オリンピックスタジアムの写真がのちに追加されました。「西海岸な感じ」を出すようにと言われていました。ゴールは当時の他の政府系のウェブサイトとは根本的に違ったものを作り出すこと。

     反応は概ね好意的でした。しかしいくつか批評もありました。Leisa Reichelt(後にHead of User ReserchとしてGDSに参加)はユーザーエクスペリエンスのリーダーを雇っていないと批判しました(他にもありましたが)。

    ユーザーエクスペリエンスの実践者として、残念ながらうんざりとした気持ちです。エンドユーザーを中心におくとか、政府のニーズや要望よりもユーザーニーズを優先させるとされてきましたが、口だけで実行されていません。他のプロジェクトが参考にすべき点はあまりありません。

     数週間後、Tom Loosemoreはブログで彼の考えについて書きました

     プロトタイプは12週間で261,000ポンド(約4000万円)で開発されました…従来の枠を外した実験的プロトタイプ(またはMVP: Minimum Viable Product)です。社内のチームがオープンかつアジャイルな方法で作業し、ユーザーのニーズを設計のコア プロセス。 これは新しいアプローチではありませんが、まだ政府全体では非常に斬新なアプローチです。

    初期GOV.UKアルファの財務省ホームページ

     もう一つのアルファページ。これは財務省のホームページ。 部門別のニュースはTwitterフィード風になっています。

     Paul Annet(アルファチームのデザインリード)はブログで当時考えていたビジュアル言語について説明しました。また奥付リストツールを作りました。

     アルファはその目標(プロダクトとしての完成ではなく)としていたポイントを達成しつつありました。その点で成功と言えました。数週間で次の段階がはじまります:ベータ。

    5月20日

    Mike Bracken

     内閣府のExecutive Director for DigitalとしてMike Bracken公式に発表されました

    この役割は責任範囲はDirectgovの最高責任者、政府期間をまたがるデジタル改革のリード、デジタルエンゲージメントと透明性のためのディレクターの仕事の一部が含まれます。彼は政府の最高執行責任者(COO)であるIan Watmoreを上長とし、内閣府でGovernment Digital Service(GDS)の100人以上のスタッフを統括します。

     その舞台裏ではGDSが形を作りはじめていました。ベータのスコープの定義をはじめました。

    GOV.UKベータのマインドマップ

     前回のアルファと同様に壁にマインドマップを描くことからはじめました。

    7月

    Hercules Houseの床に敷き詰められたユーザーニーズ Photo: Jamie Arnold

     GOV.UKベータはDirectgovと並行しての作業でした。それを置き換えるまでは。(GOV.UKをDirectgovと置き換えることはJames StewartとEtienne Pollardによってコーヒーを飲みながら2012年の早い時期に決められました。この日は第二候補でした。第一候補の日は政党会議のシーズンだったのです)

     すべてのユーザーのニーズをインデックスカードに書き出して床一面に広げました。それ以外にこれほど多くのニーズを広げてカテゴリー分けと優先順位付けの作業をする広さがある場所はありませんでした。

     Sarah Rishardsはコンテンツデザイナーがどうして必要で、どうやってその役割を作ったかを2016年のブログで説明しています

    デジタルコンテンツは単なる文字ではないことが私にとって熱意となりました。コンテンツが人々が許可されている以上に多くのことができることを政府は理解する必要がありました。ターゲットとするユーザーが情報として消費できることがコンテンツを絞り込むベストの方法です。そのコンテンツとはツール、電卓、カレンダーやビデオかもしれません。コンテンツは文字ではなく意味を持つコンテンツです。そして私たちは英国政府のために「コンテンツデザイナー」という役割を作ることを決めました。

    7月4日

    「オープンなコーディング」アプローチの最初の兆候が現れました。それは後にJames Stewartのブログ記事で説明されています

    7月29日

    e-Petitionsの2011年のオリジナルイメージ

     GDSは最初のプロダクトをローンチしました:オンライン嘆願サービス。これはアジャイル手法で8週間で開発されました。ちょとした使い切りのプロジェクトで自分たちの力を示すいい機会でした。この請願サービスは2015年にGDSと議会チームの協力の元にアップデート、再構築しました。

     同じ日にMike Brackenは最初のブログを書きました。それはGOV.UK Verify(認証サービス)となる仕事を示唆するものでした:

    これまでの学びの二つ目は政府のサービス全体に利用できる認証の重要性です。市民としてユーザーとしてデジタルサービスについて地方政府のものなのか国としてのものなのかはわかっていますが、その責任部門はあまり意識されません。政府をまたがるデジタルサービスの準備するにあたりこのユーザー行動を原理とすることを3週間に渡り繰り返し考え続けました。

    8月

     Mike Beavenが夏にチームに加わりました。彼の最初の仕事は再編成です。新しくなったGDSで人と役割をマッピング。ほとんどのスタッフは新しいチーム内の仕事に再就職しなければなりませんでした。

    GOV.UK初期ベータ

    GOV.UKベータ。これはStatutory Sick Pay (SSP)のページ

     8月に参加したもう一人はChris Thorpe。戦略的思考を行い閣僚への説明を担当しました。”Trust, users, delivery”というタグラインは彼によるものです。

    8月10日

     David Rennieは後にGOV.UK Verifyとなる身分証明プロジェクトを紹介しました

    デジタル時代に信頼関係を築くためのより良い方法が必要です。長いユーザーリストや映画の名前よりいいセキュリティー確保の方法が必要です。GDS身分証明プログラムを通じてこれらの問題に取り組みます。

    8月11日

    GOV.UKのベータが正式にブログで発表されました

    alpha.gov.ukからの学びに基づいて開発し、さらに積み残された多くのギャップも埋めていくつもりです。これまでになかった最も使いやすくアクセスしやすい公共のウェブサイトを作りたいと考えています。単に「アクセス可能」というボックスをチェックするだけでは不十分です。誰にとっても使いやすく、実際に使われるものではければいけません。

    ベータには3つの目標がありました:

    • 市民に対するコンテンツ配信としてのパブリックベータ(内部的に「メインストリーム」と呼ばれる)
    • 新しいパブリッシングプラットフォームとしてのプライベートベータ(各政府機関のスタッフがGOV.UKのページを追加したり管理したりする)
    • GOV.UKのビジュアルアイデンティティと明確なユーザーエクスペリエンスを提供する「グローバルなエクスペリエンス言語」を開発する

    9月19日

    Needotronは内部で使われているユーザーニーズのトラッキングツール。この画面ではタイトル、更新日、名前と優先順位を表示している。

     Richard PopeがNeedotronについて書きました。これは何百ものユーザーニーズと、それを満たすであろうページとページの形式を追跡する内部ツールです。

    10月

    Chris ChantPhoto: Paul Clarke

     Mike Brackenの任命前にGDSの暫定責任者だったChris Chantは今では有名となった「容認できない」演説を政府研究所で発表したしました。これが、その現状の公共におけるITを批判したスピーチの一部です。

    私は12ヶ月以上契約を締結するのは今の時点では全く受け入れられないと考えます。このITの世界において2年前にiPadが出ることを予測できませんでした。それでいて2年、3年、5年、7年さらに10年後まで予測できると考えているのです。まったくのナンセンスです。まったく容認できません。どのようなシステムを所有し、どれくらいコストがかかり、そもそも使うかどうかもわからないのに。

     そしてGDSのブログにこの問題をどう直していくのかを書きました

    11月

    Aviation HouseでのGDSチーム Photo: Jamie Arnold

     GDSはHolbornのAviation Houseの6階にある新しいオフィスに移りました。

     Ben TerrettとRussell Daviesがチームに加わりました。Benは小規模なデザインチームを率いて、それを拡大していきました。彼はガーター勲章を訪れ、GOV.UKで王冠を使用する許可を求めました。そして許可されました。

    11月4日

     当社は身分証明プログラム(Identity Assurance Programme)のために1,000万ポンド(約15億円)の資金を発表しました(これは後にGOV.UK Verifyとなります)

    11月10日

     Chris Chantは中小企業(SME)を招いて政府との対談の場を設けましたGDSと協力してすべてのITサプライヤーが広く競争力を高める方法について話しました。これは後にデジタルマーケットプレイスの一部となりました。

    12月1日

     Emer ColemanがDeputy Director of Digital EngagementとしてGDSに参加しました。

    12月8日

     すでに1年間ほど作業しているのですが、GDSの正式な組織としての「オープン」がこのブログで発表されました

     GDSはオープニングイベントを主催し、プレスを招待しました(イベントの写真)。記事は非常にポジティブでした:

    この記事はイギリス政府のGovernment Digital Service(略称:GDS)が自らの組織とGOV.UKの成り立ちをブログ記事にした”A GDS Story“の翻訳です。

    GDSの取り組みはこれまでいくつか取り上げてきました。日本でGOV.UKみたいなことできないよなあ……なんて思わず考えてしまうすごい取り組みの数々。でも、当然ながら一日でできることではないですよね。最初は小さな一歩でした。それを積み上げていって今があるんですよね。

    プロジェクトはここから加速的に大きくなっていきます。官公庁や政府機関のWebサイトを合わせると膨大な量のコンテンツとなります。それを彼らはどうやって変革していくのでしょうか。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

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  • 米国証券取引委員会の暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関する声明

    米国証券取引委員会の暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関する声明

    米国証券取引委員会の見解のポイント

    • ICOにおけるトークンは「通貨」ではなく「証券」
    • 暗号化通貨/トークンが「証券」なのか使い方に依存する
    • SECはICOに反対しているわけではなく、その将来的な価値は認めている

    原文:”Statement on Cryptocurrencies and Initial Coin Offerings” by EC Chairman Jay Clayton, December 11, 2017

     世界のソーシャルメディアや金融市場は暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)について騒いでいます。富を築いた話や夢が実現した話があります。私たちは「今回こそ違う」という聞き慣れたフレーズを聞きます。

     暗号化通貨とICOマーケットは急速に成長しています。マーケットは地域的で、国家的で、国際的でこれまでにないプロダクトや参加者を巻き込んでいます。また投資家やその他の参加者に多くの疑問を投げかけています。新しい疑問、古い疑問、新しい形をした古い疑問です。

    • このプロダクトは合法なのでしょうか?投資家を守るルールのような規制の対象になるのでしょうか?このプロダクトはそのようなルールに則っているのでしょうか?
    • このような提供方法は合法なのでしょうか?プロダクトを提供するライセンスは必要ないのでしょうか?
    • このマーケットは公正なのでしょうか?価格は操られてないのでしょうか?売りたいときに売れるのでしょうか?
    • ハッキングなどで盗まれたり無くなったりする潜在的なリスクはあるのでしょうか?

     これらを含む重要な質問に答えるには深い分析が必要です。そして、答えは様々な要因によって変わってきます。この声明は主に二つのグループを対象に暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)についての一般的な見解を提供します。

    • 「メインストリート」の投資家
    • 「メインストリート」にインパクトを与えるブローカー、投資アドバイザー、取引所、弁護士や会計士などマーケットの専門家

    解説

    メインストリートはウォール・ストリートに対する言葉。ウォール・ストリートにいるプロの投資家や機関投資家、対してメインストリートは年金基金を含め投資をする一般的な人の集まり。ICOに関わる人たちは主にメインストリートなんでしょうね、こうやって最初に出てくるということは。そういう意味では弱者保護の観点でこの声明が出されていると言えなくもない。

    メインストリート投資家の考慮する点

     暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関して少なからぬ懸念が上がっています。現在の運用において私たちの伝統的な株式市場と比べて投資家に対する保護があまりなく、詐欺や操作の可能性も低くありません。

     投資家は現時点においてICOが証券取引委員会(SEC)に一つも登録されていないことを理解すべきです。同様にSECも現時点において証券取引できる暗号化通貨や暗号化通貨と関連するアセットを含む商品(ETFなど)を登録、許可をしていません。もしそうではないという人がいたら、用心深くあるべきです。

     私たちは投資家に暗号化通貨とICOに関する警告、速報、声明を送りました。中には有名人がマーケティングに関わっている件を含め。どうか、それらに目を通してください。もし投資をするのであれば、質問をして明確な答えを求めてください。役に立つ質問リストを添付します。

     どのような投資であろうと、売り手がリターンを保証したり、あまりにもうますぎる話だったり、すぐに行動を起こすように焦らせたりする場合、特に注意してください。投資したお金が消えてしまうリスクがあります。

     また、このマーケットは国境をこえ国をまたがり多くの取引はアメリカの外にあるシステムで行われていることもあります。あなたの投資は知らないうちに国外に渡っていることもあります。その結果としてリスクは増大します。例えばその国のSECのような組織が効果的に悪徳業者を取り締まることも、ファンドを回復することも難しいでしょう。

     このマーケットについて詳しく知りたい方は、下の「暗号化通貨、ICOと証券規制に関する追加議論」のセクションをよく読んでください。

    マーケット専門家の考慮する点

     私はICOは(それが証券であるかに関わらず)起業家にとってイノベーションプロジェクトなどを含み効果的に資金調達する手段だと考えます。 しかし、証券を含むそのような行為は私たちの証券に関わる法律が要求する情報公開、プロセス、投資家保護が伴わなければいけません。証券の形が変わるからといって、証券が取引される際の基本的なポイントが変わるわけではありません。したがって、法律に準拠する必要があります。別の言い方をすれば、中央で記録された伝統的な企業の利子台帳とブロックチェーンで記録された分散台帳は取引の形を変えますが、本質を変えるわけではないということです。

     私は証券取引を専門とする弁護士、会計士、コンサルタントなどマーケット専門家達に私達のレポート (21(a) Report)とそれに伴う強制措置を精査するよう強く求めます。この21(a) Reportにおいて委員会は歴史ある証券に関わる法律の原則に基づき特定のトークンは投資契約であり証券に該当するため、連邦の証券に関わる法律が適応されるとしています。特にトークンの提供は一般的な企業に対する金銭による投資とみなされ、企業的、運営的な努力によって利益が得られることが期待されます。

     21(a) Reportの発表後、自分たちが関わるICOにおいてトークンまたはコインが「証券」 ではなく「利用料」として色合いが強いと主張するマーケット専門家が現れました。多くの主張は経済的実質ではなく形式を重視するものです。トークンを「ユーティリティトークン」とよんだり、利用料としても使えるようにしても証券であることに変わりはありません。企業努力による潜在的な利益が強調されているトークンとその提供は引き続きアメリカ合衆国の法律の下においては証券としての顕著な特徴を持っています。これらの件について専門知識の適応や判断が求められるとき、私は証券関連の弁護士、会計士などの専門家がゲートキーパーとしてその職務に専念することを期待します。私は投資家保護(特にメインストリートの投資家保護)のために法、プロセス、情報開示義務にといった原則に従うことを強く希望します。

     また、私はマーケットの専門家に売り出す前にコインの販売が証券に関わる法律に該当するかどうかを確認するよう忠告します。証券を売るにはライセンス必要です。取引量の少ない商品や揮発性の高い商品の過度な売り込みは売り逃げや風説の流布など情報操作や詐欺のサインです。同様にこれらの商品を運用するシステムやプラットフォームについても1934年証券取引所法に違反する登録のされていない交換所やブローカーでないか確認するよう注意を促します。

     暗号化通貨について私は2つのポイントを強調します。ひとつ目は暗号化通貨は証券だということです。「通貨」と呼ばれたり、「通貨ベースの商品」と呼ばれていてもです。暗号化通貨や複数の暗号化通貨を組み合わせた商品を売る場合、提供者はその暗号化通貨が証券ではないことを証明するか、証券に関わる法律に準拠しなければいけません。ふたつ目に、顧客への暗号化通貨の販売で利益を得たり証券としての取引を仲介するブローカーなどの市場への参加者はこれらの取引が反マネーロンダリング規制や身元確認(KYC)義務に違反していないか注意をする必要があります。 先に述べたとおり、私はマーケットの参加者にあたかも現金のように暗号化通貨での支払いや取引されるように扱うべきです。

    暗号化通貨、ICOと証券規制に関する追加議論

    暗号化通貨

     暗号化通貨は大まかにいって固有の価値を有するアイテム(例えば現金やゴールドのように)で、支払い、販売などファイナンシャルな取引ができるようにデザインされています。アメリカドル、ユーロ、日本円など長きにわたり確立された通貨のように機能することを意識していますが、政府や中央銀行などの後ろ盾がありません。暗号化通貨のデザインと管理は異なりますが、暗号化通貨の支持者はその潜在的な可能性と将来性について主張しています。(1) 仲介者なく国境をこえて取引ができる能力 (2) 決済のファイナリティー (3) それ以外と比べて低い取引コスト (4) パブリックに取引を確認する能力です。そのほかに個人の匿名性と政府の規制や監視のない点が暗号化通貨の機能としてよく宣伝されています。暗号化通貨に批判的な人たちはそのような機能が不正な貿易や金融取引に使われる可能性や言われているようなメリットが実際には享受できない可能性を指摘しています。

     暗号化通貨は証券ではなく、その提供と販売はSECの範疇にはないと言われています。その通説が正しいかどうかは暗号化通貨と呼ばれる特定のデジタルアセットの特徴と使用方法に依存します。いずれにしても、SECはアメリカドル、ユーロ、日本円での証券取引の影響にフォーカスしているため、同じ興味と責任を暗号化通貨にも有することは明白です。これは暗号化通貨での支払い、投資、クレジット利用を可能にする証券会社やその他の市場参加者にも適用されます。

    ICO

     暗号化通貨の大きな成長とともに、企業や個人はICOによって資金調達を行うケースが増えています。通常は個人投資家がアメリカドルのような通貨と引き換えに「コイン」または「トークン」といわれるデジタルアセットと交換によって提供されます。

     これには様々な提供形態があり、その保持者の権利と利子は大きく異なるといわれています。ICO市場に参加する人にとっての重要な質問は「このコインやトークンは証券ですか?」です。証券に関する法律家がよく知るように、答えは事実によって異なります。例えば、ブッククラブの参加を意味するトークンは証券に関わる法律の範疇外でしょうし、ブッククラブの運営者がそのファンドを使って本を購入してトークンを持つブッククラブのメンバーに提供することができるでしょう。対照的に多くのトークン提供はこのような範疇を超えて作者、本、流通ネットワークを兼ね揃えた出版社を作ることに似ています。トークンの販売者が第二のマーケットでのトークンの取引の可能性を示唆している場合は特に問題です。購入者はトークンの持つ価値が上昇する可能性を売り込まれ、その価値が上昇したトークンを第二のマーケットで売却することで利益を確定したりすることです。これは証券と証券提供の顕著な特徴です。

     全般的に見てICOのストラクチャーは証券の提供と販売とみなすことができ、証券に関わる法律に従い証券規制の必要条件を満たし投資家保護を行わなければいけません。一般的にこれらの法律は投資家に何に対して投資し、どのようなリスクがあるのかを明らかにします。

     私は証券取引委員会の法律施行局に引き続きこの分野の監視をし、証券に関する法律に反するICOを厳しく取り締まるよう伝えました。

    結論

     私たち米国証券取引委員会は資本形成の促進にコミットしています。暗号化技術やICOがベースとしている技術は破壊的であり、変革的であり、効率化を促進することが証明される可能性があります。私はフィンテックの成長が資本形成を助け、機関投資家もメインストリート投資家も同様に投資機会を提供するものだと考えます。

     私はメインストリートの投資家にその機会にオープンであることを推奨します。しかし、よい質問をして明確な答えを求めましょう。そして常識と照らし合わせて見ましょう。クライアントにアドバイスをするとき、金融商品をデザインするとき、取引に関わるとき、マーケットの専門家とそのアドバイザーは法律、規制、ガイダンスを注意して検討しましょう。証券の法律のフレームワークとなる原則は80年にもわたり新しいものに対応してきました。私はマーケットの参加者とアドバイザーに証券取引委員会のスタッフと積極的に関わり彼らの証券に関わる法律の分析に協力することを推奨します。SECのスタッフは FinTech [at] sec.gov宛てにメールをください。

    解説

    アメリカの証券取引委員会はICOに関してはかなり規制を強めています。この声明の少し前にICOを行なっていたPlexCorpsにICOを停止する緊急命令・資産凍結を発表しました。そして、この声明の同日にSECによってMuncheeもICOを阻止されました。一方でこの声明の中にあるブッククラブの例にもあるように、全てのトークン提供が証券に当たるわけではないようなので、ガイドラインの整備が急がれますね。

    なお、この翻訳は「善きサマリア人」として提供している参考訳です。なるべく正しい訳を心がけていますが、ビジネスや投資などでこの参考訳を利用することはオススメしません。本当に知りたい人は専門家に相談してくださいね。以上ディスクレイマーでした!

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  • ブロックチェーン上の最初の住民登録がクリプトバレーで行われる

    ブロックチェーン上の最初の住民登録がクリプトバレーで行われる

    原文:”First official registration of a Zug citizen on Ethereum

     2017年11月15日にプレスが見守るなか、スイスのツーク市*1にてブロックチェーン上で最初のデジタルIDによる住民登録が行われました。ツーク市はクリプトバレーとしても知られています。

     この夏にツーク市とパートナーシップを結んでからブロックチェーンに住民IDを登録するパイロットプログラムを開始しました。これにより投票や住民登録など公共サービスのデジタル化が大きく前進します。

     2017年6月からuPortプラットフォームを改善し、スイスのパートナーであるti&mとこの公式なローンチに向けて作業をしてきました。政府がブロックチェーンを使うことで市民に対してデジタル認証を提供できることを実証するとても大きな第一歩となります。

     デジタル市民は市民と政府機関との間の信頼を高めるだけでなく、公共サービスを大幅に改善する機会となります。ツーク市では2018年の春に電子投票を提供する予定です。非常にエキサイティングな時期です。

     では実際にツーク市での最初の公式な電子認証がどのように行われたかを見ていきましょう。

    ステップ1:ツーク市民はuPortアプリをダウンロードし、uPort IDをイーサリアムのブロックチェーンに登録します。この世界的にユニークな識別子はパブリックアドレスになります。パブリックアクセスはuPort Proxy Contractと呼ばれるスマートコントラクトです。

    イーサリアムブロックチェーンにIDを入力した後のuPort IDホームスクリーン

    ステップ2:QRコードをスキャンすることで新しく登録したuPort IDを使ってツークデジタルIDのウェブポータルにログインします。

    QRコードをスキャン

    ログインリクエスト

    ステップ3:ツークデジタルIDでログインした後に個人情報と既存のツークID番号を入力します。個人情報はまだ未確認のuPort IDから登録されているため、ツーク市役所での対面による個人確認が必要になります。

     

    完了ステップ

    ステップ4:登録した人は14日以内にツーク市役所のレコードオフィスで公式なIDを持参して登録を確定します。

    完了画面

    ステップ5:レコードオフィスではツーク市の職員がuPort IDを使用して管理ポータルにサインインします。承認されればuPort IDに市民としてのデジタル証明が発行されます。このデジタル証明はツーク市により公式に認められ、ツーク市の市民であることが公式な証明となります。こちらがそのプロセスをまとめたビデオです。

    vimeo.com

     これはイーサリアムコミュニティーにとっても重要なイベントです。ここ2年間に力を入れてきたことが実現しはじめています。uPortで技術的知識に関係なくすべての人がブロックチェーンIDを利用できるようにするために使いやすさの向上に努めてきました。

     ツーク市とのパートナーシップは自己管理ができる真にグローバルなIDシステムの実現に向けた大きな第一歩です。そして、その最初の日を迎えられたことにとても興奮しています。

    解説

    インターネットはデータのネットワーク。ブロックチェーンは価値のネットワークです。ブロックチェーンを中心とした新しい波をWeb3.0と呼ぶのはこの大きな違いのためです。

    価値をネットワークでやり取りするわけですから、送る先が本当に本人なのかという認証はすごく大事なんです。ただでさえ「振り込め詐欺」みたいなことがあるわけですから。企業だけでできることではなく、行政や金融機関などを巻き込んでいかなければいけません。DIFのような標準化団体もできてきています。

    uPortはそんなブロックチェーンの個人認証でも最先端を走っている企業の一つです。クリプトバレーと言われるスイスのツーク市で最初のブロックチェーン上の住民登録を実現したのはさすがとしか言いようがありません。この記事は具体的な方法を説明したブログ記事”First official registration of a Zug citizen on Ethereum“の翻訳です。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

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    *1:スイスのツーク州の基礎自治体。税率が低いために多くの多国籍企業が本部を置いている。最近はクリプトバレーとして 知られている。