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  • イギリスのバークレイズ銀行におけるサービスデザインの事例

    Barclays bank logo vector free download

    イギリスのデザインエージェンシーであるRawnetがイギリス三大銀行の一つでクライアントのバークレイズ銀行のサービスデザイン部門のディレクターであるClive Grinyer氏へのインタビューをYouTubeで共有していました。企業におけるサービスデザインの事例は海外では多いのですが、日本で紹介されているものは少ないので、ここでアウトラインをご紹介します。

    ボク自身もシンガポールやオランダの銀行のサービスデザインのプロジェクトに関わったことがありますが、このインタビューで語られていることはそのままどの国のどのプロジェクトにも当てはまることだと思います。

    あなたにとってサービスデザインとは?

    • エンドトゥーエンドのカスタマーエクスペリエンス
    • 全てのタッチポイントの組み合わせ
    • 厳格な顧客中心アプローチ

    バークレー銀行ではサービスデザインを取り入れる上で組織的に難しかったことをどうやって乗り越えた?

    • サービスデザインを取り入れると、組織の構造的な課題に挑戦することになる
    • 組織は基本的に縦割りで、顧客のエクスペリエンスはその縦割りを横ぐしで通り抜けるもの
    • サービスデザイナーの仕事はカスタマーエクスペリエンスは組織横断的なもので、組織の壁をまたいで働くことだと理解してもらうこと
    • そのためのツールの一つがビジョンづくり
    • ビジョンを作り、組織間のコラボレーションをファシリテートし、最終的には組織文化を変える

    サービスデザインは部門でリードしたほうがいいのか、または全従業員で理解するべきことなのか?

    • 企業内におけるサービスデザインのポジションは様々な議論がある
    • 最終的なゴールはサービスデザインの考え方は全ての人に浸透すること
    • 最初はスキルセットのフォーカスポイントが必要。つまり、一箇所に集約する。それが私個人のバークレーでのアプローチでもある
    • これまでの銀行職員とは違う考え方を雇い入れる。サービスデザインはこれまでの銀行とは全く違う考え方
    • これまでに触れたことのなかったデザインのツールやメソドロジーを展開する
    • まだまだ最終ゴールにはたどり着けていないが、たどり着いたとしても期待値はどんどん上がっていく

    伝統的な部門の壁をどうやって乗り越えて協業ができる環境を作る?

    • サービスデザインを取り入れるということは伝統的なやり方を変えていくといことで、それを理解しないといけない
    • 例えば2週間のスプリントで機会や課題を集中的に扱う。それはこれまでの金融機関では数ヶ月、数年かけていた
    • そういう意味では参加する部門にちゃんとフォーカスして時間を取ってもらうことがチャレンジでもある
    • サービスデザイナーは一緒に仕事をする。それによって部門のオーナーシップや自分たちで成し遂げたというプライドが生まれる
    • 課題を探すだけでなく、一緒に解決する

    具体的な事例は?

    • 顧客がやりたいことを実現するための知識やプロセスに詳しい詳しいチーム(Super Hero)の設立
    • バークレイズの社員が顧客のやりたいことをどう実現するかわからないときに、誰でもアクセスできる
    • このような取り組みは顧客にも社員にも喜ばれる
    • 誰もたらい回しにされたくないし、したくもない
    • デジタルだけがサービスではないし、このような小さな取り組みがインパクトを生むこともある

    バークレーではどのようにサービスデザインの価値を測っている?

    • 顧客満足度やNPSが尺度になっている
    • 蓄積的な変化ではなく、トランスフォーメーションとしての変化
    • 特にバークレーで行なっているのは小規模の内部や外部でのテストを重ね、リスクを最小限にすること
    • 大きな投資をいっぺんに行うのではなく、少しずつ変化を確認する

    サービスデザインはどんな産業に適している?

    • すでにプロダクトをデザインする余地はあまりなく、デザインのメソドロジーだけが残った
    • そしてデザインを形のないものに当てはめることが様々な産業で起きた
    • 特にコモディティー化して差別化が難しい産業でサービスデザインは活きてくる
    • しかし、公共サービスでの可能性は大きいし、GDSの仕事は素晴らしい。金融業界でも見習うことが多い

    サービスデザインのビジネスにおける将来は?

    • ビジネスに対してサービスの説明をしてきて、それは見えてきた
    • 形のあるプロダクトから形のないサービスのデザイン。それらを全て包括したエンドトゥーエンドのデザインになる
    • デザインはもっと戦略的に、将来を見渡せる力をリーダーシップに与える
    • イノベーションはテクノロジーだった。しかし、みんなテクノロジーのイノベーションを目指している
    • それを人間を中心にまとめ上げることができるのがサービスデザイン

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  • コインベースが作るオープンな金融システムは集約型か分散型か?

    コインベースが作るオープンな金融システムは集約型か分散型か?

    原文:”Is Coinbase creating a centralized or decentralized financial system?” by Brian Armstrong

     最近、ひとりの社員から私たちのような集約管理型の企業がどのようにオープンな金融システムを作るのか質問がありました。

     これはとてもいい質問で、私はこう答えました。

    人々は以下の二つ両方が必要となる:

    1. 暗号化通貨の入手(これは集約管理される傾向にある)
    2. 暗号化通貨の利用(これは分散管理される傾向にある)

     コインベースはこの両方をカバーする商品を提供していて、最初の段階(暗号化通貨の入手)は次の段階が起きることを可能にします。

     暗号化通貨はいくつかの段階を経て一般に浸透していきます。

     投資段階では暗号化通貨の価格情報を期待してそれでお金を儲けようとします。現在の活動の90%はこの分野で、中央集約化された取引所で行われています。

     利用段階では暗号化通貨はdapps(分散アプリ)などを通じて実際の商品やサービスの対価として支払うことに使われます。現在の活動の10%はこの分野で、主にウォレットなどで分散化(ユーザー管理)された方法で行われています。

     別の言い方をすれば、投資段階で十分な人を引き付けることによって利用段階が活性化することになります。ツールのために来て、ネットワークのために居続ける(Come for the tool, stay for the network)戦略*1です。

     法定通貨*2と暗号化通貨の交換は集約的になります。これは伝統的な金融システムと取引をする必要があるためです。例えばCoinbaseGDAXはあなたの銀行とつながることによって暗号化通貨を買いやすくしています。つまり銀行や監督省庁と緊密に連携して最も準拠したシステムを作っています。これを実現するにはそれぞれの国の「実世界」とやり取りをする必要があります。

     暗号化通貨同士のウォレットはそれと比較すればもっと分散化されています。ユーザーが自分の資産を管理します。例えば、ToshiCoinbase Commerceではユーザーがウォレットを管理することができます。

     上記のテーブルにそれをまとめましたが、例外もあります。例えば、分散化取引所や中央集約型のウォレットは(現時点では広く普及していないものの)それぞれ特有のメリットがあります。

     ポイントとしてはオープンな金融システムには中央集約型と分散型の商品があるということです。例えればインターネットサービスプロバイダー(中央集約)とブラウザー(分散)の関係にも似ています。インターネットのエコシステムには両方必要です。一方が他方より優れているという考え方は誤った二分法です。両方必要だからです。

     Coinbaseはオープンな金融システムを促進するために集約型と分散型の両方の商品を提供し続けます。

    訳者からの解説

     暗号化通貨(仮想通貨)が一部の投資愛好家のためのニッチな分野で終わるのか、それとも広く一般的に利用されていくのか。日本ではコインチェックの事件で市場は冷水を浴びた状態になっていますが、ここからどう立ち上がっていくのか注目していきたいと思います。

    なかむらかずや

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    *1:ネットワークを1から作り上げる戦略の一つ。シングルプレーヤーモードのツールで人を集めてネットワークを形成するやり方

    *2:日本円やアメリカドル – 暗号化通貨の用語ではFiatという

  • イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

    イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

    原文:”How cross-government communities can support cross-government services” by Tom Wynne-Morgan and Will Harmer

     ユーザーにとってサービスはシンプルです。車の運転を習ったり、ビジネスをはじめることなど。しかし、政府にとってそれらのサービスを提供することはもっと複雑です。

     なぜかといえば、サービスの提供には政府組織をまたがり多くの人が関係してくるからです。与えられた範囲内ではとてもよく働いているのですが、全体像が見えていないかもしれませんし、どうやって他の人たちとうまく連携するかもわかっていないかもしれません。

     この問題を解決するためにGDSは政府機関の組織と協力し新しい連携の仕方の社会実験をはじめようとしています。異なるスキルを持つ人々、異なる政府部門からなる人のネットワークを作り、部門の壁を越えた「エンド・トゥー・エンド」サービスを改善しようとしています。このネットワークを「サービス・コミュニティー」と呼んでいます。

     私たちはすでにデザインやユーザーリサーチといった専門分野のための政府間のコミュニティーがあります。この新しい「サービス・コミュニティー」はこういった専門分野の壁を超えて人が集まってきます。コミュニティーに参加する人たちは自分達が携わるサービスのために集まるのです。

     私たちは「ビジネスをはじめる」コミュニティーでこのコンセプトをテストすることにしました。コミュニティーは英国歳入税関庁、労働年金省やビジネス・エネルギー・産業戦略省といった異なる組織から異なる役割を持つ人たちが集まります。これこそが私たちがこの取り組みをはじめた理由で、これまでの進捗状況でもあります。

    コミュニティーのチカラ

     昨年、私たちは行政サービスがどのように作られていくのかを調査しました。この調査で分かったことは行政サービスを作る一貫した方法がないということです。その代わり部門ごとに異なるやり方が存在していました。そして異なる分野と役割には組織の壁が存在していました。例えばポリシーと運用です。

     政府のデジタル変革におけるGovernment Transformation Strategyにおいて「政府の異なる組織を通じて継ぎ目なく実行される公共サービスを構築」すると公約を掲げているため、この課題に取り組まなければいけないことは明白です。

    www.catapultsuplex.com

     GDSでは政府機関の部門をまたがり「エンド・トゥー・エンド」のサービス開発を支援する取り組みをいくつも実施しています。例えば、サービス標準を更新して全体のサービスを視野に入れ取り込みました。私たちはGOV.UKにおける完全なサービスジャーニーを描くことをはじめました。そして官公庁が「エンド・トゥー・エンド」のサービスに関するデータを公開する支援をしています。

     私たちの「サービスコミュニティー」は特定のサービスを提供するあらゆる人たちを一つにまとめ、手助けをします。

     コミュニティーに参加する人たちは一貫した「エンド・トゥー・エンド」のサービスを作るために役立つことを共有します。それはユーザー・リサーチ、データ、バックエンドの技術といったものです。お互い動いているプロジェクトを更新し、共通の問題や欠陥について支援し合うことができます。

    ここまで何ができたか?

     私たちはこのアプローチを「ビジネスをはじめる」コミュニティーで試しています。ビジネスをはじめるジャーニーは比較的シンプルで、特定の部門に属していないからです。さらに歳入税関庁がすでにビジネススタートアップで取り組んでいたプロジェクトに乗っかることもでき、Transformation Peer Groupで召集された部門間のネットワークも活用することができるからです。

     コミュニティーには政策、戦略、デザインや管理といった様々な役割の人たちから構成されています。歳入税関庁、労働年金省、ビジネス・エネルギー・産業戦略省、教育省、企業登記局、国際貿易省、年金規制機構、英国商業銀行から代表者が参加しています。コミュニティーが成熟するとともに他の政府機関や政府の外部などからも参加を受け付けようと考えています。すでに食品基準庁や安全衛生庁と話をはじめています。

     私たちはすでにこのグループでいくつかワークショップを開催しました。ビジネスをはじめるためのジャーニーをマッピングし、コミュニティーの能力とギャップをみています。

     このグループはさらにコミュニティーのどのように持続性を可能にできるか検討しています。例えばどのくらい定期的に会い、組織化し、主体性を持つのかといったことです。

    ここまで何を学んだか?

     行政サービスを作る上で課題があるのと同様、サービス・コミュニティを作る上でも課題があります。

     その一つがいくつかの部門をまたがる共通したコミュニケーションのチャネルです。たくさんのコミュニケーションの方法が使われていますが、全て共通して使えるチャネルがありません。

     また、サービス・コミュニティーそのものの大きさです。全員が定期的に会うことはとても難しいです。そのためにコミュニティーの中でユーザー調査などのサービス分野に焦点を当て小さなグループを作りはじめています。小さなグループで会い、その結果を大きなコミュニティーでフィードバックするのです。

     コミュニティー運営の方法を各省庁で統一的に行うことは難しいです。たとえば、政策の変更に数ヶ月かかる部門があれば、数週間で済む部門もあります。

     またサービスの提供が常に行われているため、空白期間がありません。全てを溜め込んで、それを元に完璧なデザインを行うということはできません。やりながら進めることを受け入れないといけません。

     これらのチャレンジじもかかわらず、政府間のコラボレーションの需要は非常に高く、「エンド・トゥー・エンド」のジャーニーマップの作成などのプロジェクトでコミュニティーがうまく働くことがわかりました。

    次のステップは?

    「ビジネスをはじめる」コミュニティーの会合は定期的に行われています。今年のプロジェクトの足がかりにするために「エンド・トゥー・エンド」のサービスマップを繰り返し改善しています。また、サービスに関するデータの共有のやり方やユーザーリサーチのサービスを超えた共有も検討しています。

     サービス・コミュニティーのコンセプトを押し進めています。すでに政府間の連携のための同様な取り組みは多くあり、そのようなプロジェクトとも連携を進めていきます。

    訳者からの解説

     The Government Transformation Strategy 2017 to 2020においてイギリス政府は、2020年までに目指す方針の1つとして「共通言語、ツール、テクニックを構築し、官公庁をまたがる大きな変革へのアプローチ方法や民間部門からの学びなど知識と経験を共有するために各省庁をまたがる仕組みを確立する」ことを掲げています。

     国民の視点から考えてみると行政サービスは部門毎には別れてはいません。むしろ継ぎ目なくお互い隣り合わせのような一方、現実として行政組織はそれぞれ別れています。そんな背景のなか行政サービスをつくっていく難しさをどのように乗り越えていくのか。

     一つの方向性としてGDSが見出したのが「サービス・コミュニティ」の力でした。民間とだけでなく行政内でも協働する時代。部署や部門を越え様々なバックグラウンドを持ったヒトが自然発生的に集まるような動きが行政内にも少しずつ生まれているのでした。日本もイギリスと同じ議院内閣制をとる国ですが、デジタル時代の波に行政や政府はどのように対応していくか少し先を行くイギリスから学ぶタイミングが再び来ているのではないかと思います。

    池田達哉

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  • デザイナーのための『UXストラテジーガイド』

    デザイナーのための『UXストラテジーガイド』

    原文:”THIS UX STRATEGY GUIDE HELPS DESIGNERS MAKE BETTER DECISIONS” by Alex Souza

     デザイナー(特に経験の浅いデザイナー)は企業戦略を見落としがちです。デザイナーが戦略立案に関わる機会が少ないことが原因なのではないかと考えています。または、企業はデザイナーが魔法のように問題を解決してくれると期待しているといったボタンのかけ違いが原因かもしれません。

      デザイナーが企業のゴール、新製品立ち上げの期待、新機能の追加を理解していないのは、ユーザーを理解していないのと同じです。知識の欠落は問題解決を難しくします。本当に。

    「デザイナーは企業戦略を見落としてはいけない」
    “Designers shouldn’t overlook corporate strategy.”

     Jeff GothelfのリーンUXキャンバスやJim KalbachのUXストラテジーブループリントなど素晴らしいツールがありますが、デザイナーや講師としてデザイナーと関わる機会が多い私から見るとこれらのツールは新しいデザイナーが習得して実戦で使うには難しい。このプロジェクトが実現する価値があるかどうか判断するのが単純に彼らにとって難しいのです。

     UXストラテジーブループリントはハイレベルの戦略を理解するためには素晴らしいツールです。しかし、そこから日々の仕事まで掘り下げていくことはできません。リーンUXキャンバスは仮説を設定して次のステップに進むための強力なツールです。しかし、経験が浅いデザイナーがそれを続けるべきかどうかを判断することは判断するのには足りません。

     この問題を解決するためにUXストラテジーガイドを作りました。

    github.com

    UXストラテジーガイド

     このUXストラテジーガイドはデザイナーがリーンUXキャンバスとUXストラテジーブループリントの両方を使いつつ、最終的な決定ができる情報を追加しています。

     このガイドは考えているプロダクトに関わる問題、オーディエンス、アイデア、仮説、リスク分析と判断基準を考える手助けとなるようになっています。

     5カテゴリーに分かれた12ステップで構成されています。最終決定をする上で最後のステップを完成させるには数回のイタレーションが必要となります。

    課題は何?

     最初のカテゴリー(ライトブルーのステップ1から5)では課題の理解、何を解決することを期待されているのか、どのような問題を乗り越えるのか、既存のソリューションとの違い、成功の数値的な目安を設定します。

     集める情報が多いほど、ソリューションのアイデアや想定するユーザーとメリットを考えリスクを減らすことができます。

     ほとんどの情報はプロダクトマネージャーと埋めることができるでしょう。小さな規模の会社であれば会社のオーナーと埋めることができるかもしれません。

     このガイドの他のフェーズでも同様ですが、全ての質問に答えて棚卸しが終わってから次のステップに進みましょう。信じられないかもしれませんが、多くのプロジェクトはステップ2とステップ3が不十分なために失敗します。

    「先に問題を明確にし、次にソリューションを考える」
    “First identify the problem, then work on the solution.”

     このカテゴリーでは存在するであろう課題について書いていることを忘れないでください。既存のプロダクトでよくある間違いはソリューションが直面している課題について説明してしまうことです。ここでの目的は課題を明確にすることで、ソリューションの発見はその次になります。

    誰のため?何のため?

     二つ目のカテゴリー(ライトグリーンのステップ6と7)ではそのプロダクトを使うであろう実際のユーザーとユーザーメリットを理解します。

     これは「ミニ・ペルソナ」のようなものです。

     UXリサーチを実施するのにいいタイミングです。可能であれば潜在的なユーザーと話をしてみましょう。 リーン・サーベイ・キャンバスは調査の準備するのにとてもよいツールです。

    アイデアに名前をつける

     ステップ8(ライトイエロー)はその前のステップで集めた情報をもとに機能に関するアイデアを記録しておくため場所です。いわゆる「完璧なアイデア」はユーザーやビジネスにフィットしないことが多いです。

     例えば主なユーザーが発展途上国にいるとして、電話のアプリケーションを作ろうとしているとします。その場合はiPhoneよりもAndroidのプラットフォームのほうがいいでしょう。

    何が重要なのかを把握する

     ステップ9から11(ライトオレンジ)はJeff GothelfのリーンUXにあたる部分となります。

     ここで機能がユーザーと企業にとってどのように有益なのか仮説をたてます。さらに最も深刻なリスクとその可能性について検討します。

     それぞれリスクが少ない仮説がデザインと開発チームのバックログに入ります。リスクが高い仮説は破棄されるか将来のイタレーションのためにガイドに残します。

    メインステップ

     デザイナーとしてピクセルを操作して画面との関係を考えることは大好きです。12全てのステップに答えて全てが「イエス」であればプロトタイプを作りはじめることができます。

     一つ以上「ノー」がある場合は意思決定をするには情報が足りていないことになります。そのまま続けてもやり直しのリスクが非常に高くなります。結局のところ、イタレーションを繰り返してわからない部分をなくしたほうが、やり直したり破棄するような失敗プロジェクトに関わるよりいいのです。

    まとめ

     UXストラテジーは学習、忍耐と献身を必要とするテーマです。様々なデザイン分野をカバーし、プロダクトマネージメントやマーケティングといった企業のデザイン以外の分野とも緊密に連携する必要があります。このような知識を理解して役に立てることはデザインに大きな価値を生み出します。

     この『UXストラテジーガイド』はデザイナーが企業、オーディエンスやマーケットをよりよく理解するために作られています。必要があればいつでも使ってみてください。

    訳者からの解説

     フォーマット訳者より:実際に試しに埋めてみましたが、ある程度慣れとセンスは必要だと感じました。翻訳上は、「UX Strategy」「Lean Startup」のナレッジをある程度前提としているので、Assumption – 前提とHypothesis -仮説は各々どう定義するのか、そもそも何を指して言っているのか…ということにそれぞれの文脈の影響で少し揺らぎがあったりします。なので、そのまま日本語訳するとちょっとわかりづらい、ということを中村さんともディスカッションして、もともとのフォーマットには無い解説などが付記されています。

     それと、なるべく厳しい目線で使わないと、マッチポンプ的に意外とイケそうな感じにも書けてしまうのは他の戦略フォーマットと同様かと思います。とはいえ、最後に「全部ほんとに調査したか?」「本当にこのアイデアで行けそうか?」という問いのところはすべてクリアしないと先に進めないので、無意識的な甘さは排除しやすいかもしれません。とりあえず全体像を俯瞰しながら進む戻るを検討しアタマを整理するのには良いと思いますので、試しにつかってみてください。

    赤羽太郎

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  • ゴールを追いかけると幸せになれない三つの理由

    ゴールを追いかけると幸せになれない三つの理由

    原文:”Forget About Setting Goals. Focus on This Instead.” by James Clear

     私たちは人生で達成したいことがあります。いい体型になりたい、起業で成功したい、いい家庭を築きたい、ベストセラーを書きた、チャンピオンになりたい、などなど。

     そして、最初にやることは具体的で実行可能なゴールを設定すること。少なくとも、それが私のこれまでのやり方でした。学校の教室でもゴールを設定して、ジムに通ってどれくらい減量したいのか決め、自分のビジネスで獲得する顧客を決め。

     私が気がついたのは、実行して前に進むにはもっといいやり方があるということです。

     それはゴールとシステムの違いです。説明しましょう。

     

    ゴールとシステムの違い

     ゴールとシステムの違いはなんでしょうか?

    • もしあなたがコーチなら、あなたのゴールはチームを優勝に導くこと。あなたのシステムはチームの毎日の練習。
    • もしあなたが作家なら、あなたのゴールは本を書くこと。あなたのシステムは毎週の執筆スケジュール。
    • もしあなたがランナーであれば、ゴールはマラソンを走ること。あなたのシステムはその月のトレーニングスケジュール。
    • もしあなたが起業家なら、あなたのゴールは100億ドルのビジネスを生み出すこと。あなたのシステムは営業とマーケティングのプロセス。

     そして質問です。

    もしゴールを完璧に無視してシステムにフォーカスしたら結果を出せるでしょうか?

     例えば、あなたがバスケットボールのコーチだとして、大会で優勝するというゴールを全く無視して、チームの日々の練習にフォーカスをしたとする。結果を出せるでしょうか?

     私は結果を出せると思います。

     例えば、私が書いたブログ記事の文字数。過去12ヶ月で私は11万5000文字以上書きました(ここに全てあります)。一般的な書籍は5万から6万文字です。つまり、私は二冊の書籍と同程度の文量を書いたことになります。

     これは非常に驚くべきことです。私は書くことに関してゴールを設定していないのですから。私はベンチマークを使って私の進捗を測ったりしません。特定のブログ記事の文字数のゴールもありません。「今年は二冊本を書くぞ」などといったこともありません。

     私がフォーカスしたのは毎週月曜日と木曜日に一つのブログ記事を書くこと。そしてそのスケジュールを11ヶ月続けた結果が11万5000文字でした。私はシステムとタスクを実行するプロセスにフォーカスしました。そして私は同じ(またはそれ以上の)結果を楽しむことができました。

     それでは、ゴールではなくシステムにフォーカスするべき三つの理由を見ていきましょう。

    1. ゴールは現在の幸福感を少なくする

     ゴールに向かっている時は基本的に「今は十分じゃない、でもゴールを達成すれば良くなる」という状態です。

     このマインドセットの問題は次のマイルストーンに達成するまで幸福感と成功を脇に置いておこうとすることです。「ゴールを達成したら幸せになる。ゴールを達成すれば成功したことになる」

    解決方法:ゴールではなくプロセスにコミットする

     ゴールを決めると精神的な負担が増えます。もし自分が今年二冊の本を書くと決めたら?そのゴールを書くだけでプレッシャーを感じるでしょう。

     でも、私たちはいつもそうしています。減量するため、ビジネスで成功するため、ベストセラーを書くために不必要なストレスを抱えます。大きな人生を左右するゴールではなく、毎日のプロセスにフォーカスしてそれを続けることでモノゴトをシンプルにしてストレスを減らすことができます。

     パフォーマンスではなく作業にフォーカスすることで、現在を楽しみながら改善することができます。

    2. ゴールは長期的なやる気を生み出さない

     ゴールを設定することで長期的にやる気を維持することができると考えるかもしれません。それは必ずしも正しくありません。

     ハーフマラソンのためのトレーニングを考えてみましょう。多くの人は数ヶ月ハードなトレーニングをするでしょう。しかし、大会が終わると練習をやめてしまう。ゴールはハーフマラソンを走りきることだから、それを達成したら練習を続ける「やる気」が持続できない。もし特定のゴールを達成するためにすごく努力したとして、それを達成した後には何が残りますか?

     これはゴールに向けてやったりやらなかったりという「ヨーヨー効果」に繋がります。このようなサイクルは長期的な習慣を作りにくくします。

    解決方法:直前のゴールから解放される

     先週ジムでトレーニングをして最後から二番目のクリーン&ジャークのセットをやっていました。セットの最中にかすかなズキっとする痛みを感じました。すごく痛いわけでもないですし、怪我をしたわけでもない。ワークアウトの後半にある疲れのサインです。ちょっとの間、最後のセットをやるかどうか考えました。私はこれを生涯やることと決めていたので、今日はやめておくことにしました。

     ゴールを基本とした考え方ではワークアウトを完了してゴールを達成する気持ちになるでしょう。ゴールを設定して達成しなければ、失敗したと感じてしまうからです。

     しかし、システムを基本とした考え方では、続けることに問題はありません。特定の数字を達成することが目的ではありません。プロセスを続けてワークアウトし続けることが大事なのです。

     もちろん、ワークアウトをし続ければ、長期的にはより重い重量を持ち上げることができることを知っています。そして、それこそがシステムがゴールより価値が高いことなのです。ゴールは短期間の結果です。システムは長期間のプロセスです。そして最終的にはプロセスが常に勝つのです。

    3. ゴールは管理できないことを管理できると錯覚させる

     失敗を予測することはできません。はい、ショックですよね。

     ゴールを設定するとそれを達成したくなります。自分たちがいつ、どこまで、何を達成するのか計画を立てます。どれくらい早く達成できるか予測します。どのような状況や環境がその先にあるかもわからないのに。

    解決方法:フィードバックの仕組みを作る

     毎週金曜日、自分のビジネスにとって重要な数値をスプレッドシートに15分使って埋めます。例えば、一つの列にコンバージョン率(Webサイトの訪問者がニュースターの購読者になってくれる割合)を埋めます。この数字について考えることはありません。しかし、数字を入れ続けることで自分のビジネスの状況を理解するためのフィードバックの仕組みを作ることができます。コンバージョン率が落ちたらもっと品質の高いトラフィックをWebサイトに誘導する必要があるということです。

     フィードバックの仕組みはよいシステムを作るために重要です。現在の状況に関する情報をトラッキングでき、全てを予測する必要がなくなります。そして、そのプレッシャーからも解放されます。予測などせず、何かを調整しなければいけないサインを捉えることに注力しましょう。

    システムに恋をする

     ゴールが無意味だと言っているわけではありません。ゴールは計画するのに適していて、システムは実際に実行するのに適しているというだけです。

     ゴールは方向性を与えてくれ短期的な動機も与えてくれます。しかし、よいシステムが常に勝ちます。システムを持つことが重要です。プロセスにコミットすることが結果に繋がります。

  • コインベースの創業者/CEOがAirbnbを辞めて起業した理由

    コインベースの創業者/CEOがAirbnbを辞めて起業した理由

    ソース:”20VC: MOST DOWNLOADED FOUNDER EPISODE OF 2017: BRIAN ARMSTRONG, FOUNDER & CEO @ COINBASE” by The Twenty Minute VC

    ざっくり言うと

    • なんでAirbnbを辞めて起業した?
    • ビットコインとイーサリアムの違いは?
    • ICOについてどう思う?VCをディスラプトする?

     The Twenty Minute VCのポッドキャストでコインベースの創業者でCEOのBrian Armstrongのインタビューをやっていました。コインベースは世界で最も成功している仮想通貨関連スタートアップで、仮想通貨関連で初めてユニコーンとなりました。コインベースを起業する前はAirbnbでソフトウェアエンジニアとして働いていました。

     

    なんでAirbnbを辞めて起業したんですか?

    • 2010年にAirbnbでソフトウェアエンジニアをやっている時。Hacker Newsを見ていた時にサトシ・ナカモトの論文が出てきた。クリスマスの夜にそれを読んだ。すごく興奮した。
    • 夜や週末を使ってミートアップをやったりコードを書いたりした。まだその時は起業しようなんて考えていなかった。周りの意見を聞いても自分に自信を持てなかった。
    • 実際に起業をしようと思ったのは2012年の夏にY Combinatorに参加してから。もらえるのは150K(1600万円くらい)だけど、このアイデアを信じてくれて投資してくれる人がいるという事実が自信につながった。お金をもらったことよりも自信をもらったことが重要だった。

    参考:コインベースの初期のピッチデッキ

    ビットコインとイーサリアムの違いは?

    • コインベース自体は特定の暗号化通貨に偏ることはない。これからも新しい暗号化通貨が出てくると思う。それを踏まえながらビットコインとイーサリアムの違いは三つ。
    1. スケーラビリティの違い(イーサリアムの方がスケールできる)。ビットコインは1秒で3から7の処理しかできないが、イーサリアムは1秒で17から25の処理ができるし、シャーディングなどでさらに処理速度を速める計画がある。ビットコインはコミュニティーが一枚岩でなく、スケーラビリティに関して意見が分かれている。
    2. 使われている言語の違い(イーサリアムの方が複雑なことができる)。ビットコインでは四則計算くらいしかできないが、イーサリアムは完全なプログラミング言語が備わっている。安全性の問題など色々と懸念されているが、開発者にとっては強力なのがイーサリアム。
    3. 関わっているチームの違い。ビットコインもイーサリアムもスマートな人たちの集まりだが、文化の違いがある。ビットコインは初期から参加している人たちが多い。理想的な動機を持っている。イーサリアムは技術集団で何ができるか可能性を探るのが好き。

    ICOについてどう思う?

    • ICOはイーサリアムブロックチェーンの上にトークンを発行してそれを売ることで資金調達をすること。ICOはIPOを想起させるからあまり好きな言葉じゃない。トークンセールとも言われるけど、そっちの方が個人的にはしっくりくる
    • 長期的には色々な可能性があるが、短期的には試行錯誤が続くと思う。ガートナーのハイプ・サイクルをたどる。

    ICOはベンチャーキャピタルをディスラプトする?

    • 現在のベンチャーキャピタルは資金調達と付加価値サービス(アドバイスやコネクション)がバンドルされている。両方価値があるものだけど、バンドルされる必要があるかは疑問はある。
    • 将来的に(クラウドファンディングやICOなどを使って)アーリーアダプターから資金調達をして、アドバイザーには株式を与えるなどすることは可能かもしれない。

    スケーラビリティの問題についてどう思う?

    • スケーラビリティは技術的な問題より政治的な問題が大きい。これは分散化の特徴でもあるのだけれど、いまのビットコインの状況は分散化のために生産性が損なわれているように見える。
    • 技術的に見ればTwitterやYouTubeをスケールさせる方がブロックチェーンをスケールさせるよりずっと難しい。技術的にはクレジットカードのトランザクションに追いつくのは十分可能だと思うし、摩擦を減らすことでユーザービリティに関してはクレジットカードをはるかに超えることができる。

    Airbnbで学んでコインベースで応用していることは?

    • Airbnbでは多くのことを学んだ。多くの経験をコインベースで活かしていて、その一つは人の採用。求める人材の基準を高く持つこと。企業が大切にしている価値を基準とすることなど。
    • ミッション・ドリブン(create an open financial system for the world)な企業というのもAirbnbとコインベースの共通点。それを全体会議や様々なコミュニケーションチャネルで伝えるようにしている。

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  • 人事(じんじ)を人事(ひとごと)にしないサービスデザイン|インテルでの取り組み

    人事(じんじ)を人事(ひとごと)にしないサービスデザイン|インテルでの取り組み

    この記事のポイント

    • プロセスではなくエクスペリエンスをデザインする
    • フロントステージの主役は複数設定でき、それぞれジャーニーが異なる
    • 組織変革にサービスデザインが果たせる役割は大きい

    原文:”Using Service Design to shape the future of Talent Acquisition” by Shira Ben-Cohen

    この記事はShira Ben-Cohenさんによる Practical Service Designへのゲスト寄稿です。Shiraさんはイスラエルに住んでいて、インテルのGlobal Talent AcquisitionグループにてGlobal Talent & Hiringのパートナーエクスペリエンスに取り組んでいます。Shiraさんは組織文化の変革と組織内の人の意識変革にサービスデザインが大きな役割を果たすことができると考えています。

    ■■■

     前回の記事でサービスデザインを自分の組織に取り入れる活動とこの素晴らしいテクニックを人材獲得に活かす取り組むを紹介しました。そして夢見る次のアクションについて書くことでその記事を終えました。

     それはビジネスプロセスパフォーマンスのチームと一緒にリクルーティングのバックステージをデザインすることでサービスデザインを一歩進めること。そして採用候補者だけでなくリクルーターや採用部門長もクライアントとしてみること。そして、その夢はかなったのです!

    採用は三位一体

     私たちは採用する候補者のエクスペリエンスが大事だと知っています。採用のプロは質の高い人材プールを保ち、人材マーケットに組織がいかに採用エクスペリエンスを向上するためにプロセスやツールの改善に努めています。

    解説

    日本では馴染みが薄いかもしれませんが、海外では採用される側と採用する側は対等です。選ぶ自由は採用される側にもあるので、採用する側は「雇ってやる」という態度を見せてはいけません。そのために採用される側のエクスペリエンスが重要視されます。採用に至らなかった場合でも「ああ、結果はともあれ、この企業と話ができてよかった」と感じてもらうことが重要です。

     しかし、何か忘れていないでしょうか?

     採用部門の部門長やリクルーターは採用エクスペリエンスに重要な役割を果たしています。彼らこそ採用プロセスの推進力であり、候補者とともに三位一体を構成します。

     人材獲得の組織を活性化するためには採用パートナーも顧客としてみることが大事です。採用アプローチをデザインする上で彼らのエクスペリエンスも中心に置く必要があります。

     これで主要な顧客がわかりましたので、ニーズの調査に移ることができます。そのやり方を見てみましょう。

    採用部門長とリクルーターは候補者のエクスペリエンスのカギを握る

    プロセスではなくサービスのデザイン

     新しいポジションを作る、人材を募集する、候補者と接触する、といった採用パートナーとのインタラクションは全てサービスと言えます。

     人材のドメインにおいて、私たちは単にプロダクト(ポジション)を売っているわけではなく、サービスを管理しています。

     多くの場合、デザインプロセスはルールや構造、ポリシーからはじまります。今回はその方向を逆さまにしてみました。向上させたいインタラクション(サービス)を取り上げ、「このサービスにおいてどのようなエクスペリエンスを提供したいのか?」と問いかけました。

    このアプローチは非常に役に立ちました。

    1. プロセスではなくエクスペリエンスをデザインする
    2. 既存のサービスの改善ではなく、将来の理想的なサービスをデザインする

    ステージとしての人材獲得

     そしてサービスデザイン手法の素晴らしさが現れる部分でもあります。

     ワークショップの初日、サービスブループリントに取り掛かる前に私は「ステージ」の考え方を同僚たちに紹介しました。

     人材獲得の世界を一つのステージとすると、三つの見方をすることができます。フロントステージ、バックステージと舞台裏です。

    引用:Service Design Stages, by Practical Service Design

    1. フロントステージは実際の活動が起きる場所です。採用候補者のエクスペリエンスの全て。行動をする場所であり、関係する人たちと関わり合いを持つ場所。採用部門長とリクルーターを人材獲得サービスの顧客と設定するならば、彼らもそれぞれのジャーニーを体験するフロントステージの役者となります。

    例:

    • 全体の採用候補者ジャーニー:受け取るeメール、電話、面接のすべて
    • 採用部門長とリクルーターとのやり取り
    • リクルーターがプロセスでのやり取りのエクスペリエンス

    三人の異なる役者、それぞれが違うジャーニーを体験します。それぞれが採用プロセスにおいて自分のフロントステージに立ちます。

    2. バックステージはフロントステージを支えるサポートプロセスです。

    例:

    • 採用候補者が私たちのコミュニティーに参加するための登録フォームを作るための人材管理のCRMシステム
    • リクルーターと採用部門長が採用プロセスを管理するための応募のトラッキングシステム
    • インフラの担当者やアシスタントなど採用活動を支えてくれる他の役者たち

    3. 舞台裏はフロントステージとバックステージが機能するために会社が持つべき規則、規定や予算といった無形のもの全てです。

    例:

    • 考慮すべきあなたの組織の採用予算と人材計画
    • 組織のダイバーシティ―目標とそれが意思決定プロセスに与える影響
    • 障害者採用規定、各国の採用規則、採用募集期間など

    新しいサービスをイメージしなおすために有意義な議論をするマッピング作業を行う前に「ステージ」の考え方を理解することは重要です。ビジネスプロセスだけでなくそこに立つ役者のエクスペリエンスにフォーカスする人間中心デザインの本質と言えます。

    引用:Service Design Stages, by Practical Service Design

    未来の状況のデザインと既存の状況デザイン

     未来のマッピングはそのユーザーにとって理想の状況に基づいています。あるべき姿のサービス構造です。

     わたしたちは採用パートナーの現在のエクスペリエンスではなく、将来のエクスペリエンスの再定義をするために各国の様々な部門からその分野に明るい人たちに集まってもらいました。

     メンバーはそれぞれ異なる専門分野、リージョンや役割を代表し、採用プロセスにおいての役割と知見を得られるよう選出しました。そう、三位一体。

     私たちは三つのトラックを同時進行できるようにグループ分けをしました。それぞれのトラックは採用プロセスにおいて異なる注力分野を担当して新しいエクスペリエンスを描きます。

    将来の理想の採用プロセスと体験をデザインする

    PART 1- サービスエクスペリエンスを描く

     ワークショップ初日はサービスデザインのボディーともいえるサービスブループリントを使って未来のサービスのあるべき姿を描きます。

     前回は現在のサービスブループリントセッションでは現在のサービスをベースとして改善のアイデアを反復させました。しかし、今回はゼロベースで理想のサービスを描くことにしました。

     私たちの基礎となる原則(プリンシパル)は継ぎ目のないシームレスなプロセス、意味のある関係、主なステークホルダーとの真のパートナーシップです。この原則が最後まで私たちの活動を導いてくれることになります。

     私たちは新しいサービスを作りはじめました。一歩ずつ。「最初から最後まで」まずはフロントステージに注力して。

     そして、「最初から最後まで」作り上げたサービスのバックステージと舞台裏のサービスコンポーネントを未来のサービスブループリントをチェックリストとして使いながら「表面から中心まで」みていきます。

    未来のサービスブループリント作成

     たとえば新しいポジションをオープンするためのプロセスを作るとします。一歩ずつ。左から右へ。そしてブループリントの色分けを使ってマッピングしていきます。

    フロントステージとバックステージ

     最初のステップが終わりましたか?それでは次のステップに行きましょう。

    ブループリントの色分け

    デジタルとアナログ

     付箋紙はデザイナーが好むツールで、とても楽しいですが、今回のセッションではデジタルのツール活用も模索しました。

     もちろん、付箋紙を使うことでチームは自らの手を使い、立ち上がり、クリエイティブになります。私も付箋紙は大好きです。一日のワークショップのあとに壁一面に貼られて付箋紙は美しく一日の最後にふさわしいとも言えます。でも、

     現在はクリエイティブにコラボレーションができるデジタルでにできるツールが沢山あります。そしてリアルタイムに文書化することができます。そして、これが重要なのですが、その日の作業状態を保存できるので、好きな時にそこからはじめることができます。その日にいなくても、別の地域にいたとしても。

     今回はMuralを使ってみました。とてもよかったです。今後のセッションでも使い続けるでしょう。

    Our digital blueprint map on Mural-beautiful visualization

    PART 2 — サービスエクスペリエンスを定義する

     ワークショップの二日目は分かれていたグループが再び一つに集まり、それぞれが作ったブループリントの共有をしました。

     それぞれのチームは担当したシナリオのデザインとフローを詳しく説明します。

     次のステップはアイデアを優先づけして実行可能な戦力的な計画に落とし込むことです。そして将来の人材獲得ロードマップを作成して組織に持ち帰ります。

     チームがエクスペリエンスの考え方を素早く吸収してサービスデザインの言葉でグループの作業を共有する姿はとても素晴らしいです。

    それぞれのチームは担当したシナリオのデザインとフローを詳しく説明

    デザイン・ドリブンな組織変革

     はい、組織をデザイン・ドリブンに変革するには時間がかかります。しかし、小さな一歩、企業のマインドが顧客中心の会社への進めていきます。

     私は私のマネージャーたちや会社がサービスデザインのような新しい考え方を取り入れることを誇りに思います。Global Talent Acquisition組織における変革が実行中ですが、ここにサービスデザインを活用できる機会が与えられたことは本当に幸運でした。

    壁にマッピングされたポストイット

    このプロジェクトから学んだこと

    1. 世界はステージでその要素は全て重要です。変化を起こす時にエンドユーザーだけでなく、それを実行する役者全てを考える必要があります。それに取り掛かるチームが「ステージ」のコンセプトを理解できるよう背景を設定しましょう。
    2. 望むエクスペリエンスからはじめ、プロセスを後から定義する。これまでやっていたことは脇において、ビジネスのフローにおいてどのようにしたいのかをデザインしましょう。まず顧客を考える。ニーズを把握してそこからはじめる。使わなければいけないシステムやルールに気を使いすぎない。あなたのモデルに組み込むことができるし、これまで考えたこともないタッチポイントが生まれるかもしれない。
    3. 将来の理想を想像しましょう。現状のマッピングも素晴らしいです。そこは間違えないで下さい。しかし、現状のマッピングでは不十分な状況があります。実際に存在しないワークフローをデザインするのは非常に難しいですが、固有の改善を推進するには必要なことです。
    4. デジタルに移行しましょう。当たり前に聞こえるでしょうが、ワークショップの環境でのエンゲージメントのために付箋紙から離れられない人たちもいます。デジタルツールを使いましょう。
    5. 大きく夢見て、小さくはじめましょう。サービスデザインによる採用プロセスの再定義は1日でなし得るものではありません。サービスデザインを使って組織文化に影響を与えたいと考えるならば、小さなシナリオで小さく興味を持っている人たちと一緒にはじめましょう。その小さな一歩が先へとつながっていきます。

    解説

     顧客満足度を高めるために人間中心のデザインを取り入れる。特にサービスにおいてはサービスデザインは日本でも注目を集めてきています。

     サービスには外向きのサービス(顧客やパートナー)と内向きのサービス(従業員やパートタイム)があります。例えば人事やITというのは従業員が働きやすい環境を作るサービスです。サービスデザインが活用されるのは外向きのサービスが多く、内向きのサービスに使われることはあまりありません。これは予算のつき方が原因なのだと思います。社員満足度のために外部のデザイン会社にお金を払う予算がない。

     でも、内側で人間中心のサービスができないのに、外側に対して人間中心のサービスができるのか?という疑問はありますよね。インテルのこの事例はそういう意味ではとてもいい事例です。ボク自身もシンガポールで新入社員のオンボーディングのデザインをしたことがあります。とある政府系機関の人事の方々とデザイン室と一緒にこのプロジェクトをやったのですが、人事の方というのは社員のことを知っているようで知らない。どちらかというと人事プロセスの専門家なんですね。だから人事(じんじ)は人事(ひとごと)と言われたりする。

     顧客中心の企業文化にしたいのであれば、まずは内側からはじめてみてはいかがでしょうか?

    カタパルトスープレックス なかむらかずや

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  • プロダクト開発の優先順位のラディカルでシンプルな付け方

    プロダクト開発の優先順位のラディカルでシンプルな付け方

    原文:”A Radical, And Simple, Approach To Product Prioritization” by Richard Banfield

    「すべきことを終わらせる」ための最大の課題は「何をすべきかを知る」ことなのは皮肉なことです。私たちの本の『Product Leadership』でこのトピックにまるまる一つのセクションを費やしました。最近では、この課題を確認するためにいくつかの調査を実施しました。100人以上のプロダクトプロフェッショナルを対象としたアンケート調査で、TwitterとLinkedInで投票をしましたが、結果は同じでした。プロダクト担当者の最大のチャレンジは優先順位付け。

    Source: Twitter Poll

    なんで優先順位づけは難しいのか?

     プロダクトのクリエイターは多くの責任がありますが、そのタスクを遂行するために必要な権限はありません。役員たちはチームに多くの要求し、顧客や営業はカスタム機能やバグ修正を依頼してきます。これらを断るのは難しい。

     ほとんどのプロダクトマネージャーやリーダーは優先順位づけに必要な手法を持ち合わせていないことがわかりました。どのアイテムが重要で、どのアイテムは後回しにできるかを分別する簡単な方法。売上の圧力、偉い人の意見、組織内の合意で優先順位づけをしている場合が多すぎます。彼らには助けが必要です。

     必要なのは概念ではなく具体的な方法です。

    どのように優先順位づけをするのか?

     優先順位付けは明確なビジョンとそこに到達する道のりを明確にすることからスタートします。幸いにそのためのシンプルで洗練されたソリューションがあります。私の同僚のGeordie Kaytesと友人のRadhika DuttとNidhi Aggarwalが非常に便利なソリューションを作りました。

    「プロダクトが魅力的なビジョンから生まれることは非常にまれです。今までのキャリアを通じて私たちみんな素晴らしいプロダクトを作る努力をしてきました。しかし明確な道筋はありませんでした。私たちは自分たちの見識を比較し、ビジョンからプロダクトを作るためのプロセスを考え出しました」 – Radhika Dutt

    彼らはそれをラディカルプロダクトと呼んでいて、それは私はスゲエと感じました。

    ステップ1:プロダクトビジョンを作る

     彼らのビジョンデベロップメントワークシートを使うと簡単なステップでクリアで明瞭なビジョンに近づくことができます。あなたがスタートアップの創業者であれ、プロダクトリーダーであれ、チームと一緒にこの作業を行うことを勧めています。

     ワークシートを使うって最初のビジョンを作り、チームとともに反復作業をします。これがそのワークシート…

    ビジョンデベロップメントワークシート

     これがその穴埋め問題式のフォーム…

     現在、[カスタマーセグメント]が[行動や結果]したいとき、彼らは[現在のソリューショ ン] します。これは非常に耐えがたいことです、なぜなら [現時点でのソリューションの欠点]だからです。私たちは [課題が解決された世界]を望みます。私たちは[技術やアプローチの概要]で実現します。

    ステップ2:ビジョンとプロダクトストラテジーを結びつける

     このラディカルプロダクトモデルでは優れたプロダクトストラテジーのための4つの要素が定義されています。ペインポイント、デザイン、機能とロジスティックです。

    ペインポイントとは「誰のため?」と「彼らの痛みは何?」です。

    デザインとは「ユーザーが目にする最も重要なフィーチャーやコンポーネントは何ですか?」と「それはどのような感情をユーザーにもたらしますか?」という問いに答えるものです。

    機能とは「どのようにそのフィーチャーをユーザーに届けますか?」と「どのような技術、専門性、データ、パートナーシップや機能を開発する必要がありますか?」にあたります。

    ロジスティクスは「その製品はどのようにユーザーに届けられますか?」や「どのようにサポートしますか?」といったチャネルに関することです。

     これにより作業を明確にして優先順位をつけるためのロードマップが準備できます。

    RDCLストラテジーキャンバス

     Radical Productの作者はこのシートを定期的に見直すことを進めています。

    ステップ3:ビジョンに当てはめて優先順位を決める

     下にある2×2マトリックスを使ってどのニーズにチームがフォーカスすべきかを評価することができます。どれを無視して、どれを後回しにするか。ビジョンを基準としてフィルターすることで何が必要で何が不必要なのか優先順位を決めます。

    ビジョン/事業継続性テスト

    ビジョンのフィットと事業継続性から優先順位を決める

     資金が潤沢にあればビジョンに投資すべきです。投資家や顧客を説得できるのであれば特に。資金が足りない場合は「ビジョンの負債」を取ることもできます。しかし、「技術的負債」と同様にこの負債は将来的に返済する必要があります。

    難しいのはビジョンとフィットするけど事業継続性が低い場合や、ビジョンはフィットしないけどビジネスの心配をせずによく寝れる場合です 🙂 – Nidhi Aggarwal

    ステップ4:プロダクトビジョンを計測する

     実行は計測しなければいけません。優先順位がどのような結果を生むかを知る必要があります。計測することで改善ができます。残念ながら、ほとんどのプロダクトチームは顧客の価値や満足の結果に紐づかない自己満足の指標を使いつづけています。

     この最後のトピックはもっと詳細な説明を必要とするでしょう。このトピックに関してはNate WalkingshawのMind The ProductプレゼンテーションとDuttの製品分析と測定に関する考えを読むことを強くお勧めします。

    ここで紹介されているRDCLツールキットの日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。

    カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。

    この記事はFresh Tiled SoilのCEOであるRichard Banfield氏による”A Radical, And Simple, Approach To Product Prioritization“の翻訳です。

  • 支付宝と微信のミニプログラムの違い

    支付宝と微信のミニプログラムの違い

    この記事のポイント

    • 中国では支付宝(アリペイ|Alipay)と微信(ウィチャット|WeChat)がミニプログラムというAppleのAppStoreもGoogleのPlayStoreも必要なエコシステムを作った。
    • やっぱ、芝麻信用(セサミクレジット|Sesami Credit)すげえ。
    • すごいなあと思う反面、これってガラパゴスにならない?とも思う。

    原文:”We’ve experimented with Alipay Mini Programs” by Thibault Genaitay

    背景

     5億2000万の登録ユーザーを持つ支付宝(Alipay)は約60のミニプログラムを提供しています。これらのミニプログラムは以下の三つのカテゴリーに分類することができます。

    • Alipayが開発したミニプログラム
    • その他の阿里巴巴(アリババ|Alibaba)グループと共同開発したミニプログラム(例:淘宝网|Taobao、优酷|Youku)
    • サードパーティーと共同開発したミニプログラム(滴滴出行|Didi Chuxing、Airbnb、携程|Ctripなど)

    ミニプログラムの見つけ方

    1. 支付宝から「小程序」または「Mini Programs」で検索

    2. ミニプログラムを立ち上げると新しい「小程序」タブが「Friends」リストに作られる

    3. オフラインQRからも当然ながら

     これを念頭に置き、私たちは2017年8月末に開始された開発者向けのオープンベータをテストすることにしました。

    実際に微信のミニプログラムとどう違う?

     技術的には1%くらいでしょうか、マジで。

    支付宝の小程序を開発するためのIDE

     もうすでにみなさんはあるニュースを耳にしているかもしれません。微信のミニプログラムをパクったことについて公式に謝罪をしたのです。このリリースは読む価値があります。

    👉 https://zhuanlan.zhihu.com/p/28605175

    「微信のミニプログラムに脱帽です」🤦

    では、その1%の差はなんでしょうか?

    私たちが現時点でわかっていることは…

    アクセス:

    • エンタープライズアカウントのみ (ベータ期間中は個人登録はできない)
    • ベータプログラムの審査には1日かかる
    • エンタープライズアカウント一つで10個のミニプログラムを開発できる
    • 一つのミニプログラムで開発者10人とテスター50人を登録できる

    開発環境:

    • IDEは先進的なプレビューモードがある:“Push to yourself”と“Push to developers”(一回で全て通知が完了)
    • スタイルは .ACSS(AntFinancial Cascading Stylesheets)に格納
    • マークアップとページ構成は .AXML(AntFinancial Markup Language)に格納
    • ESLintサポートとApplet-specific シンタックスのヒント

    独自機能:

    Progressive Web Appとの違い

    • ミニプログラムはキャッシュが10MB使えるので理論的にオフラインで使えるけど、実際にはAPIコールが発生するのでオフラインは難しい(PWAは大丈夫)
    • AlipayとWeChatの独自機能がウリ(PWAは無理)

    プロダクトの観点

     この芝麻信用へのアクセスは大きいかもしれません。ここで芝麻信用についておさらいしましょう。芝麻信用はユーザーの信用を350から950 の得点で表します。これはクレジット履歴、買い物履歴、契約履行履歴、学歴や職務経歴書ソーシャル上のつながりで判断されます。 2015年から運営しているというアドバンテージに加えて、芝麻信用は阿里巴巴が傘下のショッピングサイトから収集している行動データがあります。

     機能的に考えるとこれは全く新しい顧客データの世界です。信用ベースのプロダクトは新しい可能性に満ちています。新しいイノベーションが起きる予感がします。

     それと同時に、マーケターも開発者も微信については一つのジレンマがあります。それはH5にするかミニプログラムにするかです。

    H5とは

    H5は微信のHTML5ベースのアプリです。

    支付宝にはすでに多くの信用ベースのサービスがあります。デポジットが必要ないシェアバイクやバーチャルクレジットカードなどです。支付宝のミニプログラムを使うことで多くのサービスにデポジットが不要になります。
    – Eva Xiao, Tech in Asia 2017年9月8日

    開発者の意見

     次に支付宝に難題を吹っ掛ける開発者の集まるフォーラムを覗いてみました。ポイントは大きく三つ。

    1. 微信のミニプログラムではできるのに、これは支付宝ではできない!
    2. 中国語のIDEがない!
    3. ファイルの拡張子とAPIの名前しか違いがないことから、微信のミニプログラムのソースコードから支付宝のミニプラグラムを作るやり方

    ちょっと待って、それっていいことなんじゃ?

     もし二つのフレームワークがほとんど同じなのであれば、開発工数がすごく削減できる。iOSとAndroidの両方を開発しなければいけない手間を考えてみれば一目瞭然。

     理論的にミニプログラムを一つ開発すれば二つのプラットフォームで動かせるはず(両方ともJavascript ES6とマークアップなんだから)

    まだ機能的に大きなギャップもある

     微信は支付宝が(まだ)提供していない機能がいくつかある。

    • wx.getWeRunData
    • wx.chooseInvoiceTitle
    • カスタマーサービスAPIs
    • 通知のためのメッセージテンプレート
    • ほかのミニプログラムと行き来するナビゲーション
    • WXMLノード
    • 加速度計やコンパスへのアクセス

    そのほかにプラットフォームとしての魅力、ソーシャルの側面におけるすべてとカスタマーサービス!

    で、これからどうなるか?

    (1) 技術的な観点から言えば、WEPTのような人気が出つつあるフレームワークがプロプラエタリーなIDEより開発生産性を高め、ソースコードを素早く適用する助けになることを期待しています。

    WEPT https://chemzqm.github.io/wept/

    (2) サービスの観点からは大企業、銀行、航空会社、ホテルなどのチャネルが特典としてロイヤルカスタマーにサービスを売る機会を作ると考えます。信用にアクセスできるのでデポジットが必要なくなり、優良顧客をさらに好待遇で扱うことができます。

    「ほら、900セサミポイント持ってるよ!」 => 「お客様、こちらへどうぞ」 (Photo Credit: MARK CHEONG)

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  • シリコンバレーから見たクルマの自動運転

    シリコンバレーから見たクルマの自動運転

    ソース:a16z Podcast: Self-Driving Cars — Where Are We, Really? by a16z

    ざっくり言うと

    • a16z Summitsの自動運転のセッションサマリー。モデレーター:Frank Chen(a16z)、パネル:Qasar Younis, CEO of Applied Intuition、James Wu, CEO and co-founder of DeepMap、Taggart Matthiesen, head of product at Lyft
    • 自動運転のクルマはいつ実現する?
    • 何が実現を遅らせる?
    • 利便性と安全以外にクルマの自動運転のメリットは?何が変わる?

    自動運転のクルマはいつ実現する?

    • 2、3年という近い将来ではない。メジャーなOEM(いわゆる自動車会社)がレベル4の自動運転のクルマを出荷すると発表しているタイムラインは2020年、2021年。ただ、13年もかからないとは思う。
    • 少しづつイノベーションが起きて徐々に自動運転に近づいていく。

    参考:

    • トヨタの例で言えばOEMがトヨタで完成品としてのクルマを作る会社。Tier 1サプライヤーがデンソーとかアイシン精機とか。その下にTier 2以降のサプライヤーが存在。
    • 自動運転の定義(Wikipedia)レベル4は高度自動運転でレベル5は完全自動運転

    何が実現を遅らせる?

    • レベル4やレベル5を大規模で実現するには経済的なメリットがまだない。例えば雪の日や雨の日の対応や地域的に制限がある地域などをどのようにカバーするか。
    • インフラの問題が大きい。ソフトウェアなどのインフラがまだ整備されていないのと、実際のプロダクトのリリースをするインフラも準備ができていない。
    • 人材不足が深刻になる。特にロボティック分野の人材。

    利便性と安全以外にクルマの自動運転のメリットは?何が変わる?

    • 犯罪発生率は下がる。クルマは移動センサーのようなものだから、犯罪の監視には最適。
    • 不動産の価格に影響する。これまで駐車場に必要だった土地が、住宅のために使うことができる。
    • Tier 1のサプライヤーよりもクルマに関連する既存のソフトウェア企業にとって壊滅的なダメージを与える可能性がある。既存のソフトウェアサプライヤーにとっては危機だし、新しいプレーヤーにとっては機会となる。
    • クルマの自動運転によって時間の無駄が削減される。浮いた時間をどのように使うのかが機会となる(Netflixのようなパーソナライゼーション)。
    • クルマのリモートコントロールのサービスが生まれる。そのようなスタートアップがすでにいくつか出てきている。クルマが状況を把握できずに立ち往生をしているときに、何をしていいのかクルマが理解できるようにリモートから助ける。
    • データセンターのDevOpsのようになる。クルマのDevOps。B2Bでは輸送管理のシステムにおける応用は大きい。

    自動運転のクルマを進めるために自分が州知事だとしたら何をする?

    • アリゾナ州、ネバダ州、ミシガン州、フロリダ州などすでに自動運転に積極的な州がある。例えばソフトウェアのアップデート一つをとったとしても1万台ではなく100万台の自動運転のクルマを管理するというのはどういうことなのか。これはクルマだけでなくインテリジェントなロボット全般に言えること。イノベーションを阻害することなく、市民の安全も確保するにはどうしたらいいのか。
    • フィンテックに関わる銀行取引や証券取引に規制があるように、シャトルや運送など人の命に関わることに関して政府が関わる意味は大きい。
    • 政府はデジタルインフラのためにコラボレーションを促進する役目を担える。もう一つは自動運転でできることとできないことの境界線を設定すること。例えば自動運転のクルマの専用レーンを設定するとか。

    クルマの愛好家の中には自動運転に反対する人もいます。どうやってその反対に反論する?

    • これは個人の趣味嗜好の問題ではなく、社会全体で考えないといけないこと。好むと好まざるに関わらず、クルマの自動運転化は進んでいく。
    • クルマの愛好家からクルマを取り上げるわけではなく、クルマをレーストラックのようなところで運転しようと思えばできる。
    • クラシックカーが好きだったり、スポーツカーが好きな人がある日突然にクルマに乗れなくなるなんてことは起きない。この変化は徐々にやってくる。あとは、自動運転のクルマが多くなった時、安全性を考えていつまで人間が運転できるようにするかとという問題。今の時代に馬で通勤している人があまりいないのと同じ。乗馬をしたい人は乗馬ができる場所が今でもある。
    • あまりクルマの出入りがなくデータがない土地では人間が運転する必要があると思う。

    安全性の問題について。監視できるようオープンソースにすべき?ハイジャックをどう防ぐ?

    • Webと同じで問題は起きる。インフラが整うまでに痛みを伴うし、一歩下がって二歩下がることもある。
    • ここにいる誰もその答えは持っていないと思う。これは大きなチャレンジ。
    • クルマにはたくさんのデータが集まる。個人情報やデータのセキュリティーは大きな課題であり、スタートアップにとっては機会だと思う。

    soundcloud.com

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