タグ: デザイン

  • サービス共創のプロトタイプツール『サービスジオラマ』のWebサイトを新しくしました

    サービス共創のプロトタイプツール『サービスジオラマ』のWebサイトを新しくしました

     ありがたいことにボクの作ったサービスジオラマのコミュニティーは世界で広がっているのですが、作者のボク自身がそのWebサイトを放置状態でした。各国のコミュニティーリーダーたちはPDFファイルを持っていて、ワークショップを開催するときは自分たちで印刷してもらっていました。先日もアムステルダムでワークショップが開催されました。せっかく集まってくれた参加者に引き続き使ってもらいたいので、やはりWebサイトはメンテしないといけない。

     そこで、この連休を利用してサービスジオラマのWebサイトをStrikinglyで作り直しました。Mediumで書いていたサービスジオラマ系のブログ記事も徐々にこちらに移行していきます。

    サービスジオラマとは

     簡単にサービスジオラマを説明すると、簡単にカスタマージャーニーをグループで作れるツールです。カスタマージャーニーマップを作るのってちゃんとUXリサーチをやらないといけない。それを時系列にグラフィック化したのがカスタマージャーニーマップ。UXリサーチをユーザープロファイルとしてまとめたのがペルソナ。

     もちろん、調査に基づく可視化って大事です。でももっとクイックにアジャイルにチームのモヤっとしたアイデアを可視化したい。それが事実かどうかはわからないけど、現時点でサービスやプロダクトを作るチームはどういうエコシステムを想定しているのか。そういうのをみんなで可視化するツールがサービスジオラマです。

    サービスのプロトタイプを作るには

     サービスはプロダクトに比べて外部とかの関わりが多い。そのエコシステムはどうしても複雑になりがちです。サービスのプロトタイプを作るにはシンプルなツールが必要になります。そうしないとパッみてわからない。そして、ビジュアル要素をうまく取り込まないといけない。例えば色や線。スケッチも強力なツールですが、絵心に自信がない人にとっては敷居が高い。

    三つ以上の要素を作らない

     シンプルにするためには三つ以上の要素を作らないことです。サービスジオラマは「人」と「場所」と「それ以外」のカードしかありません。三つしか種類がないという制約が発想を自由にします。

     カードは「ユーザー」と「サービス提供者」と「それ以外の第三者」に色分けをします。もちろん三色以上に色分けてもいいのですが、そうするとパッと見てわからなくなってしまいます。

    ビジュアルサインを使う

     サービスジオラマは多くのビジュアルサインを使っています。色によってカードの役割を明確にします。線でカードをグループ化することもできます。また、線でカードをつなぐことで関係を表すころができます。若干変えてはありますが、下の図は実際にある官公庁で作った新入社員のオンボーディングのサービスジオラマです。

    ユーザーとの共創のためのサービスジオラマ

     サービスジオラマの強力なところはユーザーとプロトタイプを一緒に作れることです。例えば上の新入社員のオンボーディングであれば実際の新入社員と一緒にオンボーディングをデザインすることができます。

     これがデジタルツールではなかなか難しいところです。ペルソナやカスタマージャーニーマップもユーザーの直接の声が反映されているわけではない。どうしてもデザイナーの解釈や仮説が入ってしまいます。

    日本でも使えたサービスジオラマ

     実は日本でも何回か企業向けのワークショップをやりました。事業立ち上げの場合は多くの関連部署が関わってきます。マーケティング、営業、ITや経理部門。それらの関連部署はそれぞれ別のイメージを持っていたりする。言葉では同じでも実際に立ち上げてみると思っていたのとちょっと違う。サービスジオラマのようなプロトタイプツールを使うと関連部署の人達が全員でエコシステムのマップをかける。そうすることによって作ろうとしている事業のイメージが共有できる。

     そして更にユーザーも一緒に巻き込むことができる。いろんな想定や想像をするのではなく、ユーザーにエコシステムのマップをサービスジオラマで作ってもらう。そういう感じに使うと概ね好評でした。

    サービスジオラマはCreative Commonsライセンスで公開されています

     サービスジオラマはCreative Commonsライセンスでオープンになっていますので、使ったり配布したりするのは当然ながら自由です。自分なりにアレンジして改変しても構いません。どうぞ勝手にやっちゃってくださいというのが作者であるボクのスタンスです。何かありましたらTwitterでご連絡お願いします。

  • IDEOからアメリカ政府機関までデザイン手法コレクションいろいろ

    IDEOからアメリカ政府機関までデザイン手法コレクションいろいろ

     サービスデザインやデザイン思考のツールはたくさんあって、覚えるのが大変。覚えていたとしても、とっさにそれが出てこない。「ああ!こういう時はあれを使えばよかったのに!」とかあとで思い出したりする。こういうことはデザイナーであれば誰しも経験したことなんでしょうね。その問題を解決するためのツールがたくさんあります。

     デザインの世界ではこういうツールをデザイン手法コレクション(Design Method Cards) とかツールボックスとか呼んでいます。そしていろいろなデザインファームやトレーニング会社、政府機関などが自分たちが作っているデザイン手法コレクションを公開しています。こういうオープンな姿勢っていいですよね。

    IDEO Method Cards

     その中でもビジュアル的にとてもよいのがIDEOMethod Cards。これはオンライン版はなくてアナログ版のみ。

    IDEO Method Cards #IDEO #designthinking

     大きさは絵葉書くらい。51枚のカードが入っています。カバンに入れていつも持ち運ぶには少し大きですね。あまりポータブルとは言えない。

    https://www.instagram.com/p/BaypqZLnSZF/

    IDEO Method Card #IDEO #designthinking

     カード一枚一枚のビジュアルはとてもキレイ。全て違うビジュアルデザインになっています。むしろコレクターアイテムといった感じ。

    https://www.instagram.com/p/Bayp4B3H2zg/

    IDEO Method Card #IDEO #designthinking

     カードは”Learn”、”Look”、”Ask”、”Try”の四つのカテゴリーに分類されている。一枚のカードに一つのデザインメソッドが紹介されている。どちらかというと概念の紹介だったりする。メソッドを実行するには実際にその実行方法がわかっている人がいないと無理ですね。インスピレーションを与えるために作られているため、(好意的に取れば)あえて抽象的にしているのかも。

    Design Method ToolkitとBusiness Method Toolkit

     こちらはアムステルダムのmediaLABamsterdamが作っているツールキット。デザインのツールキットとビジネスのツールキットの二種類を出している。デザインのメソッドカードはたくさんあるんですが、ビジネスのメソッドカードってあまりなかったかも。こちらはアナログ版の他に、オンラインのデジタル版(Design Method Toolkit | Business Method Toolkit)もあります。

    https://www.instagram.com/p/BayqzFkHDaw/

    Design Method Toolkit and Business Method Toolkit

     デザインのメソッドカードは57枚。IDEOのメソッドカードは出てから少し時間が経つのですが、こちらは出たばかりというのもあり、かなりフレッシュな手法も含まれています。IDEOのメソッドカードと比べて内容も具体的。それでも実際にできるデザイナーのファシリテーションは必要でしょうが。

     ビジネスのメソッドカードは30枚。ポーターの5フォース分析、ジョハリの窓とかSWAT分析のようなクラシックな手法からVRIO分析のようなちょっと新し目の方法まで紹介されている。コンサルティングファームの人とかMBAを持っている人じゃないとここまで網羅的には把握していないでしょうから「ああ、こういうのもあるのね」と理解の入り口とするには便利なのかも。

    https://www.instagram.com/p/BayqcS6H3Pn/

    Design Method Toolkit and Business Method Toolkit

     大きさはIDEO Method Cardsとあまり変わらないのですが、正方形なのとゴムバンドがあるので、持ち運びはこちらの方がしやすいですね。

    Hyper Island Toolbox

     Hyper Islandはデザインやイノベーションのトレーニング会社みたいな感じ。よく企業向けのワークショップとかやっている。ここのメソッドカードはオンライン版のみ。

    toolbox.hyperisland.com

     Hyper Islandはエナジャイザー(Energizer)と呼ばれるアイスブレークの手法が有名。ワークショップってインタラクティブにやりたいんだけど、参加者はなかなかエンジンがかからない。やらされ感が拭えない。そんなときにえなゲーム感覚のアイスブレーク手法のエナジャイザーをやります。下のビデオは”Do you love your neighbor?”というエナジャイザー。ここのエナジャイザーをいくつか覚えておくと、ワークショップを楽しくできますよ。

    vimeo.com

    Live|work Tools

     Live|workは世界で最初のサービスデザインに特化したデザインファームと言われています。ここのメソッドカードもオンライン版のみ。数は少ないのですが、サービスデザインのメソッドカードはあまりないので、それでも便利ではあります。

    www.liveworkstudio.com

     ここが親切なのは各手法のアウトプットイメージやテンプレートを紹介しているところ。

    18F Method Cards

     アメリカの政府機関である18Fもメソッドカードを作って公開しています。こちらもオンライン版のみ。ただし、プリント版も欲しい人ようにPDFファイルも用意している。ちゃんとキリトリ線とかもあって親切設計。さすが18Fといった感じ。

    methods.18f.gov

     ここのメソッドカードの特徴はその手法に関しての外部のリファレンスサイトを紹介しているところ。さらにアメリカ政府での利用事例なんかも掲載しているものもある。

    グラグリッド ツールボックス

     最後は日本のグリグラッドのツールボックス。こちらもオンライン版のみですが、PDFでダウンロードしてプリント版を作ることもできます。さらにSlideshareで具体的なやり方も共有しているので、これならファシリテーションなしでも試せそうです。

    www.glagrid.jp

     数は少ないのですが、日本語というのがうれしいですね!

    www.slideshare.net

    関連記事

     

  • 大規模デザインシステムを作る:いかにしてアメリカ連邦政府のデザインシステムを作り上げたか

    大規模デザインシステムを作る:いかにしてアメリカ連邦政府のデザインシステムを作り上げたか

    原文:“Building a large-scale design system: How we created a design system for the U.S. government” by Maya Benari, October 3, 2017

     現在、ほぼ30,000の米国連邦政府のウェブサイトがありますが、それらウェブサイトの間に一貫性はほとんどありません。テクノロジーの分野で働く数十万人の政府機関の職員がいますが、彼らの携わるウェブサイトの構築や管理方法に共通点はありません。

     その結果、政府はユーザーが十分に満足できないサービスに多くのリソースを費やしています。連邦政府のウェブサイトは行政が提供するサービスの正面玄関です。アメリカ政府と何らかの接触をはかるときユーザーが最初に出会う場所です。米連邦政府一般調達局のFederal Front Doorイニシアチブの調査からウェブサイトなど行政サービス接点がよくないと、その行政サービスに対する国民の信頼も低下することがわかっています。

     私は多数のルールからなる複雑なシステムを統一し、全米のユーザーにサービスを提供するデザイナーと開発者のチームの一員でした。このプロジェクト通じて得られた知見 − 業界標準のベストプラクティスを活用し再利用可能なコンポーネントからなるデザインシステムをいかに作り上げたか − 共有したいと思います。また、このデザインシステムによって連邦政府機関のプロジェクトに携わる政府機関チームがシンプルで効率的で一貫性のある体験を迅速かつ低コストで作り上げられるようになったか紹介します。

    課題:政府系ウェブサイトにおける一貫性のないユーザー体験

    政府系ウェブサイトにおける一貫性のないユーザー体験

     アメリカ国民が行政サービスを受けるために政府系のウェブサイトに訪れるとまず目にするのは分かりづらいメニュー、たくさんの視覚要素、一貫性のない操作性です。 これらのウェブサイトは人々が行政サービスについての情報を得てサービスを受ける手助けをするために作られています。例えば若い退役軍人が大学に戻るための情報やサービス。しかし、これらのウェブサイトはさまざまな機関や組織によってバラバラに分かれているため、使いやすいものではありません。

     例えば、若い退役軍人が大学に通うために政府が提供する学資ローンに申し込むとします。この若い退役軍人を仮に「ジョアンヌ」としましょう。ジョアンヌは大学に通うための学資ローンを複数の代理店のウェブサイトから探そうとしました。そしてジョアンは混乱しました。学資ローンを受けるためのウェブサイトの使いにくさに途方にくれました。サービスを受ける資格があるのにその機会を逃してしまう。不満を感じ、孤立していると感じました。本来彼女を助けるはずのシステムが彼女の前に立ちはだかっている。これらのシステム間の一貫性を持たせることで(ジョアンヌのような)人々が必要とするサービスをもっと効果的に受けられるようにし、政府への信頼を高めるのに役立ちます。

    複数のウェブサイトを訪れるVA(Veteran Affairs)ユーザー

    原因:政府系ウェブサイトで一貫性のあるユーザー体験を実現するためのハードル

     デジタルツールを作る連邦政府職員は誰にとっても役立つツールを作りたいと考えています。 迅速にプロトタイプやサイトを開発したい。そのためすぐに立ち上げて実行できる最小限の文書のリソースを選択します。

     一方、スポットのプロジェクトで政府機関のデザイナーやフロントエンドの開発者も正しいことをしようとしています。しかし時間や支援は限られています。彼らは設計と開発の時間を短縮するためのツールと、ベストプラクティスを上層部に提唱する方法を必要としています。

     私たちの目の前に突きつけられた質問は:

    私たちは一貫性があり、効果的で使いやすい政府のウェブサイトを提供するための共通のツールセットを作れるか?

     そして私たの答えは「YES」でした。

    チーム

     2015年の夏に、18FとU. S. Digital Servicesによるチームがこの共同ツールセットに取り掛かることになりました。私たちは自分自身に問いかけました:どのように何千もの公共のウェブサイトを共通のデザイン言語にまとめるか?

    政府のデザイナーと開発者がワシントンD.C.に集まり、パターンライブラリーに取り組むためのワークショップに参加

     この問いかけに答えるために、政府のデジタルサービスに取り組んでいる20人のデザイナーと開発者がワシントンD.C.に集まりました。

     参加したのは教育省米国帰化・移民サービスのビジュアルデザイナー、消費者金融保護局農務省の開発者、USA.govのプログラムマネージャー、さらに遠隔地からリモートで数人のビジュアルデザイナーたちが参加しました。私たちが関わってきたウェブサイトは全く違っていました。私たちは「そもそも何か共通点ってあるの?」と思わずにいられませんでした。

     私たちがまず自分たち自身に問いかけたのは「パターンライブラリに必要なコンポーネントとパターンはなんだろう?パターンのライブラリーやスタイルのシステムを作り上げる要素はなんだろう?」でした。そして、ウェブサイトを構成するすべてのパーツとシステムに欲しいことを書き出しました。書き出したアイデアを壁に貼り付け、それらをグループ化して共通項を見いだすことにしました。次に、その中からパターンを探しました。何が共通するのかもメモしました。その中で最も単純で繰り返し出てくるのは色、タイポグラフィ、グリッド、とボタンでした。

    政府機関に所属するデザイナーたちがデザインコンポーネントを付箋に書き出し、グループ化する

     ミーティングの期間中に他のコンポーネントを挙げるチームもありました。たとえば、データ視覚化やカレンダーウィジェットなどのユニークなコンポーネントなど。しかし、コンポーネントを基本的なビルディングブロックに限定することで、デザイナーや開発者ができる範囲内でなるべく早く何が有効で何が有効ではないのか見極めることにしました。

     一貫性を生み出すためのデザインライブラリーは泥遊びよりもレゴブロックで遊ぶのに似ています。 何人かに泥を使って家を建てるように言うと、出来上がった家は多少違うように見えるでしょう。少し不恰好でベチャとした感じで。同じ人々に5種類のレゴ・レンガであれば100万の全く違った家を作ることができます。そしてそれぞれの家は一貫性があります、しかも画一的ではなく。

    システムを作り上げる

     私たちは操作性、ユーザー体験、ウェブサイトの反応にどのように一貫性を持たせることができるのか探ることをはじめました。「ジョアンヌ」は彼女が政府のサイトにいることを理解したい。彼女はそのウェブサイトが親しみやすく直感的で、何をすれば彼女がやりたいことができるのかすぐわかることを望んでいます。共通デザインによる一貫性のあるみためや操作性は人々に親しみやすく、信頼感、安心感のある気持ちを抱かせます。そして共通化されたなパレットやデザインのために「ジョアンヌ」は政府のウェブサイトをより簡単に使いこなすことができます。

    若い退役軍人は大学に行くための学資ローンに申し込むために複数の政府系ウェブサイトを行き来しないといけない

    インターフェースの在庫調査

     私たちはanalytics.usa.govを使って最も訪問者の多い.govドメインの中から一般的な色とコンポーネントスタイルを調査しました。その結果は「32種類の青色が必要?」と考えさせるものでした。私たちは政府系ウェブサイトで使われている異なるボタンスタイルの数に驚きました。本当に64種類のボタンが必要ですか?政府系ウェブサイトで使われているコンポーネント浮かび上がらせ、分類することにより一貫性のなさを確認すると同時に共通するコンポーネントも見えてきました。

    政府系ウェブサイトで使われていたインターフェースの在庫

     使われていたインタフェースの在庫調査とワークショップの結果は政府のデザイナーの助けを借りながら優先順位付けされました。 まずコンポーネントの一覧からはじめました。ユーザー調査員は調査に取りかかり、ワイヤフレームの作成、ウェブサイトのデザインとコンポーネントのユーザーテストを行いました。

     UXチームのメンバーは調査し、ワイヤフレームを作成し、このサインインフォームのようなコンポーネントをテストしました。ビジュアルデザイナーは、後にワイヤーフレームに基づいてハイフィディリティのデザインを作り、そして最終的にはコードに落とし込まれて開発されました。

    ムード・ボーディング

     私たちのビジュアルデザイナーは「どのように見えるのか」と「どのように感じられるのか」を探りました。 私たちは、シンプルでモダンで使いやすく、親しみやすく、信頼できるシステムを求めていました。 彼らは3つのムードボードを作成し、様々なタイポグラフィーやカラーサンプル、インスピレーションを感じさせるデザインイメージを作り上げました。

    私たちが求めていた三つのスタイルは:

    1. クリーンでクラシック
    2. インスピレーションと力を与えてくれる
    3. モダン・アメリカン

    三つのムードボードにより見た目とユーザーに与える感じ方を探りシステムの方向性を見出す

     私たちのチームのデザイナーたちは他の政府機関に所属するビジュアルデザイナーたちに声をかけて各ムードボードについて好きなものに投票をしてもらい、その何が好ましいのかを浮かび上がれせました。これらの3つの方向性をGitHubに入れることで、政府のデジタルサービスに関わる職員たちからのフィードバックを求め、方向を微調整することができました。結果として、現代アメリカの大胆な、モダン・アメリカンらしい彩度の高い色合いと、サンセリフのフォントとセリフの書体を組み込んだクリーンとクラシックのタイポグラフィが好まれることがわかりました。

    タイポグラフィー

     スタイルが定義されるとビジュアルデザイナーは適切なフォントを探しはじめました。 わかりやすく、信頼と信頼性を伝え、オープンソースのフォントを見つける必要がありました。 有料フォントはライセンスに関する追加の負担を発生させていたため、政府のデザイナーが使いやすいフリーでオープンソースのフォントを見つける必要がありました。

     読みやすさを高めるために、x-heightの値が大きく、open counters、太さの範囲が広いフォントを検討しました。 政府のデザイナーに最大限の柔軟性を提供するために、我々はクリーンでモダンで読みやすいサンセリフフォントを見つけ出したいと考えていました。文字の密度が高いコンテンツや見出しの間にコントラストを与える伝統的な見た目からくる読みやすさ。

     私たちのビジュアルデザイナーは実際の政府のウェブサイトで適切なフォントを探すタイポグラフィの組み合わせをテストしました。タイプフェイスの名前を見ないことでデザイナーはフォントの種類に左右されず、その「読みやすさ」に焦点を当てることができました。 さらにこれらのフォントを政府のデザイナーと共にテストしていきました。どれが最も見やすく、私たちが望む美しさをもつフォントなのか。 最終的に私たちが選んだフォントはSource Sans ProとMerriweatherでした。

    タイプフェースのテストを実際の政府機関のウェブサイトでテスト

     Source Sans Proは、UIデザインの読みやすさを求めて作られたオープンソースのサンセリフ体です。 Source Sans Proはすべてのサイズと太さで簡単に読み取ることができ、明確なヘッダーと読みやすい本文を作ることができます。 20世紀のアメリカのゴシック様式の書体のデザインからインスパイアされた、細身のオープンなレターはクリーンで親しみやすいシンプルさを提供します。

     Merriweatherはコンピューターの画面で読まれることを前提に設計されたオープンソースのセリフ体です。このフォントは文字が多いデザインに理想的です。x-heightの値が大きいにもかかわらず、比較的小さくて横幅を広げずに見やすく表示することができます。スリムで厚いウェイトを組み合わせることで、スタイルの幅を広げながら、クラシックかつモダンなシンプルさの理想的な組み合わせを実現します。Merriweatherは、大小両方のフォントサイズで暖かさと信頼性を伝えることができます。

    MerriweatherとSource Sans Proの二つのオープンソースフォントがthe U.S. Web Design Standardsに選ばれた

     技術的な観点からは、私たちが提供するフォントがユーザーに素早く表示される保証をする必要がありました。私たちのビジュアルデザイナーは複数の太さを使いたがりましたが、開発者はそれにより複数のフォントを読み込む必要があり、ユーザーの利便性が損なわれる可能性があることを伝える必要がありました。妥協点を見出すために異なるフォントペアを作成しました。フォントの太さの多いリッチなバージョンと読み込み時間を短縮するトリミングされたバージョンです。 これにより政府のデザイナーたちはデザインと性能のニーズを秤にかけてそれぞれのオプションを評価することができるようになります。

    Merriweather headingsとSource Sans ProのBody要素のフォントペアリング

     政府のウェブサイトのインターフェイス在庫調査で見つかった繰り返し使用される頻度の高い色からカラーパレットを導き出しました。クールなブルーとグレーからなるシンプルでミニマルなパレットによる自然な背景と明るい赤と青の影のコントラスト。クリーンで魅力的なパレットにより、ユーザーは自分のやりたいことができるという安心感を得ることができます。色は一次色、二次色、背景、および三次色に分解することができます。

     一次色は青、灰色、白色です。青は、ボタン、リンク、見出しに使われ、静かさ、信頼感、そして誠実さをインターフェースを通じてもたらします。きれいな白いコンテンツ領域では、タイポグラフィをページに浮かび上がらせます。

    一次色のパレット

     二次色はアクセントカラーとして使われる明るい青と赤で、明るさとモダンな感性を付加するために特別な要素として控えめに使います。これらは、CTAのようなページ上の重要な機能や、イラストのような視覚的なデザイン要素を強調するために使用できます。

    二次色のパレット

     背景色は大きなコンテンツ領域の背景ブロックに使用されるグレーの陰影です。

    背景色のパレット

     三次色は警告やイラストといったコンテンツ特有のニーズのために控えめに使用されます。

    三次色のパレット

     パレット内の色の範囲はさまざまな異なるビジュアルスタイルをサポートするために柔軟に適用できます。たとえば一次や二次などの色名を抽象化することで、パレットを独自のブランドのニーズに適合させる必要がある政府機関をサポートすることができます。色値の変更はボタン、アクセント、見出しなどシステム全体に広がります。

     政府機関のサイトは障害者の誰もがアクセスすることができる必要があり、セクション508に準拠して、標準でテキストと背景色の間に十分なコントラストがなければいけません。WCAG 2.0のガイドラインに従って、標準でテキストと背景のコントラストが4.5対1以上である必要があります。

    アクセシビリティーの高い色の組み合わせ

     ほのかで彩度の高い青と赤に洗練された深みのある青とグレーを使用することで、暖かさと信頼性を伝え、さまざまな視覚スタイルをサポートしながらアクセシビリティの標準と色のコントラスト要件を満たすことができます。

    空白

     デザインシステムを構成する最後のビルディングブロックはそれぞれの要素がスペースをどのように流れて、構造として提供されるかです。見出し要素と段落テキストの上下に適切なマージンを置くことで、システム全体にバランスのとれた空白を提供します。 emまたは相対単位を使用することにより、空白はフォントサイズに比例し、システム全体で正しい比率が自動的に分配されます。政府機関がフォントサイズを変更する必要がある場合は空白が自動的に調整されます。

    見出しと本文の間の余白はフォントサイズに合わせて変更される

    グリッド

     私たちはコンテンツのレイアウトを構造化するため、Neatを活用して12列のグリッドシステムを提供しています。Neatはthinkbotによる柔軟で軽量なSassグリッドです。 私たちはコンテンツを格納するグリッドコンテナからなる使いやすいグリッドシステムを提供しています。グリッドコンテナはページ内や1/2、1/3、1/4、1/6、および1/12のセクションによってレイアウトをすることができます。開発者はusa-gridやusa-width-one-halfのようなシンプルなクラスによってページレイアウトのモックアップをすばやく作成できます。 私たちは3つのブレークポイントを提供しています。これによりグリッドはより小さなサイズでリフローすることができ、人々はいつもブレークポイントを内容に合わせて微調整することができます。 柔軟なグリッドシステムにより、訪問者はページをすばやく読み取ることができます。

    12カラムグリッド

    複雑なタスクと野心的なゴール

     The U.S. Web Design Standardsは2015年9月にビジュアルスタイルガイドとUIコンポーネントライブラリとして立ち上がり、アメリカ政府のウェブサイトに共通するデザイン言語をすべて1つの屋根の下に収めるという目標を掲げました。米国政府のすべてのウェブサイトのデザインを統一するこのプロジェクトに携わり2年がたち、100以上の政府プロジェクトがこのスタンダードを採用し、それを進化させ、再構築し、想像できないように進歩を遂げました。退役軍人省農務省など行政チームが集まり、連邦政府のウェブサイトに対して新しい高い目標を設定しました。この短期間で政府のウェブサイト全体での一貫性とユーザーエクスペリエンスの向上が見られました。目標は連邦政府のデザイン言語を統一することでしたが、そのユニークな表現は多面的で無限でした。レゴブロックから家を建てるのと同じように、モジュラーデザインシステムの意味のある制約内での表現は一貫性を持たせつつも画一的ではない様々な製品を作り上げることができます。

    Vote.gov、退役軍人省、農務省がユーザー体験向上のためにスタンダードを取り入れた

     デザイナーや開発者が最高品質の政府のウェブサイトをアメリカ国民に提供するための使いやすいツールを提供することで、デザインシステムは異なる役割をつなぎ、共に前進することを手助けをしています。政府のデザイナーや開発者をUXリサーチ、人間中心デザイン、 ビジュアルデザイン、フロントエンド、およびアクセシビリティのベストプラクティスを一つに。

    プロジェクトを通じた学び:組織の中でスタンダードを作り上げる

     あなたが中小企業であるか、世界最大の政府であるかにかかわらず、自分たちのユニークな課題を解決するために自分たちのスタンダードを作ることができます。すべてのパターンライブラリは異なります。なぜならそれらを作成するグループの特定のニーズに対応する必要があるためです。

    対話をする:あなたはどこに問題があるのか。そして、その問題がデザインパターンによって解決できるかどうかを知る必要があります。グループ全体で共通のニーズがあるかどうかを探しましょう。あなたが仕事をするために必要なものは何ですか?

    重複を探す:何か繰り返し繰り返しやってることはありませんか?あなたはどこで時間を無駄にしていますか? ウェブサイトを構築するときに最も長くかかっている、または困難に感じることはなんですか? 摩擦はどこで起こるのですか?

    あなたにとっての価値:あなたのデザインシステムがどのように見えるかは、あなたにとって重要なものによって決まります。 あなたの価値は何ですか?あなたはどんな原則に従ってものを作りますか?

    チームを信じて任せる:スタンダードを作り上げるには専任のグループと上司からのサポートが必要です。他のプロジェクトと同様に重要であるはずです。チームにはUXリサーチとデザイン、ビジュアルデザイン、およびフロントエンド開発といった多岐にわたる専門家からなるチームが必要です。適切な目標に向けてプロジェクトを進めるためにプロジェクトマネージャーとプロダクトオーナーの役割を果たす人が必要です。

    小さくはじめて反復する:あなたの中核となるニーズを把握し、それらを構築し、テストし、人々が求めているものができたか確認する。そうして欠けているものを見つけ出していきます。限られた数のコンポーネントからはじめることで時間を節約することができます。また、ユーザーに使ってテストしてもらうことにより正しい答えを素早く見つけることができます。

    孤立しない:あなたは多くの人の同意形成が必要で、人々が何を必要としているのかを理解しなければいけません。またウェブサイトをどのように構築するかどのように使われているのかを学ぶ必要があるのでユーザーを探し出さなければいけません。最初の立ち上げは孤独な作業かもしれませんが、外に出てテストし学ばなければいけません。実際のユーザーでテストことによって、改善し続けるために必要な情報を得ることができます。

    再利用と独自性:他の人がどのように問題を解決したかを見て、可能な限り再利用することは素晴らしいことです。しかし、他の人の解決方法は彼ら独自のニーズに合わせたものだと理解しなければいけません。 あなたの問題にはユニークなアプローチが必要かもしれません。他の誰かがそれをやっているという理由だけで「パターンライブラリーはこのようでなければいけない」という罠に陥ってはいけません。

    システムを宣伝する:人々をあなたのプロジェクトに熱狂させましょう。このフリーのシステムからどのような価値を得られることができるのか。一貫性のある、美しい、使いやすいデザインがいかに時間とお金を削減することができるか。

    柔軟的に対応する:人々は強制されるものが好きではありません。彼らにそれについて学び、質問をする機会を与えてください。彼らにそれを自分のものにする機会を与えましょう。

    結論

     大規模なデザインシステムを構築する場合、どこからはじめるのかとっかかりを探すのが難しいかもしれません。コアスタイル、コーディング規則、デザイン原則といった基本的な部分にフォーカスすることで、チームのさまざまな要素に取り組むための強力な基盤を作り出すことができます。これらのビルディングブロックは多様なニーズとユースケースをサポートするためにさまざまな方法で積み重ねることができます。システムに柔軟性を組み込むことで、ユーザーはパターンやデザインを容易に適応させて、デジタルサービスの多様な範囲とニーズをサポートすることができます。カスタマイズできるようにすることは、人々がシステムに参加し、それを自分たちのものにする手助けになります。人々がシステムに参加意識をを持っているときだけ、彼らの努力に投資がされ、報いられたと感じます。その結果システムは強固で長い間活用されるものにまります。

     このような大規模なデザインシステムを構築するには、多くの時間とリソースが必要ですが、「ジョアンヌ」のような利用者をペルソナとして念頭に置いておくことが重要です。 あなたのデザインしたシステムの向こう側で画面をスクロールしてボタンをクリックし、必要なクリティカルなサービスにアクセスできるようにフォームを記入している人々。しっかりとした使用可能なデザインシステムは、「ジョアンヌ」のような人々にとって大きな価値を生みます。

    この記事は米連邦政府一般調達局の18Fのブログ記事”Building a large-scale design system: How we created a design system for the U.S. government“の翻訳記事となります。オリジナルの記事を書いたMaya Benariさんは18Fのデザイナー/フロントエンド開発者です。

    翻訳:カタパルトスープレックスなかむらかずや

    関連記事

  • 欧米で頭のいい人達が自然と使っている知識の整理整頓

    欧米で頭のいい人達が自然と使っている知識の整理整頓

     ちょっと前に効率的な勉強の習慣について書きました。「入れて、調理して、出す」でしたね。「調理して」には整理整頓も含まれるのですが、今回はこの知識の整理整頓の話。知識を入れるのはインターネットで検索したり、キュレーションメディアをチェックしたりして簡単に手に入るようになりました。でも、それだけで知識って使えるわけじゃないんですよね。

     実際に頭のいい人と話をしているととても知識の整理整頓がうまいんです。特に欧米の人と話をしている時にそれを感じます。それは彼らに自然と備わった整理整頓というか分類方法があるからなんだと思います。それは「クラシック」と「モダン」で分ける整理術。これを使えば普段の生活から会社の経営まで整理して理解することができますよ!さらに「ポストモダン」まで理解して整理できれば未来の社会がどのような方向に進もうとしているかも理解できます。いまの自分はどんな状態なのか理解するのにいいのですね。

    普段のことはクラシックとモダンで整理整頓

     欧米の人たちとアジアの人たちって考え方が違うんですよね。例えばなんですが、欧米の人たちはファッションや料理、音楽をクラシックとモダンでざっくり分けて考える傾向があると思います。洋服だとクラシックは伝統的でゆったりとしたシルエット。モダンはデザイン的な主張が強くてスリムなシルエット。前にベルギービールの記事でも書きましたが、料理や飲み物でもクラシックとモダンで分けることができます。

     大事なのは整理整頓すること。「クラシック」だから古臭くて悪い、「モダン」だから新しくて良いではないんです。もっと言ってしまえばクラシックとモダンは混在しても構わない。混在しているんだと意識できるかどうかが大事。

     例えばフランスのブティックで洋服を買うとする。そうすると「このシャツはクラシックなのでネクタイはこんなクラシック柄でどうです?モダン・オン・クラシックでミスマッチを楽しむのもいいですけど」みたいな会話になる。ファッションは色や柄を合わせるだけじゃなくて、スタイルを合わせることでもあるんですね。これくらいクラシックとモダンという考え方は日常に根付いています。

     あとビートルズとかツェッペリンとかはクラシックロックとかね。レディオヘッドとかはモダンで。ヒップホップもグランドマスターフラッシュやランDMCはクラシック。ケンドリック・ラマーとかモダン。そう言えば落語なんかもクラシックな古典落語とモダンな新作落語がありますよね。ボクはクラシックもモダンも両方好きです。

    ガリレオ・ガリレイはクラシックかモダンか?

     それでは問題です。地動説を唱えたコペルニクスやガリレオ・ガリレイ。彼らは西洋的にはクラシックでしょうか、モダンでしょうか?彼らが生きていた時代は中世です。でも、彼らの考え方は非常に科学的。つまり近代的です。近代を英語で言うとモダン(Modern)です。それより前はクラシック。だからコペルニクスやガリレオ・ガリレイのいきていた時代はクラシックな時代ですが、彼らのような科学的な考え方はモダンと言えます。クラシックな時代にモダンな考えで生きるのって大変なんですよ。

     近代的なアプローチというのは科学的なアプローチのこと。ちゃんと科学的にやろうぜ!というのがモダン。冗談みたいな話ですが、アリストテレスは「女性の歯の数は男性より少ない」と言ってた(と言われている)。そして昔はみんなそう信じてたんですよ。これはとてもクラシックな考え方。そして、実際に歯の数を数えた人がいた。当たり前の話ですが男も女も歯の数は同じです。この数えるというアプローチは非常にモダンなアプローチと言えます。

     この近代化(モダン化)というのはすっごい出来事なんですよ。産業革命とか啓蒙主義とか近代的な科学のアプローチがなければありえなかったわけですから。当然インターネットだって近代化がなければありえなかったわけですよ。モダンは生活や文化をドカンと変えてしまった。それぐらいインパクトのあったことだから、欧米の人たちに自然とこの分類方法が備わっているわけです。欧米の人たちは自分たちでこれをやっちゃった。日本やアジアの人たちはそれが欧米から輸入された。この違いはすごく大きいと思います。

    モダンなニュートンやアインシュタインは現代的か?

     それではまた問題です。アイザック・ニュートンは科学的方法論の礎を作った人として有名です。まあ、モダンの権化みたいな感じです。そんなニュートンは現代的でしょうか?ザ・モダン!と言えるニュートンも現代的かと問われればちょっと違和感ありますよね。じゃあ、ニュートン力学を塗り替えたと言われるアインシュタインは?それもなんとなくしっくりこないですよね。

     じゃあ、現代的なアプローチってなに?ということになりますよね。確かに科学的なアプローチのおかげで寿命が延びて人口も増えて世の中便利になった。でも、それっていいことばかりじゃないよね?例えば地球の温暖化とか環境破壊とか。割とまずい状況になってるよね?という反省点もあったりする。あと、ワークライフバランスとか言われてるけど、仕事というのは数字だけ気にすればいいものじゃないよね、会社としても個人としても。

     近代の後は現代ですが、現代的なアプローチは「ポストモダン」と言われたりします。もともと哲学とか芸術とかでよく使われる言葉なんですが、いまは経済とか経営でも使われはじめています。そこでこの記事のタイトルに戻るんですが、欧米で頭のいい人たちが自然と使っている知識の整理整頓は「クラシック/モダン/ポストモダン」なんです。

    現代的なアプローチの代表例

     経営で具体的な例を見ていきましょう。見てもらえばわかるんですが、意外とクラシックな経営スタイルって残ってるんですよね、日本には。ただ、これも「クラシック」だから古くてダメ、「モダン」だから進歩的でよいと簡単に言えるものでもないです。

     例えば軍隊の組織運営はクラシックな方がマッチするだろうし、研究開発はモダンでなければいけないでしょう。日本酒の『獺祭』はモダンな考え方を取り入れて躍進しました。だからと言って伝統的な杜氏の勘と経験に頼る製法が全て否定されるわけでもないわけです。

    クラシックな経営

    • 勘と経験則
    • 村社会的組織や軍隊的組織

    モダンな経営

    • 財務会計と管理会計
    • KPIとPDCA
    • 論理的思考
    • 分業/専門型組織(産業革命から脈々とつづくモデル)

     とは言え、大部分の企業はモダンな経営を洗練させ大きくなってきました。悪い迷信も科学で解き明かされました。それが近代の産業革命や啓蒙主義からの流れでした。暗い場所に光を当てたわけですが、光も強すぎればより濃い影も生まれるわけです。環境破壊や過労死がその例です。さすがにそれはまずいだろうと多くの企業が新しい方向を模索しています。この動きを「ポストモダン」と言います。

    ポストモダンな経営

     欧米の企業や組織がすでにポストモダンな経営に移っているわけではないです。グーグルですらマネージャーのいない「ポストモダン」なティール型の組織を一度は試しましたが、いまは元に戻しちゃいました。アップルはスティーブ・ジョブスの頃は彼の感性に頼った「クラシック」な企業だったと思います。それがティム・クックになりイノベーションを管理する「モダン」な企業になった。マイクロソフトはビル・ゲイツの頃もスティーブ・バルマーの頃も「モダン」でしたが、サティア・ナデラになって「ポストモダン」な感じになってきましたね。

     つまり「ポストモダン」な経営は手探り状態なんです。確立された方法論があるわけでもない。いまは先進的なザッポスバッファーのような企業が現代のガリレオ・ガリレイやコペルニクスとなって現代的な方法を模索しているところです。日本ではダイヤモンドメディアなんかが代表例ですね。

    kazuyan.hatenablog.com

     

  • スケッチポストに🖌📒スケッチノート📒🖌の魅力について教えてもらったよ!

    スケッチポストに🖌📒スケッチノート📒🖌の魅力について教えてもらったよ!

     海外のカンファレンスやイベントではその内容をスケッチとらえて参加者に共有する人たちがいることが多いです。グラフィックレコーディングとかスケッチノートとよばれていますよね!個人的な記録としてスケッチノートを実践する人もいますし、主催者からスポンサーされて公式なスケッチノートを提供するプロフェッショナルもいます。

     バーニー・クゥアさんはアジアで最も有名なスケッチノートの実践者のひとりでSketchpostを創業した起業家です。ボクも最初にスケッチノートを知ったのはシンガポールでのイベントで彼女のスケッチノートでした。リアルタイムでカンファレンスの内容をスケッチしていく様子に「スゲー!」と感動しましたよ!

     今回はそんな彼女がカタパルト式スープレックスのインタビューに応えてくれました。

    まず簡単にスケッチノートについて教えていただけますか?

     グラフィックの持つ力ってすごく大きいですよね。写真やビデオ、インフォグラフィックとかテキストだけでは伝えきれないものがある。スケッチノートはグラフィックとテキストを楽しく組み合わせてイベントに参加した人との繋がりを強めてくれるものです。アイデアがさらに心に残るようになります。

     スケッチノートは完全なサマリーじゃないし、それ自身で全てを語る情報デザインでもないです。そのセッションに参加した人たちがそれを使ってさらに深くないように入り込むような議論ができる素材といったほうがいいかもしれません。

    シンガポールのイベントでバーニーさんのスケッチノートに感銘を受けてボクもスケッチノートをはじめたんですよ!素人なんでレベルは全然違いますけど!バーニーさんはどういうきっかけでSketchpostを起業したんですか?

     新しい可能性に向けてのインスピレーションを他の人に分けられるってすばらしいです。私自身もヨーロッパやアメリカのスケッチノートをオンラインでみてはじめてみようと思いました。

     子供の頃から自然とイラストを描くことに親しんでいたんですよ。カンファレンスに参加してスピーチや議論をスケッチしていたんです。キーポイントや面白いと感じた言葉を絵で表すんです。そうしてとっていたノートを主催者やスピーカーの方々が気に入ってくれたんです。個人的な趣味としてやっていたんですが、数年後に職業的にやっていける自信がついたのでスケッチポストを起業しました。

    ボク自身は最初はマイク・ローデさんの”Sketchnotes Handbook”を教科書にしてました。スケッチノートをはじめるにあったってどういう教材がいいですか?

     そうですね。”Sketchnotes Handbook”はとてもはじめやすいですよね。あとYouTubeにもたくさん参考になるのビデオがありますので、それをみながら練習するといいですよ。

    The Sketchnote Handbook: the illustrated guide to visual note taking

    The Sketchnote Handbook: the illustrated guide to visual note taking

     

    ボクはアウトラインにはシャーピーペン、カラーはコピックのスケッチマーカーを使っています。バーニーさんは何を使っていますか?

     私たちは詰め替えができるノイラントのマーカーとアートライン、あとはブラシペンマーカーですね。あと、デジタルのスケッチノートではiPadかWacomのタブレットを使ってます。使っているのはアドビのPhotoshop SketchIllustrator Drawです。PhotoshopとIllustratorのアプリ版ですね。

    バーニーさんとその仲間のSketchpostの情報

    Website | Facebook | Twitter | Instagram

    オススメのYouTubeチャネル

    過去のスタートアップインタビュー記事


  • デザインツールのFramerにインタラクションデザインについて聞いてきたよ!

    デザインツールのFramerにインタラクションデザインについて聞いてきたよ!

     ボク自身がアプリのデザインをしている関係上、いろんなデザインツールを使います。例えばUIデザインにはSketchやIllustrator、Photoshopを使っているし、Zeplinのようなスタイルガイドを支援してくれるツールも使ってる。

     プロトタイプを作るツールもたくさんあって、InVisionBalsamiqなんて有名ですよね。最近ではAdobe Experience Design (XD) がいい感じなんでとても期待しています!

     ただ、既存のプロトタイピングツールは画面遷移は表現できても、もっと細かいアニメーションやニュアンス、音を含めた総合的なプロトタイプはできないです。それにIoTやウェアラブルのようなUXはサポートしていないですよね。そこで出てくるのがFramerですよ!

     すでに世界中でたくさんのユーザーがいて、FacebookやInstagramなど大手企業のデザイナーもコミュニティーに参加しています。日本でももっと盛り上がって欲しいという期待を込めてインタビューしてきました!

     −−東京でのミートアップはいかがでしたか?

    「おかげさまでFramerはアジアでも人気なんだ。アジアの中では韓国が一番多いんだけど、日本はこれからかな。これは特に大きなプロモーションをしたわけではなくて、自然に増えていったんだ。だからジョーンやボクはアジアに行くのがいつも楽しみなんだ。

     ソウルではGoogle、KakaoやNaverと話をして、東京ではGoodpatchと話をしたよ。幅広いスキルを持った才能豊かな人たちがたくさんいる。そしてクールな会社がたくさんあるね!

     Framerの背景やこれから実装される新機能のデモをするのはすごく楽しかったよ。ただ一番エキサイティングなのはこうした離れた国のクリエイターたちがすごい仕事をしていて、そうした人たちと話ができることだよね」

    −−まず、Framerについて教えて下さい

    「Framerはインタラクションデザインツールだよ。アプリやウェブサイトのインタラクティブなプロトタイプを簡単に作ることができるんだ。FramerはMacアプリでSketchのようなデザインツールとシームレスに連携して静的なイメージを動かすことができるんだよ。実際のイメージはギャラリーで見れますよ。

     そしてライブプレビューができるネイティブアプリも提供していて、自分のデザインを実際にスマホで確認出来る。そして1万5千人以上のデザイナーや起業家が参加している活発なコミュニティーが特徴だね!」

    −−Framerはどんな問題を解決することができるんですか?

    「デザインって単に見た目だけじゃないんだよね。どう感じるかってことなんだ。そしてユーザーが感じることってアニメーションやタッチジェスチャー、3Dや音声とかいろんな要素に依存してる。そういう全ての要素をSketchやPhotoshopだけで作り上げることは難しいんだけど、Framerを使えばそれができる。

     Framerはハイフィデリティ*1のプロトタイプを作ることができる。デザイナーや起業家は自分たちのアイデアを検証することができるし、チームで話し合ったり実際のエンドユーザーに試してもらうこともできるんだ」

    −−今のインタラクションデザインのトレンドは?

    「ものすごい勢いで変わっているよね。Framerはデザイナーが全てのインタラクションをデザインできるように作られている。単に静止画像じゃなくてね。デザイナーはいろいろなことが求められるようになってきている。コーディングやアニメーション、サウンドデザインに3Dデザインもデザインの範疇になってきている。Framerはそういう新しいタイプのデザイナーが使って便利なツールなんだ。

     VRやIA、それにIoTのような新しいプラットフォーム技術に対応するためにデザイナーはもっと広範囲なスキルセットを求められてくる。だから変化はこれからもっと速くなってくると思うよ」

    −−FramerもSketchもオランダの会社ですが、コラボも多いんですか?

    Bohemian Codingの人たちは以前から知っていて、すごい仕事をしているよね。SketchとFramerがちゃんと連携できるようにいつも話をしているし、これからのデザインがどうなっていくのかアイデアも共有しているよ。

     オランダのデザインを取り巻く環境はすごくクールなんだ。ミートアップに行けばすごくクオリティーの高いデザインツールを作った人と直接話ができたりする」

    その他のインタビューシリーズ

    *1:開発を始める前の完成系に近いプロトタイプ。通常は紙などのロウフィデリティのプロトタイプでアイデアを確認して、その後にハイフィデリティなプロトタイプを作り始める。Popとか紙のプロトタイプをデジタルにできるツールもあります