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  • イギリスのバークレイズ銀行におけるサービスデザインの事例

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    イギリスのデザインエージェンシーであるRawnetがイギリス三大銀行の一つでクライアントのバークレイズ銀行のサービスデザイン部門のディレクターであるClive Grinyer氏へのインタビューをYouTubeで共有していました。企業におけるサービスデザインの事例は海外では多いのですが、日本で紹介されているものは少ないので、ここでアウトラインをご紹介します。

    ボク自身もシンガポールやオランダの銀行のサービスデザインのプロジェクトに関わったことがありますが、このインタビューで語られていることはそのままどの国のどのプロジェクトにも当てはまることだと思います。

    あなたにとってサービスデザインとは?

    • エンドトゥーエンドのカスタマーエクスペリエンス
    • 全てのタッチポイントの組み合わせ
    • 厳格な顧客中心アプローチ

    バークレー銀行ではサービスデザインを取り入れる上で組織的に難しかったことをどうやって乗り越えた?

    • サービスデザインを取り入れると、組織の構造的な課題に挑戦することになる
    • 組織は基本的に縦割りで、顧客のエクスペリエンスはその縦割りを横ぐしで通り抜けるもの
    • サービスデザイナーの仕事はカスタマーエクスペリエンスは組織横断的なもので、組織の壁をまたいで働くことだと理解してもらうこと
    • そのためのツールの一つがビジョンづくり
    • ビジョンを作り、組織間のコラボレーションをファシリテートし、最終的には組織文化を変える

    サービスデザインは部門でリードしたほうがいいのか、または全従業員で理解するべきことなのか?

    • 企業内におけるサービスデザインのポジションは様々な議論がある
    • 最終的なゴールはサービスデザインの考え方は全ての人に浸透すること
    • 最初はスキルセットのフォーカスポイントが必要。つまり、一箇所に集約する。それが私個人のバークレーでのアプローチでもある
    • これまでの銀行職員とは違う考え方を雇い入れる。サービスデザインはこれまでの銀行とは全く違う考え方
    • これまでに触れたことのなかったデザインのツールやメソドロジーを展開する
    • まだまだ最終ゴールにはたどり着けていないが、たどり着いたとしても期待値はどんどん上がっていく

    伝統的な部門の壁をどうやって乗り越えて協業ができる環境を作る?

    • サービスデザインを取り入れるということは伝統的なやり方を変えていくといことで、それを理解しないといけない
    • 例えば2週間のスプリントで機会や課題を集中的に扱う。それはこれまでの金融機関では数ヶ月、数年かけていた
    • そういう意味では参加する部門にちゃんとフォーカスして時間を取ってもらうことがチャレンジでもある
    • サービスデザイナーは一緒に仕事をする。それによって部門のオーナーシップや自分たちで成し遂げたというプライドが生まれる
    • 課題を探すだけでなく、一緒に解決する

    具体的な事例は?

    • 顧客がやりたいことを実現するための知識やプロセスに詳しい詳しいチーム(Super Hero)の設立
    • バークレイズの社員が顧客のやりたいことをどう実現するかわからないときに、誰でもアクセスできる
    • このような取り組みは顧客にも社員にも喜ばれる
    • 誰もたらい回しにされたくないし、したくもない
    • デジタルだけがサービスではないし、このような小さな取り組みがインパクトを生むこともある

    バークレーではどのようにサービスデザインの価値を測っている?

    • 顧客満足度やNPSが尺度になっている
    • 蓄積的な変化ではなく、トランスフォーメーションとしての変化
    • 特にバークレーで行なっているのは小規模の内部や外部でのテストを重ね、リスクを最小限にすること
    • 大きな投資をいっぺんに行うのではなく、少しずつ変化を確認する

    サービスデザインはどんな産業に適している?

    • すでにプロダクトをデザインする余地はあまりなく、デザインのメソドロジーだけが残った
    • そしてデザインを形のないものに当てはめることが様々な産業で起きた
    • 特にコモディティー化して差別化が難しい産業でサービスデザインは活きてくる
    • しかし、公共サービスでの可能性は大きいし、GDSの仕事は素晴らしい。金融業界でも見習うことが多い

    サービスデザインのビジネスにおける将来は?

    • ビジネスに対してサービスの説明をしてきて、それは見えてきた
    • 形のあるプロダクトから形のないサービスのデザイン。それらを全て包括したエンドトゥーエンドのデザインになる
    • デザインはもっと戦略的に、将来を見渡せる力をリーダーシップに与える
    • イノベーションはテクノロジーだった。しかし、みんなテクノロジーのイノベーションを目指している
    • それを人間を中心にまとめ上げることができるのがサービスデザイン

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  • 世界にサービスデザインを広めるアダム・ローレンスのサービスデザイナーとしての原動力

    世界にサービスデザインを広めるアダム・ローレンスのサービスデザイナーとしての原動力

    アダム・ローレンス(Adam Lawrence)さんはサービスデザインの世界を牽引しているキーパーソンの一人です。エージェンシーの設立者というだけでなく、Global Service Jamという世界的なコミュニティーイベントを運営したり、サービスデザインの実用書『This is Service Design Doing』の著者の一人として幅広くサービスデザインを世界に広めています。今回はそんなアダムさんの日本語による貴重なインタビューとなります。

    カタパルトなかむら(以下なかむら):アダムさんは最近出版されたサービスデザインの書籍『This is Service Design Doing』に参加されているほか、Global Service Jamのようなグローバルなサービスデザインイベントの立ち上げもされています。いろんなことをやっていますが、主に何をされているのでしょうか。

    アダム・ローレンス(以下アダム):職業としてはヨーロッパで最も優れたビジネススクールの一つであるマドリッドのIE Business Schoolのサービスデザイン思考の助教授です。そしてもちろん、中央ヨーロッパを中心に活動しているサービスイノベーションと顧客体験のコンサルティングエージェンシーであるWorkPlayExperienceの創業者の一人でもあります。

    私たちの仕事のほとんどは組織(特に大きな組織)の中の人たちがうまく一緒に働けるお手伝いをすることです。それは彼らの顧客、スタッフを含めた社員、パートナーにどのように良い体験(エクスペリエンス)を提供するかに集中することです。それをどのように柔軟的、効果的、現実的に実行するかです。具体的には実際のプロジェクトに参加したり、スタッフのためのトレーニングや認定までの道筋を作ったり、仕事のためのツールなどを作ったりします。「サービスデザイン導入のサービスデザイン」とも言えますね。

    なかむら:最近出版された『This is Service Design Doing』に関連するのかもしれませんが、日本の組織が直面している課題の一つに「モノづくり」から「コトづくり」へのシフトがあります。おそらく日本企業の中で働いている多くの人は顧客中心であり、サービス思考であるべきだと考えてはいると思います。しかし、実際に変わるには「考える(Thinking)」だけではダメで、「行動(Doing)」が必要になります。行動に移す難しさについて何かお考えになる部分はありますか?

    This Is Service Design Doing: Applying Service Design Thinking in the Real World: A Practitioners' Handbook

    This Is Service Design Doing: Applying Service Design Thinking in the Real World: A Practitioners’ Handbook

    • 作者: Marc Stickdorn,Adam Lawrence,Markus Edgar Hormess,Jakob Schneider
    • 出版社/メーカー: Oreilly & Associates Inc
    • 発売日: 2018/01/12
    • メディア: ペーパーバック
    • この商品を含むブログを見る
     

    アダム:思考の変化は会議室やオフィスで座っているだけでは難しいです。オフィスから出て顧客と時間を過ごし、顧客と行動を共にして彼らが直面する課題に触れると見えてくるものが全く変わります。学術的なプロダクトとサービスの違いや、デジタルと非デジタルの違いは顧客にとって全く意味がないことに気がつきます。顧客は単に自分たちの課題を解決して欲しいだけなんです。生活に役立つ、できれば良い体験ができることが欲しいだけなんです。

    それらの問題はオフィスから出ないと発見できないのと同様に、会議室に立てこもっていては顧客の役に立つこともできません。私たちは顧客やステークホルダーのいる世界に出ていかなければいけません。プロトタイプを作り、実際の世界で試さなければいけません。そうすることで共創の「実行(doing)」が戦略立案会議よりよっぽど効果出来だとわかります。

    Global Service Jamでのマーカスさん(左)とアダムさん(右)。写真クレジット:@kirsty_joan

    人はとにかく話したがります。合意形成の中で安心感を得たいからです。しかし、イノベーションに必ずしも合意形成は必要ありません。プロジェクトの中では意見の多様性が必要な段階があって、複数の方向性を荒くても構わないので素早くプロトタイプを同時進行で作っていく必要があります。そうすることで、私たちはマネージャーへの報告やPowerPointではなく、顧客の近くにいること、現実を基にした実験の文化が成功への近道だと学ぶのです。

    なかむら:アダムさんが創立者の一人となっているGlobal Service Jamについて教えてください。

    アダム:私たちは変革の立ち上げや改善にジャム(Jamming)の方法を使います。また、組織で適切な人たちと協業する時です。これは「圧力鍋」の調理法で、通常は二日間、チームを作って素早い開発のイタレーションを行います。これには素早いゲリラ調査、速射砲的アイデア出し、エクスペリエンスのローファイ*1プロトタイピングを作って実世界に戻って検証や追加調査をします。これはテーマを知り、基本的なツールやサービスデザインのマインドに触れる素晴らしい方法です。

    私たちはこの方法がとても気に入っているので、世界中に共有したいと考えました。そして三つのグローバル・ジャム(Global Jam)をスタートしました。グローバル・サービス・ジャム、グローバル・ガバジャム(Global GovJam:公共サービスのためのGlobal Jam)、グローバル・サステイナビリティー・ジャムです。詳しくはGlobal JamのWebサイトで確認できます。

    なかむら:私たちも『デザイン+ジャパン』という日本の社会的課題をデザインコミュニティーで解決するイニシアティブを立ち上げたんですよ。次回のGlobal Service Jamに参加させていただくかもしれません。

    アダム:それは素晴らしい!

    なかむら:ところで、このような活動をどうしてやってるんですか?

    アダム:私はもともと心理学、マーケティング、プロダクト開発をやってたんですよ。あと、俳優や監督としても長年やってきました。だから、ビジネスの世界を舞台に見立てて探索してきました。そして「サービスデザイナー」と呼ばれる人たちのコミュニティーがあることを知りました。ビジネスパートナーであるマーカスと私はすでに顧客のエクスペリエンスの分野で舞台の手法を使っていました。だから、このコミュニティーと出会って自分たちのしていることを共有することは素晴らしいことでした。

    今やっていることは、人が本当にやりたかったことの実現を助けることができます。いわゆる「仕事」ではなく、他人にとっての価値を生み出し、自分もそれを楽しむことができること。だから、今やっていることをやり続けているんです。

    なかむら:「サービスデザイナー」は比較的新しい職種なので、様々なバックグラウンドの人がいて面白いですよね。ボク自身がサービスデザインのプロジェクトと呼べることをやったのはマイクロソフトでビジネスアナリストをしている時でした。アダムさんのおっしゃる通り、他人に対して情熱を持てることはサービスデザイナーの持つ資質のひとつだとおもいます。優れたサービスデザイナーになる条件ってなんだと思いますか?

    アダム:優れたサービスデザイナーは情熱と同時に批判的なものの見方が必要だと思います。問題の裏側にある課題の発見に情熱を注がなければいけません。そして、それに関わる人たちに情熱を持たなければいけません。そうすることによって耳を傾ける事ができます。そして調査、プロトタイピング、導入といった重要な活動に情熱を持たなければいけません。

    これらの活動を実行する上で、どのように人々が働き、技術がどのように使われているのか、組織がどのように変革するのかを理解しなければいけません。そして、謙虚でありつつも仮説、アイデア、プロトタイプに対して批判的な見方ができなければいけません。常にそれを壊してさらに良いものを作る姿勢が大事です。

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    *1:プロトタイピングにはいくつかの段階があって、ロウファイ(Low Fidelity)は見た目が荒い簡単なプロトタイプのこと。もっと製品版に千和桁見た目のいいプロトタイプはハイファイ(High Fidelity)プロトタイプという。通常、ロウファイの前にスケッチなどでアイデア出しをする。

  • イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

    イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

    原文:”How cross-government communities can support cross-government services” by Tom Wynne-Morgan and Will Harmer

     ユーザーにとってサービスはシンプルです。車の運転を習ったり、ビジネスをはじめることなど。しかし、政府にとってそれらのサービスを提供することはもっと複雑です。

     なぜかといえば、サービスの提供には政府組織をまたがり多くの人が関係してくるからです。与えられた範囲内ではとてもよく働いているのですが、全体像が見えていないかもしれませんし、どうやって他の人たちとうまく連携するかもわかっていないかもしれません。

     この問題を解決するためにGDSは政府機関の組織と協力し新しい連携の仕方の社会実験をはじめようとしています。異なるスキルを持つ人々、異なる政府部門からなる人のネットワークを作り、部門の壁を越えた「エンド・トゥー・エンド」サービスを改善しようとしています。このネットワークを「サービス・コミュニティー」と呼んでいます。

     私たちはすでにデザインやユーザーリサーチといった専門分野のための政府間のコミュニティーがあります。この新しい「サービス・コミュニティー」はこういった専門分野の壁を超えて人が集まってきます。コミュニティーに参加する人たちは自分達が携わるサービスのために集まるのです。

     私たちは「ビジネスをはじめる」コミュニティーでこのコンセプトをテストすることにしました。コミュニティーは英国歳入税関庁、労働年金省やビジネス・エネルギー・産業戦略省といった異なる組織から異なる役割を持つ人たちが集まります。これこそが私たちがこの取り組みをはじめた理由で、これまでの進捗状況でもあります。

    コミュニティーのチカラ

     昨年、私たちは行政サービスがどのように作られていくのかを調査しました。この調査で分かったことは行政サービスを作る一貫した方法がないということです。その代わり部門ごとに異なるやり方が存在していました。そして異なる分野と役割には組織の壁が存在していました。例えばポリシーと運用です。

     政府のデジタル変革におけるGovernment Transformation Strategyにおいて「政府の異なる組織を通じて継ぎ目なく実行される公共サービスを構築」すると公約を掲げているため、この課題に取り組まなければいけないことは明白です。

    www.catapultsuplex.com

     GDSでは政府機関の部門をまたがり「エンド・トゥー・エンド」のサービス開発を支援する取り組みをいくつも実施しています。例えば、サービス標準を更新して全体のサービスを視野に入れ取り込みました。私たちはGOV.UKにおける完全なサービスジャーニーを描くことをはじめました。そして官公庁が「エンド・トゥー・エンド」のサービスに関するデータを公開する支援をしています。

     私たちの「サービスコミュニティー」は特定のサービスを提供するあらゆる人たちを一つにまとめ、手助けをします。

     コミュニティーに参加する人たちは一貫した「エンド・トゥー・エンド」のサービスを作るために役立つことを共有します。それはユーザー・リサーチ、データ、バックエンドの技術といったものです。お互い動いているプロジェクトを更新し、共通の問題や欠陥について支援し合うことができます。

    ここまで何ができたか?

     私たちはこのアプローチを「ビジネスをはじめる」コミュニティーで試しています。ビジネスをはじめるジャーニーは比較的シンプルで、特定の部門に属していないからです。さらに歳入税関庁がすでにビジネススタートアップで取り組んでいたプロジェクトに乗っかることもでき、Transformation Peer Groupで召集された部門間のネットワークも活用することができるからです。

     コミュニティーには政策、戦略、デザインや管理といった様々な役割の人たちから構成されています。歳入税関庁、労働年金省、ビジネス・エネルギー・産業戦略省、教育省、企業登記局、国際貿易省、年金規制機構、英国商業銀行から代表者が参加しています。コミュニティーが成熟するとともに他の政府機関や政府の外部などからも参加を受け付けようと考えています。すでに食品基準庁や安全衛生庁と話をはじめています。

     私たちはすでにこのグループでいくつかワークショップを開催しました。ビジネスをはじめるためのジャーニーをマッピングし、コミュニティーの能力とギャップをみています。

     このグループはさらにコミュニティーのどのように持続性を可能にできるか検討しています。例えばどのくらい定期的に会い、組織化し、主体性を持つのかといったことです。

    ここまで何を学んだか?

     行政サービスを作る上で課題があるのと同様、サービス・コミュニティを作る上でも課題があります。

     その一つがいくつかの部門をまたがる共通したコミュニケーションのチャネルです。たくさんのコミュニケーションの方法が使われていますが、全て共通して使えるチャネルがありません。

     また、サービス・コミュニティーそのものの大きさです。全員が定期的に会うことはとても難しいです。そのためにコミュニティーの中でユーザー調査などのサービス分野に焦点を当て小さなグループを作りはじめています。小さなグループで会い、その結果を大きなコミュニティーでフィードバックするのです。

     コミュニティー運営の方法を各省庁で統一的に行うことは難しいです。たとえば、政策の変更に数ヶ月かかる部門があれば、数週間で済む部門もあります。

     またサービスの提供が常に行われているため、空白期間がありません。全てを溜め込んで、それを元に完璧なデザインを行うということはできません。やりながら進めることを受け入れないといけません。

     これらのチャレンジじもかかわらず、政府間のコラボレーションの需要は非常に高く、「エンド・トゥー・エンド」のジャーニーマップの作成などのプロジェクトでコミュニティーがうまく働くことがわかりました。

    次のステップは?

    「ビジネスをはじめる」コミュニティーの会合は定期的に行われています。今年のプロジェクトの足がかりにするために「エンド・トゥー・エンド」のサービスマップを繰り返し改善しています。また、サービスに関するデータの共有のやり方やユーザーリサーチのサービスを超えた共有も検討しています。

     サービス・コミュニティーのコンセプトを押し進めています。すでに政府間の連携のための同様な取り組みは多くあり、そのようなプロジェクトとも連携を進めていきます。

    訳者からの解説

     The Government Transformation Strategy 2017 to 2020においてイギリス政府は、2020年までに目指す方針の1つとして「共通言語、ツール、テクニックを構築し、官公庁をまたがる大きな変革へのアプローチ方法や民間部門からの学びなど知識と経験を共有するために各省庁をまたがる仕組みを確立する」ことを掲げています。

     国民の視点から考えてみると行政サービスは部門毎には別れてはいません。むしろ継ぎ目なくお互い隣り合わせのような一方、現実として行政組織はそれぞれ別れています。そんな背景のなか行政サービスをつくっていく難しさをどのように乗り越えていくのか。

     一つの方向性としてGDSが見出したのが「サービス・コミュニティ」の力でした。民間とだけでなく行政内でも協働する時代。部署や部門を越え様々なバックグラウンドを持ったヒトが自然発生的に集まるような動きが行政内にも少しずつ生まれているのでした。日本もイギリスと同じ議院内閣制をとる国ですが、デジタル時代の波に行政や政府はどのように対応していくか少し先を行くイギリスから学ぶタイミングが再び来ているのではないかと思います。

    池田達哉

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  • デザイナーのための『UXストラテジーガイド』

    デザイナーのための『UXストラテジーガイド』

    原文:”THIS UX STRATEGY GUIDE HELPS DESIGNERS MAKE BETTER DECISIONS” by Alex Souza

     デザイナー(特に経験の浅いデザイナー)は企業戦略を見落としがちです。デザイナーが戦略立案に関わる機会が少ないことが原因なのではないかと考えています。または、企業はデザイナーが魔法のように問題を解決してくれると期待しているといったボタンのかけ違いが原因かもしれません。

      デザイナーが企業のゴール、新製品立ち上げの期待、新機能の追加を理解していないのは、ユーザーを理解していないのと同じです。知識の欠落は問題解決を難しくします。本当に。

    「デザイナーは企業戦略を見落としてはいけない」
    “Designers shouldn’t overlook corporate strategy.”

     Jeff GothelfのリーンUXキャンバスやJim KalbachのUXストラテジーブループリントなど素晴らしいツールがありますが、デザイナーや講師としてデザイナーと関わる機会が多い私から見るとこれらのツールは新しいデザイナーが習得して実戦で使うには難しい。このプロジェクトが実現する価値があるかどうか判断するのが単純に彼らにとって難しいのです。

     UXストラテジーブループリントはハイレベルの戦略を理解するためには素晴らしいツールです。しかし、そこから日々の仕事まで掘り下げていくことはできません。リーンUXキャンバスは仮説を設定して次のステップに進むための強力なツールです。しかし、経験が浅いデザイナーがそれを続けるべきかどうかを判断することは判断するのには足りません。

     この問題を解決するためにUXストラテジーガイドを作りました。

    github.com

    UXストラテジーガイド

     このUXストラテジーガイドはデザイナーがリーンUXキャンバスとUXストラテジーブループリントの両方を使いつつ、最終的な決定ができる情報を追加しています。

     このガイドは考えているプロダクトに関わる問題、オーディエンス、アイデア、仮説、リスク分析と判断基準を考える手助けとなるようになっています。

     5カテゴリーに分かれた12ステップで構成されています。最終決定をする上で最後のステップを完成させるには数回のイタレーションが必要となります。

    課題は何?

     最初のカテゴリー(ライトブルーのステップ1から5)では課題の理解、何を解決することを期待されているのか、どのような問題を乗り越えるのか、既存のソリューションとの違い、成功の数値的な目安を設定します。

     集める情報が多いほど、ソリューションのアイデアや想定するユーザーとメリットを考えリスクを減らすことができます。

     ほとんどの情報はプロダクトマネージャーと埋めることができるでしょう。小さな規模の会社であれば会社のオーナーと埋めることができるかもしれません。

     このガイドの他のフェーズでも同様ですが、全ての質問に答えて棚卸しが終わってから次のステップに進みましょう。信じられないかもしれませんが、多くのプロジェクトはステップ2とステップ3が不十分なために失敗します。

    「先に問題を明確にし、次にソリューションを考える」
    “First identify the problem, then work on the solution.”

     このカテゴリーでは存在するであろう課題について書いていることを忘れないでください。既存のプロダクトでよくある間違いはソリューションが直面している課題について説明してしまうことです。ここでの目的は課題を明確にすることで、ソリューションの発見はその次になります。

    誰のため?何のため?

     二つ目のカテゴリー(ライトグリーンのステップ6と7)ではそのプロダクトを使うであろう実際のユーザーとユーザーメリットを理解します。

     これは「ミニ・ペルソナ」のようなものです。

     UXリサーチを実施するのにいいタイミングです。可能であれば潜在的なユーザーと話をしてみましょう。 リーン・サーベイ・キャンバスは調査の準備するのにとてもよいツールです。

    アイデアに名前をつける

     ステップ8(ライトイエロー)はその前のステップで集めた情報をもとに機能に関するアイデアを記録しておくため場所です。いわゆる「完璧なアイデア」はユーザーやビジネスにフィットしないことが多いです。

     例えば主なユーザーが発展途上国にいるとして、電話のアプリケーションを作ろうとしているとします。その場合はiPhoneよりもAndroidのプラットフォームのほうがいいでしょう。

    何が重要なのかを把握する

     ステップ9から11(ライトオレンジ)はJeff GothelfのリーンUXにあたる部分となります。

     ここで機能がユーザーと企業にとってどのように有益なのか仮説をたてます。さらに最も深刻なリスクとその可能性について検討します。

     それぞれリスクが少ない仮説がデザインと開発チームのバックログに入ります。リスクが高い仮説は破棄されるか将来のイタレーションのためにガイドに残します。

    メインステップ

     デザイナーとしてピクセルを操作して画面との関係を考えることは大好きです。12全てのステップに答えて全てが「イエス」であればプロトタイプを作りはじめることができます。

     一つ以上「ノー」がある場合は意思決定をするには情報が足りていないことになります。そのまま続けてもやり直しのリスクが非常に高くなります。結局のところ、イタレーションを繰り返してわからない部分をなくしたほうが、やり直したり破棄するような失敗プロジェクトに関わるよりいいのです。

    まとめ

     UXストラテジーは学習、忍耐と献身を必要とするテーマです。様々なデザイン分野をカバーし、プロダクトマネージメントやマーケティングといった企業のデザイン以外の分野とも緊密に連携する必要があります。このような知識を理解して役に立てることはデザインに大きな価値を生み出します。

     この『UXストラテジーガイド』はデザイナーが企業、オーディエンスやマーケットをよりよく理解するために作られています。必要があればいつでも使ってみてください。

    訳者からの解説

     フォーマット訳者より:実際に試しに埋めてみましたが、ある程度慣れとセンスは必要だと感じました。翻訳上は、「UX Strategy」「Lean Startup」のナレッジをある程度前提としているので、Assumption – 前提とHypothesis -仮説は各々どう定義するのか、そもそも何を指して言っているのか…ということにそれぞれの文脈の影響で少し揺らぎがあったりします。なので、そのまま日本語訳するとちょっとわかりづらい、ということを中村さんともディスカッションして、もともとのフォーマットには無い解説などが付記されています。

     それと、なるべく厳しい目線で使わないと、マッチポンプ的に意外とイケそうな感じにも書けてしまうのは他の戦略フォーマットと同様かと思います。とはいえ、最後に「全部ほんとに調査したか?」「本当にこのアイデアで行けそうか?」という問いのところはすべてクリアしないと先に進めないので、無意識的な甘さは排除しやすいかもしれません。とりあえず全体像を俯瞰しながら進む戻るを検討しアタマを整理するのには良いと思いますので、試しにつかってみてください。

    赤羽太郎

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  • 人事(じんじ)を人事(ひとごと)にしないサービスデザイン|インテルでの取り組み

    人事(じんじ)を人事(ひとごと)にしないサービスデザイン|インテルでの取り組み

    この記事のポイント

    • プロセスではなくエクスペリエンスをデザインする
    • フロントステージの主役は複数設定でき、それぞれジャーニーが異なる
    • 組織変革にサービスデザインが果たせる役割は大きい

    原文:”Using Service Design to shape the future of Talent Acquisition” by Shira Ben-Cohen

    この記事はShira Ben-Cohenさんによる Practical Service Designへのゲスト寄稿です。Shiraさんはイスラエルに住んでいて、インテルのGlobal Talent AcquisitionグループにてGlobal Talent & Hiringのパートナーエクスペリエンスに取り組んでいます。Shiraさんは組織文化の変革と組織内の人の意識変革にサービスデザインが大きな役割を果たすことができると考えています。

    ■■■

     前回の記事でサービスデザインを自分の組織に取り入れる活動とこの素晴らしいテクニックを人材獲得に活かす取り組むを紹介しました。そして夢見る次のアクションについて書くことでその記事を終えました。

     それはビジネスプロセスパフォーマンスのチームと一緒にリクルーティングのバックステージをデザインすることでサービスデザインを一歩進めること。そして採用候補者だけでなくリクルーターや採用部門長もクライアントとしてみること。そして、その夢はかなったのです!

    採用は三位一体

     私たちは採用する候補者のエクスペリエンスが大事だと知っています。採用のプロは質の高い人材プールを保ち、人材マーケットに組織がいかに採用エクスペリエンスを向上するためにプロセスやツールの改善に努めています。

    解説

    日本では馴染みが薄いかもしれませんが、海外では採用される側と採用する側は対等です。選ぶ自由は採用される側にもあるので、採用する側は「雇ってやる」という態度を見せてはいけません。そのために採用される側のエクスペリエンスが重要視されます。採用に至らなかった場合でも「ああ、結果はともあれ、この企業と話ができてよかった」と感じてもらうことが重要です。

     しかし、何か忘れていないでしょうか?

     採用部門の部門長やリクルーターは採用エクスペリエンスに重要な役割を果たしています。彼らこそ採用プロセスの推進力であり、候補者とともに三位一体を構成します。

     人材獲得の組織を活性化するためには採用パートナーも顧客としてみることが大事です。採用アプローチをデザインする上で彼らのエクスペリエンスも中心に置く必要があります。

     これで主要な顧客がわかりましたので、ニーズの調査に移ることができます。そのやり方を見てみましょう。

    採用部門長とリクルーターは候補者のエクスペリエンスのカギを握る

    プロセスではなくサービスのデザイン

     新しいポジションを作る、人材を募集する、候補者と接触する、といった採用パートナーとのインタラクションは全てサービスと言えます。

     人材のドメインにおいて、私たちは単にプロダクト(ポジション)を売っているわけではなく、サービスを管理しています。

     多くの場合、デザインプロセスはルールや構造、ポリシーからはじまります。今回はその方向を逆さまにしてみました。向上させたいインタラクション(サービス)を取り上げ、「このサービスにおいてどのようなエクスペリエンスを提供したいのか?」と問いかけました。

    このアプローチは非常に役に立ちました。

    1. プロセスではなくエクスペリエンスをデザインする
    2. 既存のサービスの改善ではなく、将来の理想的なサービスをデザインする

    ステージとしての人材獲得

     そしてサービスデザイン手法の素晴らしさが現れる部分でもあります。

     ワークショップの初日、サービスブループリントに取り掛かる前に私は「ステージ」の考え方を同僚たちに紹介しました。

     人材獲得の世界を一つのステージとすると、三つの見方をすることができます。フロントステージ、バックステージと舞台裏です。

    引用:Service Design Stages, by Practical Service Design

    1. フロントステージは実際の活動が起きる場所です。採用候補者のエクスペリエンスの全て。行動をする場所であり、関係する人たちと関わり合いを持つ場所。採用部門長とリクルーターを人材獲得サービスの顧客と設定するならば、彼らもそれぞれのジャーニーを体験するフロントステージの役者となります。

    例:

    • 全体の採用候補者ジャーニー:受け取るeメール、電話、面接のすべて
    • 採用部門長とリクルーターとのやり取り
    • リクルーターがプロセスでのやり取りのエクスペリエンス

    三人の異なる役者、それぞれが違うジャーニーを体験します。それぞれが採用プロセスにおいて自分のフロントステージに立ちます。

    2. バックステージはフロントステージを支えるサポートプロセスです。

    例:

    • 採用候補者が私たちのコミュニティーに参加するための登録フォームを作るための人材管理のCRMシステム
    • リクルーターと採用部門長が採用プロセスを管理するための応募のトラッキングシステム
    • インフラの担当者やアシスタントなど採用活動を支えてくれる他の役者たち

    3. 舞台裏はフロントステージとバックステージが機能するために会社が持つべき規則、規定や予算といった無形のもの全てです。

    例:

    • 考慮すべきあなたの組織の採用予算と人材計画
    • 組織のダイバーシティ―目標とそれが意思決定プロセスに与える影響
    • 障害者採用規定、各国の採用規則、採用募集期間など

    新しいサービスをイメージしなおすために有意義な議論をするマッピング作業を行う前に「ステージ」の考え方を理解することは重要です。ビジネスプロセスだけでなくそこに立つ役者のエクスペリエンスにフォーカスする人間中心デザインの本質と言えます。

    引用:Service Design Stages, by Practical Service Design

    未来の状況のデザインと既存の状況デザイン

     未来のマッピングはそのユーザーにとって理想の状況に基づいています。あるべき姿のサービス構造です。

     わたしたちは採用パートナーの現在のエクスペリエンスではなく、将来のエクスペリエンスの再定義をするために各国の様々な部門からその分野に明るい人たちに集まってもらいました。

     メンバーはそれぞれ異なる専門分野、リージョンや役割を代表し、採用プロセスにおいての役割と知見を得られるよう選出しました。そう、三位一体。

     私たちは三つのトラックを同時進行できるようにグループ分けをしました。それぞれのトラックは採用プロセスにおいて異なる注力分野を担当して新しいエクスペリエンスを描きます。

    将来の理想の採用プロセスと体験をデザインする

    PART 1- サービスエクスペリエンスを描く

     ワークショップ初日はサービスデザインのボディーともいえるサービスブループリントを使って未来のサービスのあるべき姿を描きます。

     前回は現在のサービスブループリントセッションでは現在のサービスをベースとして改善のアイデアを反復させました。しかし、今回はゼロベースで理想のサービスを描くことにしました。

     私たちの基礎となる原則(プリンシパル)は継ぎ目のないシームレスなプロセス、意味のある関係、主なステークホルダーとの真のパートナーシップです。この原則が最後まで私たちの活動を導いてくれることになります。

     私たちは新しいサービスを作りはじめました。一歩ずつ。「最初から最後まで」まずはフロントステージに注力して。

     そして、「最初から最後まで」作り上げたサービスのバックステージと舞台裏のサービスコンポーネントを未来のサービスブループリントをチェックリストとして使いながら「表面から中心まで」みていきます。

    未来のサービスブループリント作成

     たとえば新しいポジションをオープンするためのプロセスを作るとします。一歩ずつ。左から右へ。そしてブループリントの色分けを使ってマッピングしていきます。

    フロントステージとバックステージ

     最初のステップが終わりましたか?それでは次のステップに行きましょう。

    ブループリントの色分け

    デジタルとアナログ

     付箋紙はデザイナーが好むツールで、とても楽しいですが、今回のセッションではデジタルのツール活用も模索しました。

     もちろん、付箋紙を使うことでチームは自らの手を使い、立ち上がり、クリエイティブになります。私も付箋紙は大好きです。一日のワークショップのあとに壁一面に貼られて付箋紙は美しく一日の最後にふさわしいとも言えます。でも、

     現在はクリエイティブにコラボレーションができるデジタルでにできるツールが沢山あります。そしてリアルタイムに文書化することができます。そして、これが重要なのですが、その日の作業状態を保存できるので、好きな時にそこからはじめることができます。その日にいなくても、別の地域にいたとしても。

     今回はMuralを使ってみました。とてもよかったです。今後のセッションでも使い続けるでしょう。

    Our digital blueprint map on Mural-beautiful visualization

    PART 2 — サービスエクスペリエンスを定義する

     ワークショップの二日目は分かれていたグループが再び一つに集まり、それぞれが作ったブループリントの共有をしました。

     それぞれのチームは担当したシナリオのデザインとフローを詳しく説明します。

     次のステップはアイデアを優先づけして実行可能な戦力的な計画に落とし込むことです。そして将来の人材獲得ロードマップを作成して組織に持ち帰ります。

     チームがエクスペリエンスの考え方を素早く吸収してサービスデザインの言葉でグループの作業を共有する姿はとても素晴らしいです。

    それぞれのチームは担当したシナリオのデザインとフローを詳しく説明

    デザイン・ドリブンな組織変革

     はい、組織をデザイン・ドリブンに変革するには時間がかかります。しかし、小さな一歩、企業のマインドが顧客中心の会社への進めていきます。

     私は私のマネージャーたちや会社がサービスデザインのような新しい考え方を取り入れることを誇りに思います。Global Talent Acquisition組織における変革が実行中ですが、ここにサービスデザインを活用できる機会が与えられたことは本当に幸運でした。

    壁にマッピングされたポストイット

    このプロジェクトから学んだこと

    1. 世界はステージでその要素は全て重要です。変化を起こす時にエンドユーザーだけでなく、それを実行する役者全てを考える必要があります。それに取り掛かるチームが「ステージ」のコンセプトを理解できるよう背景を設定しましょう。
    2. 望むエクスペリエンスからはじめ、プロセスを後から定義する。これまでやっていたことは脇において、ビジネスのフローにおいてどのようにしたいのかをデザインしましょう。まず顧客を考える。ニーズを把握してそこからはじめる。使わなければいけないシステムやルールに気を使いすぎない。あなたのモデルに組み込むことができるし、これまで考えたこともないタッチポイントが生まれるかもしれない。
    3. 将来の理想を想像しましょう。現状のマッピングも素晴らしいです。そこは間違えないで下さい。しかし、現状のマッピングでは不十分な状況があります。実際に存在しないワークフローをデザインするのは非常に難しいですが、固有の改善を推進するには必要なことです。
    4. デジタルに移行しましょう。当たり前に聞こえるでしょうが、ワークショップの環境でのエンゲージメントのために付箋紙から離れられない人たちもいます。デジタルツールを使いましょう。
    5. 大きく夢見て、小さくはじめましょう。サービスデザインによる採用プロセスの再定義は1日でなし得るものではありません。サービスデザインを使って組織文化に影響を与えたいと考えるならば、小さなシナリオで小さく興味を持っている人たちと一緒にはじめましょう。その小さな一歩が先へとつながっていきます。

    解説

     顧客満足度を高めるために人間中心のデザインを取り入れる。特にサービスにおいてはサービスデザインは日本でも注目を集めてきています。

     サービスには外向きのサービス(顧客やパートナー)と内向きのサービス(従業員やパートタイム)があります。例えば人事やITというのは従業員が働きやすい環境を作るサービスです。サービスデザインが活用されるのは外向きのサービスが多く、内向きのサービスに使われることはあまりありません。これは予算のつき方が原因なのだと思います。社員満足度のために外部のデザイン会社にお金を払う予算がない。

     でも、内側で人間中心のサービスができないのに、外側に対して人間中心のサービスができるのか?という疑問はありますよね。インテルのこの事例はそういう意味ではとてもいい事例です。ボク自身もシンガポールで新入社員のオンボーディングのデザインをしたことがあります。とある政府系機関の人事の方々とデザイン室と一緒にこのプロジェクトをやったのですが、人事の方というのは社員のことを知っているようで知らない。どちらかというと人事プロセスの専門家なんですね。だから人事(じんじ)は人事(ひとごと)と言われたりする。

     顧客中心の企業文化にしたいのであれば、まずは内側からはじめてみてはいかがでしょうか?

    カタパルトスープレックス なかむらかずや

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  • プロダクト開発の優先順位のラディカルでシンプルな付け方

    プロダクト開発の優先順位のラディカルでシンプルな付け方

    原文:”A Radical, And Simple, Approach To Product Prioritization” by Richard Banfield

    「すべきことを終わらせる」ための最大の課題は「何をすべきかを知る」ことなのは皮肉なことです。私たちの本の『Product Leadership』でこのトピックにまるまる一つのセクションを費やしました。最近では、この課題を確認するためにいくつかの調査を実施しました。100人以上のプロダクトプロフェッショナルを対象としたアンケート調査で、TwitterとLinkedInで投票をしましたが、結果は同じでした。プロダクト担当者の最大のチャレンジは優先順位付け。

    Source: Twitter Poll

    なんで優先順位づけは難しいのか?

     プロダクトのクリエイターは多くの責任がありますが、そのタスクを遂行するために必要な権限はありません。役員たちはチームに多くの要求し、顧客や営業はカスタム機能やバグ修正を依頼してきます。これらを断るのは難しい。

     ほとんどのプロダクトマネージャーやリーダーは優先順位づけに必要な手法を持ち合わせていないことがわかりました。どのアイテムが重要で、どのアイテムは後回しにできるかを分別する簡単な方法。売上の圧力、偉い人の意見、組織内の合意で優先順位づけをしている場合が多すぎます。彼らには助けが必要です。

     必要なのは概念ではなく具体的な方法です。

    どのように優先順位づけをするのか?

     優先順位付けは明確なビジョンとそこに到達する道のりを明確にすることからスタートします。幸いにそのためのシンプルで洗練されたソリューションがあります。私の同僚のGeordie Kaytesと友人のRadhika DuttとNidhi Aggarwalが非常に便利なソリューションを作りました。

    「プロダクトが魅力的なビジョンから生まれることは非常にまれです。今までのキャリアを通じて私たちみんな素晴らしいプロダクトを作る努力をしてきました。しかし明確な道筋はありませんでした。私たちは自分たちの見識を比較し、ビジョンからプロダクトを作るためのプロセスを考え出しました」 – Radhika Dutt

    彼らはそれをラディカルプロダクトと呼んでいて、それは私はスゲエと感じました。

    ステップ1:プロダクトビジョンを作る

     彼らのビジョンデベロップメントワークシートを使うと簡単なステップでクリアで明瞭なビジョンに近づくことができます。あなたがスタートアップの創業者であれ、プロダクトリーダーであれ、チームと一緒にこの作業を行うことを勧めています。

     ワークシートを使うって最初のビジョンを作り、チームとともに反復作業をします。これがそのワークシート…

    ビジョンデベロップメントワークシート

     これがその穴埋め問題式のフォーム…

     現在、[カスタマーセグメント]が[行動や結果]したいとき、彼らは[現在のソリューショ ン] します。これは非常に耐えがたいことです、なぜなら [現時点でのソリューションの欠点]だからです。私たちは [課題が解決された世界]を望みます。私たちは[技術やアプローチの概要]で実現します。

    ステップ2:ビジョンとプロダクトストラテジーを結びつける

     このラディカルプロダクトモデルでは優れたプロダクトストラテジーのための4つの要素が定義されています。ペインポイント、デザイン、機能とロジスティックです。

    ペインポイントとは「誰のため?」と「彼らの痛みは何?」です。

    デザインとは「ユーザーが目にする最も重要なフィーチャーやコンポーネントは何ですか?」と「それはどのような感情をユーザーにもたらしますか?」という問いに答えるものです。

    機能とは「どのようにそのフィーチャーをユーザーに届けますか?」と「どのような技術、専門性、データ、パートナーシップや機能を開発する必要がありますか?」にあたります。

    ロジスティクスは「その製品はどのようにユーザーに届けられますか?」や「どのようにサポートしますか?」といったチャネルに関することです。

     これにより作業を明確にして優先順位をつけるためのロードマップが準備できます。

    RDCLストラテジーキャンバス

     Radical Productの作者はこのシートを定期的に見直すことを進めています。

    ステップ3:ビジョンに当てはめて優先順位を決める

     下にある2×2マトリックスを使ってどのニーズにチームがフォーカスすべきかを評価することができます。どれを無視して、どれを後回しにするか。ビジョンを基準としてフィルターすることで何が必要で何が不必要なのか優先順位を決めます。

    ビジョン/事業継続性テスト

    ビジョンのフィットと事業継続性から優先順位を決める

     資金が潤沢にあればビジョンに投資すべきです。投資家や顧客を説得できるのであれば特に。資金が足りない場合は「ビジョンの負債」を取ることもできます。しかし、「技術的負債」と同様にこの負債は将来的に返済する必要があります。

    難しいのはビジョンとフィットするけど事業継続性が低い場合や、ビジョンはフィットしないけどビジネスの心配をせずによく寝れる場合です 🙂 – Nidhi Aggarwal

    ステップ4:プロダクトビジョンを計測する

     実行は計測しなければいけません。優先順位がどのような結果を生むかを知る必要があります。計測することで改善ができます。残念ながら、ほとんどのプロダクトチームは顧客の価値や満足の結果に紐づかない自己満足の指標を使いつづけています。

     この最後のトピックはもっと詳細な説明を必要とするでしょう。このトピックに関してはNate WalkingshawのMind The ProductプレゼンテーションとDuttの製品分析と測定に関する考えを読むことを強くお勧めします。

    ここで紹介されているRDCLツールキットの日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。

    カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。

    この記事はFresh Tiled SoilのCEOであるRichard Banfield氏による”A Radical, And Simple, Approach To Product Prioritization“の翻訳です。

  • スタンフォード大学でも使われている『共感マップ』のアップデート

    スタンフォード大学でも使われている『共感マップ』のアップデート

    原文:”Updated Empathy Map Canvas” by Dave Gray

     何年も前にXPLANEで共感マップをデザインしました。私たちがゲームストーミングと名付けた人間中心デザインツールキットの一部でした。

     共感マップは多くのチームが共感による人に対する深い理解を共有することに役立っています。顧客のエクスペリエンスを向上、社内政治の理解、より良い仕事環境など多くのプロジェクトで活用されています。

     共感マップは私たちのワイルドドリームを超えて成功しました。スタンフォード大学d.schoolのカリキュラムで採用され、ハーバードビジネスレビューでも掲載されました。IDEOの創設者であるDavid KelleyとビジネスパートナーTom Kelleyが「IDEOのリーダーからの3つの創造的チャレンジ」の一つにも選ばれました。

    なんでアップデート?

     共感マップが作られ数年経ちますが、その間に多くのバージョンが現れました。共感マップは共感を育むためのエクササイズを補完するフレームワークとして特定のアイデアを元にデザインされています。共感マップの成功はエキサイティングであり、非常に喜ばしいことですが、数年に渡る様々な解釈の中で失われたものもあります。また、Webで展開されているいくつかのバージョンはオリジナルからダウングレードされています。

     最近では、ビジネスモデル・キャンバスのデザイナーのAlex Osterwalderと協力してCulture Mapという組織文化をマッピングするための新しいツールを開発しました。その過程で私はキャンバスデザインについて多くのことを学びました。

    そこで『共感マップ』の新しいバージョンを作ることにしました。Alexから学んだことを活かしてより使いやすく、より良いエクスペリエンスと成果を目指しました。

    アップデートの内容

    1. チームが活動のコンテキストと目的を明確にするためゴールを組み入れました。このゴールはWhoDoのエクササイズでも明確にすることができます。
    2. 活動の流れをより明示的にするためにセクションに番号を加えました。 流れの説明は後ほど説明します。
    3. 「考えると感じる」のセクションを頭の中心に置きました。これのより観察できる外の現象と 観察が難しい内面を区別しやすくなります。また外側にあった「痛みとメリット」も頭の中に移動しました。
    4. チームがエクササイズに入りやすくするためのいくつかの思考準備の質問を追加しました。

    使い方

    1. ゴールからはじめましょう。「誰」が共感マップの主人公で、あなたは「何」をしてほしいのか。これは新しい観察可能な行動から形作られる必要があります。
    2. ゴールを明確にしたら、キャンバスを時計回りで作業していきましょう。「見る」「言う」「やる」「聞く」の順番です。観察可能な現象(目に見えるもの、聞くもの)に集中することによりその対象に深く共感できるようになります。彼らの経験がどのようなものか想像する機会となり、「彼らのように感じる」感覚に近づきます。
    3. 外側の要素を埋めてから、頭の中の動きにフォーカスしはじめます。多くの共感マップは頭の外側に「考えてること、感じていること」を置いて、あまり書き込む余地がないことに気づきました。真ん中の大きな頭はこのマップデザインの最も重要な側面の1つです。実際に最初の名前は「The Big Head」でした。なぜなら、もともとのコンセプトはその人が何を感じて何を考えているか知ることだからです。そして、それは今も変わりません。
    4. もしプロダクト、サービス、またはカスタマーエクスペリエンスをデザインしている立場であれば、共感マップは価値のデザインにとても良いインプットになります。価値のデザインはAlexのもうひとつのツールであるValue Proposition Canvasが使えます。

     この新しい『共感マップ』テンプレートを使用すると何が起こるかについてフィードバックを聞きたいと思っています。このようなツールは、ユーザーのフィードバックの共有からのみ改善されます。このツールを試して、どのように機能しているのか、どのように改善できるか教えてください。 コメントであなたの考えやフィードバックを共有してください。

     このアップデートされた『共感マップ』の日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。

     カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。

     『共感マップ』日本語版はXPLANE社の許可を得て配布しています。この記事はXPLANE創業者Dave Gray氏による”Updated Empathy Map Canvas“の翻訳です。

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2014年)各省庁のプロジェクトが続々公開そしてトランジション完了

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2014年)各省庁のプロジェクトが続々公開そしてトランジション完了

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる
    • その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。
    • CTO室主導でアーキテクチャだけでなく調達も整理整頓。コスト削減効果が明確になってくる。
    • アプリは行政サービスには不向き。(個人的にはPWAは向いてると思う)
    • 検索できない「リッチテキスト」は追放

    原文:”A GDS Story 2014

    2010/2011年2012年2013年|2014年|2015年

    1月13日

    デザイン融合チームがチェックリストを発表:

    このチェックリストはオンラインでサービスを提供するどのような組織でも役に立つように意図しています。これらのチェックリストを満たしていればデジタルサービスはだれでもオンラインに対応できるよう融合している状態になっていることになります。

    1月23日

    身分証明プログラムベータ

     Janet Hughesが身分証明プログラムについて詳細に説明。身分証明プロバイダー(のちに認定会社に呼称を変えた)の役割など。

    1月24日

    政府が新しいITの契約ルールについて発表。これはGDSの支出管理の必須要綱ともなる。概要は以下の通り:

    • 1億ポンド以上のIT契約は特別な必要性がない限り承認されない。契約の規模を小さくすることでより多くのサービス提供者の参入と競争を促進する。
    • サービスのプロビジョニングを提供した会社は、プロビジョニングをしたシステムの構築契約はできない。
    • 契約の自動延長はない。完全なビジネスケースがない限り契約は延長しない。
    • 2年以上の新たなホスティング契約は結ばない。

    Francis Maudeは以下のように書いています:

    この明確な線引きにより政府は最良の技術を最良の価格で調達することができる。私たちは納税者の価値のため、恥ずかしげもなく軍隊のような厳格さで適用する。

    1月27日

    James StewartがGDSでのGitとGitHubの利用について書く。

    1月29日

    Sprint 14

     GDSがロンドンで“200日のデリバリー、さらなる200日”と銘打ってSprint 14を開催。ビデオも作りました。

    www.youtube.com

    Mike Brackenが以下のように要約:

    • トランスフォーメーションプロジェクトはすべて発見のため。
    • 4つのベータプロジェクトはすでに10万人に利用された
    • 政府をトランスフォーメーションするのに残り200日

    (More photos)

    1月30日

     ロンドンでSprint GOイベントを開催。政府機関と関連部署がGOV.UKへの移行のため。

    (More photos)

    2月3日

     政府の公式文書がwww.official-documents.gov.uk (イギリス国立公文書館が管理)からGOV.UKへ移行

    2月6日

    モバイルでのGOV.UKを改善

    デザイナーのGuy MoorhouseがモバイルデバイスでのGOV.UKの改善について解説。

    2月11日

    身分証明プロジェクトがHMRCのユーザーに対してベータ移行。

    12 February

    HRH Duke of York visiting GDS

    York男爵がGDSを訪問。

    2月18日

    デザインスタイルガイド

     GDSが政府のデザイナーに新しいガイドを発表:デザインスタイルガイドデザインパターンハックパッド

    2月21日

    GOV.UKとDirectgovのモバイルでの比較

    Tom LoosemoreがRenew tax discサービスをリリースしたDVLAを祝福: “敬礼!

    2月25日

    バカにするのではなくオープンに

    GDSが #contentdesignweek を祝う

    2月27日

    Neil WilliamsがGOV.UKの進捗をまとめる: “第三フェーズが進行中”

    3月

    はじめてGOV.UKに単月で5000万人が訪問。

    3月2日

    読者に誤解を招くWebサイトを報告してもらうようお願いする。一週間後、Ade AdewunmiGOV.UKからたどり着くサイトでもOKと書く:

    もしちょっとしたカラースキームやレイアウトの違いがあってもGOV.UKからリンクされているサイトはすべて大丈夫です。オンライン広告や一般的なGoogleやBingといった検索に限りません。必要以上にサービスに対価を支払ってるかもしれませんし、全くなにもないサービスに支払ってるかもしれません。また、信用できないサイトに個人情報を提供しているかもしれません。

    3月5日

    GOV.UKのフォント変更

     GOV.UKのヘッダーで使われていたタイプフェースをGill Sans からNew Transportに変更

    3月12日

    Digital Marketplaceアルファ

    Digital Marketplaceのアルファがスタート

    3月17日

    トランスフォーメーションプロジェクトの進捗

    3月18日

     GOV.UK Tax Disc *1 “thank you”ページの変更の結果、35万人の臓器提供者の登録が増加しました。

    同日、GDSが正式にCTO室を設置。Alex Holmesが書いています

    私たちは政府の技術でリードをとっています。何をするのかを指示するのではなく、自らのエキスパートチームを作り上げ、正しく行うことを支援します。私たちは以前の必要以上に複雑な政府のITガバナンスをより簡単でシンプルなモデルを構築しました。

    3月26日

    GDSが最初のSocial Media Playbookを発行。

    Clay ShirkyがGDSを訪問

    同日、ライターでコメンテーターのClay ShirkyがGDSを訪問。

    3月28日

    GOV.UKが新しいインフラに誰にも気づかれずに移行。これはとてもいいこと。

    4月1日

     サービス標準が完全にライブ。Tom Scottが最初の50のサービス評価からのフィードバックを通じてどのようにイタレーションをしたかを解説。

    4月6日

    Public Services Network (PSN) がCTO室内でGDSの一部となる。Andy Bealeが説明をしています:

    PSNはネットワークのネットワークです。公共セクターの組織が安全で効率的につながることができます。これにより過去の分離した繋がないネットワークのような複雑さや重複を避けことができます。

    4月14日

    大規模なデジタル融合

    デジタル融合戦略とデジタル融合憲章の設立。Kathy Settleが書いています:

    これは政府が初めてデジタル分離の問題を解決するためにパートナーを集める取り組みです。とても興奮する時期です。私たちはいいアイデアのスケールアップを望んでいます。重複をやめ、人々が簡単に働けるようにしたいと考えます。。

     この仕事の一部としてスケールするデジタル融合があります。各官公庁がユーザーのデジタル融合のニーズを評価することができます

    4月23日

     運転免許試験局のMartin RichardsonがInside Governmentのブログに寄稿。たった一文字の変更が600%のクリックスルー増加したことを説明。

    5月13日

     Performance Platform上で83にダッシュボードを一日でリリース

    5月22日

    スケッチでデザイン

     Ben Terrettがスケッチでデザインすることについて解説。

    5月23日

    Defraのダッシュボード

     各省庁と政府機関がGOV.UKでのコンテンツのパフォーマンスを確認できるダッシュボードをリリース。

    5月29日

     永続的代理権 (Lasting Power of Attorney)がトランスフォーメーションプロジェクトの中ではじめてベータからライブに移行。

     同日、ユーザーリサーチの責任者Leisa Reichelt ユーザーリサーチをどのようにアジャイルでやるヒントを公開。

    6月3日

    ユーザーリサーチとユーザーテストは違います

    Leisa Reichelt「ユーザーリサーチとユーザーテストは違います。テストされているのはユーザーではなく私たちです。それは良いことです」

    6月10日

     Register to Voteが公開。トランスフォーメーションプロジェクトがまた成功。

    6月12日

    ユーザーリサーチ進行中

     新しいユーザーリサーチラボを公開。

    6月20日

    Pete HerlihyがRegister to Voteに働きかけつつ、現状の打破に関する完璧なブログ記事を書く:

    今後の法律のドラフトを書くときに私たちとサービスデリバリーチームが共に働くことに関してリーガルチームから合意を得た。これは本当に特別なこと。

    6月26日

     身分証明プログラムのベータが新しいサービスを追加:DVLA’s View Driving Record

    7月3日

    Mike Brackenによる最初の長く詳細なブログ記事。ここでは「サービス変革」の定義について:

    私たちが「変革 | Transformation」について語るとき、それを可能にするハードやソフトについてグダグダ言っているわけではありません。私たちはユーザーが望むときに望むサービスを提供するために全体のサービスのことを考え、複数の専門性を併せ持ったチームの力でユーザー体験を変革します。変革とはより良い体験を提供すること、真に生活をよい方向に変えることです。

    7月14日

     デザイナーのJoe LanmanRegister to Voteをデザインしたことからの学びについて書く。

    7月15日

    GOV.UKの階層リスト(Miller columns)

     GOV.UKは階層リスト(Miller columns)を使ったナビゲーションの改善を模索

    7月18日

    進行中のデザイン

    Ben TerrettによるGDSのデザインプロセスの解説:

    私たちはワイヤーフレームやPhotoshopのモックアップを作りません。私たちは「デザインが終わったら開発の仕事」のような文化にしたくありません。私たちはハイフィデリティのモックアップもワイヤーフレームも作りません。私たちはモノを作ります。モノのイメージではありません。

    7月22日

     Digital Marketplaceがプラベートベータに

     同日、政府がドキュメントの閲覧と共有にオープンスタンダードを採用。Linda Humphriesによる解説がこちら

    7月28日

    Mike Bracken が司法省チームが民事請求のサービス更新の仕事について:

    今は2014年です。私たちはビクトリア風の公共サービスを運営すべきではありません。法律自体は数世紀前のものかもしれませんが、人々とコミュニケーションをする言葉はそうあるべきではありません。

     

    G-Cloudの2012年から2014までの成長

    同日、Tony SingletonがG-Cloudの順調な成長について書く。この月2億ポンドの売り上げ

    8月5日

    司法省の民事請求サービスライブ公開

    8月6日

     内閣府の効率と改革グループの設立者でありGDSの強力な支援者だったStephen Kellyが商業セクターでの新しい役割を引き受けるために政府を去る。Mike Brackenのコメント。

    本議会を通じてStephenはGDSと政府のデジタル化全てにおいての確固とした支援者でありチャンピオンでした。彼は大臣へのアクセスを確保してくれ、イベントで講演してくれ、様々な障害を取り除いてくれました。そして何よりも常にポジティブな世界観を持っていました。これが私が一番必要とするものでした。

    8月12日

    Performance Prototype

     Performance Platformチームが新しいプロトタイプページについて解説。

    8月14日

    まだ残るGOV.UKのアクセシビリティ問題

     デベロッパーのAlice BartletGOV.UKでの検索のアクセシビリティ改善について。

    8月16日

    雑誌『エコノミスト』が新しいユーザーリサーチラボについて記事を書く。

    GDSは商業セクターでは自然に起きるデジタルのしなやかさを政府に持ち込もうとしている。もし企業がダメなWebサイトを持っていたり、そもそもデジタルを全く無視したら、顧客はどこかへ去っていく。福祉から運転免許証まで独占的な公共サービスの提供者である国家はそのサービスのオンライン化のモチベーションを内部から起こす必要がある。

    8月19日

    Digital and Technology Fast Stream

     若い才能を政府に参加してもらうために新しいDigital and Technology Fast Streamの立ち上げ

    8月20日

     トランスフォーメーションプロジェクトの一つ特許更新がライブ公開

    9月5日

    Olivia Nealがサービス標準のアップデートについて:

    今年の4月からサービス標準は26ポイントで評価をしてきました。サービスはアルファ、ベータ、ライブステージにおいて評価されます。これまで27のアセスメント評価を行い、それぞれ4人から5人のGDSのアセッサーから構成されるパネルで評価されます。では、最初の5ヶ月での評価はどうだったでしょうか?評価をパスしたのは70%で想定どおりでした。トランスフォーメーションプロジェクトはそうでないプログラムより高い確率でパスしました。

    9月10日

    デプロイの穴熊に従わなければいけない

     Web運用エンジニアのBob WalkerがGOV.UKで「デプロイの穴熊」によるアプリケーションリリースのコントロールについて解説。

    9月15日

     トランスフォーメーションプロジェクトの刑務所訪問予約ライブ公開

    9月17日

    身分証明プログラムがGOV.UK Verifyとなる

     身分証明プログラムがGOV.UK Verifyとなる。そして、プライベートベータからパブリックベータへの移行計画が発表される。Janet Hughesのコメント。

    私たちはユーザーリサーチプログラムを続け、ラボと大規模な質的リサーチの学びからサービスの構築と改善を続けます。私たちは多くを学び、UIデザインなど多くを改善しました。名前も変えました。サービスをどのように説明したらいいかユーザーとテストしてみました。そしてGOV.UK Verifyがそれ以外の名前よりも理解しやすいことを学びました。パブリックベータではこの名前を使います。

    壁に貼られたリサーチのカンバン

     同日、Ben Hollidayがユーザーリサーチとデータがどのように公開されているサービスを改善するか6つの事例を紹介

    9月23日

     Mike Bracken が新しい見習いトレーニングサービスのベータについて。

    見習いトレーニングチームはよくやりました!全く正しいことを行なっています。これが私たちが当初からイメージしていた変革プロセスで、実際にそれが実現していることをうれしく思います。たった3年前はこのような急激なサービスのデザインの変更は無理だと言われていました。

    10月7日

     DVLAの運転免許証閲覧サービスベータからライブ公開

    10月9日

    Anna Wojnarowska内閣府CTOトランスフォーメーションプロジェクトでのユーザーリサーチについて解説。

    10月10日

    ユーザーリサーチのマントラ

     ユーザーリサーチはチームスポーツ

    10月14日

     GOV.UK Verifyがパブリックベータに移行

    10月17日

     GOV.UKが二歳の誕生日を迎える

    11月6日

    Francis MaudeとIvanka Majic

     Digital MarketplaceがCloudStoreから完全移行してG-Cloudのクラウドベースのソリューションを購入する唯一の窓口となる。内閣府担当大臣のFrancis MaudeがサービスマネージャーのIvanka Majicの助けを借りながら自分で新しいデジタルサービスを試してみる。

    11月13日

    GOV.UK Verifyのパブリックベータ

     ユーザーリサーチャーのPete GaleGOV.UK Verifyがパブリックベータへ移行するにあたった変更点を紹介。

    6月にユーザーのジャーニー全体を見直すことにして、ボードに描きなおしました。これまでの経験と学びを活かしつつクリーンな状態からはじめることで、シンプルな質問から適切な提案までのデザインを洗練することができました。

    11月25日

     Ivanka MajicがG-Cloud、CloudStoreとDigital Marketplaceの歴史を振り返る。

    11月26日

    GOV.UKの中国語エレメント

     内務省のChris Athertonが翻訳のためのデザインについて書く。

    11月27日

     イギリス政府がWorld Wide Web Consortium (W3C)のメンバーとなる

    11月28日

     トランスフォーメーションプロジェクトの求職支援サービスがライブ公開

     このプロジェクトに関わったGDSメンバーのSteve Woodのコメント。

    プレストンの求職支援チームは単に紙をデジタル化にする以上のことをしました。ユーザーリサーチを行い、申し込みプロセスの深い部分まで探り、170の質問事項を取り除きました。これは全体の49%にあたります。求職者は時間があまりないため、これはとても重要なことです。実際にサービスパフォーマンスのデータでは朝の短い時間に利用のスパイクが現れます。

    12月3日

     Kate Towseyがリサーチラボの最初の6ヶ月について報告。25%コストダウンで2ヶ月のうちに予約でいっぱい

    12月9日

    ロンドンでD5開催

     GDSがロンドンにて最初のD5*2ミーティングを開催。内閣府大臣のFrancis Maudeがスピーチ。

    公共セクターでは過度のリスク回避の傾向があります。人々は何も新しいことができないと感じています。政府はいいアイデアを見つけ、できない理由を探すことが得意です。現状に対して同じような綿密な調査をしません。私たちはより良い新しいやり方を探すため人々に実験してリスクをとることを奨励しなければいけません。たとえそれが常にうまくいかなくてもです。最も大きな過ちは試さないこと、動かないことに固執することです。

     Liam Maxwellは以下のように書いています

    D5の目的は世界的な協力体制です。私たちは常にオープンに自分たちの仕事を共有することについて話し合っており、D5はそれを対面で簡単に行うことができます。議論のプラットフォームとなり、お互いを助け合うことができます。私たちは実際的な問題に実際的な解決方法を強調します。

    12月11日

    フルスクリーンモードの車両税の更新ダッシュボード

     Performance Platformチームがダッシュボードのフルスクリーンモードを実験

    12月15日

    サプライチェーンの変化

     Liam Maxwellが「韓国から学べること」と政府の技術における2010年から2014年にかけてのサプライチェーンの変化について書く。

    12月17日

     Mike BrackenがDVLAを訪問。その時の彼の考え

    DVLAは素晴らしい仕事をしています。Webサイトを直し、技術をアップデートし、ユーザー中心のアプローチをするために組織全体を見直しています。これが「変革」でないのであれば、何が変革なのか私にはわかりません。私は本当に感銘を受けています。私が言えるのは「素晴らしい」だけです。DVLAはデジタル政府の申し子です。

    12月19日

    移行完了

     トランジションプロジェクトの完了。300の政府機関とその関連組織のWebサイトをGOV.UKに移行完了。Mark Hazelbyのコメント。

    私たちのトレーニングチームの例を取りましょう。もし、このプロジェクトの前にGoogleで”climate change uk”と検索したら16の政府系のWebサイトが検索結果として表示されていました。そして、今ではGOV.UKの政策とトピックのページが一番に表示されます。これは市民にとってとても強力です。豊富な政府のコンテンツの中から最適な情報にすぐにアクセスできます。

    このプロジェクトのハイライトとなる数字:

    • 312の政府機関と組織
    • 685のドメインとサブドメインを閉鎖
    • 150,000ページ以上をGOV.UKで公開
    • 1,200人のスタッフが平坦な英語で書くトレーニングを受ける

    12月23日

     GOV.UK Verifyを英国歳入税関庁の確定申告サービスの少数ユーザーでトライアルを実施することを発表

    関連記事

    *1:イギリスの道路使用税の納税証明のシール

    *2:Digital 5:イギリス、イスラエル、エストニア、韓国、ニュージーランドによるデジタル政府のネットワーク

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる
    • その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。
    • CTO室主導でアーキテクチャだけでなく調達も整理整頓。コスト削減効果が明確になってくる。
    • アプリは行政サービスには不向き。(個人的にはPWAは向いてると思う)
    • 検索できない「リッチテキスト」は追放

    原文:”A GDS Story 2013

    2010/2011年2012年|2013年|2014年|2015年

    2013

    1月6日

     Mike Brackenがこれまでのデリバリータイムラインを解説しました。

    1月13日

     トランザクションエクスプローラツールは「政府が市民に提供する特に大きな44の公共サービスにおける1トランザクションあたりのコストに関するデータ」を含むように更新されました。当時の内閣府のFrancis Maude大臣は以下のようにブログで書いています

    このデータを公開することは透明性の大きな前進です。英国政府にとって初の試みです。

    1月15日

    GDSが最初のスタッフミーティングを開催

    1月20日

    Sprint 13でのFrancis Maude

     GDSはロンドンでSprint 13を開催しました。政府のデジタル改革にフォーカスをあてたイベントで、これが第一回となり毎年行うことになります。Francis Maudeは2年間かけて行う改革プログラムを発表しました。これは特に大きな25公共サービスを更新するプログラムで、のちに手本となるプロジェクトとして知られるようになります。

     その翌日に写真が公開されました。当時の最高経営責任者(CEO)だったStephen Kellyは「政府を改革する400日」を発表しました。(写真


    Sprint 13 Overview

    1月31日

     司法省のRoger OldhamがMoJ Digitalの前身となるチームのためにGDSブログを通じて採用を呼びかけました。これはポジティブな前進でした。内閣府のモデルを通じて官公庁も同じことができる例を示しました。

    2月22日

     Abby PeelGDSを訪問する国際的な訪問者を歓迎することについて書きました。

    2月28日

    Inside Governmentの変更

     Neil Williamsは前年度の初期ベータ版に入って以来はじめてInside Governmentの変更について書きました。

    私たちが作り上げているものはワールドクラスというだけではありません。ワールドファーストです。ニュージーランド、クロアチア、スウェーデン、ノルウェーの各国政府がデザインからコードベース全体まで、私たちが作ったものを再利用してくれる予定です。

    3月1日

    歳入税関庁のコンテンツをGOV.UKへ移行することについて同庁のRobin Rileyが解説しました:

    歳入税関庁はそのほかの官公庁と比べて長い時間がかかりました。どうして? 率直に言えば私たちは一番後方に位置していました。歳入税関庁サイトの違いを比べてみてください(現在過去)。違いは劇的です。単なるお化粧直しではありません。歳入税関庁は情報をオンラインで公開する方法を再設計しました。

    3月12日

     Tom Loosemoreは政府にアプリの開発をやめるように呼びかけました。私たちはアプリっぽくない。

    アプリはゲームやソーシャルメディアを変えているかもしれません。しかし、公共サービスをWebサイトを通じてさまざまなデバイスで効率的に利用できるようにするアプローチの方が現在では最適と言えます。その方が改善のための実験を繰り返し簡単に行うことができます。市場インパクトを最小化して、サポートするのもはるかに安いです。

    3月14日

    Mike Brackenが政府全体のITガバナンスを大幅に変更したと発表し、CTOのLiam Maxwellがリードしてきたプロジェクトが表面に浮かび上がってきました:

    私たちは予算を多く持っている人たちの間で行われる調達に関する議論を少なくするべきです。立席ではない立ちながらクイックに行うスタンドアップミーティングでユーザーニーズに応えるべく日々のリリースを増やすべきです。私たちはウェブ、デジタルツールとサービスを政府内で活用することによりもっと素早くコラボレーションができるようになります。

     要するに、Maxwellと彼のチームはこれまでの古い政府のITガバナンス体系を以下のように変えました。

    以前のITガバナンス

    …このように。

    新しいITガバナンス

    同日、GDSはデジタルが基本(Digital by Default)のサービススタンダードとサービスマニュアルのベータ版を公開しました:

    これらは官公庁職員のためのガイドであり、デジタルサービスを正しく開発するために必要な情報を全て提供しています

    このスタンダードは2014年4月よりすべての大規模サービスに適用されます。スタンダードのポイントはGOV.UKで公開されているすべてのサービスが利用者にとってわかりやすく便利なのでそれを好んで選択することを確かなものにすることです。そしてAssisted Digitalがオフラインで適切な支援をします。

     私たちは新しいマニュアルとともに映画シリーズも作りました。


    Welcome to the Service Design Manual

    3月20日

    Francis Maudeの庶民院でのスピーチ

    私は紳士閣下がおっしゃることすべてのことに同意します。私たちがまだやっていないという彼の仮説を除いて。私は彼が優れた出版物を生み出したデザイン委員会のメンバーであることを知っています。実際にGDSの創設を含む、政府が取っているいくつかのイニシアティブについては非常に敬意を払ってくださっている。GDSは公共サービスの提供を改革する際に、ユーザーのニーズに合わせてデザインすることにコミットしています。これまで頻繁にそうであったように、政府の利便性を優先するのではなく。

    こちらがそのビデオ

    3月21日

    Richard Popeはサービスマニュアルを作成する過程について書いています:

    最初は私たちはマニュアルを作っていること意識していませんでした。やろうとしていたのは新しいデジタルサービスがどのような基準で判断されるのかを描くこと。政府のデジタル戦略で掲げられているデジタルが基本(デジタル・バイ・デフォルト)とは何か。官公庁のサービスオーナーとそのチームが優れたデジタルサービスを提供するのに役立つ豊富な詳細を提供する必要があることは認識していました。そして優れたデジタル公共サービスがどのようなものなのかシンプルな定義を共有する必要性を。

    3月25日

    GOV.UKワールドワイドセクション

     Inside Governmentに44の言語をサポートする新しいワールドワイドセクションが追加されました。これは、外務・英連邦省、国際開発省、貿易投資総省、国防省などの省庁にとって大きな一歩でした。

    3月26日

     後のCommon Technology Servicesチームになる仕事の最初の公での発表。こちらがそのIT改革グループのTariq Rashidのブログ記事

    3月28日

     GOV.UKにおいて各省庁はあたらしいHTMLのフォーマットを使うことが推奨される。「HTMLがPDF / RTF / Word添付ファイルに代わるデフォルトとしてのデジタル」としてデザインされる。

    4月16日

    サービスマニュアルはベータからライブに移行しました

    Mike Brackenのポスト:

    …このマニュアルは過度な官僚的な考えから政府を解放するようにデザインされています。このブラウザベースのサービスは意思決定を加速し、多くの委員会や会議や扱いにくいプロセスの必要性を排除します。公共サービスがデジタル化されるにつれ、私たちが使用するツールとガバナンスにに反映されるべきです。

    サービスマニュアルチームのメンバー

    4月17日

    Design of the Year授賞式でGDSチームのメンバーおよび他の同僚たち Photo credit: Elisa Figoli. Thanks to: the Design Museum.

     GOV.UKは「よく考え抜かれた控えめなデザイン」が認められ、この年のDesign of the Yearを受賞しました。

    Daily Telegraphの評論家Deyan Sudjicのコメント

    これは政府が実際に有効なコミュニケーションを理解していることの表れです。シンプルで直接的で礼儀正しい。このような政府から当然受けたいと思っているすべてのことは官僚主義と専門用語の海に沈み、実際に実現されることはありませんでした。GOV.UKはエレガントでほのかな英国らしさがあります。これは1960年代にMargaret Calvertがデザインした古典的なフォントのデザインのおかげかもしれません。それはウェブサイトのポールスミスです。世界は深く感銘を受けています。複数の公共サイトを合理化したため、税金を大きく節約できます。嫌いになる理由がありますか?

     タイポグラファー/デザイナーのMargaret Calvertは上の写真(一番上の列、右から五番目)にいます。彼女は2011年以降、GDSデザインチームに不可欠なアドバイスを提供してきました。GOV.UKは彼女とJock Kinneirが作成したNew Transportフォントを使用します。

    4月30日

    イギリスにある24すべての省庁、No 10と副首相オフィスのサイトがGOV.UKへ移行しました

    …今日は政府と国民にとって新しい時代のはじまりです。私たちが仕事を正しく行えたのであれば、ほとんどの人はどれほどの大きな変化が起こったことに気付かないでしょう。しかし、プロジェクトを近くで見てきた私たちは、そのインパクトが深いものなのかを理解しています。これから国民(そして国民と政府を取り持つ専門家や仲介業者)は政府が何をしてこれから何をしようとしているのか全体を見渡すことができます。国内で、そして国外で。一つの場所に一貫性があり、整理された、簡単に理解できる形で情報が集まっています。

    5月1日

     Tom LoosemoreがこれまでのGOV.UKの歴史を写真とともにまとめました。

    5月17日

     GOV.UKの1,000 回目のリリース

    5月21日

     Liam Maxwellが新しいITガバナンスの形について概要を紹介しました。「プラットフォームとしての政府」についての最初の言及となりました:

    ユーザーニーズに焦点を当てること、サービスをコモディティー化すること、組織の壁を破りサービスを共有することにより、私たちは納税者のためにコストを節約できます。更に技術革新により公共サービスの改善を後押しします。

    5月30日

    数百のWebサイトを移行するトランジションプロジェクトは進む。

    6月

     G-CloudはGDSに移行されました。これは後にDigital Marketplaceの大きな一部となります。

    6月3日

     政府は「事業の基本的改革」により100億ポンドの節減したことを発表しました。 翌週にGDSは5億ポンド以上の貢献についてブログを掲載しました。また、支出をコントロールすることTechnology Code of Practiceの重要性についても言及しました。

    6月7日

     Richard Sergeantは最初のサービスの評価について発表しました。サービス基準にデジタルサービスがどれくらい達しているかを測るものです。

    6月13日

    トランジションツール

     Neil Williams がトランジションツールについて説明しました。

    6月18日

    アイコン削除のビフォーアフター

    デザイナーのGuy MoorhouseGOV.UKで使われていたアイコンをどうして削除したのかを説明しました:

    最初にアイコンを導入したときユーザーデータはありませんでした。そのため、推測として正しいことをするしかありませんでした。しかし、時間の経過と共に多くのユーザーテストを実施しました。そしてアイコンが意図した結果を達成していないことが明らかになりました。ユーザーはしばしばアイコンをクリックすれば「何か起きる」と勘違いしてしまいました。

     GDSではこのケースについてその後も言及し続けました。これこそまさに反復的改善の実例だからです。

    7月2日

    Lasting Power of Attorneyのベータ

     典型的なプロジェクトの1つである”Lasting Power of Attorney”がパブリックベータに達しました。

    表彰棚のBlack Pencil Photo: Roo Reynolds

     コンテンツデザインの責任者であるSarah Richardsが「私たちは2週間前に“黒い鉛筆”を手にしました」とブログで書いています。D&AD Black Pencilはデザインで最も賞賛される賞の1つです。それは最も特筆すべき作品だけ一年に一つか二つのプロジェクトしか受賞できません。何年か受賞者がいない年もありました。

    7月9日

     最初のDigital Services Frameworkのローンチ。これも最終的にはDigital Marketplaceの一部になります。

    7月17日

    Sprint Alpha

     Sprint AlphaのイベントでMike BrackenがTransformation Programmeのこれまでの進捗を報告しました。そして新しいダッシュボードであるgov.uk/transformationを発表しました。これにより誰でも発見>アルファ>ベータ>ライブのステージを確認することができます。

    トランスフォーメーションダッシュボード

    Mike Beavenが翌日そのフォローアップをブログで書きました

    改革とはWebサイトではありません。全てです。一貫性があり質が高い「デジタル・バイ・デフォルト(デジタルが基本)」のビジネスプロセス全てです。

    7月23日

    アップデートしたGOV.UK

     GOV.UKの見た目を若干アップデートしました。

     同じ日にGDSのチームと王室土地登記所が共同でアルファを公開しました。

    7月25日

    Sarah RichardsがFAQsを使わない理由を説明:遅すぎるし重複の原因となります。

    7月26日

     ニュージーランド政府がGDSのデザインテンプレートを使った新しいWebサイトのベータ版のリリースを発表しました。

    8月6日

     Tom LoosemoreがA/Bテストについて書きました。A/BテストがどのようにNHS Organ Donor Register(イギリスの臓器移植ネットワーク)のプロジェクトの助けとなったか:

    このGOV.UKにおけるたった一つの小さな変更により臓器提供者が毎月一万人増えました。このたった一つのページはイギリスで三番目に大きな臓器移植の登録サイトです。

    8月8日

     GOV.UKがどのようにデザインされているかを説明するブログ記事。これにより特定の組織や個人のページが削除されることはありません:

    歴史的に見て政府のWebサイトは歴史家にとって簡単ではありませんでした。省庁や政府機関が政府の機械的な変更により閉鎖、統合、分割、改名されると全く削除されたり、完全に別のページになっていました。GOV.UKではすぐに使いやすいデータを提供し変更が理解できるようになります。後のために保存され、再利用されます。

    9月1日

    GDSがデザイン原則のポスターを作りました

    (日本語版はカタパルトスープレックスデザインで入手できます)

    9月4日

    GOV.UKのブログプラットフォームのリリース

    9月20日

    2013年時点でのGOV.UKをiPhoneで見た場合

    9月27日

    Liam Maxwellによるオープンスタンダードの説明

    オープンスタンダードを選択して利用することは私たちのサービスをよくするだけでなく、サービス提供者の選択肢に柔軟性を与えます。火曜日に二つのユーザー課題を解決するために四つのオープンスタンダードを採用するようボードの提案がありました。

    10月1日

    数ヶ月の準備の後、最初の300の政府機関のWebサイトがGOV.UKへの移行を開始しました。これは「トランジション」プロジェクトの一部となります。

    10月6日

    GOV.UKのページを反復検証

    GOV.UKチームによるナビゲーションの改善についての解説

    10月14日

    GOV.UKでのモバイルトラフィックが増える

     GOV.UKのローンチから一年が経過して、Tara Stockfordモバイルからのアクセス増加に気がつく。

    10月17日

    GOV.UK一歳の誕生日

     GOV.UK一歳の誕生日。Martha Lane Foxの訪問。当然ケーキあり。(More photos.)

    データアナリストのPeter Jordanデータの洞察について書く:「GOV.UKは一週間平均600万のユニークビジターがいる」

    当時のGOV.UKの責任者James Thornett一年の進捗について書く。

    Mike BrackenがワシントンD.C.で開催されたCode for Americaサミットでスピーチ。

    www.youtube.com

    10月18日

     G-Cloudの売り上げが5000万ポンドを超える

    10月25日

    内部で利用しているユーザーニーズの追跡ツールMaslow

     Lisa Scottが新しい内部ツールMaslowについて書く。ユーザーニーズを把握して、そのニーズがWebサイトであっているかパフォーマンスを追跡する。

    10月29日

    GDSからのプレゼン前の内閣室

     GDSがCabinetに参加。iPadと大きなスクリーン。内閣府のメンバーが私たちの仕事を明確にわかるように望んだ。

    Mike Brackenはのちにこう述べています:

    とても励まされたのは大臣たちが私たちの仕事の背景にあるプリンシプルに共感してくれたことです。彼らの質問は全て一つの観点から発せられていました:これはユーザーにとってどんな意味があるのか?どのようにユーザーのニーズを満たすのか?です。ユーザーニーズから始めることは公共サービスを根本的に変える原動力となります。これは大きい。

    10月30日

     Identity Assuranceチームがhubのベータ版をリリースしました。これはのちにGOV.UK Verifyとなる重要なコンポーネントの一つです:

    The hubはユーザー、サービス提供者、公共サービス提供者の間のコミュニケーションを管理します。ユーザーはIDプロバイダーとして登録しているサービス提供者を選ぶことができ、デジタルサービスが利用できることようになります。

    10月31日

    Pete Herlihyがデジタル政府を作る上でGDSと関係が深いエストニアを訪問

    おそらくソビエト連邦からの独立のタイミング(1991年)もあって、エストニアは国を運営する上で技術を決定的な要素としてみていた。彼らはビジョンと決意を持った政治的にも公共的にも抜け目ないリーダーグループであり続け、技術の活用を積極的に活用する決意を持っている。

    11月1日

    Kathy Settleが各官公庁とのデジタル戦略の展開についてアップデートを書きました:

    私たちは人事と採用に集中していました。そして正しくデジタルサービスを調達するフレームワークを作っていました。私たちはさらにデジタルを支援するためのリードの仕方、調整の仕方、技術の展開の仕方を変えました。CTO室は政府から参加したTechnology Leadersネットワークと共に戦略的な方向性とデジタルを展開する上でのベストプラクティスを推進しています。

    11月6日

    韓国の崔文基未来創造科学部長官とFrancis Maude

     韓国の未来創造科学部長官の崔文基がGDSを訪問し、Francis Maudeと対面しました。Liam Maxwellが韓国訪問について書いています。

    “Test your smoke alarm”リンクのテスト

     同日、GOV.UKチームは“When do the clocks change?”ページにおける“Test your smoke alarm”のリンクをテストしていました。Paul Cronkはその結果について書いています。

    11月7日

     GDSはバーミンガムでのSprint Shareを開催しました。政府のトランスフォーメーションプロジェクトに関わる人たちにとって一同に集まり経験を共有する機会です。

    www.youtube.com

    11月12日

    2013年後半のトランジションチームの壁

    11月13日

    内閣府Technology Transformationプロジェクトのためにユーザーニーズを特定する

    内閣府Technology Transformation (COTT) プロジェクトの開始。Tom Readがこう書いています:

    私たちの目的は少なくとも人々が普段家で使うのと同じくらいモダンで柔軟性の高いテクノロジーサービスの提供です。これらのサービスは現在のサービスよりコストが安くなります。

    11月14日

    DVLAのWebページのためのスケッチ

     デザイナーのGuy Moorhouseがスタートページの進化について語っています。

    11月28日

     後にDigital Marketplaceの一部となるDigital Services Storeが公開されました。

    11月29日

    Martha Lane Foxが「英国デジタルチャンピオン」を退任しました:

    このブログをよく読んでくれている読者であれば私たちがよくMarthaのレポートに言及していることを知っているでしょう。それはGDSにとってどれだけ評価しても足りないくらいです。それは政府にGDSを招集する弾みをつけ、ワールドクラスの「デジタル・バイ・デフォルト(デジタルが基本)」のサービスを作るミッションと任務を与えました。

    12月12日

     アナリストのAshraf ChohanがパフォーマンスチームによるGOV.UKのリアルタイムデータについて説明しました。

    12月20日

    一年で500億人の訪問者

     ローンチから500億人がGOV.UKに訪問しました。

     この記事はイギリス政府のGovernment Digital Service(略称:GDS)が自らの組織とGOV.UKの成り立ちをブログ記事にした”A GDS Story“の翻訳です。

     2012年にローンチしたGOV.UKですが、まだ全てが完了したわけではありません。各省庁に同じプラットフォームでコンテンツを構築してもらわなければいけないし、継続的にアップデートをしなければいけない。

     大規模構築から大規模運用への移行期が2013年となります。これを世界で初めてやってしまったGDSは本当にすごい。

    カタパルト式スープレックスなかむらかずや

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  • イギリス政府の「デザイン原則」日本語版

    イギリス政府の「デザイン原則」日本語版

    「カタパルトスープレックスデザイン」の一環としてイギリス政府の「デザイン原則 “Design Principles”」を日本語に翻訳したので、デザイン原則について。

     ボクは白洲次郎が大好きで、彼に関する本をたくさん読みました。そんな中で印象に強く残っている本が『プリンシプルのない日本』です。白洲次郎ご本人が実際にそういったかどうかは定かではないのですが、この本のおかげでプリンシプルが重要なコンセプトとしてボクの中に刷り込まれることになります。

    プリンシプルのない日本 電子増補版 デジタルならではの28篇を増補収載

    プリンシプルのない日本 電子増補版 デジタルならではの28篇を増補収載

     

     イギリスのGOV.UKの歴史を紐解くと、かなり初期段階から「デザイン原則」つまりデザインのプリンシプルができていたことが分かります。以下がアルファ版の写真です。現在のデザイン原則でもまだ残っているのが当時でもあります。例えば”Consistent not uniform”(統一性ではなく一貫性)とか”Do Less”(より少なく)なんて今でもそのまま残ってます。

    2011年のGOV.UKのデザイン原則(Design Principles)。当時はデザインルール(Design Rules)と呼ばれていた。

     デザイン原則はまさにプロダクトやサービスを作る上でのプリンシプルとなるものです。これがないとチームは何に従うべきなのかわからなくなります。いちいちマネージャーに指示を仰がないといけない、たくさんの無駄な会議もやらなければいけません。プリンシプルがなければアジャイルにはなりません。

     プリンシプルの重要性は白洲次郎の時代から変わらないどころか、現代になり更に増しています。例えば「自律型組織」には人が従うべきプリンシプルがしっかりと組織に根付いている必要があります。マネージャーという人間ではなく、その組織のプリンシプルに従うのが次世代の「自律型組織」です。人に従うのが従来の階層型組織。

     よく考えてください、GDSがよくある官僚組織だったらGOV.UKなんて一年でローンチできますか?いろんな資料を調べましたが当時のGDSがここまで自由に動けたのは内閣府の大臣だったフランシス・モードの役割は大きかったはずです。

     デザイン原則は各プロジェクトごとに作られるべきなので、GOV.UKのプリンシプルをそのままコピペできません。デザインに限らずプリンシプルとはそういうものです。それでも、GOV.UKのデザイン原則はよくできたプリンシプルなので、自分が作ったプリンシプルと比べる良いベンチマークになると思います。

    ここで紹介されている『GOV.UKデザイン原則』の日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。

    実際のデザイン原則の作り方は同じくカタパルトスープレックスデザインに収録されているアメリカ政府機関18Fが作った『18Fメソッドカード』が参考になると思います。

    カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。