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  • アメリカ政府機関「18F」から学ぶプロダクトオーナーの役割

    アメリカ政府機関「18F」から学ぶプロダクトオーナーの役割

    原文:”So, you’re a Product Owner…” by Hannah Kane

    18Fで官公庁のパートナーとのプロジェクトでデジタルプロダクトを開発するときの最大のゴールは最終的に官公庁パートナーがそのデジタルプロダクトとその結果のオーナーシップを完全に持つことです。これこそ私ちが政府の技術的プロジェクトにおけるトランスフォーメーションにおけるミッションの実現につながっています。

    このオーナーシップの意識を醸成する方法の一つがプロダクトオーナーを初期の段階で決めることです。プロダクトオーナーは官公庁のメンバーで、18Fと一緒に働きプロダクトを初期段階から最終的なデリバリー、さらにその先へと導いていきます。プロダクトオーナー(PO)は18Fとのエンゲージメントが終了した後にプロダクトの全責任を持ちます。

    18Fプロジェクトにおけるプロダクトオーナーの役割とは?

    私たちのパートナーシッププリンシプルに記述されているように、エンパワメントされたプロダクトオーナーは「所属する官公庁や部門の仕事や課題に関して理解していて、共に開発するプロダクトの普及支援ができる人物。ユーザーリサーチに基づきプロダクトの長期的ビジョンを確立し、戦略を実行に落とし込み、進捗をリードしていく」という役割を持っています。

    POがプロジェクトに使わなければいけない時間はそのプロダクトの性質に依存しますし、時間と共に変化します。POは初期の段階ではプロダクトとの責任を18Fのメンバーと共有します。しかし、18Fのメンバーはプロジェクトが進むに従ってその責任をPOに移管していきます。データを多く扱うWebサイトやインタラクティブなアプリケーションの場合は、最終的にPOはフルタイムの仕事となる可能性があります。

    私たちは官公庁のPOに戦略的なやり方と戦術的なやり方の両方を求めます。POはプロダクトのビジョンを持ち、これは解決する問題の深い理解に基づきます。18Fとの仕事では、ユーザーとプログラムが必要とする戦略を作るためにユーザー中心のアプローチをとります。また、プロダクトの成功を組織の内側と外側の両方に位置づけます。

    戦術的なレベルにおいてPOはソフトウェア開発におけるバックログの改善からスプリント計画といった会議やタッチポイントに参加し、場合においては主導的な役割を果たします。これらの専門用語がわからない場合(多くの官公庁POははじめての人が多い)、これらがソフトウェアプロジェクトの具体的で戦術的なタスクを定義して計画するため定期的に頻繁(多くは毎日)に訪れる機会だと覚えておいてください。

    プロダクトオーナーは技術的なバックグラウンドが必要?

    POはソフトウェア開発チームの重要な一員ですが、技術的なバックグラウンドは必要ありません。多くの場合、潜在的なユーザーやユーザーが持つ課題についての理解、そして課題に着実に近づいていく姿勢の方が技術的知識より決定的に重要になります。 複雑なステークホルダーとの関係を調整し、ビジネスとプログラムのゴールを理解し、難しい決断をし、時には妥協点を探ることもプロダクトオーナーの仕事です。

    プロダクトオーナーが顧客やユーザーの声を代表していると考えるのであれば、POは技術的なバックグラウンドがない方が望ましいことが多いです。もちろん、対象とするユーザー層が非常に技術的でなければ、技術に疎いPOはユーザーニーズを理解しやすいでしょう。

    大きなインパクト

    それではプロダクトオーナーはソフトウエア開発においてどのように大きなインパクトを与えるのでしょうか?以下はプロセスにおいてあなたのスキルや経験を活かすヒントです:

    • ユーザーのニーズを常に前面に打ち出し、ほかのメンバーにも同じ姿勢を求めましょう。よくあることですが、チームやステークホルダーは自らの仕事を機能で説明する習慣に戻ってしまいます。機能やバグなしのコードのためではなく、人々が持つ具体的な問題を解決するためにここにいるのだと思い起こさせましょう。プロジェクトの成功をユーザーニーズの解決と位置付けましょう。
    • プロダクトを使うユーザーとできる限り頻繁に繋がりましょう。構造化されたリサーチ活動(インタビューやコンテキストインタビュー)、ユーザーテスト(ユーザーがプロダクトを使う様子を観察)、スプリントレビュー(ステークホルダーに定期的にデモをしてレビューを受ける)や共創活動(デザインスタジオなど)多くの機会があります。全ての機会を利用してユーザーのニーズを理解する努力をしましょう。ユーザーが使う言葉や、苛立ち、混乱、驚き、喜びのポイントをノートに残しましょう。
    • ステークホルダーと繋がり情報をアップデートしましょう。定期的なアップデートのデモへ招待したり、プロダクトの様々な部分における専門家として話を聞いたり、プロダクトのビジョンや戦略について話をするために時間をとってもらいましょう。
    • 柔軟的でいましょう。最近、18FとのプロジェクトでPOの役割を果たしたAmber Sprinkleは「POのビジョンはチームを導くのに役立ちますが、そのビジョンにたどり着く道筋に関してはオープンマインドでいることが必要です。そして、ビジョンは変わることも理解しておかなければいけません」と語っています。
    • 簡潔な言葉を使いを意識し、ほかの人にも簡潔な言葉を使うことを求めましょう。簡潔な言葉は一般の人たちにとって読みやすく、理解しやすく、政府の公共サービスを理解しやすくなります。専門用語に注意をし、シンプルでストレートな言い方を推進しましょう。
    • 難しい決断をしましょう。POは相反する優先順位に関して戦略的に選択をすることでチームの成功に大きな貢献をすることができます。POはプロダクトバックログの完了に責任を持ちます。その優先順位は常に現在の優先順位に反映されなければいけません。
    • チームの推進力と士気を上げましょう。チームメートが問題解決にフォーカスして結果を出すことを助けましょう。成功を積極的に称えましょう。失敗やつまずきから学ぶことにリーダーシップを発揮しましょう。開発のプロセスの中でチームは見失いがちで、POの仕事はチームを前に進めることです。

    プロダクトオーナーの仕事に興味があるのであれば、米国森林局のオンライン許可プロジェクトにPOであるAaron Burk氏のインタビューを読んでみることをお勧めします。Aaron氏はPOについて大事なことを指摘しています。POは技術ではなく、課題を解決して価値を提供することが仕事だと述べています。 このような価値観を持っているのであれば、POの仕事はとても意味のあるものとなるでしょう。

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  • エストニアが仮想住民のためにぺイオニアのペイメントシステムのサポートを発表

    エストニアが仮想住民のためにぺイオニアのペイメントシステムのサポートを発表

    原文:”Welcome to our digital nation, Payoneer” by Kaspar Korjus

    ぺイオニア(Payoneer)はペイメントのプラットフォームで、起業家がグローバルに支払いや支払いの受け取りをローカルと同じように簡単にできることを実現します。しかも、ローカルの銀行口座なしに。

    本日、エストニアの電子国家にぺイオニアを招待し、世界中に急速に拡大するエストニアの仮想住民(e-resident)に専任のサポートを提供します。仮想住民の企業はすでに200カ国で150通貨と35言語で運営されています。

    このコラボレーションはエストニアの仮想住民に金融サービスの選択肢を広げることになります。同時にぺイオニアにとって400万人の既存顧客へのグローバルなEU企業を完全にオンラインで設立する機会が提供できることになります。私たちはぺイオニアの既存顧客にエストニアの仮想住民制度(e-Residency)に理解していただき、登録していただきたいと考えています。

    多くのエストニアの仮想住民はすでにぺイオニアを利用して、そのサービスに前向きなフィードバックを私たちに伝えてくれています。そして、この協力関係はぺイオニアとエストニアの仮想住民制度(e-Residency)がさらに利用しやすくなることを促進します。

    この結果、ぺイオニアは仮想住民に向けて特別なキャンペーンを実施しています。このリンクを通じてぺイオニアアカウントを登録すると、口座登録3カ月以内に$5,000の支払いを受け取ることができます。さらに$250を受け取ることができます。エストニアの仮想住民はさらに低い手数料、より高い取引量、特別サポートなど特別な条件でサービスを受けることができます。

    ぺイオニアがエストニアの仮想住民に提供するもの

    口座は世界のどこからでも完全にオンラインで開設することができ、国境をまたいでビジネスをする世界の起業家に有益な多くの機能があります。

    ぺイオニアのグローバルペイメイントシステムを使えば仮想住民に複数の国の複数の貨幣でカードを含めた支払いを受け取ることができます。仮想住民にとって重要なのはぺイオニアの口座所有者が口座から資金を引き出し、個人の銀行口座に移せることです。これによりエストニアにある仮想住民の会社のために法人口座を作れない場合でも、伝統的な銀行口座の必要性がなくなります。

    これは仮想住民がEUの法人口座を持てるというだけではありません。アメリカ、イギリス、日本、中国、カナダやオーストラリアの現地銀行があるかのようにエストニアの会社がお金を受け取れるのです。

    必ず必要なわけではありませんが、ぺイオニアでお金の取引をするのに一番簡単な方法な、ぺイオニアのネットワーク内で取引をすることです。Amazon、Google、UpWork、Fiverr、Airbnb、ShutterstockやGettyImagesを含め、すでに多くのマーケットプレイスがぺイオニアを利用しています。フリーランス、アフィリエイトマーケティング、Amazonでの販売、アプリ開発、ストックフォトなど場所に縛られないビジネスを展開している企業にとってこれはとてもメリットがあります。

    仮想住民はぺイオニアの口座から国をまたいだ支払いもできます。サービス、サプライヤー、従業員や契約社員への支払いなどです。ぺイオニアのネットワーク内での支払いや、ペイメントカードでの支払いの他にもSEPA(Single Euro Payments Area 単一ユーロ決済圏)内であれば銀行への直接送金も可能です。

    バンキングの将来

    仮想住民の制度(e-Residency)を開始して場所に縛られない起業家にサービスを提供してから銀行へのアクセスは最大のチャレンジの一つでした。

    それでも大きな流れは明白でした。

    新しい技術は急激に世界中の人たちに起業の機会を広げています。会社の設立、会社の運営やバンキングなどのビジネスツールは完全にオンラインで低価格で少ない労力でできるようになっています。それでも、まだまだ改善する余地はあります。

    グローバルに生活し、どこからでもオンラインで仕事をするのは新しいスタンダードです。行政と金融機関はともに国境や官僚主義から生まれる障害を少なくするようなスマートなソリューションを提供する努力をすべきです。

    エストニアはぺイオニアが私たちのデジタル国家に参加することを歓迎します。なぜなら、私たちは世界中にとって選択肢が増えること、価格を低く抑えること、障害が少なくなることを歓迎するからです。

    エストニアの仮想住民制度もぺイオニアもそれぞれ世界で急激に広がりを見せています。特に東アジアなど私たちのスタート地点から離れた場所で顕著です。偶然ですが、今年には双方とも韓国に新しいオフィスを設立し、韓国の起業家支援に力を入れています。これにより力を合わせて現地の起業家支援を強化することができます。

    仮想住民は以下のリンクからさらにぺイオニアの提供するメリットについて学ぶことができます。

    ぺイオニアの顧客はエストニアの仮想住民制度(e-Residency)に関してe-resident.gov.eeで学ぶことができます。また、以下のブログ記事ではどのように場所に縛られない会社を設立できるのかを学ぶことができます。

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  • イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

    イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

    原文:”How cross-government communities can support cross-government services” by Tom Wynne-Morgan and Will Harmer

     ユーザーにとってサービスはシンプルです。車の運転を習ったり、ビジネスをはじめることなど。しかし、政府にとってそれらのサービスを提供することはもっと複雑です。

     なぜかといえば、サービスの提供には政府組織をまたがり多くの人が関係してくるからです。与えられた範囲内ではとてもよく働いているのですが、全体像が見えていないかもしれませんし、どうやって他の人たちとうまく連携するかもわかっていないかもしれません。

     この問題を解決するためにGDSは政府機関の組織と協力し新しい連携の仕方の社会実験をはじめようとしています。異なるスキルを持つ人々、異なる政府部門からなる人のネットワークを作り、部門の壁を越えた「エンド・トゥー・エンド」サービスを改善しようとしています。このネットワークを「サービス・コミュニティー」と呼んでいます。

     私たちはすでにデザインやユーザーリサーチといった専門分野のための政府間のコミュニティーがあります。この新しい「サービス・コミュニティー」はこういった専門分野の壁を超えて人が集まってきます。コミュニティーに参加する人たちは自分達が携わるサービスのために集まるのです。

     私たちは「ビジネスをはじめる」コミュニティーでこのコンセプトをテストすることにしました。コミュニティーは英国歳入税関庁、労働年金省やビジネス・エネルギー・産業戦略省といった異なる組織から異なる役割を持つ人たちが集まります。これこそが私たちがこの取り組みをはじめた理由で、これまでの進捗状況でもあります。

    コミュニティーのチカラ

     昨年、私たちは行政サービスがどのように作られていくのかを調査しました。この調査で分かったことは行政サービスを作る一貫した方法がないということです。その代わり部門ごとに異なるやり方が存在していました。そして異なる分野と役割には組織の壁が存在していました。例えばポリシーと運用です。

     政府のデジタル変革におけるGovernment Transformation Strategyにおいて「政府の異なる組織を通じて継ぎ目なく実行される公共サービスを構築」すると公約を掲げているため、この課題に取り組まなければいけないことは明白です。

    www.catapultsuplex.com

     GDSでは政府機関の部門をまたがり「エンド・トゥー・エンド」のサービス開発を支援する取り組みをいくつも実施しています。例えば、サービス標準を更新して全体のサービスを視野に入れ取り込みました。私たちはGOV.UKにおける完全なサービスジャーニーを描くことをはじめました。そして官公庁が「エンド・トゥー・エンド」のサービスに関するデータを公開する支援をしています。

     私たちの「サービスコミュニティー」は特定のサービスを提供するあらゆる人たちを一つにまとめ、手助けをします。

     コミュニティーに参加する人たちは一貫した「エンド・トゥー・エンド」のサービスを作るために役立つことを共有します。それはユーザー・リサーチ、データ、バックエンドの技術といったものです。お互い動いているプロジェクトを更新し、共通の問題や欠陥について支援し合うことができます。

    ここまで何ができたか?

     私たちはこのアプローチを「ビジネスをはじめる」コミュニティーで試しています。ビジネスをはじめるジャーニーは比較的シンプルで、特定の部門に属していないからです。さらに歳入税関庁がすでにビジネススタートアップで取り組んでいたプロジェクトに乗っかることもでき、Transformation Peer Groupで召集された部門間のネットワークも活用することができるからです。

     コミュニティーには政策、戦略、デザインや管理といった様々な役割の人たちから構成されています。歳入税関庁、労働年金省、ビジネス・エネルギー・産業戦略省、教育省、企業登記局、国際貿易省、年金規制機構、英国商業銀行から代表者が参加しています。コミュニティーが成熟するとともに他の政府機関や政府の外部などからも参加を受け付けようと考えています。すでに食品基準庁や安全衛生庁と話をはじめています。

     私たちはすでにこのグループでいくつかワークショップを開催しました。ビジネスをはじめるためのジャーニーをマッピングし、コミュニティーの能力とギャップをみています。

     このグループはさらにコミュニティーのどのように持続性を可能にできるか検討しています。例えばどのくらい定期的に会い、組織化し、主体性を持つのかといったことです。

    ここまで何を学んだか?

     行政サービスを作る上で課題があるのと同様、サービス・コミュニティを作る上でも課題があります。

     その一つがいくつかの部門をまたがる共通したコミュニケーションのチャネルです。たくさんのコミュニケーションの方法が使われていますが、全て共通して使えるチャネルがありません。

     また、サービス・コミュニティーそのものの大きさです。全員が定期的に会うことはとても難しいです。そのためにコミュニティーの中でユーザー調査などのサービス分野に焦点を当て小さなグループを作りはじめています。小さなグループで会い、その結果を大きなコミュニティーでフィードバックするのです。

     コミュニティー運営の方法を各省庁で統一的に行うことは難しいです。たとえば、政策の変更に数ヶ月かかる部門があれば、数週間で済む部門もあります。

     またサービスの提供が常に行われているため、空白期間がありません。全てを溜め込んで、それを元に完璧なデザインを行うということはできません。やりながら進めることを受け入れないといけません。

     これらのチャレンジじもかかわらず、政府間のコラボレーションの需要は非常に高く、「エンド・トゥー・エンド」のジャーニーマップの作成などのプロジェクトでコミュニティーがうまく働くことがわかりました。

    次のステップは?

    「ビジネスをはじめる」コミュニティーの会合は定期的に行われています。今年のプロジェクトの足がかりにするために「エンド・トゥー・エンド」のサービスマップを繰り返し改善しています。また、サービスに関するデータの共有のやり方やユーザーリサーチのサービスを超えた共有も検討しています。

     サービス・コミュニティーのコンセプトを押し進めています。すでに政府間の連携のための同様な取り組みは多くあり、そのようなプロジェクトとも連携を進めていきます。

    訳者からの解説

     The Government Transformation Strategy 2017 to 2020においてイギリス政府は、2020年までに目指す方針の1つとして「共通言語、ツール、テクニックを構築し、官公庁をまたがる大きな変革へのアプローチ方法や民間部門からの学びなど知識と経験を共有するために各省庁をまたがる仕組みを確立する」ことを掲げています。

     国民の視点から考えてみると行政サービスは部門毎には別れてはいません。むしろ継ぎ目なくお互い隣り合わせのような一方、現実として行政組織はそれぞれ別れています。そんな背景のなか行政サービスをつくっていく難しさをどのように乗り越えていくのか。

     一つの方向性としてGDSが見出したのが「サービス・コミュニティ」の力でした。民間とだけでなく行政内でも協働する時代。部署や部門を越え様々なバックグラウンドを持ったヒトが自然発生的に集まるような動きが行政内にも少しずつ生まれているのでした。日本もイギリスと同じ議院内閣制をとる国ですが、デジタル時代の波に行政や政府はどのように対応していくか少し先を行くイギリスから学ぶタイミングが再び来ているのではないかと思います。

    池田達哉

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  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2014年)各省庁のプロジェクトが続々公開そしてトランジション完了

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2014年)各省庁のプロジェクトが続々公開そしてトランジション完了

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる
    • その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。
    • CTO室主導でアーキテクチャだけでなく調達も整理整頓。コスト削減効果が明確になってくる。
    • アプリは行政サービスには不向き。(個人的にはPWAは向いてると思う)
    • 検索できない「リッチテキスト」は追放

    原文:”A GDS Story 2014

    2010/2011年2012年2013年|2014年|2015年

    1月13日

    デザイン融合チームがチェックリストを発表:

    このチェックリストはオンラインでサービスを提供するどのような組織でも役に立つように意図しています。これらのチェックリストを満たしていればデジタルサービスはだれでもオンラインに対応できるよう融合している状態になっていることになります。

    1月23日

    身分証明プログラムベータ

     Janet Hughesが身分証明プログラムについて詳細に説明。身分証明プロバイダー(のちに認定会社に呼称を変えた)の役割など。

    1月24日

    政府が新しいITの契約ルールについて発表。これはGDSの支出管理の必須要綱ともなる。概要は以下の通り:

    • 1億ポンド以上のIT契約は特別な必要性がない限り承認されない。契約の規模を小さくすることでより多くのサービス提供者の参入と競争を促進する。
    • サービスのプロビジョニングを提供した会社は、プロビジョニングをしたシステムの構築契約はできない。
    • 契約の自動延長はない。完全なビジネスケースがない限り契約は延長しない。
    • 2年以上の新たなホスティング契約は結ばない。

    Francis Maudeは以下のように書いています:

    この明確な線引きにより政府は最良の技術を最良の価格で調達することができる。私たちは納税者の価値のため、恥ずかしげもなく軍隊のような厳格さで適用する。

    1月27日

    James StewartがGDSでのGitとGitHubの利用について書く。

    1月29日

    Sprint 14

     GDSがロンドンで“200日のデリバリー、さらなる200日”と銘打ってSprint 14を開催。ビデオも作りました。

    www.youtube.com

    Mike Brackenが以下のように要約:

    • トランスフォーメーションプロジェクトはすべて発見のため。
    • 4つのベータプロジェクトはすでに10万人に利用された
    • 政府をトランスフォーメーションするのに残り200日

    (More photos)

    1月30日

     ロンドンでSprint GOイベントを開催。政府機関と関連部署がGOV.UKへの移行のため。

    (More photos)

    2月3日

     政府の公式文書がwww.official-documents.gov.uk (イギリス国立公文書館が管理)からGOV.UKへ移行

    2月6日

    モバイルでのGOV.UKを改善

    デザイナーのGuy MoorhouseがモバイルデバイスでのGOV.UKの改善について解説。

    2月11日

    身分証明プロジェクトがHMRCのユーザーに対してベータ移行。

    12 February

    HRH Duke of York visiting GDS

    York男爵がGDSを訪問。

    2月18日

    デザインスタイルガイド

     GDSが政府のデザイナーに新しいガイドを発表:デザインスタイルガイドデザインパターンハックパッド

    2月21日

    GOV.UKとDirectgovのモバイルでの比較

    Tom LoosemoreがRenew tax discサービスをリリースしたDVLAを祝福: “敬礼!

    2月25日

    バカにするのではなくオープンに

    GDSが #contentdesignweek を祝う

    2月27日

    Neil WilliamsがGOV.UKの進捗をまとめる: “第三フェーズが進行中”

    3月

    はじめてGOV.UKに単月で5000万人が訪問。

    3月2日

    読者に誤解を招くWebサイトを報告してもらうようお願いする。一週間後、Ade AdewunmiGOV.UKからたどり着くサイトでもOKと書く:

    もしちょっとしたカラースキームやレイアウトの違いがあってもGOV.UKからリンクされているサイトはすべて大丈夫です。オンライン広告や一般的なGoogleやBingといった検索に限りません。必要以上にサービスに対価を支払ってるかもしれませんし、全くなにもないサービスに支払ってるかもしれません。また、信用できないサイトに個人情報を提供しているかもしれません。

    3月5日

    GOV.UKのフォント変更

     GOV.UKのヘッダーで使われていたタイプフェースをGill Sans からNew Transportに変更

    3月12日

    Digital Marketplaceアルファ

    Digital Marketplaceのアルファがスタート

    3月17日

    トランスフォーメーションプロジェクトの進捗

    3月18日

     GOV.UK Tax Disc *1 “thank you”ページの変更の結果、35万人の臓器提供者の登録が増加しました。

    同日、GDSが正式にCTO室を設置。Alex Holmesが書いています

    私たちは政府の技術でリードをとっています。何をするのかを指示するのではなく、自らのエキスパートチームを作り上げ、正しく行うことを支援します。私たちは以前の必要以上に複雑な政府のITガバナンスをより簡単でシンプルなモデルを構築しました。

    3月26日

    GDSが最初のSocial Media Playbookを発行。

    Clay ShirkyがGDSを訪問

    同日、ライターでコメンテーターのClay ShirkyがGDSを訪問。

    3月28日

    GOV.UKが新しいインフラに誰にも気づかれずに移行。これはとてもいいこと。

    4月1日

     サービス標準が完全にライブ。Tom Scottが最初の50のサービス評価からのフィードバックを通じてどのようにイタレーションをしたかを解説。

    4月6日

    Public Services Network (PSN) がCTO室内でGDSの一部となる。Andy Bealeが説明をしています:

    PSNはネットワークのネットワークです。公共セクターの組織が安全で効率的につながることができます。これにより過去の分離した繋がないネットワークのような複雑さや重複を避けことができます。

    4月14日

    大規模なデジタル融合

    デジタル融合戦略とデジタル融合憲章の設立。Kathy Settleが書いています:

    これは政府が初めてデジタル分離の問題を解決するためにパートナーを集める取り組みです。とても興奮する時期です。私たちはいいアイデアのスケールアップを望んでいます。重複をやめ、人々が簡単に働けるようにしたいと考えます。。

     この仕事の一部としてスケールするデジタル融合があります。各官公庁がユーザーのデジタル融合のニーズを評価することができます

    4月23日

     運転免許試験局のMartin RichardsonがInside Governmentのブログに寄稿。たった一文字の変更が600%のクリックスルー増加したことを説明。

    5月13日

     Performance Platform上で83にダッシュボードを一日でリリース

    5月22日

    スケッチでデザイン

     Ben Terrettがスケッチでデザインすることについて解説。

    5月23日

    Defraのダッシュボード

     各省庁と政府機関がGOV.UKでのコンテンツのパフォーマンスを確認できるダッシュボードをリリース。

    5月29日

     永続的代理権 (Lasting Power of Attorney)がトランスフォーメーションプロジェクトの中ではじめてベータからライブに移行。

     同日、ユーザーリサーチの責任者Leisa Reichelt ユーザーリサーチをどのようにアジャイルでやるヒントを公開。

    6月3日

    ユーザーリサーチとユーザーテストは違います

    Leisa Reichelt「ユーザーリサーチとユーザーテストは違います。テストされているのはユーザーではなく私たちです。それは良いことです」

    6月10日

     Register to Voteが公開。トランスフォーメーションプロジェクトがまた成功。

    6月12日

    ユーザーリサーチ進行中

     新しいユーザーリサーチラボを公開。

    6月20日

    Pete HerlihyがRegister to Voteに働きかけつつ、現状の打破に関する完璧なブログ記事を書く:

    今後の法律のドラフトを書くときに私たちとサービスデリバリーチームが共に働くことに関してリーガルチームから合意を得た。これは本当に特別なこと。

    6月26日

     身分証明プログラムのベータが新しいサービスを追加:DVLA’s View Driving Record

    7月3日

    Mike Brackenによる最初の長く詳細なブログ記事。ここでは「サービス変革」の定義について:

    私たちが「変革 | Transformation」について語るとき、それを可能にするハードやソフトについてグダグダ言っているわけではありません。私たちはユーザーが望むときに望むサービスを提供するために全体のサービスのことを考え、複数の専門性を併せ持ったチームの力でユーザー体験を変革します。変革とはより良い体験を提供すること、真に生活をよい方向に変えることです。

    7月14日

     デザイナーのJoe LanmanRegister to Voteをデザインしたことからの学びについて書く。

    7月15日

    GOV.UKの階層リスト(Miller columns)

     GOV.UKは階層リスト(Miller columns)を使ったナビゲーションの改善を模索

    7月18日

    進行中のデザイン

    Ben TerrettによるGDSのデザインプロセスの解説:

    私たちはワイヤーフレームやPhotoshopのモックアップを作りません。私たちは「デザインが終わったら開発の仕事」のような文化にしたくありません。私たちはハイフィデリティのモックアップもワイヤーフレームも作りません。私たちはモノを作ります。モノのイメージではありません。

    7月22日

     Digital Marketplaceがプラベートベータに

     同日、政府がドキュメントの閲覧と共有にオープンスタンダードを採用。Linda Humphriesによる解説がこちら

    7月28日

    Mike Bracken が司法省チームが民事請求のサービス更新の仕事について:

    今は2014年です。私たちはビクトリア風の公共サービスを運営すべきではありません。法律自体は数世紀前のものかもしれませんが、人々とコミュニケーションをする言葉はそうあるべきではありません。

     

    G-Cloudの2012年から2014までの成長

    同日、Tony SingletonがG-Cloudの順調な成長について書く。この月2億ポンドの売り上げ

    8月5日

    司法省の民事請求サービスライブ公開

    8月6日

     内閣府の効率と改革グループの設立者でありGDSの強力な支援者だったStephen Kellyが商業セクターでの新しい役割を引き受けるために政府を去る。Mike Brackenのコメント。

    本議会を通じてStephenはGDSと政府のデジタル化全てにおいての確固とした支援者でありチャンピオンでした。彼は大臣へのアクセスを確保してくれ、イベントで講演してくれ、様々な障害を取り除いてくれました。そして何よりも常にポジティブな世界観を持っていました。これが私が一番必要とするものでした。

    8月12日

    Performance Prototype

     Performance Platformチームが新しいプロトタイプページについて解説。

    8月14日

    まだ残るGOV.UKのアクセシビリティ問題

     デベロッパーのAlice BartletGOV.UKでの検索のアクセシビリティ改善について。

    8月16日

    雑誌『エコノミスト』が新しいユーザーリサーチラボについて記事を書く。

    GDSは商業セクターでは自然に起きるデジタルのしなやかさを政府に持ち込もうとしている。もし企業がダメなWebサイトを持っていたり、そもそもデジタルを全く無視したら、顧客はどこかへ去っていく。福祉から運転免許証まで独占的な公共サービスの提供者である国家はそのサービスのオンライン化のモチベーションを内部から起こす必要がある。

    8月19日

    Digital and Technology Fast Stream

     若い才能を政府に参加してもらうために新しいDigital and Technology Fast Streamの立ち上げ

    8月20日

     トランスフォーメーションプロジェクトの一つ特許更新がライブ公開

    9月5日

    Olivia Nealがサービス標準のアップデートについて:

    今年の4月からサービス標準は26ポイントで評価をしてきました。サービスはアルファ、ベータ、ライブステージにおいて評価されます。これまで27のアセスメント評価を行い、それぞれ4人から5人のGDSのアセッサーから構成されるパネルで評価されます。では、最初の5ヶ月での評価はどうだったでしょうか?評価をパスしたのは70%で想定どおりでした。トランスフォーメーションプロジェクトはそうでないプログラムより高い確率でパスしました。

    9月10日

    デプロイの穴熊に従わなければいけない

     Web運用エンジニアのBob WalkerがGOV.UKで「デプロイの穴熊」によるアプリケーションリリースのコントロールについて解説。

    9月15日

     トランスフォーメーションプロジェクトの刑務所訪問予約ライブ公開

    9月17日

    身分証明プログラムがGOV.UK Verifyとなる

     身分証明プログラムがGOV.UK Verifyとなる。そして、プライベートベータからパブリックベータへの移行計画が発表される。Janet Hughesのコメント。

    私たちはユーザーリサーチプログラムを続け、ラボと大規模な質的リサーチの学びからサービスの構築と改善を続けます。私たちは多くを学び、UIデザインなど多くを改善しました。名前も変えました。サービスをどのように説明したらいいかユーザーとテストしてみました。そしてGOV.UK Verifyがそれ以外の名前よりも理解しやすいことを学びました。パブリックベータではこの名前を使います。

    壁に貼られたリサーチのカンバン

     同日、Ben Hollidayがユーザーリサーチとデータがどのように公開されているサービスを改善するか6つの事例を紹介

    9月23日

     Mike Bracken が新しい見習いトレーニングサービスのベータについて。

    見習いトレーニングチームはよくやりました!全く正しいことを行なっています。これが私たちが当初からイメージしていた変革プロセスで、実際にそれが実現していることをうれしく思います。たった3年前はこのような急激なサービスのデザインの変更は無理だと言われていました。

    10月7日

     DVLAの運転免許証閲覧サービスベータからライブ公開

    10月9日

    Anna Wojnarowska内閣府CTOトランスフォーメーションプロジェクトでのユーザーリサーチについて解説。

    10月10日

    ユーザーリサーチのマントラ

     ユーザーリサーチはチームスポーツ

    10月14日

     GOV.UK Verifyがパブリックベータに移行

    10月17日

     GOV.UKが二歳の誕生日を迎える

    11月6日

    Francis MaudeとIvanka Majic

     Digital MarketplaceがCloudStoreから完全移行してG-Cloudのクラウドベースのソリューションを購入する唯一の窓口となる。内閣府担当大臣のFrancis MaudeがサービスマネージャーのIvanka Majicの助けを借りながら自分で新しいデジタルサービスを試してみる。

    11月13日

    GOV.UK Verifyのパブリックベータ

     ユーザーリサーチャーのPete GaleGOV.UK Verifyがパブリックベータへ移行するにあたった変更点を紹介。

    6月にユーザーのジャーニー全体を見直すことにして、ボードに描きなおしました。これまでの経験と学びを活かしつつクリーンな状態からはじめることで、シンプルな質問から適切な提案までのデザインを洗練することができました。

    11月25日

     Ivanka MajicがG-Cloud、CloudStoreとDigital Marketplaceの歴史を振り返る。

    11月26日

    GOV.UKの中国語エレメント

     内務省のChris Athertonが翻訳のためのデザインについて書く。

    11月27日

     イギリス政府がWorld Wide Web Consortium (W3C)のメンバーとなる

    11月28日

     トランスフォーメーションプロジェクトの求職支援サービスがライブ公開

     このプロジェクトに関わったGDSメンバーのSteve Woodのコメント。

    プレストンの求職支援チームは単に紙をデジタル化にする以上のことをしました。ユーザーリサーチを行い、申し込みプロセスの深い部分まで探り、170の質問事項を取り除きました。これは全体の49%にあたります。求職者は時間があまりないため、これはとても重要なことです。実際にサービスパフォーマンスのデータでは朝の短い時間に利用のスパイクが現れます。

    12月3日

     Kate Towseyがリサーチラボの最初の6ヶ月について報告。25%コストダウンで2ヶ月のうちに予約でいっぱい

    12月9日

    ロンドンでD5開催

     GDSがロンドンにて最初のD5*2ミーティングを開催。内閣府大臣のFrancis Maudeがスピーチ。

    公共セクターでは過度のリスク回避の傾向があります。人々は何も新しいことができないと感じています。政府はいいアイデアを見つけ、できない理由を探すことが得意です。現状に対して同じような綿密な調査をしません。私たちはより良い新しいやり方を探すため人々に実験してリスクをとることを奨励しなければいけません。たとえそれが常にうまくいかなくてもです。最も大きな過ちは試さないこと、動かないことに固執することです。

     Liam Maxwellは以下のように書いています

    D5の目的は世界的な協力体制です。私たちは常にオープンに自分たちの仕事を共有することについて話し合っており、D5はそれを対面で簡単に行うことができます。議論のプラットフォームとなり、お互いを助け合うことができます。私たちは実際的な問題に実際的な解決方法を強調します。

    12月11日

    フルスクリーンモードの車両税の更新ダッシュボード

     Performance Platformチームがダッシュボードのフルスクリーンモードを実験

    12月15日

    サプライチェーンの変化

     Liam Maxwellが「韓国から学べること」と政府の技術における2010年から2014年にかけてのサプライチェーンの変化について書く。

    12月17日

     Mike BrackenがDVLAを訪問。その時の彼の考え

    DVLAは素晴らしい仕事をしています。Webサイトを直し、技術をアップデートし、ユーザー中心のアプローチをするために組織全体を見直しています。これが「変革」でないのであれば、何が変革なのか私にはわかりません。私は本当に感銘を受けています。私が言えるのは「素晴らしい」だけです。DVLAはデジタル政府の申し子です。

    12月19日

    移行完了

     トランジションプロジェクトの完了。300の政府機関とその関連組織のWebサイトをGOV.UKに移行完了。Mark Hazelbyのコメント。

    私たちのトレーニングチームの例を取りましょう。もし、このプロジェクトの前にGoogleで”climate change uk”と検索したら16の政府系のWebサイトが検索結果として表示されていました。そして、今ではGOV.UKの政策とトピックのページが一番に表示されます。これは市民にとってとても強力です。豊富な政府のコンテンツの中から最適な情報にすぐにアクセスできます。

    このプロジェクトのハイライトとなる数字:

    • 312の政府機関と組織
    • 685のドメインとサブドメインを閉鎖
    • 150,000ページ以上をGOV.UKで公開
    • 1,200人のスタッフが平坦な英語で書くトレーニングを受ける

    12月23日

     GOV.UK Verifyを英国歳入税関庁の確定申告サービスの少数ユーザーでトライアルを実施することを発表

    関連記事

    *1:イギリスの道路使用税の納税証明のシール

    *2:Digital 5:イギリス、イスラエル、エストニア、韓国、ニュージーランドによるデジタル政府のネットワーク

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる
    • その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。
    • CTO室主導でアーキテクチャだけでなく調達も整理整頓。コスト削減効果が明確になってくる。
    • アプリは行政サービスには不向き。(個人的にはPWAは向いてると思う)
    • 検索できない「リッチテキスト」は追放

    原文:”A GDS Story 2013

    2010/2011年2012年|2013年|2014年|2015年

    2013

    1月6日

     Mike Brackenがこれまでのデリバリータイムラインを解説しました。

    1月13日

     トランザクションエクスプローラツールは「政府が市民に提供する特に大きな44の公共サービスにおける1トランザクションあたりのコストに関するデータ」を含むように更新されました。当時の内閣府のFrancis Maude大臣は以下のようにブログで書いています

    このデータを公開することは透明性の大きな前進です。英国政府にとって初の試みです。

    1月15日

    GDSが最初のスタッフミーティングを開催

    1月20日

    Sprint 13でのFrancis Maude

     GDSはロンドンでSprint 13を開催しました。政府のデジタル改革にフォーカスをあてたイベントで、これが第一回となり毎年行うことになります。Francis Maudeは2年間かけて行う改革プログラムを発表しました。これは特に大きな25公共サービスを更新するプログラムで、のちに手本となるプロジェクトとして知られるようになります。

     その翌日に写真が公開されました。当時の最高経営責任者(CEO)だったStephen Kellyは「政府を改革する400日」を発表しました。(写真


    Sprint 13 Overview

    1月31日

     司法省のRoger OldhamがMoJ Digitalの前身となるチームのためにGDSブログを通じて採用を呼びかけました。これはポジティブな前進でした。内閣府のモデルを通じて官公庁も同じことができる例を示しました。

    2月22日

     Abby PeelGDSを訪問する国際的な訪問者を歓迎することについて書きました。

    2月28日

    Inside Governmentの変更

     Neil Williamsは前年度の初期ベータ版に入って以来はじめてInside Governmentの変更について書きました。

    私たちが作り上げているものはワールドクラスというだけではありません。ワールドファーストです。ニュージーランド、クロアチア、スウェーデン、ノルウェーの各国政府がデザインからコードベース全体まで、私たちが作ったものを再利用してくれる予定です。

    3月1日

    歳入税関庁のコンテンツをGOV.UKへ移行することについて同庁のRobin Rileyが解説しました:

    歳入税関庁はそのほかの官公庁と比べて長い時間がかかりました。どうして? 率直に言えば私たちは一番後方に位置していました。歳入税関庁サイトの違いを比べてみてください(現在過去)。違いは劇的です。単なるお化粧直しではありません。歳入税関庁は情報をオンラインで公開する方法を再設計しました。

    3月12日

     Tom Loosemoreは政府にアプリの開発をやめるように呼びかけました。私たちはアプリっぽくない。

    アプリはゲームやソーシャルメディアを変えているかもしれません。しかし、公共サービスをWebサイトを通じてさまざまなデバイスで効率的に利用できるようにするアプローチの方が現在では最適と言えます。その方が改善のための実験を繰り返し簡単に行うことができます。市場インパクトを最小化して、サポートするのもはるかに安いです。

    3月14日

    Mike Brackenが政府全体のITガバナンスを大幅に変更したと発表し、CTOのLiam Maxwellがリードしてきたプロジェクトが表面に浮かび上がってきました:

    私たちは予算を多く持っている人たちの間で行われる調達に関する議論を少なくするべきです。立席ではない立ちながらクイックに行うスタンドアップミーティングでユーザーニーズに応えるべく日々のリリースを増やすべきです。私たちはウェブ、デジタルツールとサービスを政府内で活用することによりもっと素早くコラボレーションができるようになります。

     要するに、Maxwellと彼のチームはこれまでの古い政府のITガバナンス体系を以下のように変えました。

    以前のITガバナンス

    …このように。

    新しいITガバナンス

    同日、GDSはデジタルが基本(Digital by Default)のサービススタンダードとサービスマニュアルのベータ版を公開しました:

    これらは官公庁職員のためのガイドであり、デジタルサービスを正しく開発するために必要な情報を全て提供しています

    このスタンダードは2014年4月よりすべての大規模サービスに適用されます。スタンダードのポイントはGOV.UKで公開されているすべてのサービスが利用者にとってわかりやすく便利なのでそれを好んで選択することを確かなものにすることです。そしてAssisted Digitalがオフラインで適切な支援をします。

     私たちは新しいマニュアルとともに映画シリーズも作りました。


    Welcome to the Service Design Manual

    3月20日

    Francis Maudeの庶民院でのスピーチ

    私は紳士閣下がおっしゃることすべてのことに同意します。私たちがまだやっていないという彼の仮説を除いて。私は彼が優れた出版物を生み出したデザイン委員会のメンバーであることを知っています。実際にGDSの創設を含む、政府が取っているいくつかのイニシアティブについては非常に敬意を払ってくださっている。GDSは公共サービスの提供を改革する際に、ユーザーのニーズに合わせてデザインすることにコミットしています。これまで頻繁にそうであったように、政府の利便性を優先するのではなく。

    こちらがそのビデオ

    3月21日

    Richard Popeはサービスマニュアルを作成する過程について書いています:

    最初は私たちはマニュアルを作っていること意識していませんでした。やろうとしていたのは新しいデジタルサービスがどのような基準で判断されるのかを描くこと。政府のデジタル戦略で掲げられているデジタルが基本(デジタル・バイ・デフォルト)とは何か。官公庁のサービスオーナーとそのチームが優れたデジタルサービスを提供するのに役立つ豊富な詳細を提供する必要があることは認識していました。そして優れたデジタル公共サービスがどのようなものなのかシンプルな定義を共有する必要性を。

    3月25日

    GOV.UKワールドワイドセクション

     Inside Governmentに44の言語をサポートする新しいワールドワイドセクションが追加されました。これは、外務・英連邦省、国際開発省、貿易投資総省、国防省などの省庁にとって大きな一歩でした。

    3月26日

     後のCommon Technology Servicesチームになる仕事の最初の公での発表。こちらがそのIT改革グループのTariq Rashidのブログ記事

    3月28日

     GOV.UKにおいて各省庁はあたらしいHTMLのフォーマットを使うことが推奨される。「HTMLがPDF / RTF / Word添付ファイルに代わるデフォルトとしてのデジタル」としてデザインされる。

    4月16日

    サービスマニュアルはベータからライブに移行しました

    Mike Brackenのポスト:

    …このマニュアルは過度な官僚的な考えから政府を解放するようにデザインされています。このブラウザベースのサービスは意思決定を加速し、多くの委員会や会議や扱いにくいプロセスの必要性を排除します。公共サービスがデジタル化されるにつれ、私たちが使用するツールとガバナンスにに反映されるべきです。

    サービスマニュアルチームのメンバー

    4月17日

    Design of the Year授賞式でGDSチームのメンバーおよび他の同僚たち Photo credit: Elisa Figoli. Thanks to: the Design Museum.

     GOV.UKは「よく考え抜かれた控えめなデザイン」が認められ、この年のDesign of the Yearを受賞しました。

    Daily Telegraphの評論家Deyan Sudjicのコメント

    これは政府が実際に有効なコミュニケーションを理解していることの表れです。シンプルで直接的で礼儀正しい。このような政府から当然受けたいと思っているすべてのことは官僚主義と専門用語の海に沈み、実際に実現されることはありませんでした。GOV.UKはエレガントでほのかな英国らしさがあります。これは1960年代にMargaret Calvertがデザインした古典的なフォントのデザインのおかげかもしれません。それはウェブサイトのポールスミスです。世界は深く感銘を受けています。複数の公共サイトを合理化したため、税金を大きく節約できます。嫌いになる理由がありますか?

     タイポグラファー/デザイナーのMargaret Calvertは上の写真(一番上の列、右から五番目)にいます。彼女は2011年以降、GDSデザインチームに不可欠なアドバイスを提供してきました。GOV.UKは彼女とJock Kinneirが作成したNew Transportフォントを使用します。

    4月30日

    イギリスにある24すべての省庁、No 10と副首相オフィスのサイトがGOV.UKへ移行しました

    …今日は政府と国民にとって新しい時代のはじまりです。私たちが仕事を正しく行えたのであれば、ほとんどの人はどれほどの大きな変化が起こったことに気付かないでしょう。しかし、プロジェクトを近くで見てきた私たちは、そのインパクトが深いものなのかを理解しています。これから国民(そして国民と政府を取り持つ専門家や仲介業者)は政府が何をしてこれから何をしようとしているのか全体を見渡すことができます。国内で、そして国外で。一つの場所に一貫性があり、整理された、簡単に理解できる形で情報が集まっています。

    5月1日

     Tom LoosemoreがこれまでのGOV.UKの歴史を写真とともにまとめました。

    5月17日

     GOV.UKの1,000 回目のリリース

    5月21日

     Liam Maxwellが新しいITガバナンスの形について概要を紹介しました。「プラットフォームとしての政府」についての最初の言及となりました:

    ユーザーニーズに焦点を当てること、サービスをコモディティー化すること、組織の壁を破りサービスを共有することにより、私たちは納税者のためにコストを節約できます。更に技術革新により公共サービスの改善を後押しします。

    5月30日

    数百のWebサイトを移行するトランジションプロジェクトは進む。

    6月

     G-CloudはGDSに移行されました。これは後にDigital Marketplaceの大きな一部となります。

    6月3日

     政府は「事業の基本的改革」により100億ポンドの節減したことを発表しました。 翌週にGDSは5億ポンド以上の貢献についてブログを掲載しました。また、支出をコントロールすることTechnology Code of Practiceの重要性についても言及しました。

    6月7日

     Richard Sergeantは最初のサービスの評価について発表しました。サービス基準にデジタルサービスがどれくらい達しているかを測るものです。

    6月13日

    トランジションツール

     Neil Williams がトランジションツールについて説明しました。

    6月18日

    アイコン削除のビフォーアフター

    デザイナーのGuy MoorhouseGOV.UKで使われていたアイコンをどうして削除したのかを説明しました:

    最初にアイコンを導入したときユーザーデータはありませんでした。そのため、推測として正しいことをするしかありませんでした。しかし、時間の経過と共に多くのユーザーテストを実施しました。そしてアイコンが意図した結果を達成していないことが明らかになりました。ユーザーはしばしばアイコンをクリックすれば「何か起きる」と勘違いしてしまいました。

     GDSではこのケースについてその後も言及し続けました。これこそまさに反復的改善の実例だからです。

    7月2日

    Lasting Power of Attorneyのベータ

     典型的なプロジェクトの1つである”Lasting Power of Attorney”がパブリックベータに達しました。

    表彰棚のBlack Pencil Photo: Roo Reynolds

     コンテンツデザインの責任者であるSarah Richardsが「私たちは2週間前に“黒い鉛筆”を手にしました」とブログで書いています。D&AD Black Pencilはデザインで最も賞賛される賞の1つです。それは最も特筆すべき作品だけ一年に一つか二つのプロジェクトしか受賞できません。何年か受賞者がいない年もありました。

    7月9日

     最初のDigital Services Frameworkのローンチ。これも最終的にはDigital Marketplaceの一部になります。

    7月17日

    Sprint Alpha

     Sprint AlphaのイベントでMike BrackenがTransformation Programmeのこれまでの進捗を報告しました。そして新しいダッシュボードであるgov.uk/transformationを発表しました。これにより誰でも発見>アルファ>ベータ>ライブのステージを確認することができます。

    トランスフォーメーションダッシュボード

    Mike Beavenが翌日そのフォローアップをブログで書きました

    改革とはWebサイトではありません。全てです。一貫性があり質が高い「デジタル・バイ・デフォルト(デジタルが基本)」のビジネスプロセス全てです。

    7月23日

    アップデートしたGOV.UK

     GOV.UKの見た目を若干アップデートしました。

     同じ日にGDSのチームと王室土地登記所が共同でアルファを公開しました。

    7月25日

    Sarah RichardsがFAQsを使わない理由を説明:遅すぎるし重複の原因となります。

    7月26日

     ニュージーランド政府がGDSのデザインテンプレートを使った新しいWebサイトのベータ版のリリースを発表しました。

    8月6日

     Tom LoosemoreがA/Bテストについて書きました。A/BテストがどのようにNHS Organ Donor Register(イギリスの臓器移植ネットワーク)のプロジェクトの助けとなったか:

    このGOV.UKにおけるたった一つの小さな変更により臓器提供者が毎月一万人増えました。このたった一つのページはイギリスで三番目に大きな臓器移植の登録サイトです。

    8月8日

     GOV.UKがどのようにデザインされているかを説明するブログ記事。これにより特定の組織や個人のページが削除されることはありません:

    歴史的に見て政府のWebサイトは歴史家にとって簡単ではありませんでした。省庁や政府機関が政府の機械的な変更により閉鎖、統合、分割、改名されると全く削除されたり、完全に別のページになっていました。GOV.UKではすぐに使いやすいデータを提供し変更が理解できるようになります。後のために保存され、再利用されます。

    9月1日

    GDSがデザイン原則のポスターを作りました

    (日本語版はカタパルトスープレックスデザインで入手できます)

    9月4日

    GOV.UKのブログプラットフォームのリリース

    9月20日

    2013年時点でのGOV.UKをiPhoneで見た場合

    9月27日

    Liam Maxwellによるオープンスタンダードの説明

    オープンスタンダードを選択して利用することは私たちのサービスをよくするだけでなく、サービス提供者の選択肢に柔軟性を与えます。火曜日に二つのユーザー課題を解決するために四つのオープンスタンダードを採用するようボードの提案がありました。

    10月1日

    数ヶ月の準備の後、最初の300の政府機関のWebサイトがGOV.UKへの移行を開始しました。これは「トランジション」プロジェクトの一部となります。

    10月6日

    GOV.UKのページを反復検証

    GOV.UKチームによるナビゲーションの改善についての解説

    10月14日

    GOV.UKでのモバイルトラフィックが増える

     GOV.UKのローンチから一年が経過して、Tara Stockfordモバイルからのアクセス増加に気がつく。

    10月17日

    GOV.UK一歳の誕生日

     GOV.UK一歳の誕生日。Martha Lane Foxの訪問。当然ケーキあり。(More photos.)

    データアナリストのPeter Jordanデータの洞察について書く:「GOV.UKは一週間平均600万のユニークビジターがいる」

    当時のGOV.UKの責任者James Thornett一年の進捗について書く。

    Mike BrackenがワシントンD.C.で開催されたCode for Americaサミットでスピーチ。

    www.youtube.com

    10月18日

     G-Cloudの売り上げが5000万ポンドを超える

    10月25日

    内部で利用しているユーザーニーズの追跡ツールMaslow

     Lisa Scottが新しい内部ツールMaslowについて書く。ユーザーニーズを把握して、そのニーズがWebサイトであっているかパフォーマンスを追跡する。

    10月29日

    GDSからのプレゼン前の内閣室

     GDSがCabinetに参加。iPadと大きなスクリーン。内閣府のメンバーが私たちの仕事を明確にわかるように望んだ。

    Mike Brackenはのちにこう述べています:

    とても励まされたのは大臣たちが私たちの仕事の背景にあるプリンシプルに共感してくれたことです。彼らの質問は全て一つの観点から発せられていました:これはユーザーにとってどんな意味があるのか?どのようにユーザーのニーズを満たすのか?です。ユーザーニーズから始めることは公共サービスを根本的に変える原動力となります。これは大きい。

    10月30日

     Identity Assuranceチームがhubのベータ版をリリースしました。これはのちにGOV.UK Verifyとなる重要なコンポーネントの一つです:

    The hubはユーザー、サービス提供者、公共サービス提供者の間のコミュニケーションを管理します。ユーザーはIDプロバイダーとして登録しているサービス提供者を選ぶことができ、デジタルサービスが利用できることようになります。

    10月31日

    Pete Herlihyがデジタル政府を作る上でGDSと関係が深いエストニアを訪問

    おそらくソビエト連邦からの独立のタイミング(1991年)もあって、エストニアは国を運営する上で技術を決定的な要素としてみていた。彼らはビジョンと決意を持った政治的にも公共的にも抜け目ないリーダーグループであり続け、技術の活用を積極的に活用する決意を持っている。

    11月1日

    Kathy Settleが各官公庁とのデジタル戦略の展開についてアップデートを書きました:

    私たちは人事と採用に集中していました。そして正しくデジタルサービスを調達するフレームワークを作っていました。私たちはさらにデジタルを支援するためのリードの仕方、調整の仕方、技術の展開の仕方を変えました。CTO室は政府から参加したTechnology Leadersネットワークと共に戦略的な方向性とデジタルを展開する上でのベストプラクティスを推進しています。

    11月6日

    韓国の崔文基未来創造科学部長官とFrancis Maude

     韓国の未来創造科学部長官の崔文基がGDSを訪問し、Francis Maudeと対面しました。Liam Maxwellが韓国訪問について書いています。

    “Test your smoke alarm”リンクのテスト

     同日、GOV.UKチームは“When do the clocks change?”ページにおける“Test your smoke alarm”のリンクをテストしていました。Paul Cronkはその結果について書いています。

    11月7日

     GDSはバーミンガムでのSprint Shareを開催しました。政府のトランスフォーメーションプロジェクトに関わる人たちにとって一同に集まり経験を共有する機会です。

    www.youtube.com

    11月12日

    2013年後半のトランジションチームの壁

    11月13日

    内閣府Technology Transformationプロジェクトのためにユーザーニーズを特定する

    内閣府Technology Transformation (COTT) プロジェクトの開始。Tom Readがこう書いています:

    私たちの目的は少なくとも人々が普段家で使うのと同じくらいモダンで柔軟性の高いテクノロジーサービスの提供です。これらのサービスは現在のサービスよりコストが安くなります。

    11月14日

    DVLAのWebページのためのスケッチ

     デザイナーのGuy Moorhouseがスタートページの進化について語っています。

    11月28日

     後にDigital Marketplaceの一部となるDigital Services Storeが公開されました。

    11月29日

    Martha Lane Foxが「英国デジタルチャンピオン」を退任しました:

    このブログをよく読んでくれている読者であれば私たちがよくMarthaのレポートに言及していることを知っているでしょう。それはGDSにとってどれだけ評価しても足りないくらいです。それは政府にGDSを招集する弾みをつけ、ワールドクラスの「デジタル・バイ・デフォルト(デジタルが基本)」のサービスを作るミッションと任務を与えました。

    12月12日

     アナリストのAshraf ChohanがパフォーマンスチームによるGOV.UKのリアルタイムデータについて説明しました。

    12月20日

    一年で500億人の訪問者

     ローンチから500億人がGOV.UKに訪問しました。

     この記事はイギリス政府のGovernment Digital Service(略称:GDS)が自らの組織とGOV.UKの成り立ちをブログ記事にした”A GDS Story“の翻訳です。

     2012年にローンチしたGOV.UKですが、まだ全てが完了したわけではありません。各省庁に同じプラットフォームでコンテンツを構築してもらわなければいけないし、継続的にアップデートをしなければいけない。

     大規模構築から大規模運用への移行期が2013年となります。これを世界で初めてやってしまったGDSは本当にすごい。

    カタパルト式スープレックスなかむらかずや

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  • イギリス政府の「デザイン原則」日本語版

    イギリス政府の「デザイン原則」日本語版

    「カタパルトスープレックスデザイン」の一環としてイギリス政府の「デザイン原則 “Design Principles”」を日本語に翻訳したので、デザイン原則について。

     ボクは白洲次郎が大好きで、彼に関する本をたくさん読みました。そんな中で印象に強く残っている本が『プリンシプルのない日本』です。白洲次郎ご本人が実際にそういったかどうかは定かではないのですが、この本のおかげでプリンシプルが重要なコンセプトとしてボクの中に刷り込まれることになります。

    プリンシプルのない日本 電子増補版 デジタルならではの28篇を増補収載

    プリンシプルのない日本 電子増補版 デジタルならではの28篇を増補収載

     

     イギリスのGOV.UKの歴史を紐解くと、かなり初期段階から「デザイン原則」つまりデザインのプリンシプルができていたことが分かります。以下がアルファ版の写真です。現在のデザイン原則でもまだ残っているのが当時でもあります。例えば”Consistent not uniform”(統一性ではなく一貫性)とか”Do Less”(より少なく)なんて今でもそのまま残ってます。

    2011年のGOV.UKのデザイン原則(Design Principles)。当時はデザインルール(Design Rules)と呼ばれていた。

     デザイン原則はまさにプロダクトやサービスを作る上でのプリンシプルとなるものです。これがないとチームは何に従うべきなのかわからなくなります。いちいちマネージャーに指示を仰がないといけない、たくさんの無駄な会議もやらなければいけません。プリンシプルがなければアジャイルにはなりません。

     プリンシプルの重要性は白洲次郎の時代から変わらないどころか、現代になり更に増しています。例えば「自律型組織」には人が従うべきプリンシプルがしっかりと組織に根付いている必要があります。マネージャーという人間ではなく、その組織のプリンシプルに従うのが次世代の「自律型組織」です。人に従うのが従来の階層型組織。

     よく考えてください、GDSがよくある官僚組織だったらGOV.UKなんて一年でローンチできますか?いろんな資料を調べましたが当時のGDSがここまで自由に動けたのは内閣府の大臣だったフランシス・モードの役割は大きかったはずです。

     デザイン原則は各プロジェクトごとに作られるべきなので、GOV.UKのプリンシプルをそのままコピペできません。デザインに限らずプリンシプルとはそういうものです。それでも、GOV.UKのデザイン原則はよくできたプリンシプルなので、自分が作ったプリンシプルと比べる良いベンチマークになると思います。

    ここで紹介されている『GOV.UKデザイン原則』の日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。

    実際のデザイン原則の作り方は同じくカタパルトスープレックスデザインに収録されているアメリカ政府機関18Fが作った『18Fメソッドカード』が参考になると思います。

    カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。

  • エストニアがICOプラットフォームとして暗号化トークン「エストコイン」の準備を開始

    エストニアがICOプラットフォームとして暗号化トークン「エストコイン」の準備を開始

    クレジット:E-residentのPeter Kentieさんが寄贈してくれたイラスト

    原文:”We’re planning to launch estcoin — and that’s only the start” by Kaspar Korjus

     エストニアはe-Resideincyが世界の起業家が信頼できるICOを実施するときのベストな選択肢であることを目指しています。そして三種類の暗号化トークン「エストコイン」を検討しています。

     スタートアップの世界はICOによって大きく変わろうとしています。

     株式を提供する代わりに、ブロックチェーンをベースとした暗号コインを発行して世界各国の投資家から資金を調達しています。

     アメリカ、シンガポールとスイスがICOを実施する上で起業家が検討する国としてリードしています。一方で各国政府はどのようにICOを規制するのかを検討しています。起業家にとっても投資家にとっても不幸なことに、ICOは法律上はグレーなエリアで実行しなければいけませんし、透明性と信頼性の問題によりこのイノベーションの歯止めがかかっています。

    解説

    ICOのトークンには二つの考え方があります。一つは「利用料」としてのトークン。もう一つは「証券」としてのトークンです。資金調達をする企業は「利用料」としてのトークンと位置づけることが多いように思われます。これは「証券」としてのトークンは法整備が整っていないからですし、「証券」の発行には大きな責任が伴うからです。

     それにもかかわらず、ICOを通じた資金調達金額はベンチャーキャピタルからの資金調達を上回っています。しかし、資金調達はICOの一面に過ぎません。スタートアップが発行した暗号化トークンに投資している人たちのインセンティブは開発の支援というオンラインコミュニティーに近いものがあります。

     エストニアの仮想住民プログラムであるe-Residencyも急速に成長しているスタートアップです。政府のスタートアップであるにも関わらずです。それは仮想住民からのフィードバックにより絶え間なく改善されているからです。そして商業セクターのベストプラクティスも取り入れています。私たちは急速に成長するコミュニティーを持ち、そのコミュニティーはe-Residencyプログラムからどのように価値を最大化できるのかを常に探しています。

     そこで、2017年8月にe-Residencyブログを通じて「エストニアのようの国がICOを通じて自らの暗号化トークンを発行したらどうなるか」を聞きました。その時につけた暗号化トークンのニックネームが「エストコイン」でした。e-Residencyがプラットフォームを通じてどのように「エストコイン」をグローバルで流通させ交換させるのかを説明しました。誰でも登録できるデジタルIDがあるからです。

     この記事はすぐにバズりました。世界中のメディアで取り上げられました。世界で2億人くらいの人がこの記事を読んだと推定しています。

     多くの人がこのアイデアに熱狂して「エストコイン」のあり方について意見を書きました。そして多くの人は批判的でe-Residencyプログラムのマーケティングスタントでしかないのではないかと推測しました。

     私たちはアイデアを閉じたドアの奥で作ることができますが、e-Residencyを作り上げる上でオープンポリシーは常にベストでした。できる限り早い時期からオープンに議論をはじめる。それによりアイデアを改良することができ、どのようなサポートが必要なのかも理解できます。サポートする人も批判する人も貴重です。

     暗号化コミュニティーは政府のこのような介入に一番批判的なのではと最初は予想していました。しかし、実際は違っていました。クリプトワールドの起業家も投資家も熱狂的に興味を持ち、アイデアを受け入れているようでした。反面、伝統的な組織は一番批判的でした。欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギも懸念を表明しました。

    qz.com

    「エストコイン」に対する多くの批判はエストニアが仮想通貨を発行したくてもできないことです。エストニアの唯一の通貨はユーロであり、これは私たちが誇りとするEUのメンバーの必須条件だからです。誰もそれを変えるつもりはありません。

     ですから私たちは「エストコイン」を暗号化トークンとしています。

     政府は暗号化トークンが通貨として利用できることによる破壊的なインパクトも考慮する必要があります。暗号化トークンは世界的に価値を交換するもっと効果的な方法だからです。しかし、暗号化トークンは通貨としての利用よりもさらに大きな重要性があり、必ずしもそのカテゴリーに押しとどめるべきものではありません。

     エストニアの観点から見ると、「エストコイン」はデジタル国家を開発するための世界的資金調達をする手段を提示しています。そして、e-Residencyを通じて起業するスタートアップを増やすという目的を達成するため仮想住民のインセンティブとしてトークンをデザインしたいと考えています。

     仮想住民によるビジネスはエストニア経済に前向きなインパクトをすでにもたらしています。2017年12月に発行されたDeloitteよる独立したレポートによると最初の三年間でエストニアは1億4400万ユーロを回収し、2025年には18億ユーロになると予想しています。これは1ユーロの投資に対して100ユーロを回収することになります。私たちは仮想住民たちに価値を提供し続けることによってのみそれを達成することができます。

    「エストコイン」の目的はそれを加速することです。そしてデジタル国家の開発のため追加の投資と利息を活用します。

     それでも疑問は残ります。「エストコイン」はコインを持つ人のどのような課題を解決するのか?「課題を探すソリューション」これもよくある批判でした。提案が発表されてからオーディエンスに「エストコインを買うのに興味があるか」を聞き、答えは「イエス」でした。どうして「イエス」なのかは自分でもまだ明確ではないにも関わらず。

     驚くかもしれませんが、私たちは「エストコイン」が「課題を探すソリューション」であることを完全に認めます。そして、それは必ずしも悪いことではありません。

     e-Residencyも立ち上げ時は「課題を探すソリューション」でした。このソリューションは世界中の誰でもエストニアのデジタルIDの申請ができ、エストニアのデジタル公共サービスを受けられるというものでした。しかし、最初の仮想住民たちはそれがどのような問題を解決するのかも確かではないにも関わらずに申し込みました。

     三年後に3万人の仮想住民申請を通じて私たちはe-Residencyが解決する課題について理解を深めました。世界的な起業の民主化と地域に縛られない働き方の推進です。エストニアの仮想住人に関してはここで詳しく読めますし、どのような課題を解決してきたのかはこのビデオ広告でも紹介しています。

    「エストコイン」の提案をしてから私たちは世界中のフィードバックに慎重に耳を傾けてきました。そしてどのように構築するかだけでなく、どうして人々がそれを欲するか理解を深めてきました。

     その概要を説明する前に、「エストコイン」のビジョンを実現するためにまず何をしなければいけないのかを説明します。私たちはe-ResidencyをグローバルでICOを実施するベストのオプションとしなければなりません。

    信頼できるe-ResidencyのICO

     ブロックチェーン技術は世界を二つに分けました。一つは政府や伝統的な機関でもう一つはクリプトコミュニティー。両方とも相手には将来がないというフリをします。

     多くの場合、真実はどこか真ん中にあり、分断も元に戻ります。暗号化を取り込まなければ政府は経済成長の原動力を手放し、妥当性すら失う危険があります。公共の監視を取り込まなければ、まともなクリプト投資家も偽物投資家によって変質してしまい、トークンの価値にも疑問符がつきます。

     リスクとその複雑さに関してはアメリカ証券取引委員会が暗号化通貨とICOに関する包括的な声明が読むに値します。

     私たちはブロックチェーンが非常に強力な破壊的なソリューションになりつつあることを認識する必要があります。そして、公共機関は全ての人の利益のためにできる役割があります。伝統的な派閥と暗号化の派閥。二つに分かれた派閥は平和的な合意に達する必要があります。

     それこそがエストニアで起ころうとしていることです。「エストコイン」の提案が発表されてから私はエストニア議会内で公共機関と商業セクターの代表者、クリプト起業家、世界中のハッカーを集めたキックオフを開催しました。この会議にはe-Residencyプログラムのチームメンバーと諮問委員、エストニア財務大臣、議員、エストニア中央銀行、ICOを実施している企業とそのアドバイスをしている法律事務所が参加しました。

    エストニア議会でのキックオフ

     私は特に遠くからエストニアに足を運んでくれたTrent McConaghy、Anish MohammedとBruce Ponに感謝します。

     私たちはエストニアがどのように取り組むかを理解するための膨大な作業を始めました。どのように正当な起業家を支援してデジタル国家として成長できるのか。同時に公共の利益を守り、国家とビジネス環境に対するリスクを軽減できるのか。

     私たちは他の国々でのベストプラクティスから学ぼうとし、エストニアのユニークさを活かしてさらに先に進むための方法を探りました。これ以来、私たちは継続して一緒に働き、定期的に意見の交換をしました。

     理解できる注意深い理由でエストニアは暗号化に対して友好的な国家とは言えませんでした。しかし、驚くべきことに最初に私たちが発見したのはエストニアはすでにクリプト起業家にとって絶好のビジネス環境だということです。100%オンラインのクロスボーダーマネージメントから分配されない利益に対する0%の法人税まで。

     さらに私たちの安全なデジタルIDはKYC(Know Your Customer|顧客の身元証明)の一部として利用できます。企業は投資家と起業家の両方の身元証明のために多大なコストと時間をかけています。投資家がキーを忘れて暗号化トークンにアクセスできなくなったという話はよく聞きます。このようなことは政府が保証しているデジタルIDがウォレットと紐づいている仮想住民には起こりません。

     実際に多くの企業がe-Residencyを通じてエストニアでICOの準備をしています。また、すでにe-ResidencyをKYCのプロセスに組み込もうと模索しています。

     ICO現象が成長し続けると、ICOにとって「天国」とされる国が出てくるでしょう。しかし、私たちは現在のICOに懸念を持ち、どのようなICOでも誘致したいわけではありません。未成熟な行動や資金の行き先の不透明性ですでに多くの投資家が失意によって離れていきました。また多くのICOは実際には関わりのない有名人や組織の名前に頼っていたりもします。暗号化トークンに関するe-Residencyやエストニア自体の告知はこのブログで詳細に説明することを覚えておいてください。

     現実はほとんどのICOに私達が望むような標準はありません。

     更に暗号化トークンの価値は現在は非常に揮発性が高くビットコインを含めその他の大幅な価格上昇は近い将来急速な冷え込みも考えられます。多くのアナリストは現在の暗号化市場と90年代のドットコムバブルの類似性を指摘しています。ドットコムバブルは崩壊しましたが、損背景にある基礎的な技術(インターネット)はなくならず、多くの可能性を切り開き世界を変えました。同じことが暗号化でも起きるでしょう、たとえそのバブルが崩壊しても。

     人々が最終的に求めているのは信頼を背景とした本当の価値です。信頼はe-Residencyの価値の一つです。政府に保証された安全なデジタルIDsそれを活用したオープンで透明性の高いビジネス環境があります。これが私たちが信頼のあるICOの誘致にフォーカスする理由です。

     ではどうやって信頼あるICOをe-Residencyを通じてサポートするのか?

     最も明白なソリューションは法律を変えることです。エストニアは仮想住民の起業家を支援するためやこれから成長する産業を支援するために法律を改定する意志があります。例えば、エストニアはヨーロッパの中で配達ロボットとライドシェアを合法にした最初の国です。さらに人工知能の法律の枠組みに関しても議論をしています。

     しかし、ソリューションを探すために必ずしも法の力が必要なわけではありません。さらに、多くの複雑さがあり、その中にはEUの枠組みで取り組まなければいけないものもあります。

     これらの議論は現在進行中です。しかし、私たちが最初にやらなければいけないことははっきりしています。規制された環境下において合法的に責任のあるICOを立ち上げるための明確なガイドラインを出すことです。

     e-Residencyは積極的に責任のあるICOを支援したいと考えています。私たちは国家としてその組織のICOをバックアップすることはできませんが、e-Residencyを通じたICOでの信頼性を高めるたるのガイドラインを提供することができます。そのガイドラインには投資家により高い信頼性と透明性を確保するためのベストプラクティスが含まれます。

     私たちは現在ガイドララインを作成中です。何がガイドラインに加わるべきかフィードバックをください。例えば暗号化トークンの分類や、どのような法律に従わなければいけないのか、どのようなベストプラクティスに従わなければいけないのかなどをガイドラインに含める予定です。こうすることによって投資家は投資がどのように使われているかをトラッキングすることができます。

     最もトリッキーなICOに関わる課題はトークンの分類です。トークンは証券なのか、利用料なのか。私たちのガイドラインは両方を取り組まなければいけません。起業家が自分のニーズに合わせて正しい分類のトークンを選べるようにしなければいけません。ある責任を避けるようにICOのトークンを構成するのではなく。私たちは起業家の暗号化トークンが「証券」とラベルづけされる事に慎重なことを認識しています。しかし、これは投資家からのより高い信頼を得られる方法です。私たちは大胆に起業家が証券としてのトークンをもっと実施しやすいビジネス環境を支援していきたいと考えています。

    「エストコイン」の提案が発表されてからe-Residencyの申請が跳ね上がりました。多くはICOへの投資が目的だと理解しています。つまり、e-Residencyを通じてデジタルIDとリンクした形でICOを実施することは成長しつつある投資家のコミュニティーへのアクセスのコスト、時間と手間が軽減される事を意味しています。

     多くの仮想住民はすでに投資目的でこのプログラムを利用しています。しかし、私たちの長期的な目標は投資家と起業家のコミュニティーによる規模の経済を実現する事です。

     商業セクターも起業家と投資家を支援する重要な役割があります。例えば金融や弁護士サービスです。もしこれを読んでいて支援できるとお考えであれば私たちのチーム(e-resident [at] gov.ee)にコンタクトしてください。

     私たちの目標はエストニアが信頼あるICOの世界でのベストオプションとなる事です。それは公共と商業セクターが協力してe-Residencyや透明性の高いビジネス環境といったエストニアのユニークな特色を活用することで実現します。エストニアはエンジニアたちがSkypeを開発することによって通信の中間業者を取り除いて以来、ビジネスの技術革新の最前線にいます。私たちはブロックチェーン、暗号トークン、安全なデジタルIDによって証券の中間業者を取り除くことができる機会に直面しています。これによりe-Residencyを通じて世界規模で真に分散化されたP2Pの証券取引を実現することができます。

    エストコインはどのようなものになるのか?

     公共と商業セクターの議論の中で私たちはエストニアの暗号化トークンがどのように機能しするか世界中からのフィードバックに基づいて審議しています。

     このプロジェクトの当初のニックネームは「エストコイン」でしたが、エストコインという名前は急速にグローバルブランドとなりましたので現在でもそのまま使っています。

     私たちはデジタル国家にとって、利用者にとって有効なエストコインを一つだけではなく、三種類を特定しました。三種類全て実行可能で欧州中央銀行に警戒心を抱かせるものではありません。

     私たちは批判にも関わらずエストコインの準備を進めるのではなく、批判に感謝をして進めます。批判によってどのように推進すべきか理解できたからです。

     一つまたはそれ以上のエストコインが複数の目的を実現するために実行される可能性があります。

     以下がそれぞれのエストコインの背景です。

    1. コミュニティーエストコイン

     暗号化トークンの強みの一つは行動に対してインセンティブを与えることです。トークンの保持者はコミュニティーの成長から恩恵を受けます。

     Ehtereumの創業者であるVitalik Buterinに私たちのアイデアの概要を発表まえに共有したのですが、これはその時に特に強調されたポイントです。以下がその引用です。

    e-Residencyエコシステム内でのICOは仮想住民とファンドを同じ方向性に向かせる強いインセンティブを作り上げます。共同にできることが多いため、経済的な側面を超えたコミュニティーへの帰属意識を高めます。

     コミュニティーエストコインは世界中の人たちが仮想住民として参加することにインセンティブを与え、e-Residencyの価値を引き出すことで新しいデジタル国家の成長に寄与すると考えられます。これには投資家や起業家がe-ResidencyをICOのプラットフォームとして活用することも含みます。

     すでに多くの仮想住民が様々なやり方でデジタル国家の成長にボランティアとして貢献してくれています。彼らの経験をコンテンツとして共有したり、他の人をプログラムに紹介してくれたりしてくれています。しかし、私たちはその貢献にどのようにリワードを提供したり支援できるか分かりませんでした。

     更に仮想住民の最も価値のある活動の一つはお互いのビジネスや実際のエストニア国民とのビジネスの活性化です。つまり、e-Residencyは公共サービスへのアクセスだけでなく、成長する価値あるコミュニティーに参加することによって事業を拡大することです。

     幸いに私たちはすでにコミュニティープラットフォームがあります。そこでエストコインがプラットフォームの「利用料」として価値のあるものとして、コミュニティーの成長に貢献した参加者には自動的に発行される仕組みが考えられます。

     例えばe-ResidencyのWebサイトにトラフィックを送り、実際に新しく仮想住民が増えた場合に、その仮想住民にはエストコインが発行されるなどです。またコミュニティー内でクラウドソーシングのような仕組みを作ったりが考えられます。

     エストコインはネットワーク効果でプラットフォームの成長を可能にしますが、調達された資金はこのプラットフォームのさらなる開発やエストニアでビジネスをする企業への再投資にも活用できます。

     私たちは商業セクターからの参加も求めています。商業セクターはeResidencyエコシステムで重要な役割を担っています。会計処理やバンキング、バーチャルオフィスなどのサービスをエストコインで利用できるようにしたいと考えています。仮想住民に対して様々なサービスを提供する企業があり、エストコインの交換も奨励していきたいです。

     実際にコミュニティーエストコイン立ち上げのための国家的ICOには公共と商業セクターのパートナーシップが必要です。単一組織がトークンとファンドの分配を管理すべきではないからです。

     最初のフォーカスは「利用料」としてのエストコインですが、e-Residencyの開発によってデジタル国家の成長の恩恵をエストコイン保持者が受けることも重要です。つまりコミュニティーエストコインは最終的には伝統的/暗号の双方の交換所でオープンに取引されることを意味します。実際には投機家を抑制するためにロックアップ期間が必要となるでしょう。エストコインの保持者はデジタル国家の長期的な成長から恩恵が受けられるようになります。

     透明性は仮想住民やその企業だけでなく、プログラム自体にとっても重要です。つまりエストコインの供給量について明確にしなければいけません。どのような法律の元でどのような利用ができるのか。ブロックチェーンのフェデレーションがエストニア政府と独立組織のネットワークのリーダーシップを提供するために必要となるでしょう。

     このような暗号化トークンの利用は多くの人たちが自律して全ての人たちのために協力しながら働く役に立つでしょう。私たちはすでに仮想住民がお互いにつながりビジネスをともに加速していきたいということを理解しています。またここ数ヶ月の間、エストコインを得たい人が増えていることも理解しています。

     e-Residencyプログラムはデジタルスタートアップとして国全体をオンラインでスケールアップするというこれまで誰もなし得なかったことを行っています。これは仮想住民へのメリットが高まるにつれて加速的に進行しています。コミュニティーエストコインはこれをさらに加速するメカニズムとなります。コミュニティーに参加する価値を高め、成長を助ける人たちにリワードを提供することにより全体のサービスを劇的に改善することになります。

    2. IDエストコイン

     エストニアのデジタル国家の中心(そしてe-Residencyプログラムの中心)は政府が提供する安全なデジタルIDです。

     これはデジタルIDでも世界をリードするイニシアティブです。しかし最先端でい続けるためにはそれを支える技術を継続的に改善していく必要があります。エストニアはすでにいろんな意味でブロックチェーン国家と言えます。ではブロックチェーンを活用してIDをトークン化してみてはどうでしょうか。

     このモデルにおいてエストコインはデジタル社会の中で利用されるブロックチェーンベースのトークンとなります。例えばデジタル署名、サービス利用のためのログイン、スマートコントラクトの実行などです。

     エストニア国民と仮想住民はデジタルIDに紐づく一定量のトークンを得ることができ、必要な時にはその量を増やすことができます。たとえこのIDトークンが購入されたとしてもエストニアの売り上げとはなりません。ネットワークの維持に利用されます。実際にこの提案によって全ての人はコストを抑えることができるようになります。

     このIDエストコインとコミュニティーエストコインの大きな違いはここです。IDエストコインは身分証明の一部なので取引したり売ることはできません。実際にe-Residencyプログラムが成長して人の数が増えればIDエストコインの価値は下がります。これは時間とともに取引コストが下がることを意味し、規模の経済に寄与します。

     すべの人が望むものではないかもしれませんが、この仕組みは私たちのビジネス環境にさらなる透明性をもたらします。しかしこの透明性は多くの人が仮想住民になることを選ぶ理由の一つです。透明性は仮想住民がグローバルでビジネス展開をするための信頼の源泉となります。実際にこのIDエストコインモデルはエストニア警察や国境警備隊がある状況下において法律違反を犯した仮想住民からトークンを取り上げることにも利用できます。

     なぜエストニア国民や仮想住民はこのIDエストコインを推進したいのでしょうか?

     IDエストコインにより現在デジタル国家を運営するために使われている技術をなくすことができ、そのコストも削減することが出来ます。

     エストニア国民と仮想住民はこの低コストの恩恵を受けるだけでなく、デジタルIDを利用してさらに簡単にサービスを受けることが出来ます。

     例えば、私たちは最近デジタルIDカードの証明書に関する問題があり、停止する必要がありました。実際にハッキングされた形跡はなく、新しい証明書もすぐにダウンロードできるようになりました。しかし、スムーズなプロセスとは言えませんでした。このケースを通じてデジタル国家はIDサービスがスムーズに機能し統合するために商業セクターに大きく依存していることがわかりました。

     対照的にIDエストコインはどのようなデバイスでも機能し、アップデートは必要ありません。

     エストニアにとってこれはデジタルインフラの信頼性、安全性、透明性の劇的な向上につながります。そして国をもっと効果的にスケールアップすることを可能にします。エストニア政府の様々な部門はe-Residencyの利益のためにハードに働いています。国境警備隊がIDカードを発行し、各国の大使館に届けます。そしてIDカードを手渡すために対面の面談をします。

     しかし、もし私たちが改善して遠隔地からのデジタルIDの認証を合法化したら仮想住民はオンラインですぐにデジタル国家に参加することができるようになります。カードが承認され配達され、自ら取りに行く必要は無くなります。

     IDエストコインの実現は私たちのデジタル国家が未来に備えることとなり、技術と法律が進化に対応することができるようになります。

    3. ユーロエストコイン

     ここまで価値が上がったり下がったりするエストコインのモデルを見てきましたが、単純にユーロと紐づいたエストコインを発行したとしたらどうでしょうか?これがユーロエストコインです。

     私たちはユーロの代替通貨を発行することはありません。しかし、e-Residencyコミュニティー内だけで使える暗号化の分散化の利点と安定して信頼ある認可された通貨の組み合わせの可能性はあります。

     ユーロエストコインと実際の金銭の交換には銀行が必要となります。しかし取引は独立してブロックチェーン上で行われます。つまりグローバルにある無料のコミュニティーベースの交換所で交換がされることになります。必要なのはデジタルウォレットと政府がユーロエスタコインを1ユーロで買い戻すという政府のコミットメントです。

     もしe-Residencyのプログラムチームが15人の小さなコミュニティーだとします。そして誕生日でどのようにユーロエストコインが機能するのかみましょう。メンバーの誕生日に私たちは一人につき10ユーロを使います。つまり一回につき13回の支払いが発生します*1。支払いには銀行で40ユーロセントかかります*2。つまり隠れた支払いコストは5ユーロ以上になりますし、プロセスにも時間がかかります。しかし、この価値は私たちの間で回るだけです。デジタルで処理したいからというだけで銀行の関与が必要あるでしょうか?普段の生活は銀行のネットワークなしで動いた方が早く効率的です。

     では次に日々国境をまたがり交流を続けている仮想住民コミュニティーの複雑さをみてみましょう。仮想住民は世界の住民で、世界中どこでもビジネスができるのが成長の要因の一つです。仮想住民コミュニティー内のユーロエストコインはグローバルの価値交換を可能にし、仮想住民とエストニア国民の間のビジネスを活性化します。

     e-Residencyコミュニティー内のユーロエストコインの運用はビデオゲームなどのオンライン世界でのトークンの運用と似ています。仮想住民はユーロエストコインを購入してそのほかの仮想住民と価値交換をすることができ、必要であれば銀行取引と納税義務に準拠して現金化することもできます。大きな違いは仮想住民はゲームのためにトークンを利用しないということです。仮想住民が得られるのは他の仮想住民との簡単なグローバル取引です。

    新しいデジタル国家に参加しましょう

     私たちはブロックチェーンを通じたトークン国家は今後の地球にとって重要だと認識しています。さらにICOはスタートアップの成長のあり方を大きく変えようとしています。しかし、信頼と合法性の問題は解決されないといけません。私たちは同時に提案されたエストコインに需要があり、エストコインは仮想住民コミュニティーを大きく成長する可能性があることを理解しています。

     私たちは引き続きこの提案をエストニアの公共と商業の両セクター、暗号化起業家、投資家、世界のパートナーとなる可能性のある組織とともに改善していきます。

     以前にe-Residencyのビジョンに書いたとおり、私たちは人類の歴史の中で非常に短い地政学の境界線に閉じ込められた機会の中で生きています。今は国家は生まれた場所で私たちに割り当てられ、多くの場合はそのままです。このランダムな人口の割り当てが何よりも大きく私たちの機会の大きさを握っています。

     しかし、変化は近づいています。暗号トークン化は私たちが行動するかどうかに関わらず世界の性質を変えます。だから私たちがリードする必要があり、それはすでにエストニアで起きています。私たちは新しいデジタル国家の構築と世界中の起業の民主化という全体の目標にフォーカスし続けます。

    私たちのe-Residencyのビジョンはこちらから。

    medium.com

     エストコインの提案に考えや、応援や、批判をくださった方々に感謝します。全ての人が改善に貢献し、私たちを前に進めています。新しい年にさらにアップデートをすることを楽しみにしています。

     e-Residencyから申請することで私たちのデジタル国家に参加することができます。もしプログラムを利用してEU圏内でEUの企業を立ち上げに興味があればこちらで詳しく説明しています。

    medium.com

    解説

    前回に紹介したアメリカ証券取引委員会とはうって変わって前のめりな姿勢のエストニアです。アメリカや日本のように歴史(レガシー)がないのがエストニアの強みですね。ソ連から離脱して国連に加盟したのが1991年、NATOとEUに参加したのが2004年ですから。

    アメリカやエストニアではICOで発行されるトークンを「証券」としてみなす方向に進んでいます。現時点でエストニアは最もICOに関して最も積極的に取り組んでいる政府と言えるでしょう。エストニアが中央管理の世界と分散管理の世界と二つに分かれた世界を調和させることができるのか、世界が見守っています。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

    関連記事

    www.catapultsuplex.com

    *1:14回の気がするのですがオリジナルは13回と書いてあるので…

    *2:ヨーロッパではデビットカードの利用が多いのでその利用料なのでしょう

  • イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2012年)ベータ公開、コンテンツ移行と本番

    イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2012年)ベータ公開、コンテンツ移行と本番

    GOV.UK

    ざっくり言うと

    • データ分析大事。そのためのプラットフォームをこの時期に作る。GitHubとか使ってオープンにフィードバックを得るの大事。
    • GOV.UKではペルソナ使わない。あとで出てくるデジタルインクルージョンにもその思想は表れていると思います。公共サービスとしてはイギリスに住む人全員がユーザーであり、ペルソナのような紋切型は適さない。
    • この頃からGDSがイノベーションラボとして機能しはじめる。スケールすることが意識されはじめる。各省庁からチャンピオンを招集。イノベーションラボはトランスフォーメーションの定石。欧米では企業でも同じやり方。イノベーションラボに興味がある方はこちらまで。
    • アメリカのCode for Americaとはこの頃から付き合い。国内外でかなりコラボしてる。
    • この年の後半で戦略発表。1年くらいしかかかっていない。スタイルガイドとか基本となるものの準備も引き続き。

    原文:”A GDS Story 2012

    2010/2011年|2012年|2013年2014年|2015年

    2012年

    1月

    2012前半のスマホ版ベータ

    1月19日

    Photo: Jamie Arnold

    GOV.UKベータのデザインに関するブログ記事

    最初はうまくいかないでしょう。手探りで道を探しながら、地面に杭を指していくでしょう。うまくいきそうなアイデアをスケッチしていき、さまざまなソリューションをテストし、問題を解決する道筋を決める。これは巨大で複雑な作業です。

    1月31日

    2012年2月時点でのベータ

    GOV.UKベータの一画面

     GOV.UKのパブリックベータ版がローンチされました。それは「私たちの最初の大きなプラットフォーム」と呼ばれました。

     チームはgov.uk/tourを作っていろんな人に見せました。ベータ版はwww.gov.ukで公開されていましたが「非公式」のままでした。まだwww.direct.gov.ukを置き換えていませんでした。移行作業は2012年10月までのかかるはずです。ベータユーザーはGet Satisfactionページからフィードバックを求められました。

     エンゲージメントチームはソーシャルメディアをモニターしました。フィードバックの有用な分析をまとめました。Sotryfulの概要も含めて。

    ベータのローンチ直前のユーザー分布図

     Tom LoosemoreとMartha Lane FoxがBBCのニュースでインタビューを受けました。

     ベータ公開その日のうちにチームはユーザーのフィードバックに基づいてベータ版を反復改善しました。次の日にはより多くのフィードバック、より多くの反復改善。このような改善作業をひたすら続けました。

     この頃、GDSのメンバーは急速に増えます。Directgovの移行期日までわずか数カ月で、チームはより多くの人手を必要としました。

    2月

    ユーザーフィードバックのためのGet Satisfactionページ

     必然的に問題がたくさんありました。ベータユーザーは彼らが問題をフィードバックし、チームはそれを修正しました。この場合、火曜日のイースターがベータでは月曜日となっていました。

    2月1日

     一般市民からのGOV.UKに最初のプルリクエスト(Github)Matthew SomervilleはBank Holidaysページの間違いをフィードバックしました(スコットランドのBank Holidaysの間違った日にち)

    2月7日

     GDSとGOV.UKのブランドアイデンティティを生み出す – GOV.UKを全て大文字で表現したのがこれが初めて。これ以来ずっとこのように表現しました。

    GOV.UKのための斬新なロゴやアイデンティティはありません。これは時間とお金の節約でもあります。またGOV.UKが覚えてもらいたいURLだということもあります。単純にGOV.UKが必要な場所であること。新しい名前やアイデンティティーを発見または理解する必要はありません。しかし、名前を実際のアイデンティティーとするには(あるいは、オフィスで「何か」と言っているように)、常に大文字とすることに決めました。このようなことに多くの時間を費やしていると思われますが、私たちは約10分間でそれを決めました。

    2月10日

    シリコンバレー訪問中のMike Bracken、Liam MaxwellとFrancis Maude

     Mike Bracken、Francis MaudeLiam Maxwell(当時内閣府のIT改革グループで働いていた)はシリコンバレーのコンタクトを訪問しました。企業と公共部門の連携について視察しました。

    2月28日

     gov.uk/government内でInside Governmentのローンチ

     これはチームの構成と考え方が反映されています。GOV.UKの作業は「主流」と「Inside Government」という2つのプロジェクトと2つのチームに分かれていました。

    「メインストリーム」は市民向けのサイトでユーザーニーズに直接対応するもの。

    「Inside Government」はそれぞれの官公庁の旧来のページと似ていて、その省庁の仕事と役割について説明していました。

     このブログ記事のコメントは興味深いです。公開された翌日、誰かがアクセシビリティが貧弱だとコメントしました。数時間後チームはそれを改善するために変更を加えました。

     Neil Williamsはブログ記事を書き、Inside Governmentの「ガイド付きツアー」を紹介しました。

     そのブログ記事にある画像の1つはすべての官公庁は同じようにシングルドメインで公開されることを指しています。

    3月15日

    紙に穴を開け、その上に「ユーザー」と書きました。 穴から忙しい歩行者横断が見えました。

    Ben Terrett:

    誰かがいくつかのペルソナポスターを貼って、私はそれに対して怒りました。全ての市民が私たちのユーザーで、いい見た目のペルソナなんかじゃない。私は紙に穴を開けて窓に貼りました。

    3月23日

     Mike Brackenは2012年の予算に対応するブログ記事を書きました。彼は財務省からのこれらのコミットメントを強調しました:

     … 2014年から新しいオンラインサービスはそれに責任がある閣僚が自分自身でそのサービスを問題なく利用できることを実証できる場合にのみ公開することとします。また、2012年末までにすべての情報が「GOV.UK」シングルドメインのもとに公開され、2015年までにすべての手続きを「デフォルトでデジタル」アプローチに移行する予定です。

    3月28日

     デジタルリーダーの第1回会合。多くの異なる官公庁から集まり、知識と経験を共有するグループ。

    デジタルリーダーのRachel Neamanは次のように書いています:

    部門内のデジタルは孤独な場所です。しばしばオタクやトレンディな若いものの特殊な場所とみなされています。そのため、真の変化をもたらすための政府機関をまたがるプロフェッショナルのネットワーク作りは遅れています。厄介な問題に取り組んでいる人たちがほかにもいるということはよい発見です。今日も明らかになったことは単純で簡単な解決策はないということです。

    4月3日

    デザイン原則のアルファ

     デザイン原則アルファ版の公表。Tom Loosemoreのコメント:

    原則に従うことでチームは自律的に動くことができます。

     Head of Designのコメント

    デザイン原則がかつようされるにはシンプルで、明確で、役立ち、わかりやすくなければいけません。このデザイン原則が1ページのHTMLでまとめられ、各原則それぞれURLリンクを持っているのはそのためです。多くのデザイン原則は巨大なPDFファイルで読まれません。

    Dafydd VaughanとMazz Mosley

     その頃、GOV.UKの開発者(Dafydd VaughanMosely Melyを含む)数名がNumber 10 Downing Streetを訪れ、技術的な課題を検証しました。

    4月30日

    悪名高い出来事:Pete HerlihyはInside Governmentチームのアイスボックス(やらなければいけないけどまだ優先順位が付けられていないタスクリスト)を削除してしまいまい、多くの同僚を恐怖の底に突き落としました。

     彼はこの件についてこう書いています:

    もしそれが重要なら覚えているはず。…ある時点で、アイスボックスは50ストーリー以上になっていたため、私は全体を削除することに決めました。バックログの信頼性の問題となるので、そうするしかありませんでした。私たちチームのマントラは「覚えているのなら重要」でした。このマントラに従うことで実際にかなり自由になりました。

    5月14日

     Inside Governmentベータ終了。Ross Fergusonはそのフィードバック(いいのも悪いのも)について書きました

    5月25日

    チームは2012年5月にショー・アンド・テルを実施。チームの規模はどれくらいで、どれくらいのスペースがあったのか、そして壁がどれくらい空いていたのか注目してください

    5月30日

     新しいAssisted Digitalチームの最初のブログ記事。デジタルスキルが高くない人たちが新しいデジタル公共サービスを使えるように支援する。

    Rebecca Kemp がassisted digitalについて解説しています

     Assisted Digitalはユーザーやサービスによって異なります。ユーザー自身がデジタルサービスを利用できるようになるためにインターネットが使えるように支援することかもしれませんし、デジタルサービスの利用のために支援してくれる場所の提供かもしれません。Assisted Dugitalはそれを必要とする人々のために電話または対面サービスを提供します。

    6月26日

     Digital Performance Frameworkのアルファ版リリース。これは後にPerformance Platformの重要な部分となります。

     同じ日にChris Heathcoteは開発スピードに関してブログ記事を書きました。ユーザー中心の反復アプローチがどのように小さな変更を迅速かつ容易に行うことができるかを強調しました。

     これに続くのは正式な開発プロセスのスピードアップ版です。プロトタイプを作成し、フィードバックのためにチーム間で共有。改善されていることの確認、コードの変更、コンテンツエディタの変更点のチェック。カレンダーアプリの変更をプレビューサーバーにプッシュし、再びレビューされ、正式公開となります。これは一日で完了します。

    7月2日

     GOV.UKの編集スタイルガイドのアルファ版を公開。Sarah Richardsは次のように書いています。

     スタイルとははっきりと、簡潔に、専門用語なしで書くことです。単純さはすべての人に恩恵をもたらします。これを「バカ扱い」とする人たちもいます。しかし、オープンで誰もがアクセスできるのは「バカ」なことではありません。私たちの責務です。

    7月3日

    新しいタイポグラフィで少し引き締まる

     次のリリースの後、デザインチームはGOV.UKのタイポグラフィーの変更についてブログ記事を書きました

    7月11日

     Twitterアカウントを@govukから@gdsteamに変更。チームはGOV.UKとともに他のプロジェクトに取り組むために急速に拡大していたので、それに対応するための変更でした。Louise Kidneyは次のように書いています。

     私たちは成長、変化しました。私たちは私たちのスコープは@govukを越え、市民からの他のサービスについての問い合わせを受けています。現在の状況に対応するため、Twitterアカウントを@govukから@gdsteamに変更します。表面上はあまり大きな変更ではありませんが、私たちのルーツに立ち返った変更でもあります。

     開発チームがGOV.UKのアップデートをタイムラプスビデオにしたのがこちら。

    7月18日

    問題の多かったカルーセル

     フィードバックとユーザー調査の後、GOV.UKベータ版のフロントページにあるカルーセルが削除され、よりシンプルなテキストベースのリストに置き換えられました:

    よりシンプルなテキストバージョン

    8月10日

     GDSは貿易関税(Trade Tariff)の改良バージョンをリリースしました。これは当時の重要なビジネスリンクの一部で、チームとしてもとても重要な成果でした。小規模の民間サプライヤーと協力して以前の成功しなかった試みをわずかなコストで完成できました。

    8月24日

    さらなるイタレーション。Sarah Pragのブログでの解説

    10月2日

    2012年10月のGOV.UKベータ

    ホームページを大胆に刷新」 このリリースはブラウジングとナビゲーションの問題を解決しようとしました。

     翌日にブログ記事で解説しました

    10月4日

     当時の身分証明プログラム(Identity Assurance Programme:後にGOV.UK Verifyになる)は全国紙で報道されました。 Steve WreyfordはIDPチームの仕事を支える3つの原則についてブログに書きました。

    10月9日

     Directgovからの移行期限が近づいてきたので、Etienne Pollardはこれまでの作業をまとめました。彼はGOV.UKのスコープの「これを満たした入れる」リストを含め、ユーザーニーズを中心に置くことについて書きました

    10月10日

     コンテンツデザイナーのPadma Gillenは市民のためのWebコンテンツと顧客のためのWebコンテンツの違いについてブログ記事を書きました

    政府と関わるのはそれが必要だからです。市民として必要な部分です。できるだけ早く簡単にしたい。そうすれば人生にとって有意義な部分に時間を使える。利益となる動機がないので、行動は変えたくない。

    10月11日

    Photo credit: Paul Downey.

     Paul DowneyはDirectgovからGOV.UKへの移行に関してチームがどのように「ひとつのリンクも取り残さない」ことをどのように確認したか解説しました。

    10月16日

     2005年からDirectgovに取り組んでいるGraham Francisがその歴史をブログで振り返りました

     当時の内閣府のFrancis MaudeがブログでGOV.UKの紹介をしました。開発チームはGOV.UKの構築に使用されたソフトウェアを公開しました。

    Etienne Pollardは「ビジネス・リンクからすべてをコピーしただけではありません」と説明しました。

    これはGOV.UKから「ベータ」ラベルを削除したコード変更です。

    10月17日

    公開した!Photo: Tom Loosemore

     すごい日! GOV.UKはベータからライブに移行し、正式にDirectgovとBusiness Linkを置き換えました。

    全く問題なし

     開発者のPaul Downey:「国のウェブサイトをローンチした。問題なし」とツィート。 Mike Brackenは「なぜこれは重要なのか」という。ブログ記事書きました。そして私たちは動画をアップしました。

     ケーキを食べました。 このケーキはGDSの伝統と言えるなにか。

    10月18日

    分析ダッシュボード

     Sarah Pragは最初の日の数字を書きました:909,706人のユニークユーザーの1,129,578回の訪問。

    10月23日

     パフォーマンスプラットフォームのベータ版。

    10月26日

    開発者のJames WeinerがGDSを去るときにこれまでを簡単に振り帰りました

    おそらく、これまで働いたどの場所よりもGDSで学んだことは大きかったです。みんなが喜んでたみんなを助け合う。これはいい仕事ができる理由でもあります。お互いの意見や経験を尊重し、なおかつ建設的に批判をします。個人的な気まぐれではなく、使いやすいサービスを作ることを第一の目的としています。

    同日、私たちはチームがアジャイルでスケールすることに関する学びについてブログ記事を書きました:

    私たちは、本、ブログ記事、専門家がいう通り、より少ない作業をすることにコミットするべきでした。

    11月2日

    開発者のGareth Rushgroveによる定期的なリリースによるリスク削減について

    小さなカタマリを定期的にリリースすることで、何が変更されるのかがはるかに分かりやすくなります。何か問題が生じた場合は、そのカタマリを元に戻して、無かったことにする方がずっと簡単です。

    11月6日

     Government Digital StrategyDigital Efficiency Report発表

     この戦略には「可能な限り意味があり測定可能なアクション」のリストが含まれています。

    1. 官公庁および公共サービスに関わる行政機関のボードメンバーには活発なデジタルリーダーを含むこと
    2. 年間10万件以上のトランザクションを処理する公共サービスは経験豊富な権限のあるサービスマネージャーによって再設計、実行、改善すること
    3. すべての官公庁は人材を含め組織内に適切なデジタル機能があることを確実にする
    4. 内閣府は官公庁のデジタル機能の向上を支援する
    5. すべての官公庁は年間10万件以上を処理するサービスを再設計する
    6. 2014年4月以降、新しいまたは再設計されるすべての公共サービスはデジタルを基本とする(Digital by Default)
    7. 2013年3月までに24全ての官公庁のパブリッシングはGOV.UKに移管し、2014年7月までに関連政府機関や外郭団体のオンラインパブリッシングを移管する
    8. 官公庁はデジタルサービスの意識を高め、より多くの人々に周知、利用促進をする
    9. デジタルを活用支援するための政府間のアプローチを行う。オンラインを使ったことがない、ほとんど使わない人たちのためにオフラインでもアクセスできるサービスを提供したりデジタルを利用できる支援を行う。
    10. 内閣府はより軽量な入札プロセスを提供。規制要件が許す限り、業界でのベストプラクティスに近いレベルまで絞りこむ。
    11. 内閣府は次世代デジタルサービスの基盤となる新しい共通プラットフォームの定義と提供をリードします
    12. 内閣府は各省庁と継続的に協力し、便利なデジタルサービスの開発を不必要に妨げる立法上の障壁を取り除く
    13. 各省庁は内閣府が定める公共サービスのための一貫した管理情報を提供する
    14. 政策チームはデジタルツールと技術を駆使して一般の人々と関わりを深め対話していく
    15. 公共、営利団体および非営利団体など、セクターをまたがるパートナーと協力してオンラインサービスを人々に提供する協力関係を築く
    16. オープンデータを推進することにより、公共以外の新しいサービス構築とユーザーへの情報提供の改善を支援する

     これらのアクションはGDSにとっての今後の業務範囲の定義となります。Digital Efficiency Reportはこれらのアクションの基礎となっています。

    翌日、官僚のSir Bob Kerslakeは次のように書いています

    政府のデジタル化は幅広い利益をもたらします。政府のコスト削減と革新を推進し、国民にとって簡単で使いやすいサービスの提供を可能にします。私はデジタルが基本(Digital by default)を積極的に受け入れます。これはユーザーのニーズを満たすために行うべき正しいことというだけではなく、公共サービスに関わる人間にとって新しいやり方だからです。

    11月7日

    2012年11月時点のInside Government

    11月13日

     米国の仲間であるTim O’ReillyとJennifer PahlkaがGDSに初めて訪問*1

    11月15日

     Inside Governmentのローンチ

     これは長い移行フェーズのはじまりでもあります。各省庁で管理されていた何百もの古いウェブサイトをGOV.UKに移行させました。


    Inside Government

    11月26日

     Digital Leaders Networkが公式に発表されました。このアドバイザーグループ(政府機関の内外から構成)はシステム全体にわたって新しいガバナンスを構築して実行する上で不可欠でした。 彼らは後でGOV.UK戦略に同意し、それを元に各官公庁のデジタル戦略の開発を推進しました。Kathy Settleはその作業を指導する上で重要な役割を果たしました。

    12月10日

    Migratoratorの利用方法

     テクニカルアーキテクトのAnna ShipmanはGDSが開発したマイグレーションツール”Migratorator“について解説しました

    身元認証サービスの初期プロトタイプ

    12月13日

     改革チームについての短編映画。この時点ではまだまだ小さな規模でしたが、すぐに25の模範プロジェクトからなる組織になりました。2013年から2015年の間のGDSの新しいフォーカストなることが2013年1月のSprint 13で発表されることになります。

    12月14日

     GDSはLiam Maxwellが政府の最高技術責任者(CIO)としてGDSに参加すると発表しました。この人事に伴いIT Reform Groupが内閣府からGDSに移管されました。

    12月21日

     政府のAssisted Digitalの取り組みが発表されました

     同日18の官公庁がデジタル戦略を発表しました。Tom Loosemoreは次のように書いています:

    これまでではじめて、政府はデジタルの時代にふさわしいユーザーの期待を叶える集合的な野心を持つに至りました。

     前回に引き続き、イギリス政府のGovernment Digital Service(略称:GDS)が自らの組織とGOV.UKの成り立ちをブログ記事にした”A GDS Story“の翻訳です。

     今回は2012年の出来事。GOV.UKがベータ版から本番公開となります。繰り返し、繰り返し出てくるのが「ユーザー中心」の考え方と行動。これは本当に「言うは易く行うは難し」の代表例です。これがGOV.UKの成功のカギだと思います。単にデザインや開発技術を駆使したプロジェクトだったらこのような成功を収めていなかったでしょう。

     そしてデザイン原則、編集スタイルガイドや移行ツールなど基盤となるものを着々と準備するところがすごい。他にも読む人にとっていろんなところが参考になると思います。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

    関連記事

     

    *1:このエピソードはティム・オライリーの著書”WTF”にも書かれています。これがCode for Americaの話に繋がってたりする

  • アメリカ政府機関が使っているデザイン手法を集めた『18Fメソッドカード』日本語版

    アメリカ政府機関が使っているデザイン手法を集めた『18Fメソッドカード』日本語版

    大規模デザインシステムを作る:いかにしてアメリカ連邦政府のデザインシステムを作り上げたか」という記事を以前に書きました。これがカタパルトスープレックス最初の翻訳記事でした。

     この取り組みは米連邦政府一般調達局の部門の一つである18Fという組織が中心となっています。そして、その18Fが自分たちで使っているデザイン手法を集めたのが18F Method Cardsです。今回はこのアメリカ政府のデザインチームが利用しているメソッドカードの日本語版を新しくはじめた「カタパルトスープレックスデザイン」で公開しました。

     このメソッドカードを翻訳していると「あ、この場面はこのメソッドを使ってるんだなあ」というのがはっきりとわかります。改めてメソッドカードを眺めながら記事を読んでみると面白いかもしれません。

     このメソッドカードも以前の記事で紹介しているのですが、多くが英語というのが難点でした。メソッドカードに書いてあるやり方を何回かやるうちに、自分のスタイルみたいなものができてきます。あまり詳しいやり方を読んでその通りにやるよりも、これくらいの粒度で試行錯誤しながらやったほうが最終的には身につくと思います。

    ここで紹介されている『18Fメソッドカード』の日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。

    カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。

  • シンガポール金融管理局がブロックチェーンを活用する「プロジェクト・ウビン」を推進

    シンガポール金融管理局がブロックチェーンを活用する「プロジェクト・ウビン」を推進

    原文:”Project Ubin: Central Bank Digital Money using Distributed Ledger Technology” by Monetary Authority of Singapore

    「プロジェクト・ウビン」はペイメントと証券の決済に分散台帳技術(DLT)の活用を模索する業界とのコラボレーションです。DLTは金融取引の透明性と柔軟性を低コストで実現する可能性があります。このプロジェクトの目的はシンガポール金融管理局(MAS)と業界が実質的な実験を通じてDLTの技術と潜在的な利点をより理解することです。最終的なゴールは現在のシステムの代替としてデジタル中央銀行から発行するトークンをベースとした、よりシンプルで効率的なシステムの開発です。

    解説

    分散台帳技術(DLT)の代表例はブロックチェーンですが、ここではビジネス向けのブロックチェーン・プラットフォームのことを指しています。具体的にはLinux Foundationが立ち上げたHyperledger Fabric、R3がリードするコンソーシアムのCorda(コードはLinux Foundationに寄贈)、JPモルガンが展開するイーサリアムベースのQuorumです。

    ビジネス向けのブロックチェーン・プラットフォームにはメンバーシップ管理や関係者間のデータ交換、デジタル鍵と機密データの保護などがサポートされています。

    ここでは出てきませんが、送金手段としてはRippleも注目を集めています。

    第一段階:中央銀行が発行するシンガポールドル相当の国内の銀行間取引

     MASは2016年11月16日にブロックチェーンを活用した国内における銀行間取引の実証実験を行うため、DLT技術の会社R3とのパートナーシップを結び金融機関のコンソーシアムの立ち上げを発表しました。このコンソーシアムにはバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、クレディ・スイス、DBS銀行、HSBC銀行、JPモルガン、三菱UFJフィナンシャル・グループ、OCBC銀行、R3、シンガポール証券取引所、UOB銀行が参加、BCS Information Systemsがテクノロジー提供パートナーとして参加しています。

     第一段階の成功が2017年3月9日に発表されました。デロイトにレポートの作成を委託、DTLが決済システムに最も適しており、プロトタイプで使われたデザイン原則についてまとめました。このレポート“Project Ubin: SGD on Distributed Ledger”(プロジェクト・ウビン:分散台帳上のシンガポールドル)は分散台帳技術(DLT)の紹介と開発されたプロトタイプの理解の促進を目的としています。

    第二段階とそれ以降

     シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール銀行協会(ABS)は2017年10月5日に分散化した銀行間取引による支払いと流動性節約機能を伴う決済の三つの異なるプロトタイプの開発に成功したことを発表しました。

     このコンソーシアムには11の金融機関とテクノロジーパートナー5社が参加しています。参加している金融機関はバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、シティバンク、クレディ・スイス、DBS銀行、HSBC銀行、JPモルガン、三菱UFJフィナンシャル・グループ、CBC銀行、シンガポール証券取引所、スタンダードチャータード銀行、UOB銀行です。アクセンチュアがプロトタイプの開発と管理に任命されました。R3、IBMとConsenSysがCorda、Hyperledger Fabric、QuorumのそれぞれのDLTの技術支援の提供の提供、マイクロソフトがAzure Blockchain上でのプロトタイプ展開支援に採用されました。

     シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール銀行協会(ABS)は2017年11月14日にレポートを発表し、ソースコードと技術資料をApache Licenseバージョン2.0で公開しました。中央銀行、金融機関、教育機関、調査期間がこのオープンソースを活用して独自の実験、調査、イノベーションを推進することを奨励します。

    将来の展開

     すでに二つのスピンオフプロジェクトがはじまっています。一つはシンガポール証券取引所(SGX)による確定利付き証券の取引と決済のサイクルをDLTで効率化するプロジェクトです。もう一つは中央銀行のデジタル通貨を利用して国境を超えた支払いを行う新しい方法にフォーカスしています。

    解説

    DLTを使った実証実験は様々な国の政府や中央銀行が行なっています。日本も日本銀行・欧州中央銀行が共同でProject Stellaを行い、その結果を2017年9月6日に公表しました(なぜかPDF…)。Project StellaではHyperledger Fabricを使いましたね。金融機関がDLTを使った実証実験の文脈で「ブロックチェーンは有効」という場合、ブロックチェーンを代表とするビジネス向けのブロックチェーン・プラットフォームのことを指していることが多いと思います。