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  • 映画評|『テリファー 聖夜の悪夢』ダミアン・レオーネ監督(2024年)

    映画評|『テリファー 聖夜の悪夢』ダミアン・レオーネ監督(2024年)

    ダミアン・レオーネ監督による米マイルズ郡を舞台にしたスプラッターホラー「テリファー」シリーズの三作目『テリファー 聖夜の悪夢』の映画評です。グロいの苦手な人は絶対に見ちゃダメな奴。ハロウィンバージョンだった前作『テリファー 終わらない惨劇』(2022年)につづき、今回はクリスマスバージョン。

    このシリーズはアート・ザ・クラウンというホラー映画史上にジェイソンやフレディーとともに名を遺すであろう圧倒的なキャラクターと、その過剰ともいえる惨殺シーンを見るための映画なので、あまりストーリーを解説してもしかたがない。前作を生き延びたシエラとジョナサンの姉弟を再びアート・ザ・クラウンが襲うという話。

    アート・ザ・クラウンは怖いんだけど、とてもカワいい。これが過去のホラーキャラクターにはなかったものだと思う。ただ、今回はそのカワいさを表すシーンが少ないのが残念。前作だったらギフトショップのやり取りとか最高におもしろかったのに。


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    前回の「クラウン・カフェ」の虚構と現実が入り混じったシーンはとても好きだった。今回、シエナは幻想を見るようになってしまっているので、最初から幻想と現実との境界線が危うい。何なら最初から最後まですべてシエナの幻想だと考えることもできなくはない。むしろ、そう思えるようなシーンやプロットがあったらもっとよかったのに。まあ、ダミアン・レオーネ監督は多分そこまで考えていないと思う。

    三作目でも勢いが衰える様子はないので、きっと4作目もあるでしょう。またシエナが襲われたらかわいそうだなあ。

  • 『テリファー 終わらない惨劇』映画レビュー|アート・ザ・クラウンの恐怖再び

    『テリファー 終わらない惨劇』映画レビュー|アート・ザ・クラウンの恐怖再び

    ダミアン・レオーネ監督による『テリファー 終わらない惨劇』は、前作『テリファー』(2016年)の続編として、スプラッターホラーの新たなスタンダードを打ち立てました。本作では、前作からさらに進化した恐怖と狂気が描かれています。

    前作で絶命したかに見えた連続殺人鬼、アート・ザ・クラウン(デイヴィッド・ハワード・ソーントン)は、死体安置所で蘇生し、再び町に恐怖をもたらします。今回の標的は、父親を亡くした姉シエナ(ローレン・ラベラ)と弟ジョナサン。ハロウィンの夜、彼らはアート・ザ・クラウンの魔の手から逃れることができるのでしょうか。

    あらすじ|終わらない惨劇の幕開け

    マイルズ・カウンティーの惨劇から1年後のハロウィン。死体安置所で息を吹き返したアート・ザ・クラウンは、町へ繰り出し、無差別な殺戮を開始します。一方、シエナはハロウィンの仮装パーティーの準備を進めていましたが、次第にアート・ザ・クラウンとの因縁に巻き込まれていきます。彼女の弟ジョナサンもまた、アートの存在に気付き、家族を守るために立ち上がります。

    テーマ|シリーズの進化

    本作『テリファー 終わらない惨劇』は、前作から大きく進化し、単なるスプラッターホラーを超えた作品となっています。前作ではストーリーよりも残虐描写に重点が置かれていましたが、本作ではシエナ・ショウ(ローレン・ラベラ)という主人公を中心に、より明確な物語が展開されます。彼女はアート・ザ・クラウンを倒す運命を背負った存在として描かれ、観客が感情移入しやすいキャラクターとなっています。

    また、アート・ザ・クラウンの超自然的な側面にもフォーカスが当てられています。彼の蘇生や悪魔的な本質が掘り下げられ、さらには「デーモン・ガール」というキャラクターの登場によって、シリーズの世界観が一層広がりました。これにより、本作は単なるスプラッター映画ではなく、ダークファンタジー的な要素も含んだホラー作品へと進化を遂げています。

    キャラクター造形|深化するアート・ザ・クラウン

    前作でも印象的だったアート・ザ・クラウンのキャラクター性が、本作でさらに強調されています。彼の「残忍さ」と「お茶目さ」は、特に前半で際立っています。例えば、犠牲者を執拗に痛めつけながらも、それを楽しむかのような仕草は、彼の狂気をさらに際立たせています。

    一方で、シエナは前作にはなかった「戦うヒロイン」としての立場を確立しています。彼女はただの被害者ではなく、アート・ザ・クラウンと対峙する存在として成長していきます。そのため、本作は単なるスプラッターホラーにとどまらず、サバイバル要素も含まれた作品となっています。

    映画技法|スプラッター描写の進化

    『テリファー 終わらない惨劇』は、スプラッターホラー映画としての演出を大幅に進化させました。監督ダミアン・レオーネは、パペット、バルーン、ラテックスグローブ、さらにはランチミートまで駆使し、低予算ながらも驚くほどリアルで残虐なゴア描写を実現しています。特に、「アリー殺害シーン」は5日間をかけて撮影された大掛かりなシーンで、複雑な特殊効果が観客に強烈なインパクトを与えます。

    また、上映時間が138分と長尺になったことで、キャラクターの掘り下げだけでなく、より緻密で衝撃的な殺害シーンを作り込む余裕が生まれました。さらに、前作の単調なセットデザインから一新し、より多彩なロケーションを活用することで、映像的な魅力も向上しています。視覚効果(VFX)は控えめにしつつも、俳優の表情を特殊メイクと組み合わせることで、より生々しくリアルな恐怖を演出しました。

    そして、アート・ザ・クラウンの無声演技もさらに洗練され、彼のコミカルな動きと残虐な行動の対比がより際立っています。こうした演出の進化により、本作はスプラッターホラーの新たなスタンダードを築き、ジャンルの限界を押し広げる作品となりました。

    まとめ|スプラッターホラーの新たなマイルストーン

    『テリファー 終わらない惨劇』は、前作の良さを引き継ぎつつ、より強烈なスプラッター描写とキャラクター性の深化を実現した作品です。前半の狂気じみた演出は、ホラー映画ファンにとって忘れがたい体験となるでしょう。一方で、後半の失速が惜しい点ではありますが、シリーズのさらなる発展を期待させる内容となっています。

    アート・ザ・クラウンの恐怖が再びスクリーンに蘇り、スプラッターホラーの新たなスタンダードを築いた本作。ホラーファンならば見逃せない一作です。