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  • コインベースの創業者/CEOがAirbnbを辞めて起業した理由

    コインベースの創業者/CEOがAirbnbを辞めて起業した理由

    ソース:”20VC: MOST DOWNLOADED FOUNDER EPISODE OF 2017: BRIAN ARMSTRONG, FOUNDER & CEO @ COINBASE” by The Twenty Minute VC

    ざっくり言うと

    • なんでAirbnbを辞めて起業した?
    • ビットコインとイーサリアムの違いは?
    • ICOについてどう思う?VCをディスラプトする?

     The Twenty Minute VCのポッドキャストでコインベースの創業者でCEOのBrian Armstrongのインタビューをやっていました。コインベースは世界で最も成功している仮想通貨関連スタートアップで、仮想通貨関連で初めてユニコーンとなりました。コインベースを起業する前はAirbnbでソフトウェアエンジニアとして働いていました。

     

    なんでAirbnbを辞めて起業したんですか?

    • 2010年にAirbnbでソフトウェアエンジニアをやっている時。Hacker Newsを見ていた時にサトシ・ナカモトの論文が出てきた。クリスマスの夜にそれを読んだ。すごく興奮した。
    • 夜や週末を使ってミートアップをやったりコードを書いたりした。まだその時は起業しようなんて考えていなかった。周りの意見を聞いても自分に自信を持てなかった。
    • 実際に起業をしようと思ったのは2012年の夏にY Combinatorに参加してから。もらえるのは150K(1600万円くらい)だけど、このアイデアを信じてくれて投資してくれる人がいるという事実が自信につながった。お金をもらったことよりも自信をもらったことが重要だった。

    参考:コインベースの初期のピッチデッキ

    ビットコインとイーサリアムの違いは?

    • コインベース自体は特定の暗号化通貨に偏ることはない。これからも新しい暗号化通貨が出てくると思う。それを踏まえながらビットコインとイーサリアムの違いは三つ。
    1. スケーラビリティの違い(イーサリアムの方がスケールできる)。ビットコインは1秒で3から7の処理しかできないが、イーサリアムは1秒で17から25の処理ができるし、シャーディングなどでさらに処理速度を速める計画がある。ビットコインはコミュニティーが一枚岩でなく、スケーラビリティに関して意見が分かれている。
    2. 使われている言語の違い(イーサリアムの方が複雑なことができる)。ビットコインでは四則計算くらいしかできないが、イーサリアムは完全なプログラミング言語が備わっている。安全性の問題など色々と懸念されているが、開発者にとっては強力なのがイーサリアム。
    3. 関わっているチームの違い。ビットコインもイーサリアムもスマートな人たちの集まりだが、文化の違いがある。ビットコインは初期から参加している人たちが多い。理想的な動機を持っている。イーサリアムは技術集団で何ができるか可能性を探るのが好き。

    ICOについてどう思う?

    • ICOはイーサリアムブロックチェーンの上にトークンを発行してそれを売ることで資金調達をすること。ICOはIPOを想起させるからあまり好きな言葉じゃない。トークンセールとも言われるけど、そっちの方が個人的にはしっくりくる
    • 長期的には色々な可能性があるが、短期的には試行錯誤が続くと思う。ガートナーのハイプ・サイクルをたどる。

    ICOはベンチャーキャピタルをディスラプトする?

    • 現在のベンチャーキャピタルは資金調達と付加価値サービス(アドバイスやコネクション)がバンドルされている。両方価値があるものだけど、バンドルされる必要があるかは疑問はある。
    • 将来的に(クラウドファンディングやICOなどを使って)アーリーアダプターから資金調達をして、アドバイザーには株式を与えるなどすることは可能かもしれない。

    スケーラビリティの問題についてどう思う?

    • スケーラビリティは技術的な問題より政治的な問題が大きい。これは分散化の特徴でもあるのだけれど、いまのビットコインの状況は分散化のために生産性が損なわれているように見える。
    • 技術的に見ればTwitterやYouTubeをスケールさせる方がブロックチェーンをスケールさせるよりずっと難しい。技術的にはクレジットカードのトランザクションに追いつくのは十分可能だと思うし、摩擦を減らすことでユーザービリティに関してはクレジットカードをはるかに超えることができる。

    Airbnbで学んでコインベースで応用していることは?

    • Airbnbでは多くのことを学んだ。多くの経験をコインベースで活かしていて、その一つは人の採用。求める人材の基準を高く持つこと。企業が大切にしている価値を基準とすることなど。
    • ミッション・ドリブン(create an open financial system for the world)な企業というのもAirbnbとコインベースの共通点。それを全体会議や様々なコミュニケーションチャネルで伝えるようにしている。

    soundcloud.com

  • 10年たっても誰もブロックチェーンの使い道がわからない(ブロックチェーンは時の試練に耐えられるのか?)

    10年たっても誰もブロックチェーンの使い道がわからない(ブロックチェーンは時の試練に耐えられるのか?)

    ざっくり言うと

    • 期待されている分野でいまだに使われていないのはそれなりに理由があるのでは?と問題提起
    • マウントゴックスやThe DAOなど様々な失敗を繰り返してそれを改善する価値がそもそもあるのだろうか(最近だとコインチェックもこれに加わったわけですが)
    • 盲目的に批判しているわけでなく、過去の事例とデータに基づくそれなりの知識とロジックで批評しているので、読む価値がある

    追記:はてなブックマークで誤訳をご指摘いただき直しました(憶測→投機)。ありがとうございます😊

    原文:”Ten years in, nobody has come up with a use for blockchain” by Kai Stinchcombe

     ブロックチェーン(ビットコインなど暗号化通貨を支える技術)が世界を変えると誰もが言っています。それにしても、何年もの必死の努力と数百万ドルの投資にも関わらず、誰もブロックチェーンの有効な使い道を見つけ出していません。通貨の投機と違法取引を除いては。

     それぞれ主張されているユースケース(決済から法的文書、エスクローから投票システムまで)は誰も必要としない分散化、暗号化した匿名台帳の使い道をひねり出したものでしかありません。もしも分散台帳が実際になんの使い道がなかったとしたら?もし、開発された10年後になって、分散台帳を誰も利用しないのは誰も望んでいないからだったとしたら?

    決済と銀行

     ブロックチェーンの元々の意図した使い方はビットコインのような通貨に力を与えることでした。そのほかの通貨と同じように価値を貯めたり交換できる。ビザと マスターカードは絶滅寸前の恐竜だと主張しています。中抜きする仲介人が必要なく無料で簡単に価値を交換できる仕組みがあるのだからと。銀行の革命ははじまったばかり。政府の命令でもう通貨は発行されなくなる。一般市民が自由にどの国にも属さずに取引ができるのだから。

    キラー機能:実際の商品と違った場合、お金が戻ってくる

     その夢から覚めるのにそれほど時間はかかりませんでした。一つには、仲介を必要としない価値の交換手段がすでにたくさんある:それは現金。ビットコインは米国ドルの代替ですが、ビザやマスターカードはドルベースの銀行取引システムに基づいていて、不正取引の紛争仲介や売方買方の身元確認など付加価値サービスを提供しています。プロダクトを購入した人にとって、新しい決済システム(例えば初期のPayPal)の特徴はプロダクトが実際のものと違った場合、お金が返ってくると確信できることでした。そして、プロダクトを売る側にとっては顧客がそれを利用することが価値となります。さらにクレジットラインを使えたり、飛行機のチェックイン枠を増やせたり。誰もビットコインで支払いたいと思わない。それがビットコインが実際には普及していない理由です。

    ビザをブロックチェーン上で機能させるには5,000基の原子炉が必要となる

     さらに、それほどいい決済システムでもありません。ビザは1秒で6万トランザクションを処理できるのに、ビットコインは1秒で7しか数えられません。ビットコインを改善するための技術的な改良は続いていますが、スタート地点としても現在機能しているシステムの0.01%の能力しかない。加えて、たった7つの処理を行うためにビザの35倍のエネルギーが消費されます。もしビザと同じトランザクション量を処理するならビットコインは全世界全て合わせたエネルギー量が必要になります

    政府の干渉なく取引が自由にできる

     多くの国で(そして自分の国で)権威から離れて自由にできることが多くなれば世界を変えることができるでしょう。キューバやベネズエラのような国では米ドルで取引をすることが好まれるし、ビットコインは理論上は同じ役割を果たせるはず。それでもビットコインが万能薬とならない理由が二つあります。それは個人にとって政府が持つ優位性と、社会にとって政府が持つ優位性です。

    マウントゴックスは顧客のお金を全て失った

     政府から支えられている銀行システムはFDICの保証、ACHの可逆性、身元確認、監査標準、何かが起きた時の捜査システムなどがあります。その反面、ビットコインはそのデザインからそのような保証はありません。私はメールシステムがハッキングされたことでパスワードが盗まれ、その結果として全てのビットコイン口座が空っぽになった人を知っています。何も頼れるものがないことに立ち尽くすしかありませんでした。そしてそれは個人に収まることはありませんでした。2014年に当時は最大だったビットコインの取引所のマウントゴックスが400万ドルの価値のビットコインを失いました。その次に最大となったビットフィネックスは顧客の資産を失った後に一時閉鎖しました。銀行から資産がもっと盗まれる世界を想像してください。ビットコインは中世の銀行のようです。「ここがリバタリアンの楽園です、よい日を!」

    解説

    • FDICとは米連邦預金保険公社(Federal Deposit Insurance Corporation)のこと。預金を保護する米国政府の独立機関。
    • ACH(Automated Clearing House)とは米国連邦準備銀行(FRB)による小口決済システムを使った銀行間取引の仕組み

    ビットフィネックスも顧客のお金を全て失った

    モンゴルの銀行はロシアの制裁によって400%の取引増加を経験した。新しいスローガンは「ビットコイン:モンゴルの警察より少ない」

     第二に政府の政策はテロリストや組織犯罪の資金調達を防止するようデザインされ、盗難されたクレジットカード番号や児童ポルノなど違法な取引を防止します。メインストリームののぞみは取引をプライベートで行い、令状の元でもそれがわからないこと。「政府がお金のやり取りをしている人のリストを持つべき?」と聞けば、ほとんどの人は「ノー」と答えます。しかし、「政府は令状の元で児童ポルノのコレクターとお金の取引をしている人のリストを持つべき?」と聞かれれば、ほとんどの人は「イエス」と答えるでしょう。誰も政府が違法だという状態で現在の100倍のビットコインの取引を望んでいません。ビットコインの熱烈な信奉者がいうように「現金がいま発明されたのら、それも違法となっていただろう」

    マイクロペイメントと銀行間取引

     ブロックチェーンを基盤とした通貨のユースケースとして二つ期待されているユースケースを取り上げる価値があります。それはマイクロペイメントと銀行間取引。マイクロペイメントに関しては無料で素早いこと。実際の処理には8分かかって、お金も4セントかかるのですが。人々はマイクロペイメントにビットコインが使えるといいます。例えば曲を聴くたびに2セントをミュージシャンに支払うとか、新聞記事を読むたびに4セントを支払うとか。それを実現するインフラ(例えば新聞記事を読むために8分も待たずに済む高度なファンドの認証)自体がビットコインの必要性をなくすでしょう。もし新聞記事を読むために4セント支払ったり、曲を聴くごとに2セント支払う気があるのであれば、月々の支払いを銀行で設定するだけでいい。そもそもマイクロペイメントよりサブスクリプションの方が好まれているのだから。

    登場から三年経過したRippleとSWIFTを比較するのは爪楊枝とアメリカのGDPを比較するのと同じ

     銀行間取引に関していえば、Rippleが有望視されています。過去30日間で2億ドルの銀行間と個人間の取引を処理しましたが、それはSWIFTにとっては40秒間の取引量と同じです。3年間も90%の取引がある貨幣を取り扱っているにも関わらず。これはアメリカのGDPと爪楊枝の売り上げの比率と同じくらい。なぜ銀行はこの新しい技術を使わないのでしょうか?それはRippleのゲートウェイを設定するのは既存のシステムとさほど変わらないから。パスワードやセキュリティートークンの紛失はさらに大きな被害がもっと早いスピードで広がるというだけ。みなさんが覚えているように、ビットコインの取引所で起きてしあった数より、避けようとしている数の方が多いこと。エンドユーザーにとって魅力的なシステムは銀行にとっても魅力的なシステムとなる。彼らはすでに台帳があり、分散化や匿名化が必要なければ可逆性を犠牲にする必要もありません。

    「スマート」コントラクト

    「スマート」コントラクトは法的文書ではなくソフトウェアとして書かれたものです。ブロックチェーンに直接組み込めるため、暗号に書き込まれた価値の移管において関わる人々との合意形成をすることができる。別の言い方をすれば自動実行をすることができる。理論的に言えばソフトウェアに書き込まれた契約書は読み込むコストが安い。なぜなら文字通り数学的で自動だから。複数の解釈はありえないし、高価な法廷での戦いも必要ありません。

    The DAOはすべての顧客のお金を失った

     しかし実世界の例ではこれが問題なことを示しています。最も特筆すべき現時点で最大のスマートコントラクトはthe Distributed Autonomous Organization (DAO)という投資メカニズムです。メンバーはプライベートな暗号鍵を使って何に投資するのかを投票できます。弁護士もマネージメント費も大理石の役員室もなく、the DAOは「ディレクターやファンドマネージャーが持つ誤まって投資家の資産を無駄にする能力を排除」しました。

     しかしながらソフトウェアのバグによりthe DAOはメンバーの資産の1/3である5000万ドルを「投資」することに「投票」しました。その投資先はバランスのアップデートの際の再帰問題を知り尽くした賢い開発者グループが作り上げた機構でした。これが意図された動きをしたわけでないので、ハックや脆弱性の悪用と言うものもいます。別のものはハックではないと言います。

     ソフトウェアは自律的に意思決定をし、複数の解釈ができません。ソフトウェアがどのように動くのか理解できないのであれば、そもそも参加すべきではない。最終的には全員が集まり、ソフトウェアのコントラクトを遡って変更し(ハードフォークして) 、お金を元の持ち主に戻すことに決めました

     そこからの学びは?たとえ最も熱狂的なブロックチェーン信奉者でもコントラクトの意図について人間が集まって議論をしたがると言うこと。ソフトウェアに委ねるのではなく。おそらく「バカな」やり方のほうがスマートだと言うことでしょうか。

    暗号化の熱心な信奉者でもコントラクトの意味を議論したがる

     The DAOは色々な示唆に富む実験でした。しかし、企業の単純な取引は?スマートコントラクト分野のスタートアップや投資家はブロックチェーンは超高速の実行と決済を提供すると約束しています。たとえばヘルスケアの申し込み。90から180日かかる清算のプロセスや長い時間電話でやり取りしなければいけない今のやり方に変わり、理論的にはその場で完了するはず。しかし、それはどのようなソフトウェアベースの購買システムで同じこと。私の会社が利用しているAWSのサービスはトラフィックに応じて自動的にスケールして、それに応じた請求します。スマートコントラクトがそれを変えると言うのは誤まった考えではないでしょうか。法的アレンジメントがソフトウェアによって実行されるのか、法的契約がソフトウェア自体に組み込まれるのかがごちゃ混ぜになっています。AWSのサービス条項はスマートコントラクトではないが、それを実行する清算システムは自動化されています。健康保険の請求書は自動化されていない。問題は現在のソフトウェアが請求を処理できるほど「スマート」で電子的に支払いができないことではありません。単に保険会社の動きが遅く、偶然または意図的に人によるレビューを好むからです

    ビットコインはこれをさらに早くできる?

     ブロックチェーンの信奉者であろうと健康保険業者であろうとと人間の言葉でビジネスの関係を議論したいし、変化によって解釈していきたい。フルフィルメントとペイメントのソフトウェアに関してはすでに存在します。現状と何も変わりません。

    分散ストレージ、コンピューティング、メッセージング

     ブロックチェーンを分散ストレージとして活用するアイデアもありえそうにありません。一見いいアイデアに思えます。ドキュメントをブロックに分けて暗号化して分散台帳に載せる。複数の場所でバックアップされ、安全で、何が起きたかトラッキングできる。

     しかしすでにドキュメントを分割して、暗号化して、複数のストレージに複製するやり方はたくさんあります。すでに安価な分散型のDropboxを名乗る企業があり、暗号化したファイルを複数のユーザーのハードディスクに保管できる。利用させてもらっているスペースのために少額のフィーを払うだけでいい。ブロックチェーンはそれを非効率的にあまり安全でないやり方でやろうとしているだけ。

    ブロックチェーンにこれできる?(訳者注:いや、これ要らないだろ!)

     ブロックチェーンを基盤としたストレージには更に4つの問題があります。

     最初に暗号化のポイントが一つ(自分自身のプライベートキー)しかなく、他の洗練されたニ段階認証、侵入探知、取引量制限、ファイヤーウォール、リモートIP追跡や緊急時のシステム切り離しなどの機能がない。

     第二に価格のトレードオフがまったくない。10億ドルに相当する電力を消費してできることが私が払っているDropboxの毎月のサブスクリプション費10ドルの1/6の価値を処理するだけです。

     次に長期的にみればどこでどれくらいのデータを複製するかシステム的に選べるのは利点です。ブロックチェーンのデータ複製のやり方は単純にスマートではありません。

     最後にDropbox、Box.com、Google、Microsoft 、AppleやAmazonがすでに提供している機能と価値を一から作るのは大変です。

     ビザのたとえと同じですが、データの保存は問題ではありません。アクセス権の管理、以前共有したデータの暗号化解除、履歴の簡単な閲覧、複数のデバイスでの共有などです。

     同じことが分散コンピューティングやセキュアメッセージアプリにも言えます。暗号化して永遠に保存して全体のネットワークに複製するというのは実現しようとすることと比べてオーバーヘッドが大きすぎます。他にもブロックチェーンより優れた暗号化や複製が可能なコンピューティング、メッセージング、ストレージのソリューションはあるし、それ以外の機能もついてきます

    株式発行

     NASDAQがインターナルでブロックチェーを基盤としたプライベートの証券取引を立ち上げた時は大々的に発表されました。しかし(間違っていたら教えてください)、NASDAQやDTCCのような取引システムは自身の台帳を持っているのではないでしょうか?彼らはブロックチェーンがなければ台帳が機能しなくなると心配してるのでしょうか?その他の取引追跡プログラムと同様にNASDAQの台帳とブロックチェーンの違いは分散化しているかどうか。信頼できる中間業者の欠落。それでも企業自体、名義書換代理人、手形交換所や取引所はすべて中間業者だし、付加価値サービスを提供しています。

     NASDAQがブロックチェーンが適している理由は彼らが証券取引における法令遵守とセキュリティの専門家だからです。NASDAQを含む中間業者と政府を排除することで法律手続、法令準拠、追跡といったメインストリームの市場では常識を回避しようとする限定された企業を選択することになります。非上場株を取引している人に言わせれば、これはお金を盗まれる条件を満たしているということです。

    なぜ証券を発行するときに多くの書類が必要となるのか

     そして私たちはすでにそれを目撃しています。新しい企業がブロックチェーンを活用して株式に変換できる「コイン」を発行、ICOとして市場で販売しています。ICOは伝統的なIPOと比べて安価な資金調達方法です。この狂騒がいつまで続くのかを注目しています。SECは他の株式提供方法と同様にICOもあつかうでしょう。そうなれば、これらの「コイン」が単に安全でない証券なのか、または規制や法律の回避手段なのかわかるでしょう。

    身分証明書

     もう一つのブロックチェーンの利用シナリオがパブリックで改変不可能、変更ができない署名です。ブロックチェーン上に発行することができます。分散台帳を売買方法ではなく日誌のようにとらえます。理論的には投票の集計、ダイヤモンドやブラウザ品のオリジナルや身分証明、ドメインの所有権、エスクローのアイテム保存、公証文書などに使えます。

    一人一票。ビットコインのウォレットを数えるのは大変!

     それぞれのユースケースを詳しく見るまでもなく、破綻を予見することができるでしょう。現在の投票は投票箱に投票用紙を入れるのが現在の仕組みです。記者や立会人が両脇から投票箱を監視します。投票の非常に難しい問題は投票の匿名性を確保しつつ、一人一票の原則を守ることです。紙は現時点ではブロックチェーンより上手く扱うことができています。

     あなたが持つ運転免許証の確認はパスワードやプライベートキーが盗まれたものではないということです。しかしパスワードやプライベートキーが十分であるならば、PGP鍵でも十分ということになります。

     ブランドの真偽やダイヤモンドが倫理的に発掘されたものかを確認するのに分散台帳を使うことで付加価値は生まれません。ブランドはオンラインで確認できる証明書を発行するだけで済んでしまいます、これまで同様に。

     エスクローに関していえば第三者の確認なしにスマートコントラクトで自動的に商品に対する支払いを行い、商品を取っておくことができるようになるでしょう。しかし、それでもその商品が宣伝されていたものと同じであること、きちんと配達されるものであることを信頼できる業者に確認してもらう必要があります。

    現代社会で何かを知っているという証明

     最後に反駁にたいする証明をしたい場合。たとえば「自分が情報が一般に公開される前にXを知っていた」という証明。暗号化してGmailやHotmailを使って自分自身にメールしてもいいしBitbucketに入れてもいいでしょう。印刷して公証人に認証してもらってもいい。自分自身に郵送して消印をつけてもいい。MD5でハッシュしてツイートしてもいい。しかし、それを求める産業はどれくらい大きいのでしょうか?このようなサービスを提供する大きな企業が存在しますか?

     ドメインの名前解決(特定のURLを入力すると、Webサイトが表示される仕組み)は全てがデジタルレコードとなったスマートコントラクトによって支払いが台帳に登録されることでドメインの名前解決が行われ、ドメインのエスクローサービスの必要性をなくすと言われています。

     しかし、the DAOの事例でも分かる通り、価値の高いドメインが盗難やセキュリティーの問題で台帳を書き換えなければいけないことが起きたらどうでしょうか、例えば裁判所の命令で。政府が保証している、法律が保証している銀行口座、本当の企業はセキュリティーの問題により誰かが永遠に不可逆的にbankofamerica.comやdisney.comやsony.comのようなドメインを保持することを望んでいません。ブロックチェーンを採用することで盗難や艤装の可能性は高まります。

     仮説的に聞こえるかもしれませんが、実際に多くのビットコイン取引所がハッキングされています。それがドメイン名のプロバイダーで起きない可能性はあるのでしょうか?

    で、何が残る?

    未来の洗濯機は自分たちの洗剤を自動でオーダーできる

     それぞれ些細なことに見えるかもしれません。そう、ブランドのハンドバックは証明書やオンラインでチェックできるID番号が既にあります。それぞれのユースケースで既に数億の開発費用をかけてそれだけを専門にやっている会社があるのです。

     もっと難しい分野に行くこともできるでしょう。例えばブロックチェーン上のSecond Lifeやブロックチェーン上の洗濯機がスマートコントラクトで自動的に洗剤を補充するとか、スポーツチームで監督の指示がブロックチェーン上に記載されるとか、(これほんと!)

     最終的に、クレジットカードの身元確認といった取引に関わる現在の人とソフトウェアの優位性はブロックチェーンを上回ります。また不可逆性や自動実行の隠れたコストもあります。ブロックチェーンの信奉者はAからBにお金を写すことが難しいことだと主張しているように見えますが、実際にお金を移してそれを記録するのは複雑なシステムの中でも簡単な部類です。

    間違った取引をレポートして取り消す権利を失うことを引き換えに飛行機のフリークエントフライヤープログラムをクレジットカードとともに無くしてしまいたいかなんて実際のところ誰も調査したことなどない。

     そしてブロックチェーンの用途は最初の話に戻ります。通貨の投機と違法取引、そして学び。

     ビットコインの信奉者や投資家、コンサルタントと話をしていると、彼らは現在どのように何かが動いているかの知識に欠けていることがあります。そして、現在のシステムがどのような価値をユーザーに提供しているのか。もしくは、興味がないのかもしれません。

     ビットコインのPOSレジを開発する上で、間違った取引をレポートして取り消す権利を失うことを引き換えに飛行機のフリークエントフライヤープログラムをクレジットカードとともに無くしてしまいたいかなんて実際のところ誰も調査しません。

     推測するにIPOがこれほどコストかかる理由、ベンチャーキャピタルの書類作業がこれほど煩わしい理由は高給取りの弁護士や会計士が無駄な紙の作業をしているからだと考えているのかもしれません。20代のスマートだけど業界経験のないエンジニアたちは数百ドルのベンチャーキャピタルと数ヶ月の作業で自動的に何かを成し遂げることができるのだろうと。

     しかし、実際はそんなことないようです。

    兄弟、オレとスマートコントラクトしないほうがいいぜ!

    解説

     未来はまだ確定していない。ブロックチェーンが次のプラットフォームになるかもしれないし、ならないかもしれない。ブロックチェーンの未来を信じるのも自由、信じないのも自由。メディアを名乗るのであればいろんな角度から情報提供をするべきだと思うんですよね。

     自分の意見と違うから耳をふさぐのはよくない(と言うか勿体無い)と思います。ちゃんと調べてなければここまで書けないですからね。だからこそ、普段とはちょっと違ってブロックチェーンに批判的な記事を翻訳してみました。これを読むとエストニアの「エストコイン」に関する提案は理にかなっていることがわかります。

     ブロックチェーンは未来のプラットフォームだとボク個人は信じています。コインチェックやテザーなどの疑惑がブロックチェーンによるイノベーションを遅らせるのだとしたら、それはとても残念なことです。それでもイノベーションの道を切り開くのが起業家であり開発者であり、デザイナーなんだと思います。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

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  • コインチェックのハッキングについてNEMのインタビュー翻訳

    コインチェックのハッキングについてNEMのインタビュー翻訳

    オリジナル:Coincheck 500M Hack Interview with Jeff McDonald, NEM VP

    これまでのアクション

    • まだ全てが解明されたわけではないが、コインチェックとは連絡を取っている
    • NEM財団としてはコインチェックをサポートするために全力を尽くしている
    • 盗まれたXEMを保有しているアカウントを追跡している
    • さらに世界中の取引所と連絡を取り、盗まれたXEMの取引をしないよう呼びかけている
    • NEMの良いところは強力なAPIがあること。APIをデポジットに加えるだけで取引所は盗まれたXEMがその取引所にデポジットされているかどうかわかる

    盗まれたファンドは戻ってくる?

    • あまり憶測で話をしたくはないがコインチェックに十分な預金が銀行にあればユーザーにファンドを戻すことはできるだろう(実際に持ってるかはわからないが)
    • コインチェックは初期に3億XEMを自身で購入している。盗まれたXEMがコインチェックが保有しているものなのか、それともユーザーが預けているものなのかわからない。
    • NEMには24時間アクセスできるホットラインがあり、コインチェックはこのホットラインを通じてNEMにコンタクトしてきた。その後すぐにビデオ会議を実施した。そしてタグ付けしてファンドを追跡を開始した。

    NEM財団が強制的にファンドを取り戻すことはできる?

    • ファンドがコインチェックから盗まれた時、全てのファンドはオンラインのホットウォレットに入っていた。おそらくAPIもプライベートキーも露出した状態だったでしょう。コインチェックがマルチシグを使ってればこのような事態にはならなかったと思う。
    • ブロックチェーンの履歴を書き換えるにはハードフォークしかない。それはNEM財団としては実行するつもりはない。NEMのプロトコルには全く何も問題はない。
    • 盗んだハッカーがコインチェックにファンドを返還するしか方法はない。

    やるべきことと、やらないべきこと

    • ユーザーも取引所もベストプラクティスに従うべき。取引所はこれまで何回もハックされている。取引所がセキュリティーを強固にしてもハッカーはそれを破ろうとするイタチごっこではある。
    • 次期の「カタパルト」実装で取引所がハッキングされプライベートキーが露出してもファンドが盗まれないようになる。
    • NEMでは取引所のハッキングが問題であることを認識していてそれを解決する手段をカタパルト実装で解決するつもり。

    盗まれたXEMによる長期的なインパクトは?

    • タグがつけられた、追跡されている。それでも、ハッカーはXEMの価格を操作して下げることができる?現時点ではわからない。ハッカーは500億円のXEMを市場で売ることができないのは確か。大手の取引所はすでに対応している。コミュニティーやパートナーも迅速に対応している。
    • コインチェックがどうなるのかはわからない。これまでの事例ではハッキングされて取引所が閉鎖する事例もあるし、ハッキングされても回復する事例もある。

    中央集権的なシステムで「神」のように振る舞いユーザーのアカウントを追跡したり、凍結したりできるってちょっと怖くない?

    • そんなことはない。ブロックチェーンなので情報は全てオープン。
    • NEMの良いところはAPIによってインテグレーションが簡単でそれによってファンドの動きがリアルタイムでわかり、それによりパートナーとコミュニケーションができること。コインチェックを助けるためにできることをするが、それに他の取引所が参加するかどうかは彼ら次第。
    • そういう意味において誰もブロックチェーンに対してのコントロールを持っていない。NEM財団ができるのはツールを提供して透明性を高めること。
    • このAPIによるリアルタイム性が他のブロックチェーンベースの仮想通貨とNEMの違い。他の仮想通貨ではトランザクションハッシュを一つづつ見ていかなければいけない。
    • そういう意味でもNEM財団はハードフォークを実行するつもりはない。その代わりにエコシステムにツールを提供して犯罪者の助けにならないようにする。

    セキュリティーについてもう少し詳しく教えてください

    • 通常、取引所は複数レイヤーのセキュリティー実装をしている。
    • その一つはホットウォレットとコールドウォレットの使い分け。通常は99.5%のファンドをコールドウォレットに保存しておく。これがベストプラクティスと言われている。
    • もう一つがマルチシグで他の暗号化通貨でこれをコアコントラクト実装していないものもある。NEMはコンセンサスによるマルチシグをコアに実装した最初の暗号化通貨。
    • 例えばビットコインでは後になってマルチシグを実装しようとしたのでBitGoという会社が複数の取引所のためにマルチシグをアウトソースとして提供している。NEMの場合、取引所はAPIを使うだけでマルチシグを使える。コインチェックを責めるわけではないが、コールドウォレットを使い、マルチシグを実装していれば防げた事件だった。

    ユーザーは取引所がベストプラクティスに従っているかどうかをどうやったらわかる?

    • 取引所が求めればNEM財団はトレーニングもするしサポートもする
    • 話をしている取引所は高度なセキュリティー実装をしているところもある。ただ、どの取引所がいい実装をして、どの取引所がよくない実装をしているのかを名指ししたくはない。
    • NEMの次期のNanoウォレットではオフラインでの認証も実装する
    • 次期のカタパルト実装で取引所がハックされる可能性はほとんどなくなる

    解説

    危機管理の対応によって評価を上げるか下げるか。NEMの迅速な対応は素晴らしく、これまで最大のハッキング事件であるにも関わらず評価をあげましたね。今回の件についてどのような考えで、どのように対応するのか全くブレがない。

    また、このインタビューにもある通り、コミュニティーとエコシステムの対応が迅速でした。これは本当にすごい!

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

  • Facebookのような大企業をトークン化する方法

    Facebookのような大企業をトークン化する方法

    ざっくり言うと

    • キッカケはMark Zuckerbergが2018年に暗号化通貨の可能性を探ることを示唆したFacebookでの書き込み【全文和訳掲載】マーク・ザッカーバーグ「仮想通貨は権力… | News | Cointelegraph)。実際に親和性が高そうなことから、インターネット上で大きな議論がおきた。この記事はブロックチェーン業界で有名なBigchainDBの創業者Trent McConaghyからの提案。
    • 「そんなことできない」というのは簡単、「どうすればできるか」と考えるのがイノベーション。
    • 頭の体操ではFacebookもAmazonもIBMもトークン化できる。
    • 「株主=会社の持ち主」という概念は暗号化トークン社会においては崩れる可能性がある。貢献する人が価値を得るという自律型経営の究極の形かもしれない。

    原文:”Tokenize the Enterprise” by Trent McConaghy

     トークンは新しいブロックチェーンの中でも特に新しい概念です。現在はこれまでブロックチェーンだと思っていたものでは十分ではありません。トークンはWeb 3.0のビジネスモデルだと誰もが気づきました。

     分散システムは権力を多くの人に広げます。それはトークン化されているかもしれませんし、されていないかもしれない。トークンのメリットはエコシステムの参加者の動機付けを同じ方向に向けることです。これはトークンを持つ人たちにとってポジティブサムゲームです。もちろん、トークンのローンチ時の棚ぼた効果も期待できます。

    解説

    ポジティブサムゲームはゲーム理論のひとつ。ポジティブサム、ゼロサム、ネガティブサムがある。ゼロサムゲームはゲームの総和がゼロのため、誰かが勝てば(ゼロより大きい)それ以外の人が損(ゼロより小さい)する。ポジティブサムはゲームの総和がゼロ以上になるため、誰かが勝っても(ゼロより大きい)、他の人も勝つ可能性がある。

     現時点でトークンを発行しているのはスタートアップです。しかし、大企業が発行したらどうでしょうか?Facebookをトークン化できるでしょうか?AmazonやIBMは?どうやって?どんな利点があるのでしょうか?

     手短に言えば、トークンは大企業を内側から侵食します。なぜなら投資家は投資から利益を得られ、コミュニティーが勝利するからです。企業内で起業する暗号化集団が現れるでしょう。それが多くの大企業で起こり、伝統的な証券取引は無くなります。最後にこれは新しい投資家のジレンマとなります。大企業が利益を守る傾向においてどうやって競争するのか?

     もう少し詳しく見ていきましょう。

    アプローチ

    以下が各大企業向けのレシピです。

    • トークン化:株式がトークンとなる。
    • 分散化:権力を人々に分散する。ユーザーは過去や将来の貢献に対してトークンを受け取る。
    • コミュニティーに溶け込む:時間が経過するにつれて価値と権力がさらに分散される。一つか二つの大企業がこれを実行するとき、株主のためにお金を稼ぐことができます。それを目の当たりにした他の大企業もそれに続くようになり、全ての大企業は暗号化されます。

    Facebookをトークン化する

     それでは、Facebookを例にとってこのレシピで大企業のトークン化をしてみましょう。

    ステップ0:現状維持

     Facebookの命運はユーザーとともにあります。Facebookの創業者たちと株主は多くの富を築きました。しかし、ユーザーは個人情報やコンテンツといったFacebookのコアビジネスへの貢献に対して富の分配を受けていません。これが基本的な緊張関係です。Facebookはオープン性とユーザーのプライバシーに対して偏見を持たれています。

     Facebookは数億のユーザーと高いエンゲージメントによって非常に強大になりました。しかし、それは少人数の人たちによって管理されています。これは社会にとってとても危険です。その責任を全うするような構造となっていない場合は特にそうです。

    これまでにこの状況を変えるために様々な提案がなされました。ひとつは法廷に持ち込んで独占企業として認定することで分割することです。

     もう一つのアイデアがブロックチェーン化です。Facebookのボトムアップからの支配です。分散化した何かを作り、ユーザーに参加してもらう。このようなアプローチは分散化したソーシャルメディアで多くありますが、成功したケースは多くありません。最大のチャレンジはユーザーを増やすことです。ニワトリか卵か。ユーザーは友達が参加しているからそこへ参加しているのであり、エンゲージメントの高い2億ユーザーに食い込むのは至難の技です。

     これをさらに推し進めた考え方もあります。分散化とトークン化です。これは役にたつかもしれません。初期にトークンを持っている人は友達に紹介するでしょう。友人を招待することでインセンティブが生まれるので。トークン化は口コミ効果を高めます。しかし、それでも2億ユーザーのネットワークを乗っ取ることができる保証はありません。

     これらのアイデアはゼロからスタートすることを前提として、より早く、賢く、バイラルなもので下から攻撃するものです。それはうまくいくかもしれませんが、私は別の方法があることに気がつきました。内側からのトークン化です。

    ステップ1:証券のトークン化

     このステップではFacebook株(シンボル:FB)がトークンに変換されます。

     Facebook株は約30億株あります。企業としてのFacebookがブロックチェーン上に30億トークン(シンボル:$FB)を発行します。

     そして、Facebookが30億のFacebook株を$FBトークンに変換する契約を行います。または単純に株主(株=$FB)をブロックチェーンの登録台帳とすることもできます。米国デラウェア州はこの方式の可能性を模索しています。

     どちらの方法でもブロックチェーンが$FBトークンが従来の株式を置き換えることができます。これが証券としてのトークンとなります。

    ステップ2:分散化

     この時点でトークンの管理は企業としてのFacebookの手の内にあります。そしてFB株と$FBトークンは同じで1対1です。本当の変化はステップ2で起きます。権力の分散とユーザーへのトークンのアクセスです。

     次のことが同時に起きる必要があります。

    ガバナンスの拡散

     コミュニティーがもっとコントロールできるようにガバナンスを変えます。そうすることにより$FBトークンは企業としてのFacebookのコントロールを離れます。キーとなる責任はプロトコルのアップデート(APIの変更)のルールとトークンのガバナンス(金融政策)です。多くのガバナンスモデルが考えられます。

    1. 完全にオンチェーンで自動化する(TheDAOで起きたようにこれはまだ危険)
    2. 20名以上のケアテイカーによる伝統的なノンプロフィットによるコントロール
    3. 伝統的なノンプロフィットからはじめて、徐々に自動化する(私の好きなIPDBのように)

    ブロックチェーンを公開する

     誰でも書き込み、読み込みができる。そしてサーバーで動いていない。つまり、Facebookの機能は全てオープンなプロトコルとなります。特にトークンを得た人、使った人にとって。理想的にはFacebookの全てがオープンソースとなることです。クールじゃないですか?新しい環境下においてオープンソース化は企業としてのFacebookのメリットとなるので夢物語以上のものです。ブロックチェーンにおいて価値はそのインプリメンテーションではなく究極的にはファットプロトコルにあります。

    過去の貢献に対してトークンを配布

     企業としてのFacebookが追加で30億の$FBトークンを既存のFacebookユーザーに配布します。Facebookの過去の利用に応じてユーザーはリワードされます。全ての過去のポスト、写真の共有、いいねに対して$FBトークンを受け取ることができます。または既存のビジネスモデルでも分散化されたサービスでマーケティング目的でユーザーデータを利用する代わりに$FBトークンを配布することもできます。

    将来の貢献に対してトークンを配布

     Facebookが価値を高める行動をしたユーザーに対して$FBトークンを配布するルールを設定します。例えば、写真を投稿すれば$FBトークンを獲得できる。すでにSteemitBraveBasic Attention Token(BAT)のような前例があります。さらに機能追加やパフォーマンス改善の貢献でも$FBトークンを獲得することができます。

     もしこれらが実施されればKrakenやInterledgerのような交換所が$FBトークンを追加することは明白です。ステップ1とステップ2によって株式としてのFBは伝統的な証券取引所から新しい暗号化取引所へ移行します。

     これによって企業としてのFacebookはどうなるのでしょうか?解散が一つのオプションです。$FBトークンを持つ社員はその貢献によってインセンティブが与えられるので大枠では大丈夫なはずですが、いろいろと解決いけないこともあるであろうことは理解しています。もう一つのオプションは企業としてのFacebookがパブリックの$FBブロックチェーンのサービスプロバイダーとなることです。公共の$FBブロックチェーンのサービスを改善することで従業員に代わって$FBトークンを受け取ることができるため、インセンティブが生まれます。もちろん、個人や他の組織も同様にサービスを改善することができます。

     私の例では50%の$FBトークンを既存の株主に、残りの50%をユーザーに分配しました。もちろんこの比率は変えることができます。しかし、経験則として半分というのはよい数字です。落ち着きやすい数字で、不要な議論を避けることができます。

    ステップ3:$FBをコミュニティーに溶け込ませる

     このステップは時間とともに浸透していきます。このステップの最初の頃は半数の$FBトークンは既存の株主、残りの半分をユーザーが持ちます。時間の経過とともにユーザーはFacebookの利用とともに$FBを獲得し続け、多くの人が$FBをその購入のしやすさから買い続けます。$FBトークンは広がり続けることになります。

     長い期間保有する人も出てきます。$FBトークンをHODLするようになります。Facebookのマキシマリズム。これ、ここで初めて言ったからね。

    解説

    • HODLはビットコインのスラングで「売らずにとっておく」という意味。

     そもそもなんでFacebookの株主がこのような取り組みに賛成するか疑問に思うかもしれません。主な理由はお金を稼ぐためです!それが典型的な株主の主な動機です。 これは大きな価値です。もし企業としてのFacebookがユーザーの利益に反することなく実現する方法を見つけたならば。しかもこれはユーザーにとって自然な関係というだけでなく、ユーザーは貢献によって価値というインセンティブを受け取ります。さらに長期計画の元凶とも言える四半期ごとの収益報告義務から解放され、正しいことを実行できるようになります。その代わりビジネスとコミュニティーのバランスが必要となります。これだけでも価値は二倍以上になり、コストの回収ができます。ボーナス価値としてFB株と比べて$FBを買うことは取引摩擦が低いために流動性が改善されます。最後に誰でもコードベースを改善できるために価値を追加するためのボトルネックが少なくなります。

    解説

    オリジナルの記事はもっと長くてAmazonやVisaのトークン化のやり方も提案しています。力作ですがタイムリーなネタであるFacebookのトークン化の提案だけ翻訳しました。それ以外は興味があったら読んでみてください。

    オープンソース以前でソフトウェアの開発組織が大きく変わったように、トークン化は企業全体を変える可能性があります。Facebookのような大企業がその先鞭をつけたとしたら、その波はかなり大きなうねりとなり多くの企業を巻き込むことになるでしょう。

    それにしても、こんな大きな決断ができるとしたらMark Zuckerbergは本当にすごい。Internet Tidal WaveでMicrosoftのインターネットへの転換を図ったBill Gatesを彷彿させるものがあります。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

  • エストニアがICOプラットフォームとして暗号化トークン「エストコイン」の準備を開始

    エストニアがICOプラットフォームとして暗号化トークン「エストコイン」の準備を開始

    クレジット:E-residentのPeter Kentieさんが寄贈してくれたイラスト

    原文:”We’re planning to launch estcoin — and that’s only the start” by Kaspar Korjus

     エストニアはe-Resideincyが世界の起業家が信頼できるICOを実施するときのベストな選択肢であることを目指しています。そして三種類の暗号化トークン「エストコイン」を検討しています。

     スタートアップの世界はICOによって大きく変わろうとしています。

     株式を提供する代わりに、ブロックチェーンをベースとした暗号コインを発行して世界各国の投資家から資金を調達しています。

     アメリカ、シンガポールとスイスがICOを実施する上で起業家が検討する国としてリードしています。一方で各国政府はどのようにICOを規制するのかを検討しています。起業家にとっても投資家にとっても不幸なことに、ICOは法律上はグレーなエリアで実行しなければいけませんし、透明性と信頼性の問題によりこのイノベーションの歯止めがかかっています。

    解説

    ICOのトークンには二つの考え方があります。一つは「利用料」としてのトークン。もう一つは「証券」としてのトークンです。資金調達をする企業は「利用料」としてのトークンと位置づけることが多いように思われます。これは「証券」としてのトークンは法整備が整っていないからですし、「証券」の発行には大きな責任が伴うからです。

     それにもかかわらず、ICOを通じた資金調達金額はベンチャーキャピタルからの資金調達を上回っています。しかし、資金調達はICOの一面に過ぎません。スタートアップが発行した暗号化トークンに投資している人たちのインセンティブは開発の支援というオンラインコミュニティーに近いものがあります。

     エストニアの仮想住民プログラムであるe-Residencyも急速に成長しているスタートアップです。政府のスタートアップであるにも関わらずです。それは仮想住民からのフィードバックにより絶え間なく改善されているからです。そして商業セクターのベストプラクティスも取り入れています。私たちは急速に成長するコミュニティーを持ち、そのコミュニティーはe-Residencyプログラムからどのように価値を最大化できるのかを常に探しています。

     そこで、2017年8月にe-Residencyブログを通じて「エストニアのようの国がICOを通じて自らの暗号化トークンを発行したらどうなるか」を聞きました。その時につけた暗号化トークンのニックネームが「エストコイン」でした。e-Residencyがプラットフォームを通じてどのように「エストコイン」をグローバルで流通させ交換させるのかを説明しました。誰でも登録できるデジタルIDがあるからです。

     この記事はすぐにバズりました。世界中のメディアで取り上げられました。世界で2億人くらいの人がこの記事を読んだと推定しています。

     多くの人がこのアイデアに熱狂して「エストコイン」のあり方について意見を書きました。そして多くの人は批判的でe-Residencyプログラムのマーケティングスタントでしかないのではないかと推測しました。

     私たちはアイデアを閉じたドアの奥で作ることができますが、e-Residencyを作り上げる上でオープンポリシーは常にベストでした。できる限り早い時期からオープンに議論をはじめる。それによりアイデアを改良することができ、どのようなサポートが必要なのかも理解できます。サポートする人も批判する人も貴重です。

     暗号化コミュニティーは政府のこのような介入に一番批判的なのではと最初は予想していました。しかし、実際は違っていました。クリプトワールドの起業家も投資家も熱狂的に興味を持ち、アイデアを受け入れているようでした。反面、伝統的な組織は一番批判的でした。欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギも懸念を表明しました。

    qz.com

    「エストコイン」に対する多くの批判はエストニアが仮想通貨を発行したくてもできないことです。エストニアの唯一の通貨はユーロであり、これは私たちが誇りとするEUのメンバーの必須条件だからです。誰もそれを変えるつもりはありません。

     ですから私たちは「エストコイン」を暗号化トークンとしています。

     政府は暗号化トークンが通貨として利用できることによる破壊的なインパクトも考慮する必要があります。暗号化トークンは世界的に価値を交換するもっと効果的な方法だからです。しかし、暗号化トークンは通貨としての利用よりもさらに大きな重要性があり、必ずしもそのカテゴリーに押しとどめるべきものではありません。

     エストニアの観点から見ると、「エストコイン」はデジタル国家を開発するための世界的資金調達をする手段を提示しています。そして、e-Residencyを通じて起業するスタートアップを増やすという目的を達成するため仮想住民のインセンティブとしてトークンをデザインしたいと考えています。

     仮想住民によるビジネスはエストニア経済に前向きなインパクトをすでにもたらしています。2017年12月に発行されたDeloitteよる独立したレポートによると最初の三年間でエストニアは1億4400万ユーロを回収し、2025年には18億ユーロになると予想しています。これは1ユーロの投資に対して100ユーロを回収することになります。私たちは仮想住民たちに価値を提供し続けることによってのみそれを達成することができます。

    「エストコイン」の目的はそれを加速することです。そしてデジタル国家の開発のため追加の投資と利息を活用します。

     それでも疑問は残ります。「エストコイン」はコインを持つ人のどのような課題を解決するのか?「課題を探すソリューション」これもよくある批判でした。提案が発表されてからオーディエンスに「エストコインを買うのに興味があるか」を聞き、答えは「イエス」でした。どうして「イエス」なのかは自分でもまだ明確ではないにも関わらず。

     驚くかもしれませんが、私たちは「エストコイン」が「課題を探すソリューション」であることを完全に認めます。そして、それは必ずしも悪いことではありません。

     e-Residencyも立ち上げ時は「課題を探すソリューション」でした。このソリューションは世界中の誰でもエストニアのデジタルIDの申請ができ、エストニアのデジタル公共サービスを受けられるというものでした。しかし、最初の仮想住民たちはそれがどのような問題を解決するのかも確かではないにも関わらずに申し込みました。

     三年後に3万人の仮想住民申請を通じて私たちはe-Residencyが解決する課題について理解を深めました。世界的な起業の民主化と地域に縛られない働き方の推進です。エストニアの仮想住人に関してはここで詳しく読めますし、どのような課題を解決してきたのかはこのビデオ広告でも紹介しています。

    「エストコイン」の提案をしてから私たちは世界中のフィードバックに慎重に耳を傾けてきました。そしてどのように構築するかだけでなく、どうして人々がそれを欲するか理解を深めてきました。

     その概要を説明する前に、「エストコイン」のビジョンを実現するためにまず何をしなければいけないのかを説明します。私たちはe-ResidencyをグローバルでICOを実施するベストのオプションとしなければなりません。

    信頼できるe-ResidencyのICO

     ブロックチェーン技術は世界を二つに分けました。一つは政府や伝統的な機関でもう一つはクリプトコミュニティー。両方とも相手には将来がないというフリをします。

     多くの場合、真実はどこか真ん中にあり、分断も元に戻ります。暗号化を取り込まなければ政府は経済成長の原動力を手放し、妥当性すら失う危険があります。公共の監視を取り込まなければ、まともなクリプト投資家も偽物投資家によって変質してしまい、トークンの価値にも疑問符がつきます。

     リスクとその複雑さに関してはアメリカ証券取引委員会が暗号化通貨とICOに関する包括的な声明が読むに値します。

     私たちはブロックチェーンが非常に強力な破壊的なソリューションになりつつあることを認識する必要があります。そして、公共機関は全ての人の利益のためにできる役割があります。伝統的な派閥と暗号化の派閥。二つに分かれた派閥は平和的な合意に達する必要があります。

     それこそがエストニアで起ころうとしていることです。「エストコイン」の提案が発表されてから私はエストニア議会内で公共機関と商業セクターの代表者、クリプト起業家、世界中のハッカーを集めたキックオフを開催しました。この会議にはe-Residencyプログラムのチームメンバーと諮問委員、エストニア財務大臣、議員、エストニア中央銀行、ICOを実施している企業とそのアドバイスをしている法律事務所が参加しました。

    エストニア議会でのキックオフ

     私は特に遠くからエストニアに足を運んでくれたTrent McConaghy、Anish MohammedとBruce Ponに感謝します。

     私たちはエストニアがどのように取り組むかを理解するための膨大な作業を始めました。どのように正当な起業家を支援してデジタル国家として成長できるのか。同時に公共の利益を守り、国家とビジネス環境に対するリスクを軽減できるのか。

     私たちは他の国々でのベストプラクティスから学ぼうとし、エストニアのユニークさを活かしてさらに先に進むための方法を探りました。これ以来、私たちは継続して一緒に働き、定期的に意見の交換をしました。

     理解できる注意深い理由でエストニアは暗号化に対して友好的な国家とは言えませんでした。しかし、驚くべきことに最初に私たちが発見したのはエストニアはすでにクリプト起業家にとって絶好のビジネス環境だということです。100%オンラインのクロスボーダーマネージメントから分配されない利益に対する0%の法人税まで。

     さらに私たちの安全なデジタルIDはKYC(Know Your Customer|顧客の身元証明)の一部として利用できます。企業は投資家と起業家の両方の身元証明のために多大なコストと時間をかけています。投資家がキーを忘れて暗号化トークンにアクセスできなくなったという話はよく聞きます。このようなことは政府が保証しているデジタルIDがウォレットと紐づいている仮想住民には起こりません。

     実際に多くの企業がe-Residencyを通じてエストニアでICOの準備をしています。また、すでにe-ResidencyをKYCのプロセスに組み込もうと模索しています。

     ICO現象が成長し続けると、ICOにとって「天国」とされる国が出てくるでしょう。しかし、私たちは現在のICOに懸念を持ち、どのようなICOでも誘致したいわけではありません。未成熟な行動や資金の行き先の不透明性ですでに多くの投資家が失意によって離れていきました。また多くのICOは実際には関わりのない有名人や組織の名前に頼っていたりもします。暗号化トークンに関するe-Residencyやエストニア自体の告知はこのブログで詳細に説明することを覚えておいてください。

     現実はほとんどのICOに私達が望むような標準はありません。

     更に暗号化トークンの価値は現在は非常に揮発性が高くビットコインを含めその他の大幅な価格上昇は近い将来急速な冷え込みも考えられます。多くのアナリストは現在の暗号化市場と90年代のドットコムバブルの類似性を指摘しています。ドットコムバブルは崩壊しましたが、損背景にある基礎的な技術(インターネット)はなくならず、多くの可能性を切り開き世界を変えました。同じことが暗号化でも起きるでしょう、たとえそのバブルが崩壊しても。

     人々が最終的に求めているのは信頼を背景とした本当の価値です。信頼はe-Residencyの価値の一つです。政府に保証された安全なデジタルIDsそれを活用したオープンで透明性の高いビジネス環境があります。これが私たちが信頼のあるICOの誘致にフォーカスする理由です。

     ではどうやって信頼あるICOをe-Residencyを通じてサポートするのか?

     最も明白なソリューションは法律を変えることです。エストニアは仮想住民の起業家を支援するためやこれから成長する産業を支援するために法律を改定する意志があります。例えば、エストニアはヨーロッパの中で配達ロボットとライドシェアを合法にした最初の国です。さらに人工知能の法律の枠組みに関しても議論をしています。

     しかし、ソリューションを探すために必ずしも法の力が必要なわけではありません。さらに、多くの複雑さがあり、その中にはEUの枠組みで取り組まなければいけないものもあります。

     これらの議論は現在進行中です。しかし、私たちが最初にやらなければいけないことははっきりしています。規制された環境下において合法的に責任のあるICOを立ち上げるための明確なガイドラインを出すことです。

     e-Residencyは積極的に責任のあるICOを支援したいと考えています。私たちは国家としてその組織のICOをバックアップすることはできませんが、e-Residencyを通じたICOでの信頼性を高めるたるのガイドラインを提供することができます。そのガイドラインには投資家により高い信頼性と透明性を確保するためのベストプラクティスが含まれます。

     私たちは現在ガイドララインを作成中です。何がガイドラインに加わるべきかフィードバックをください。例えば暗号化トークンの分類や、どのような法律に従わなければいけないのか、どのようなベストプラクティスに従わなければいけないのかなどをガイドラインに含める予定です。こうすることによって投資家は投資がどのように使われているかをトラッキングすることができます。

     最もトリッキーなICOに関わる課題はトークンの分類です。トークンは証券なのか、利用料なのか。私たちのガイドラインは両方を取り組まなければいけません。起業家が自分のニーズに合わせて正しい分類のトークンを選べるようにしなければいけません。ある責任を避けるようにICOのトークンを構成するのではなく。私たちは起業家の暗号化トークンが「証券」とラベルづけされる事に慎重なことを認識しています。しかし、これは投資家からのより高い信頼を得られる方法です。私たちは大胆に起業家が証券としてのトークンをもっと実施しやすいビジネス環境を支援していきたいと考えています。

    「エストコイン」の提案が発表されてからe-Residencyの申請が跳ね上がりました。多くはICOへの投資が目的だと理解しています。つまり、e-Residencyを通じてデジタルIDとリンクした形でICOを実施することは成長しつつある投資家のコミュニティーへのアクセスのコスト、時間と手間が軽減される事を意味しています。

     多くの仮想住民はすでに投資目的でこのプログラムを利用しています。しかし、私たちの長期的な目標は投資家と起業家のコミュニティーによる規模の経済を実現する事です。

     商業セクターも起業家と投資家を支援する重要な役割があります。例えば金融や弁護士サービスです。もしこれを読んでいて支援できるとお考えであれば私たちのチーム(e-resident [at] gov.ee)にコンタクトしてください。

     私たちの目標はエストニアが信頼あるICOの世界でのベストオプションとなる事です。それは公共と商業セクターが協力してe-Residencyや透明性の高いビジネス環境といったエストニアのユニークな特色を活用することで実現します。エストニアはエンジニアたちがSkypeを開発することによって通信の中間業者を取り除いて以来、ビジネスの技術革新の最前線にいます。私たちはブロックチェーン、暗号トークン、安全なデジタルIDによって証券の中間業者を取り除くことができる機会に直面しています。これによりe-Residencyを通じて世界規模で真に分散化されたP2Pの証券取引を実現することができます。

    エストコインはどのようなものになるのか?

     公共と商業セクターの議論の中で私たちはエストニアの暗号化トークンがどのように機能しするか世界中からのフィードバックに基づいて審議しています。

     このプロジェクトの当初のニックネームは「エストコイン」でしたが、エストコインという名前は急速にグローバルブランドとなりましたので現在でもそのまま使っています。

     私たちはデジタル国家にとって、利用者にとって有効なエストコインを一つだけではなく、三種類を特定しました。三種類全て実行可能で欧州中央銀行に警戒心を抱かせるものではありません。

     私たちは批判にも関わらずエストコインの準備を進めるのではなく、批判に感謝をして進めます。批判によってどのように推進すべきか理解できたからです。

     一つまたはそれ以上のエストコインが複数の目的を実現するために実行される可能性があります。

     以下がそれぞれのエストコインの背景です。

    1. コミュニティーエストコイン

     暗号化トークンの強みの一つは行動に対してインセンティブを与えることです。トークンの保持者はコミュニティーの成長から恩恵を受けます。

     Ehtereumの創業者であるVitalik Buterinに私たちのアイデアの概要を発表まえに共有したのですが、これはその時に特に強調されたポイントです。以下がその引用です。

    e-Residencyエコシステム内でのICOは仮想住民とファンドを同じ方向性に向かせる強いインセンティブを作り上げます。共同にできることが多いため、経済的な側面を超えたコミュニティーへの帰属意識を高めます。

     コミュニティーエストコインは世界中の人たちが仮想住民として参加することにインセンティブを与え、e-Residencyの価値を引き出すことで新しいデジタル国家の成長に寄与すると考えられます。これには投資家や起業家がe-ResidencyをICOのプラットフォームとして活用することも含みます。

     すでに多くの仮想住民が様々なやり方でデジタル国家の成長にボランティアとして貢献してくれています。彼らの経験をコンテンツとして共有したり、他の人をプログラムに紹介してくれたりしてくれています。しかし、私たちはその貢献にどのようにリワードを提供したり支援できるか分かりませんでした。

     更に仮想住民の最も価値のある活動の一つはお互いのビジネスや実際のエストニア国民とのビジネスの活性化です。つまり、e-Residencyは公共サービスへのアクセスだけでなく、成長する価値あるコミュニティーに参加することによって事業を拡大することです。

     幸いに私たちはすでにコミュニティープラットフォームがあります。そこでエストコインがプラットフォームの「利用料」として価値のあるものとして、コミュニティーの成長に貢献した参加者には自動的に発行される仕組みが考えられます。

     例えばe-ResidencyのWebサイトにトラフィックを送り、実際に新しく仮想住民が増えた場合に、その仮想住民にはエストコインが発行されるなどです。またコミュニティー内でクラウドソーシングのような仕組みを作ったりが考えられます。

     エストコインはネットワーク効果でプラットフォームの成長を可能にしますが、調達された資金はこのプラットフォームのさらなる開発やエストニアでビジネスをする企業への再投資にも活用できます。

     私たちは商業セクターからの参加も求めています。商業セクターはeResidencyエコシステムで重要な役割を担っています。会計処理やバンキング、バーチャルオフィスなどのサービスをエストコインで利用できるようにしたいと考えています。仮想住民に対して様々なサービスを提供する企業があり、エストコインの交換も奨励していきたいです。

     実際にコミュニティーエストコイン立ち上げのための国家的ICOには公共と商業セクターのパートナーシップが必要です。単一組織がトークンとファンドの分配を管理すべきではないからです。

     最初のフォーカスは「利用料」としてのエストコインですが、e-Residencyの開発によってデジタル国家の成長の恩恵をエストコイン保持者が受けることも重要です。つまりコミュニティーエストコインは最終的には伝統的/暗号の双方の交換所でオープンに取引されることを意味します。実際には投機家を抑制するためにロックアップ期間が必要となるでしょう。エストコインの保持者はデジタル国家の長期的な成長から恩恵が受けられるようになります。

     透明性は仮想住民やその企業だけでなく、プログラム自体にとっても重要です。つまりエストコインの供給量について明確にしなければいけません。どのような法律の元でどのような利用ができるのか。ブロックチェーンのフェデレーションがエストニア政府と独立組織のネットワークのリーダーシップを提供するために必要となるでしょう。

     このような暗号化トークンの利用は多くの人たちが自律して全ての人たちのために協力しながら働く役に立つでしょう。私たちはすでに仮想住民がお互いにつながりビジネスをともに加速していきたいということを理解しています。またここ数ヶ月の間、エストコインを得たい人が増えていることも理解しています。

     e-Residencyプログラムはデジタルスタートアップとして国全体をオンラインでスケールアップするというこれまで誰もなし得なかったことを行っています。これは仮想住民へのメリットが高まるにつれて加速的に進行しています。コミュニティーエストコインはこれをさらに加速するメカニズムとなります。コミュニティーに参加する価値を高め、成長を助ける人たちにリワードを提供することにより全体のサービスを劇的に改善することになります。

    2. IDエストコイン

     エストニアのデジタル国家の中心(そしてe-Residencyプログラムの中心)は政府が提供する安全なデジタルIDです。

     これはデジタルIDでも世界をリードするイニシアティブです。しかし最先端でい続けるためにはそれを支える技術を継続的に改善していく必要があります。エストニアはすでにいろんな意味でブロックチェーン国家と言えます。ではブロックチェーンを活用してIDをトークン化してみてはどうでしょうか。

     このモデルにおいてエストコインはデジタル社会の中で利用されるブロックチェーンベースのトークンとなります。例えばデジタル署名、サービス利用のためのログイン、スマートコントラクトの実行などです。

     エストニア国民と仮想住民はデジタルIDに紐づく一定量のトークンを得ることができ、必要な時にはその量を増やすことができます。たとえこのIDトークンが購入されたとしてもエストニアの売り上げとはなりません。ネットワークの維持に利用されます。実際にこの提案によって全ての人はコストを抑えることができるようになります。

     このIDエストコインとコミュニティーエストコインの大きな違いはここです。IDエストコインは身分証明の一部なので取引したり売ることはできません。実際にe-Residencyプログラムが成長して人の数が増えればIDエストコインの価値は下がります。これは時間とともに取引コストが下がることを意味し、規模の経済に寄与します。

     すべの人が望むものではないかもしれませんが、この仕組みは私たちのビジネス環境にさらなる透明性をもたらします。しかしこの透明性は多くの人が仮想住民になることを選ぶ理由の一つです。透明性は仮想住民がグローバルでビジネス展開をするための信頼の源泉となります。実際にこのIDエストコインモデルはエストニア警察や国境警備隊がある状況下において法律違反を犯した仮想住民からトークンを取り上げることにも利用できます。

     なぜエストニア国民や仮想住民はこのIDエストコインを推進したいのでしょうか?

     IDエストコインにより現在デジタル国家を運営するために使われている技術をなくすことができ、そのコストも削減することが出来ます。

     エストニア国民と仮想住民はこの低コストの恩恵を受けるだけでなく、デジタルIDを利用してさらに簡単にサービスを受けることが出来ます。

     例えば、私たちは最近デジタルIDカードの証明書に関する問題があり、停止する必要がありました。実際にハッキングされた形跡はなく、新しい証明書もすぐにダウンロードできるようになりました。しかし、スムーズなプロセスとは言えませんでした。このケースを通じてデジタル国家はIDサービスがスムーズに機能し統合するために商業セクターに大きく依存していることがわかりました。

     対照的にIDエストコインはどのようなデバイスでも機能し、アップデートは必要ありません。

     エストニアにとってこれはデジタルインフラの信頼性、安全性、透明性の劇的な向上につながります。そして国をもっと効果的にスケールアップすることを可能にします。エストニア政府の様々な部門はe-Residencyの利益のためにハードに働いています。国境警備隊がIDカードを発行し、各国の大使館に届けます。そしてIDカードを手渡すために対面の面談をします。

     しかし、もし私たちが改善して遠隔地からのデジタルIDの認証を合法化したら仮想住民はオンラインですぐにデジタル国家に参加することができるようになります。カードが承認され配達され、自ら取りに行く必要は無くなります。

     IDエストコインの実現は私たちのデジタル国家が未来に備えることとなり、技術と法律が進化に対応することができるようになります。

    3. ユーロエストコイン

     ここまで価値が上がったり下がったりするエストコインのモデルを見てきましたが、単純にユーロと紐づいたエストコインを発行したとしたらどうでしょうか?これがユーロエストコインです。

     私たちはユーロの代替通貨を発行することはありません。しかし、e-Residencyコミュニティー内だけで使える暗号化の分散化の利点と安定して信頼ある認可された通貨の組み合わせの可能性はあります。

     ユーロエストコインと実際の金銭の交換には銀行が必要となります。しかし取引は独立してブロックチェーン上で行われます。つまりグローバルにある無料のコミュニティーベースの交換所で交換がされることになります。必要なのはデジタルウォレットと政府がユーロエスタコインを1ユーロで買い戻すという政府のコミットメントです。

     もしe-Residencyのプログラムチームが15人の小さなコミュニティーだとします。そして誕生日でどのようにユーロエストコインが機能するのかみましょう。メンバーの誕生日に私たちは一人につき10ユーロを使います。つまり一回につき13回の支払いが発生します*1。支払いには銀行で40ユーロセントかかります*2。つまり隠れた支払いコストは5ユーロ以上になりますし、プロセスにも時間がかかります。しかし、この価値は私たちの間で回るだけです。デジタルで処理したいからというだけで銀行の関与が必要あるでしょうか?普段の生活は銀行のネットワークなしで動いた方が早く効率的です。

     では次に日々国境をまたがり交流を続けている仮想住民コミュニティーの複雑さをみてみましょう。仮想住民は世界の住民で、世界中どこでもビジネスができるのが成長の要因の一つです。仮想住民コミュニティー内のユーロエストコインはグローバルの価値交換を可能にし、仮想住民とエストニア国民の間のビジネスを活性化します。

     e-Residencyコミュニティー内のユーロエストコインの運用はビデオゲームなどのオンライン世界でのトークンの運用と似ています。仮想住民はユーロエストコインを購入してそのほかの仮想住民と価値交換をすることができ、必要であれば銀行取引と納税義務に準拠して現金化することもできます。大きな違いは仮想住民はゲームのためにトークンを利用しないということです。仮想住民が得られるのは他の仮想住民との簡単なグローバル取引です。

    新しいデジタル国家に参加しましょう

     私たちはブロックチェーンを通じたトークン国家は今後の地球にとって重要だと認識しています。さらにICOはスタートアップの成長のあり方を大きく変えようとしています。しかし、信頼と合法性の問題は解決されないといけません。私たちは同時に提案されたエストコインに需要があり、エストコインは仮想住民コミュニティーを大きく成長する可能性があることを理解しています。

     私たちは引き続きこの提案をエストニアの公共と商業の両セクター、暗号化起業家、投資家、世界のパートナーとなる可能性のある組織とともに改善していきます。

     以前にe-Residencyのビジョンに書いたとおり、私たちは人類の歴史の中で非常に短い地政学の境界線に閉じ込められた機会の中で生きています。今は国家は生まれた場所で私たちに割り当てられ、多くの場合はそのままです。このランダムな人口の割り当てが何よりも大きく私たちの機会の大きさを握っています。

     しかし、変化は近づいています。暗号トークン化は私たちが行動するかどうかに関わらず世界の性質を変えます。だから私たちがリードする必要があり、それはすでにエストニアで起きています。私たちは新しいデジタル国家の構築と世界中の起業の民主化という全体の目標にフォーカスし続けます。

    私たちのe-Residencyのビジョンはこちらから。

    medium.com

     エストコインの提案に考えや、応援や、批判をくださった方々に感謝します。全ての人が改善に貢献し、私たちを前に進めています。新しい年にさらにアップデートをすることを楽しみにしています。

     e-Residencyから申請することで私たちのデジタル国家に参加することができます。もしプログラムを利用してEU圏内でEUの企業を立ち上げに興味があればこちらで詳しく説明しています。

    medium.com

    解説

    前回に紹介したアメリカ証券取引委員会とはうって変わって前のめりな姿勢のエストニアです。アメリカや日本のように歴史(レガシー)がないのがエストニアの強みですね。ソ連から離脱して国連に加盟したのが1991年、NATOとEUに参加したのが2004年ですから。

    アメリカやエストニアではICOで発行されるトークンを「証券」としてみなす方向に進んでいます。現時点でエストニアは最もICOに関して最も積極的に取り組んでいる政府と言えるでしょう。エストニアが中央管理の世界と分散管理の世界と二つに分かれた世界を調和させることができるのか、世界が見守っています。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

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    www.catapultsuplex.com

    *1:14回の気がするのですがオリジナルは13回と書いてあるので…

    *2:ヨーロッパではデビットカードの利用が多いのでその利用料なのでしょう

  • シンガポール金融管理局がブロックチェーンを活用する「プロジェクト・ウビン」を推進

    シンガポール金融管理局がブロックチェーンを活用する「プロジェクト・ウビン」を推進

    原文:”Project Ubin: Central Bank Digital Money using Distributed Ledger Technology” by Monetary Authority of Singapore

    「プロジェクト・ウビン」はペイメントと証券の決済に分散台帳技術(DLT)の活用を模索する業界とのコラボレーションです。DLTは金融取引の透明性と柔軟性を低コストで実現する可能性があります。このプロジェクトの目的はシンガポール金融管理局(MAS)と業界が実質的な実験を通じてDLTの技術と潜在的な利点をより理解することです。最終的なゴールは現在のシステムの代替としてデジタル中央銀行から発行するトークンをベースとした、よりシンプルで効率的なシステムの開発です。

    解説

    分散台帳技術(DLT)の代表例はブロックチェーンですが、ここではビジネス向けのブロックチェーン・プラットフォームのことを指しています。具体的にはLinux Foundationが立ち上げたHyperledger Fabric、R3がリードするコンソーシアムのCorda(コードはLinux Foundationに寄贈)、JPモルガンが展開するイーサリアムベースのQuorumです。

    ビジネス向けのブロックチェーン・プラットフォームにはメンバーシップ管理や関係者間のデータ交換、デジタル鍵と機密データの保護などがサポートされています。

    ここでは出てきませんが、送金手段としてはRippleも注目を集めています。

    第一段階:中央銀行が発行するシンガポールドル相当の国内の銀行間取引

     MASは2016年11月16日にブロックチェーンを活用した国内における銀行間取引の実証実験を行うため、DLT技術の会社R3とのパートナーシップを結び金融機関のコンソーシアムの立ち上げを発表しました。このコンソーシアムにはバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、クレディ・スイス、DBS銀行、HSBC銀行、JPモルガン、三菱UFJフィナンシャル・グループ、OCBC銀行、R3、シンガポール証券取引所、UOB銀行が参加、BCS Information Systemsがテクノロジー提供パートナーとして参加しています。

     第一段階の成功が2017年3月9日に発表されました。デロイトにレポートの作成を委託、DTLが決済システムに最も適しており、プロトタイプで使われたデザイン原則についてまとめました。このレポート“Project Ubin: SGD on Distributed Ledger”(プロジェクト・ウビン:分散台帳上のシンガポールドル)は分散台帳技術(DLT)の紹介と開発されたプロトタイプの理解の促進を目的としています。

    第二段階とそれ以降

     シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール銀行協会(ABS)は2017年10月5日に分散化した銀行間取引による支払いと流動性節約機能を伴う決済の三つの異なるプロトタイプの開発に成功したことを発表しました。

     このコンソーシアムには11の金融機関とテクノロジーパートナー5社が参加しています。参加している金融機関はバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、シティバンク、クレディ・スイス、DBS銀行、HSBC銀行、JPモルガン、三菱UFJフィナンシャル・グループ、CBC銀行、シンガポール証券取引所、スタンダードチャータード銀行、UOB銀行です。アクセンチュアがプロトタイプの開発と管理に任命されました。R3、IBMとConsenSysがCorda、Hyperledger Fabric、QuorumのそれぞれのDLTの技術支援の提供の提供、マイクロソフトがAzure Blockchain上でのプロトタイプ展開支援に採用されました。

     シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール銀行協会(ABS)は2017年11月14日にレポートを発表し、ソースコードと技術資料をApache Licenseバージョン2.0で公開しました。中央銀行、金融機関、教育機関、調査期間がこのオープンソースを活用して独自の実験、調査、イノベーションを推進することを奨励します。

    将来の展開

     すでに二つのスピンオフプロジェクトがはじまっています。一つはシンガポール証券取引所(SGX)による確定利付き証券の取引と決済のサイクルをDLTで効率化するプロジェクトです。もう一つは中央銀行のデジタル通貨を利用して国境を超えた支払いを行う新しい方法にフォーカスしています。

    解説

    DLTを使った実証実験は様々な国の政府や中央銀行が行なっています。日本も日本銀行・欧州中央銀行が共同でProject Stellaを行い、その結果を2017年9月6日に公表しました(なぜかPDF…)。Project StellaではHyperledger Fabricを使いましたね。金融機関がDLTを使った実証実験の文脈で「ブロックチェーンは有効」という場合、ブロックチェーンを代表とするビジネス向けのブロックチェーン・プラットフォームのことを指していることが多いと思います。

     

  • ブロックチェーン全盛時代にデザインは終わったのか?

    ブロックチェーン全盛時代にデザインは終わったのか?

     シンガポールの友人と久しぶりにチャットをしていたのですが、シンガポールではクリプトが流行りでデザインが全く流行らなくなってしまったそうです。デザインは流行り廃りするようなものではないとは思いつつ、実際にはどうなのかを調べてみました。

    わかったこと

    • 2017年はブロックチェーンが飛躍した年でデザインは突き放された。
    • 日本とアメリカでは傾向が違う(アメリカではIoTよりブロックチェーンとか)
    • 普及はアメリカより日本が遅れる(ブロックチェーンの浸透速度やUXとデザイン思考のギャップ)

    デザイン思考 vs リーン・スタートアップ vs サービスデザイン

     まずは似た者同士ということで「デザイン思考」と「リーン・スタートアップ」と「サービスデザイン」の比較です。簡単に傾向を調べるにはGoogle Trendsが便利ですよね。

     デザイン思考とリーンスタートアップを比較した場合、リーンスタートアップは登場の時がピークでそのあとは徐々に減少しています。最近ではデザイン思考の方が検索ワードとして使われている。意外なのが「サービスデザイン」の検索が安定して多いこと。


    UXがデザイン関連キーワードでは圧勝

     ちなみに日本ではUXはさらに検索されています。ただUXも長期的にはダウントレンドなのが気になります。

     アメリカでも同様なんですが、UXと"Design Thinking"や"Lean Startup"の差は日本ほど大きくありません。意外なのは"Service Design"が"Design Thinking"より検索ワードとして使われていること。

    ブロックチェーンがUXを抜き去る

     日本ではブロックチェーンは2017年に入ってUXを検索キーワードで抜きました。

     ちなみにビットコインは2016年12月くらいから急上昇して、UXだけでなくブロックチェーンも突き放しています。

    JavaScript vs ブロックチェーン

     インターネットにおいて開発言語の王者はJavaScriptですね。ブロックチェーンは追い上げていますが日本ではまだまだJavaScriptの方がブロックチェーンより検索されています。

     ところがアメリカではブロックチェーンはJavaScriptを2018年には追い越しそうです。

    IoT vs ブロックチェーン

    日本においてIoTもブロックチェーンもともに上昇傾向にありますが、IoTの方がより関心がたかそうです。

    ところがアメリカだとIoTは大きな上昇トレンドではなく、IoTはブロックチェーン検索キーワードとしては抜かれています。

  • 米国証券取引委員会の暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関する声明

    米国証券取引委員会の暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関する声明

    米国証券取引委員会の見解のポイント

    • ICOにおけるトークンは「通貨」ではなく「証券」
    • 暗号化通貨/トークンが「証券」なのか使い方に依存する
    • SECはICOに反対しているわけではなく、その将来的な価値は認めている

    原文:”Statement on Cryptocurrencies and Initial Coin Offerings” by EC Chairman Jay Clayton, December 11, 2017

     世界のソーシャルメディアや金融市場は暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)について騒いでいます。富を築いた話や夢が実現した話があります。私たちは「今回こそ違う」という聞き慣れたフレーズを聞きます。

     暗号化通貨とICOマーケットは急速に成長しています。マーケットは地域的で、国家的で、国際的でこれまでにないプロダクトや参加者を巻き込んでいます。また投資家やその他の参加者に多くの疑問を投げかけています。新しい疑問、古い疑問、新しい形をした古い疑問です。

    • このプロダクトは合法なのでしょうか?投資家を守るルールのような規制の対象になるのでしょうか?このプロダクトはそのようなルールに則っているのでしょうか?
    • このような提供方法は合法なのでしょうか?プロダクトを提供するライセンスは必要ないのでしょうか?
    • このマーケットは公正なのでしょうか?価格は操られてないのでしょうか?売りたいときに売れるのでしょうか?
    • ハッキングなどで盗まれたり無くなったりする潜在的なリスクはあるのでしょうか?

     これらを含む重要な質問に答えるには深い分析が必要です。そして、答えは様々な要因によって変わってきます。この声明は主に二つのグループを対象に暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)についての一般的な見解を提供します。

    • 「メインストリート」の投資家
    • 「メインストリート」にインパクトを与えるブローカー、投資アドバイザー、取引所、弁護士や会計士などマーケットの専門家

    解説

    メインストリートはウォール・ストリートに対する言葉。ウォール・ストリートにいるプロの投資家や機関投資家、対してメインストリートは年金基金を含め投資をする一般的な人の集まり。ICOに関わる人たちは主にメインストリートなんでしょうね、こうやって最初に出てくるということは。そういう意味では弱者保護の観点でこの声明が出されていると言えなくもない。

    メインストリート投資家の考慮する点

     暗号化通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関して少なからぬ懸念が上がっています。現在の運用において私たちの伝統的な株式市場と比べて投資家に対する保護があまりなく、詐欺や操作の可能性も低くありません。

     投資家は現時点においてICOが証券取引委員会(SEC)に一つも登録されていないことを理解すべきです。同様にSECも現時点において証券取引できる暗号化通貨や暗号化通貨と関連するアセットを含む商品(ETFなど)を登録、許可をしていません。もしそうではないという人がいたら、用心深くあるべきです。

     私たちは投資家に暗号化通貨とICOに関する警告、速報、声明を送りました。中には有名人がマーケティングに関わっている件を含め。どうか、それらに目を通してください。もし投資をするのであれば、質問をして明確な答えを求めてください。役に立つ質問リストを添付します。

     どのような投資であろうと、売り手がリターンを保証したり、あまりにもうますぎる話だったり、すぐに行動を起こすように焦らせたりする場合、特に注意してください。投資したお金が消えてしまうリスクがあります。

     また、このマーケットは国境をこえ国をまたがり多くの取引はアメリカの外にあるシステムで行われていることもあります。あなたの投資は知らないうちに国外に渡っていることもあります。その結果としてリスクは増大します。例えばその国のSECのような組織が効果的に悪徳業者を取り締まることも、ファンドを回復することも難しいでしょう。

     このマーケットについて詳しく知りたい方は、下の「暗号化通貨、ICOと証券規制に関する追加議論」のセクションをよく読んでください。

    マーケット専門家の考慮する点

     私はICOは(それが証券であるかに関わらず)起業家にとってイノベーションプロジェクトなどを含み効果的に資金調達する手段だと考えます。 しかし、証券を含むそのような行為は私たちの証券に関わる法律が要求する情報公開、プロセス、投資家保護が伴わなければいけません。証券の形が変わるからといって、証券が取引される際の基本的なポイントが変わるわけではありません。したがって、法律に準拠する必要があります。別の言い方をすれば、中央で記録された伝統的な企業の利子台帳とブロックチェーンで記録された分散台帳は取引の形を変えますが、本質を変えるわけではないということです。

     私は証券取引を専門とする弁護士、会計士、コンサルタントなどマーケット専門家達に私達のレポート (21(a) Report)とそれに伴う強制措置を精査するよう強く求めます。この21(a) Reportにおいて委員会は歴史ある証券に関わる法律の原則に基づき特定のトークンは投資契約であり証券に該当するため、連邦の証券に関わる法律が適応されるとしています。特にトークンの提供は一般的な企業に対する金銭による投資とみなされ、企業的、運営的な努力によって利益が得られることが期待されます。

     21(a) Reportの発表後、自分たちが関わるICOにおいてトークンまたはコインが「証券」 ではなく「利用料」として色合いが強いと主張するマーケット専門家が現れました。多くの主張は経済的実質ではなく形式を重視するものです。トークンを「ユーティリティトークン」とよんだり、利用料としても使えるようにしても証券であることに変わりはありません。企業努力による潜在的な利益が強調されているトークンとその提供は引き続きアメリカ合衆国の法律の下においては証券としての顕著な特徴を持っています。これらの件について専門知識の適応や判断が求められるとき、私は証券関連の弁護士、会計士などの専門家がゲートキーパーとしてその職務に専念することを期待します。私は投資家保護(特にメインストリートの投資家保護)のために法、プロセス、情報開示義務にといった原則に従うことを強く希望します。

     また、私はマーケットの専門家に売り出す前にコインの販売が証券に関わる法律に該当するかどうかを確認するよう忠告します。証券を売るにはライセンス必要です。取引量の少ない商品や揮発性の高い商品の過度な売り込みは売り逃げや風説の流布など情報操作や詐欺のサインです。同様にこれらの商品を運用するシステムやプラットフォームについても1934年証券取引所法に違反する登録のされていない交換所やブローカーでないか確認するよう注意を促します。

     暗号化通貨について私は2つのポイントを強調します。ひとつ目は暗号化通貨は証券だということです。「通貨」と呼ばれたり、「通貨ベースの商品」と呼ばれていてもです。暗号化通貨や複数の暗号化通貨を組み合わせた商品を売る場合、提供者はその暗号化通貨が証券ではないことを証明するか、証券に関わる法律に準拠しなければいけません。ふたつ目に、顧客への暗号化通貨の販売で利益を得たり証券としての取引を仲介するブローカーなどの市場への参加者はこれらの取引が反マネーロンダリング規制や身元確認(KYC)義務に違反していないか注意をする必要があります。 先に述べたとおり、私はマーケットの参加者にあたかも現金のように暗号化通貨での支払いや取引されるように扱うべきです。

    暗号化通貨、ICOと証券規制に関する追加議論

    暗号化通貨

     暗号化通貨は大まかにいって固有の価値を有するアイテム(例えば現金やゴールドのように)で、支払い、販売などファイナンシャルな取引ができるようにデザインされています。アメリカドル、ユーロ、日本円など長きにわたり確立された通貨のように機能することを意識していますが、政府や中央銀行などの後ろ盾がありません。暗号化通貨のデザインと管理は異なりますが、暗号化通貨の支持者はその潜在的な可能性と将来性について主張しています。(1) 仲介者なく国境をこえて取引ができる能力 (2) 決済のファイナリティー (3) それ以外と比べて低い取引コスト (4) パブリックに取引を確認する能力です。そのほかに個人の匿名性と政府の規制や監視のない点が暗号化通貨の機能としてよく宣伝されています。暗号化通貨に批判的な人たちはそのような機能が不正な貿易や金融取引に使われる可能性や言われているようなメリットが実際には享受できない可能性を指摘しています。

     暗号化通貨は証券ではなく、その提供と販売はSECの範疇にはないと言われています。その通説が正しいかどうかは暗号化通貨と呼ばれる特定のデジタルアセットの特徴と使用方法に依存します。いずれにしても、SECはアメリカドル、ユーロ、日本円での証券取引の影響にフォーカスしているため、同じ興味と責任を暗号化通貨にも有することは明白です。これは暗号化通貨での支払い、投資、クレジット利用を可能にする証券会社やその他の市場参加者にも適用されます。

    ICO

     暗号化通貨の大きな成長とともに、企業や個人はICOによって資金調達を行うケースが増えています。通常は個人投資家がアメリカドルのような通貨と引き換えに「コイン」または「トークン」といわれるデジタルアセットと交換によって提供されます。

     これには様々な提供形態があり、その保持者の権利と利子は大きく異なるといわれています。ICO市場に参加する人にとっての重要な質問は「このコインやトークンは証券ですか?」です。証券に関する法律家がよく知るように、答えは事実によって異なります。例えば、ブッククラブの参加を意味するトークンは証券に関わる法律の範疇外でしょうし、ブッククラブの運営者がそのファンドを使って本を購入してトークンを持つブッククラブのメンバーに提供することができるでしょう。対照的に多くのトークン提供はこのような範疇を超えて作者、本、流通ネットワークを兼ね揃えた出版社を作ることに似ています。トークンの販売者が第二のマーケットでのトークンの取引の可能性を示唆している場合は特に問題です。購入者はトークンの持つ価値が上昇する可能性を売り込まれ、その価値が上昇したトークンを第二のマーケットで売却することで利益を確定したりすることです。これは証券と証券提供の顕著な特徴です。

     全般的に見てICOのストラクチャーは証券の提供と販売とみなすことができ、証券に関わる法律に従い証券規制の必要条件を満たし投資家保護を行わなければいけません。一般的にこれらの法律は投資家に何に対して投資し、どのようなリスクがあるのかを明らかにします。

     私は証券取引委員会の法律施行局に引き続きこの分野の監視をし、証券に関する法律に反するICOを厳しく取り締まるよう伝えました。

    結論

     私たち米国証券取引委員会は資本形成の促進にコミットしています。暗号化技術やICOがベースとしている技術は破壊的であり、変革的であり、効率化を促進することが証明される可能性があります。私はフィンテックの成長が資本形成を助け、機関投資家もメインストリート投資家も同様に投資機会を提供するものだと考えます。

     私はメインストリートの投資家にその機会にオープンであることを推奨します。しかし、よい質問をして明確な答えを求めましょう。そして常識と照らし合わせて見ましょう。クライアントにアドバイスをするとき、金融商品をデザインするとき、取引に関わるとき、マーケットの専門家とそのアドバイザーは法律、規制、ガイダンスを注意して検討しましょう。証券の法律のフレームワークとなる原則は80年にもわたり新しいものに対応してきました。私はマーケットの参加者とアドバイザーに証券取引委員会のスタッフと積極的に関わり彼らの証券に関わる法律の分析に協力することを推奨します。SECのスタッフは FinTech [at] sec.gov宛てにメールをください。

    解説

    アメリカの証券取引委員会はICOに関してはかなり規制を強めています。この声明の少し前にICOを行なっていたPlexCorpsにICOを停止する緊急命令・資産凍結を発表しました。そして、この声明の同日にSECによってMuncheeもICOを阻止されました。一方でこの声明の中にあるブッククラブの例にもあるように、全てのトークン提供が証券に当たるわけではないようなので、ガイドラインの整備が急がれますね。

    なお、この翻訳は「善きサマリア人」として提供している参考訳です。なるべく正しい訳を心がけていますが、ビジネスや投資などでこの参考訳を利用することはオススメしません。本当に知りたい人は専門家に相談してくださいね。以上ディスクレイマーでした!

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  • ブロックチェーン上の最初の住民登録がクリプトバレーで行われる

    ブロックチェーン上の最初の住民登録がクリプトバレーで行われる

    原文:”First official registration of a Zug citizen on Ethereum

     2017年11月15日にプレスが見守るなか、スイスのツーク市*1にてブロックチェーン上で最初のデジタルIDによる住民登録が行われました。ツーク市はクリプトバレーとしても知られています。

     この夏にツーク市とパートナーシップを結んでからブロックチェーンに住民IDを登録するパイロットプログラムを開始しました。これにより投票や住民登録など公共サービスのデジタル化が大きく前進します。

     2017年6月からuPortプラットフォームを改善し、スイスのパートナーであるti&mとこの公式なローンチに向けて作業をしてきました。政府がブロックチェーンを使うことで市民に対してデジタル認証を提供できることを実証するとても大きな第一歩となります。

     デジタル市民は市民と政府機関との間の信頼を高めるだけでなく、公共サービスを大幅に改善する機会となります。ツーク市では2018年の春に電子投票を提供する予定です。非常にエキサイティングな時期です。

     では実際にツーク市での最初の公式な電子認証がどのように行われたかを見ていきましょう。

    ステップ1:ツーク市民はuPortアプリをダウンロードし、uPort IDをイーサリアムのブロックチェーンに登録します。この世界的にユニークな識別子はパブリックアドレスになります。パブリックアクセスはuPort Proxy Contractと呼ばれるスマートコントラクトです。

    イーサリアムブロックチェーンにIDを入力した後のuPort IDホームスクリーン

    ステップ2:QRコードをスキャンすることで新しく登録したuPort IDを使ってツークデジタルIDのウェブポータルにログインします。

    QRコードをスキャン

    ログインリクエスト

    ステップ3:ツークデジタルIDでログインした後に個人情報と既存のツークID番号を入力します。個人情報はまだ未確認のuPort IDから登録されているため、ツーク市役所での対面による個人確認が必要になります。

     

    完了ステップ

    ステップ4:登録した人は14日以内にツーク市役所のレコードオフィスで公式なIDを持参して登録を確定します。

    完了画面

    ステップ5:レコードオフィスではツーク市の職員がuPort IDを使用して管理ポータルにサインインします。承認されればuPort IDに市民としてのデジタル証明が発行されます。このデジタル証明はツーク市により公式に認められ、ツーク市の市民であることが公式な証明となります。こちらがそのプロセスをまとめたビデオです。

    vimeo.com

     これはイーサリアムコミュニティーにとっても重要なイベントです。ここ2年間に力を入れてきたことが実現しはじめています。uPortで技術的知識に関係なくすべての人がブロックチェーンIDを利用できるようにするために使いやすさの向上に努めてきました。

     ツーク市とのパートナーシップは自己管理ができる真にグローバルなIDシステムの実現に向けた大きな第一歩です。そして、その最初の日を迎えられたことにとても興奮しています。

    解説

    インターネットはデータのネットワーク。ブロックチェーンは価値のネットワークです。ブロックチェーンを中心とした新しい波をWeb3.0と呼ぶのはこの大きな違いのためです。

    価値をネットワークでやり取りするわけですから、送る先が本当に本人なのかという認証はすごく大事なんです。ただでさえ「振り込め詐欺」みたいなことがあるわけですから。企業だけでできることではなく、行政や金融機関などを巻き込んでいかなければいけません。DIFのような標準化団体もできてきています。

    uPortはそんなブロックチェーンの個人認証でも最先端を走っている企業の一つです。クリプトバレーと言われるスイスのツーク市で最初のブロックチェーン上の住民登録を実現したのはさすがとしか言いようがありません。この記事は具体的な方法を説明したブログ記事”First official registration of a Zug citizen on Ethereum“の翻訳です。

    カタパルトスープレックスなかむらかずや

    関連記事

     

    *1:スイスのツーク州の基礎自治体。税率が低いために多くの多国籍企業が本部を置いている。最近はクリプトバレーとして 知られている。

  • 電気自動車とビットコイン共通点の問題|カタパルト式アンリーディング

    電気自動車とビットコイン共通点の問題|カタパルト式アンリーディング

     最近、このカタパルト式スープレックスで集中的に取り上げているのが電気自動車とブロックチェーンです。この二つを調べていくと共通点があります。それはビットコインも電気自動車も電気を食うということです。

    ビットコインも電気自動車も電力を食う

    ビットコインの場合

     ビットコインを運営するにはコンピューターによる計算が必要です。つまり、そのコンピューターを維持するための電力が必要です。これが莫大な電力消費量となっています。ビットコインを国だとすると世界で62番目に電力消費量が多い国(デンマークとセルビアの間)ということになります。イギリスの全電力消費量の10%くらい。ビットコインはヨーロッパの20の国より多く電力を消費しています。

     当然ながら、この問題を解決しようとする動きがたくさんあります。マイニングをもっと効率化する方法や、マイニングが必要ない方法が模索されています。イーサリアムのキャスパーから導入がはじまるPoSやIOTAがそれです。IOTAでは計算処理はエッジで行われるため、大規模なマイニング施設は基本的には必要なくなります。

    電気自動車の場合

     電気自動車もガソリンやディーゼルエンジンと比べて環境に優しいというイメージがあります。電気自動車自体は環境ガスを出しませんが、その動力となる電気は発電所で作られています。電気自動車の普及でイギリスでは全体で15%、ピーク時で最大40%の電力消費が増えると考えられています。テスラのトレーラーも当然ながら電気がたくさん必要になる。

    IEA(国際エネルギー機関)が11月に発表した年次報告書「世界エネルギー展望(World Energy Outlook)」の2017年版は、2040年に世界のEV保有台数は2億8千万台まで膨らむと予測している(現在の世界の自動車保有台数は約13億台)。 そして、日量250万バレルの石油消費の削減効果があるとしている。だがこれは、日量9200万バレルという現在の世界の石油消費量の3%にも満たない。

    電気自動車は石油消費を減らせない?』石油経済研究会 大場 紀章

    ビットコインと電気自動車に共通する電気の問題

     電気自動車が本当の意味で環境に優しくなるためには、発電、送電と配電、電気の再利用、モビリティーの再定義のといった複数の解決が求められるでしょう。

    「発電」は太陽光発電や風力発電などの環境に優しい発電へのシフト。まあ、これはわかりますよね。

    「送電と配電」は環境に優しい発電方法がきちんと供給網に乗ること。電気は作っただけではダメで、ちゃんと家や工場に届けないといけない。その供給網の問題。ソフトバンクの孫さんが問題視しているのはこの部分ですね。エネルギーの事業者がクリーンエネルギーで参入しても送れなければ意味がない。

    「電気の再利用」は作った電気をちゃんと使い切ること。無駄をなくすこと。使ってない電気をバッテリーに貯めたり、それを近所に売ったりということです。以前に掲載したブロックチェーンによるIoT事業にはそういう意味があります。ブロックチェーンは電力のシェア経済にも役に立てる可能性があります。

    「モビリティーの再定義」とはクルマの所有から共有への移行を意味しています。そもそも消費量を下げることもできるのではないかということです。クルマの自動運転が普及すればクルマを運転する意味が大きく変わります。以前にインタビューで紹介したフランスのBlaBlaCarは個人に所有されたクルマの共有でした。Uberも基本的にはそうですよね。

     でも、クルマが自律的に動けるスマートマシンになればクルマが必要とする人を見つけて行きたい場所へ運ぶことができます。そうすればクルマの需要は最適化されて必要なクルマの台数も最適化されると想像できます。

     また、電気ではないエネルギーの利用も検討すべきなのでしょう。小型車での水素燃料は燃料のサプライチェーンを考えると普及には時間がかかると思いますが、電車や長距離輸送のトラックやトレーラーなどには使えるのではないでしょうか。

     アンリーディングはインプット [reading] に対するアウトプット [unreading] の意味で使っています。カンファレンスに対するアンカンファレンス。コーディングに対するデコーディングのようなもの。カタパルト式スープレックスの造語です。英語のアンリーディング [Unreading]はそのままの意味だと「読まないこと」という意味になります。

     このブログのためにいろんな本や情報を読みます。その中で有用だと感じた記事については翻訳して紹介しています。たくさんのインプットがあると、それを咀嚼してアウトプットとしても出したくなってきます。

     なんでカタパルト式スープレックスでコレらの記事を翻訳して出したのか。その思考をアンリーディングとして解説していきます。