Notionに会議メモを書く。プロジェクト資料をまとめる。社内ルールを残す。記事や調査資料を保存する。Notionを、情報をためる場所として使っている人は多いでしょう。
ところが、ページが増えるほど、別の問題が出てきます。
どこに書いたか分からない。長いページを読む時間がない。会議メモは残っているものの、決定事項や担当者が整理されていない。データベースには情報が並んでいるだけで、傾向までは見えない。
そこで役立つのがNotionのAI機能です。
文章の下書きや要約だけでなく、会議の記録、社内情報の検索、データベースの整理、レポート作成、ページやタスクの作成まで、AIに任せられる範囲は広がっています。
NotionでAIを使うとは、文章を書かせることだけではありません。ためたページやデータベースを、探しやすく、整理しやすく、次の仕事に使いやすい状態へ変えることです。
この記事では、NotionでAIを使い始める四つの入口と、代表的な10のユースケースを紹介します。
目次
※本図は2026年時点の公開情報をもとに、代表的な機能と実現方法を整理したものです。複数の方法で実現できる利用例もあり、機能名、提供状況、対象プランは変更される場合があります。
NotionでAIを使い始める四つの入口
インフォグラフィックでは、NotionのAI活用を機能や実現方法によって五つに分類しています。一方、ここでは製品体系をそのまま説明するのではなく、利用者がどこから始めるかという観点から、四つの入口にまとめます。それぞれには重なる部分があります。
1. ページやデータベースの中で書く・整える
最初の入口は、開いているページやデータベースの中でAIを使う方法です。
箇条書きから文章を作る。長いページを要約する。文章を短くする。表現を整える。翻訳する。データベースの項目に要約やタグを自動入力する。こうした作業から始められます。
完成した文章をゼロから作らせるだけでなく、すでにNotionにあるメモや資料を、読みやすく再利用しやすい形へ整える使い方です。
2. Notion内外の情報を質問して探す
二つ目は、Notion AgentやEnterprise Searchを使い、Notionを社内情報への質問窓口にする方法です。
「経費精算の申請期限はいつか」「前回の価格改定は、なぜ実施したのか」「先週の会議で、自分が担当することは何か」のように質問します。
ページ名や保存場所を覚えていなくても、Notion内の情報から回答を探せます。AI Connectorsを設定した環境では、Slack、Google Drive、Jiraなど、接続済みのサービスも横断して検索できます。1
3. Notion AgentやCustom Agentsに作業を任せる
三つ目は、情報を探すだけでなく、ページやデータベースの作成・更新まで任せる方法です。
Notion Agentには、複数の資料を読ませ、企画書を作る、PDFやCSVを整理してデータベースにする、プロジェクト情報から週次報告を作る、といった複数工程の作業を頼めます。Notion Agentは、原則として利用者本人と同じアクセス権限で動きます。2
繰り返し発生する仕事には、Custom Agentsを使う方法もあります。決まった時間にレポートを作る、Slack上の出来事をきっかけに処理を始める、Webを調べてNotionを更新するといった動かし方ができます。3
4. 自動化ツールや外部AIとつなぐ
四つ目は、Zapier、Make、n8nなどの自動化ツールや、外部AI、API、MCPを使ってNotionを他のサービスとつなぐ方法です。
フォーム回答や会議記録をNotionへ保存する。外部システムの更新に合わせてデータベースを更新する。ClaudeやCursorなどの外部エージェントをNotion上の仕事へ参加させる、といった使い方があります。
External Agentsは、外部のAIエージェントをNotion内の共有画面で扱う仕組みです。2026年7月時点ではClaudeとCursorが対象で、ベータ版として段階的に提供されています。外部AI側からNotionを読み書きするMCPとは別の仕組みです。4
2026年7月時点では、Notion Agent、AI Meeting Notes、Enterprise Search、主なAI Connectorsなどの本格利用はBusiness・Enterpriseプランが中心です。Free・PlusプランでもAI機能を試せますが、利用回数には限りがあります。AI Meeting Notesはベータ版です。Custom AgentsはBusiness・Enterprise向けで、継続的な実行には別途Notionクレジットを使用します。356
今回、公開情報から整理した42の利用例では、31件をNotionの標準機能から始められる例として分類しました。一つの利用例を複数の方法で実現できる場合もありますが、まず標準機能を試し、足りない部分だけを外部連携で補う順番が現実的です。
まず試したいNotionの標準AI機能
NotionでAIを初めて使うなら、すでにあるページを一つ選びます。
最も試しやすいのは要約です。長い企画書、会議メモ、調査資料を開き、結論、重要な根拠、確認が必要な点をまとめてもらいます。資料を別のAIへコピーする必要はありません。
次は文章作成です。白紙からすべてを書かせるより、箇条書きのメモを渡し、読みやすい社内文書へ整えてもらうところから始めると使いやすいでしょう。
会議が多い人にはAI Meeting Notesが役立ちます。会議内容を文字に起こし、要点や次の作業をまとめます。保存先のデータベースと要約形式をあらかじめ設定すれば、会議記録を同じ場所、同じ構成で残しやすくなります。6
データベースを使っているなら、要約、重要点、分類用のタグなどをAIで自動入力する項目を追加する方法もあります。保存した記事、顧客メモ、調査資料などを、ページを開かなくても一覧から把握しやすくなります。
Agentや外部サービスを組み合わせると何が変わるか
ページ内の文章作成や要約、検索は、Notionの標準AIだけで始めやすい領域です。
Notion Agentを使うと、複数の資料を読み、内容を整理し、新しいページやデータベースを作るところまで進められます。プロジェクトの状況を週次報告にまとめる。PDFやCSVから必要な情報を抜き出す。回答を受け取るだけでなく、Notion上で作業を進めてもらえます。
外部サービスの更新をきっかけに継続して動かす場合は、Custom Agents、自動化ツール、APIやMCPなどが候補になります。
たとえば、新しいURLが追加されたら内容を要約する。毎週決まった時間に市場情報を調べてレポートを作る。Slackに届いた要望を分類する。会議ツールで作られた記録をNotionへ保存する、といった使い方です。
最初から技術的な仕組みを選ぶのではなく、まず「何をきっかけに、どの情報を使い、Notionで何を作りたいか」を決めます。そのうえで、Custom Agentsで足りるのか、自動化ツールやAPIが必要なのかを判断します。
会議を文字に起こす前に参加者へ伝える
AI Meeting Notesを使う場合は、会議を録音・文字起こしすることを参加者に伝え、全員の同意を得ます。
社外の人が参加する会議や、個人情報、顧客情報、機密情報を扱う会議では、会社のルールも確認してください。6
AIの回答は元のページで確認する
AIが作った要約や検索回答は、必ず正しいとは限りません。
重要な数値、日付、担当者、契約条件、社内ルールについては、元のページや資料を開いて確認します。AIの回答だけを結論として使うのではなく、確認すべき情報を早く見つけるために使うのが安全です。
Notion AgentやCustom Agentsにページやデータベースを作成・更新させる場合も、最初は対象を限定します。重要なページの更新や、削除につながる操作は、人が内容を確認してから進めます。
外部サービスを接続する場合は、そのサービスやエージェントがNotionのどのページ、データベース、外部ツールを読み書きできるのかも確認してください。
NotionでAIを活用する10のユースケース
ここからは、NotionでAIが役立つ代表的な10の仕事場面を紹介します。すべてを試す必要はありません。自分の仕事で時間がかかっている場面を一つ選んでください。
1. 箇条書きのメモから社内文書を作る
分類:文章作成・編集|始め方:ページ内のAI機能から試せる
伝えたい内容を箇条書きで書き、案内文、会議のアジェンダ、企画の説明文などに整えます。人が要点を決めてからAIに文章化を任せると、意図から外れにくくなります。
2. 長い企画書や調査資料の要点をつかむ
分類:要約・整理|始め方:ページ内のAI機能から試せる
長いページから、結論、根拠、確認が必要な点を抜き出します。すべてを読む前に全体像をつかみ、詳しく読む場所を絞るために使います。
3. 会議後に決定事項、担当者、期限を整理する
分類:要約・整理|始め方:AI Meeting Notesから試せる
会議内容を文字に起こし、決まったことと次の作業を整理します。議事録を残すだけでなく、誰がいつまでに何をするのかを明確にすることが目的です。利用前には参加者の同意を得ます。
4. 社内ルールや過去の経緯を質問して探す
分類:検索・ナレッジ|始め方:Notion Agent・Enterprise Searchから試せる
ページの保存場所を探し回る代わりに、「在宅勤務の申請方法は」「この仕様を変更した理由は」と質問します。回答を読んだ後は、示された参照元を開いて確認します。
5. SlackやGoogle Driveも含めて資料を探す
分類:検索・ナレッジ|始め方:Enterprise Search・AI Connectors向け
必要な情報がNotion、Slack、Google Driveなどに分かれている場合に、複数のサービスをまたいで検索します。資料をNotionへ移し切れていない会社でも、Notionを情報探索の入口にできます。
6. 保存した記事に要約、重要点、タグを付ける
分類:データベース自動化|始め方:データベース内のAI機能から試せる
記事や調査資料を保存したデータベースに、要約、重要点、テーマなどを自動入力します。情報をためるだけで終わらず、後から比較したり探したりできる状態にします。
7. プロジェクト情報から週次報告を作る
分類:分析・レポート|始め方:Notion Agent・Custom Agents向け
プロジェクトのデータベースから、完了したこと、進行中のこと、次週の予定、問題点をまとめます。人は内容を確認し、原因の判断や優先順位の決定に集中します。
8. 外部ニュースから営業提案や記事の切り口を作る
分類:分析・レポート|始め方:Notion Agent・Custom Agents・外部AI向け
ニュースや業界記事を調べ、要約だけでなく、顧客への提案にどう使えるか、どんな記事テーマに展開できるかまで整理してNotionに残します。定期的な市場調査にする場合はCustom Agentsも候補になります。
9. 他のサービスで発生した情報をNotionへ保存する
分類:作業実行・同期|始め方:Custom Agents・自動化ツール向け
会議記録、問い合わせ履歴、フォームの回答などをNotionへ追加します。人がコピーして保存する作業を減らし、Notionを記録の集約先にできます。複雑な同期ではAPIやWebhookも選択肢になります。
10. Agentにページ作成やデータベース整理をまとめて頼む
分類:エージェント連携|始め方:Notion Agentから試せる
複数の資料を読み、要点を整理し、新しいページやデータベースを作るところまでまとめて頼みます。最初は小さな対象で試し、作成・更新された内容を人が確認します。
最初は「書く・まとめる・探す」から始める
NotionでのAI活用は、複雑な自動化を作ったり、外部AIと接続したりすることだけではありません。
箇条書きを文章にする。長いページを要約する。会議メモから担当者を抜き出す。社内情報を質問して探す。まずはそのどれか一つで十分です。
試して便利だと感じたら、同じ作業をデータベースや決まった保存先に組み込みます。毎回AIに同じ指示をするのではなく、いつもの仕事の中で繰り返し使える形にします。
それでも足りない場合に、Notion Agent、Custom Agents、自動化ツール、外部AIとの連携を検討します。
大切なのは、使えるAI機能を増やすことではありません。Notionにためた情報を、どの仕事にもう一度使いたいのかを決めることです。
まずは、最近作った長いページを一つ開き、要点を三つにまとめるところから試してみてください。
