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  • 『ジョン・ウィック:コンセクエンス』映画レビュー|壮絶なアクションの完結編

    『ジョン・ウィック:コンセクエンス』映画レビュー|壮絶なアクションの完結編

    『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は、キアヌ・リーヴス主演の大ヒットアクションシリーズ『ジョン・ウィック』の第4作にして最終章です。本作は、前作『ジョン・ウィック:パラベラム』で広がった物語の方向性に決着をつけ、主人公ジョン・ウィックの旅路を終わらせる重要な作品となっています。

    シリーズの代名詞とも言える「ガンフー」と呼ばれる銃撃戦と格闘技を融合させたアクションは健在ですが、今回は新たなキャラクターや多様なアクション要素が加わり、さらにスケールアップした仕上がりです。

    あらすじ|ジョン・ウィックが迎える最後の戦い

    前作の事件を経て、裏社会の秩序を司る組織「ハイテーブル」との戦いに追い込まれたジョン・ウィック。彼は自由を得るため、ハイテーブルとの最後の決着に挑むことを決意します。

    その過程で、盲目の暗殺者ケイン(ドニー・イェン)、謎のバウンティハンター「ミスター・ノーバディ」(シャミア・アンダーソン)、そして旧友であるシマヅ・コウジ(真田広之)といった多彩なキャラクターと交錯していきます。それぞれの思惑が絡み合い、壮絶なアクションとドラマが展開します。

    テーマ|「因果応報」に向き合う物語

    本作の中心的なテーマは、タイトルにも含まれる「コンセクエンス=因果応報」です。
    ジョンの行動がもたらす結果や代償、そして彼を取り巻く人々が選択する道が、物語全体を支えています。復讐のために動き続けてきたジョンが、自身の人生にどのような決着をつけるのかが描かれています。

    これまでシリーズで扱われてきた「復讐」というテーマに加え、今回はそれを超えた「報い」と「解放」が強く感じられる内容です。

    キャラクター造形|個性豊かな新キャラクターが物語を彩る

    『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、主人公ジョン・ウィックに加え、新たなキャラクターたちが物語に奥行きを与えています。特に注目すべきは、盲目の暗殺者ケイン(ドニー・イェン)です。監督のチャド・スタエルスキが提案した「伝統的な盲目の剣士」というアイデアをもとに、ドニー・イェン自身が「スーツを着たクールな男」という要素を取り入れることで、独自のスタイルが確立されました。彼のアクションは座頭市を彷彿とさせながらも、スーツ姿の現代的なキャラクターとして新鮮さを感じさせます。また、彼の動機が「娘を守るため」という設定は、キャラクターに人間味を加えています。

    シマヅ・コウジ(真田広之)も重要な存在です。剣術を駆使したアクションは、物語に和のテイストを加え、異国情緒を醸し出しています。さらに、彼のキャラクターはジョンの旧友として登場し、友情や信念といったテーマを深めています。

    また、ミスター・ノーバディ(シャミア・アンダーソン)は謎めいたバウンティハンターとして、物語の緊張感を一層高めています。彼の巧妙な行動や意図の読めない立ち回りは、物語に新たなダイナミクスを与えました。

    加えて、ジョンを追い詰める侯爵(ビル・スカルスゴード)や、ジョンに手助けをするバワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)といった既存キャラクターも重要な役割を果たしています。特に侯爵は、冷酷で計算高い策略家としてジョンに立ちはだかり、物語の緊張感をさらに引き立てています。

    映画技法|圧巻の映像美と革新的なアクション演出

    『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、映像美とアクション演出がさらなる進化を遂げています。特に撮影技術やビジュアルスタイルは、シリーズの中でも一際際立つ出来栄えです。

    撮影監督のダン・ラウステンは、ワイドアングルフレームを意識的に使用し、アクションの全体像を観客に届けることに注力しました。これにより、手ブレを抑えつつ、俳優の動きや舞台のブロッキングが際立ち、アクションシーンがよりダイナミックに描かれています。また、ARRIの大判カメラとALFAアナモフィックレンズを組み合わせることで、視覚的な臨場感を強化し、ワイドスクリーンでの壮大な映像体験を実現しました。

    ユニークなカメラワークも本作の魅力です。クレーンショットやステディカム技術、スパイダーカムによる俯瞰追尾ショットが多用され、特に俯瞰からアクションを追うシームレスなショットは、まるでビデオゲームの世界に引き込まれるような感覚を与えます。また、パリのサクレ・クール寺院の階段を舞台にした戦闘シーンでは、リアルでありながら壮大さを感じさせる映像が観客を圧倒します。

    照明面では、大胆で彩度の高い色彩を用いたハイパースタイライズなアプローチが採用されています。特に「シングル・ソース・スプリット・ライティング」と呼ばれる技法では、登場人物の顔の片側が劇的に照らされ、もう片側が暗いままになることで緊張感が強調されています。イタリアの名監督ベルナルド・ベルトルッチに影響を受けた照明設計が、本作に独特の美学を与えています。

    さらに、映像とアクションを補完する音楽も見逃せません。スタイリッシュなサウンドトラックがシーンを彩り、緊張感と疾走感を高めています。

    これらの技法の組み合わせにより、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は単なるアクション映画を超えた視覚芸術の域に達しており、観客を物語の世界に深く引き込むことに成功しています。

    まとめ|シリーズの集大成としての価値

    『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は、シリーズの集大成として見応えのある作品です。ジョン・ウィックの最後の物語は、多彩なキャラクター、進化したアクション、そして深いテーマによって力強く描かれています。

    シリーズファンにとっては感慨深い結末であり、アクション映画ファンにもおすすめできる一本です。

  • 『ジョン・ウィック:パラベラム』映画レビュー|キアヌ・リーヴスが魅せる究極のアクション

    『ジョン・ウィック:パラベラム』映画レビュー|キアヌ・リーヴスが魅せる究極のアクション

    2019年公開の『ジョン・ウィック:パラベラム』(John Wick: Chapter 3 – Parabellum)は、キアヌ・リーヴス主演の人気アクションシリーズ第3作目です。圧倒的なアクションとスタイリッシュな映像でファンを魅了してきた本シリーズ。3作目となる本作はさらなるスケールアップを図る一方で、3作目がある必然性が見えてこない作品ではありました。

    あらすじ|追われるジョン・ウィックの果てなき戦い

    『ジョン・ウィック:チャプター2』の直後から物語は始まります。暗殺者たちの掟を破り「エクスコミュニカード(追放)」の身となったジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、1400万ドルの懸賞金をかけられ、全世界の暗殺者から命を狙われます。

    ジョンはニューヨークの裏社会で命を繋ぐために奔走し、旧知の仲間ソフィア(ハル・ベリー)の助けを借りながら、生き延びるための道を模索します。物語は「ハイ・テーブル」と呼ばれる組織の掟や、ジョンの過去に触れながら、彼が生き抜くために選択する行動を描きます。

    テーマ|拡張される世界観と課題

    本作では、「ハイ・テーブル」を中心とした裏社会のネットワークがさらに掘り下げられます。ジョン・ウィックの過去や、暗殺者たちを束ねる掟がどのように機能しているのかといった背景が描かれ、シリーズの世界観が大きく広がっています。

    一方で、これらの設定がどれほど物語を深めているのかには疑問が残ります。1作目の復讐劇のシンプルさ、2作目での掟と道徳の葛藤と比べると、3作目のストーリーは「ジョンが戦い続ける」という展開が中心で、物語の緊張感や必然性がやや薄れている印象を受けます。

    キャラクター造形|ガンカタの影響を感じる緻密なアクション

    本シリーズを語る上で外せないのが、キアヌ・リーヴス演じるジョン・ウィックの存在感です。寡黙でストイックな彼のキャラクターは、最小限のセリフと身体表現で観客を魅了します。

    アクションシーンでは、ジョンが銃撃戦と近接格闘を組み合わせた「ガンカタ」スタイルを駆使する点が大きな特徴です。この戦闘スタイルは、観客に息つく暇を与えない緊張感を生み出しながら、シリーズを通して洗練され続けています。特に、本作では馬やバイクを使った新しいアクションも取り入れられ、観客を驚かせます。

    また、ソフィア役のハル・ベリーも印象的なキャラクターです。彼女が犬と連携して繰り広げるアクションシーンは、本作の中でも特に注目すべき場面で、ジョン・ウィックシリーズらしいスタイリッシュな演出が光っています。

    映画技法|アクションを極める映像表現

    監督チャド・スタエルスキの手腕は、本作でも健在です。スタイリッシュな映像美と精密に計算されたアクションは、ジョン・ウィックシリーズのアイデンティティを形成しています。

    舞台となるロケーションも多彩で、ニューヨークのネオン輝く街並みから砂漠地帯まで、場面ごとに異なる雰囲気を持つ空間が展開されます。光と色彩のコントラストを活用した演出が、アクションシーンの迫力をさらに高めています。

    一方で、アクションが続くテンポの速い構成は、観客に疲労感を与える可能性もあります。感情的な緩急をつける場面が少ないため、戦闘の連続に圧倒される人もいるでしょう。

    まとめ|三作目の意義と課題

    『ジョン・ウィック:パラベラム』は、シリーズのファンにとって満足度の高い作品であり、アクション映画としての完成度も極めて高い一作です。しかし、物語的な必然性という観点では課題が残ります。

    1作目が復讐劇、2作目が掟と葛藤を描いたのに対し、3作目は戦いの連続と世界観の拡張が中心となり、ジョン・ウィックというキャラクターの物語としての深みが薄れた印象です。とはいえ、ガンカタをベースにしたスタイリッシュなアクションや、キアヌ・リーヴスの圧倒的な存在感が、シリーズの魅力を支えています。

    今後の展開を見据えた「繋ぎ」としての役割が強調される本作。ジョン・ウィックの物語がどのように完結するのか、続編への期待が高まります。シリーズのファンはもちろん、アクション映画を愛するすべての人にとって見逃せない一作です。

    ジョン・ウィック:パラベラム(字幕版)

    • キアヌ・リーヴス

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