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  • イーロン・マスクのマリファナインタビューが(内容は)素晴らしすぎる

    イーロン・マスクのマリファナインタビューが(内容は)素晴らしすぎる

    イーロン・マスク といえばテスラやスペースXが有名ですが、他にもボーリングカンパニーニューラリンクといった面白いことをやっています。そのイーロン・マスクがマリファナを吸ったということでジョー・ローガンのポッドキャストが注目を浴びましたが、内容はイーロン・マスク が様々なことについて台本なしに率直に語った素晴らしいものです。マリファナの部分だけを抜き出して批判するのはもったいない内容です。質問に対して数秒考えて、ゆっくりとリラックスしながらも真摯に答える態度はとても好感が持てます。

    しかも映画『スペースボール』のファンだなんて、ボクはイーロン・マスクが一気に大好きになってしまいました。

    このインタビューは日本の人たちにも知ってもらいたいので、英語の内容を聞き取り日本語の抄訳を用意しました。何しろ2時30分という長丁場です。全てを翻訳できませんが、重要だと思われる部分は翻訳しました。

     

     

    火炎放射器とスペースボール

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    • 誰も反対しなかった?もちろん反対したよ。悪いアイデアだ。絶対に買っちゃダメだっていった。でも止められなかったよ。火炎放射器は20000個が4日で売れた。一個500ドル。帽子は50000個作って、100万ドルくらいの売り上げになった。
    • でも、実際には火炎放射器じゃない。バーナーにエアライフルのカバーをのっけただけ。
    • どうしたらそんな時間がある?みんなボクのことをビジネスの人だと思ってる。Wikipediaにはビジネス・マグニート *1 とか書いてあるし。でも、実際に80%の時間はモノを作ってる時間。アイデアを実現するのがエンジニア。

    トンネルを掘る理由

    • トンネルを掘る理由?ロスには16年住んでるんだよね。交通渋滞はずっと問題だったわけだ。トンネル以外の解決方法がないから、トンネルを掘ってる。成功するかどうかはわからないけど。
    • ロスからはじめて世界中に広める?なんでロスかといえば、ロスに住んでるから。それだけだよ。ロスは実際にはトンネルを掘るには最悪の場所なんだ。ものすごい書類の量。地震もあるしね。
    • でも、地震の時にトンネルほど安全な場所はないんだけどね。嵐の時に潜水艦が安全なのと同じ理由で。地面が動いてもそれに合わせて動くことができる。
    • どうやってはじめた?スペースXのエンジニアに話したらやろうということになった。ロス・アンジェルスには穴を掘るって申請した。最初は穴を掘るだけだからね。
    • トンネルの良さを理解していない人は、地上の道路の問題を理解していない。地上の道路は2Dの交通システムの上に3Dの生活空間がある。生活空間が3Dなのに交通システムが2Dだから渋滞になる。交通システムが3Dになれば渋滞は解決される
    • 交通システムが3Dになるには空飛ぶ車で上に行くか、トンネルで下に行くかしかない。空を飛ぶ車に関しては技術的には実現可能でも騒音と車を持ち上げるために必要な風圧の問題がある。トンネルは100層にもできる。

    AIについてまだ心配している?

    • AIに関しては前よりは心配していないけど、そうだね。いまは運命論者のような気分だ。
    • いまは運命だから避けられないものだとあきらめている。AIは必ずしも悪いものじゃないんだ。人間がコントロールできる範疇じゃないってだけ。難しいのはAIを兵器として活用する欲望にどう抗うかだね。機械対人間ではなく、人間対人間の兵器としてね。

    • まず理解しなければいけないのは、企業は機械と人間によるサイバーネティックの集合体だということ。そして、ボクらはその大きな集合体の枝葉だということ。そして、ボクらは集合的にAIをプログラムしている。Googleの検索エンジンみたいなもの。FacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークも同じ。

    AIと脳が繋がるニューラリンクに取り組む理由

    • AIについては人間のコントロールが効かなくなるまでそれほど時間がかからない。それが実現した世界がいいものなのか、悪いものなのかはわからない。人間がコントロールできなくなるというだけ。止めることができないなら、参加したほうがいい。そういうことでニューラリンクNeuralinkのWebサイト)をはじめた。
    • 一番いいシナリオの一つはAIが人間にとっての認識レイヤーの一つになること。現在は人間の脳とAIが直接繋がるにはバンド幅に問題がある。人間には大脳辺縁系(生命維持や本能行動、情動行動を司る)があり大脳皮質(知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司る)がある。大脳皮質は大脳辺縁系を幸せにしようとする。もしこれに三つ目のレイヤーとしてAIがあれば人間と共生関係になれる。そうなれば理論的には誰でもスーパーヒューマンになれる。
    • どれくらいスーパーヒューマンになれる?スマホのある自分と、スマホのない自分ではどっちがスマートかということ。実際に「スマホ有り自分」の方が「スマホ無しの自分」より相当賢いはず。スマホで人間のできることは大幅に向上した。スマホと人間の関係を考えれば、ボクたちはすでにサイボーグだと言える。スマホはすでに自分の一部なのだから。
    • しかし、スマホやパソコンと人間の間の情報伝達速度は遅い。すごく遅い。「デジタルの自分」と「生物としての自分」の間はすごく細い線でつながっている。これを太くするのがニューラリンク。インターフェースの問題を解決する。さらに進めばデジタルの自分のスナップショットを保存することも可能になり、生物の自分が死んだ後も生き残る。

    ソーシャルメディアの延長線としてのVRの将来

    • ソーシャルメディアは人を幸せにしていない。ルーズベルトの言う「比べると幸せは奪われる “Comparison Is the Thief of Joy”」と言うこと?そうだね。「現実 マイナス 期待=幸せ “Reality minus expectation equal happiness」とも言える。
    • ソーシャルメディアの問題は実際よりもよく見せること。そして、他人のいい写真を見てうらやましくなる。他人のソーシャルストリームを眺め続けることで、絶えず自分の期待値を変えている。
    • それがソーシャルメディアの現時点だとして、これからどこへ向かっていくと思う?リアリティーとシミュレーションのさがなくなって来ると思う。すでにシミュレーションの世界に住んでいるのかもしれない
    • もし、自分たちがシミュレーションの中に住んでいるとしたら、シミュレーションの外の世界は退屈だと思う。完成したハリウッド映画は素晴らしいけど、その撮影過程は退屈だ。グリーンスクリーンの前で演技したり。
    • VRの中で「今どこにいる?」という質問は意味がない。どこにいるかは意識の問題でしかない。

    テスラについて

    • みんなテスラについてわかってない。例えばバレーだって踊れる。他にも色々できる。
    • テスラはお金で買うことができる最も面白いものの一つだと思う。テスラは究極的にはクルマじゃない。楽しくすること。アタリのエミュレーターでミサイルコマンドのゲームをやったりね。トラックボールは使いづらいから、タッチスクリーンにする。
    • サンフランシスコでの居眠り運転のビデオが有名だが、最近ソフトウェアをアップデートして、ハンドルから手を離したら徐々に減速して停車し、ハザードランプを点灯。そのあとにクラクションでドライバーを起こすように変更した。
    • 電気自動車はもっと効率的にならないといけない。一回の充電でもっと遠くまでいけるようにならないと。今の技術でもできるけど、コストが高すぎる。
    • Fiskerの車がハリケーンで爆発した。バッテリーは燃えやすいけどテスラは大丈夫?テスラのバッテリーは防水だから大丈夫だよ。
    • 電気自動車はガソリン車より反応が早いし、精密な動きができる。それがエンジンとモーターの違い。プリンターや医療機器にガソリンエンジンではなく電気モーターを使うのはそのため。雪道でスリップしてもちゃんとコントロールができる。スリップする前にコントロールするけど。

    持続可能なエネルギーについて

    • トンネルの他にも垂直離着陸機(VTOL)についても新しいアイデアがある。でも、電気飛行機は電気自動車と比べて優先順位が低い。持続可能なエネルギーはとても優先順位が高く、だからこそ電気自動車が必要になる。
    • 地上から炭素を掘り出して空中に放出するのは歴史上最も馬鹿げた実験だ。あまりにも多くの産業があまりにも多くの化石燃料に依存している。全ての自動車を電気自動車に置き換えるのに25年はかかる。
    • テスラが作っているソーラータイル?これまでのソーラーパネルと違って屋根と同化してるんだ。一般的な家庭に必要な少なくとも1/2の電力を賄うことができる。電力を使うのはエアコン。だから、エアコンの使い方に依存する。
    • エアコンは作らないのか?ふふふ、将来のことについては言えないね。うーん、いいアイデアかも。

    イーロン・マスクにとって難しいこと

    • 会社を経営するのは難しい。特にテスラは。クルマ会社を経営するのは難しい。アメリカのクルマ会社で破産しなかったのはフォードとテスラだけ。
    • 例えばテスラの初期はロータスエリーゼを電気自動車に改造すれば大丈夫と考えてた。でも、それは間違っていた。結局、既存の自動車部品で使えたのは7%以下。あとは全て作り直さなければいけなかった。

     

     

    *1:X-Menの登場人物

  • 書評|統計ではわからない「なぜ」の科学|”The Book of Why” by Judea Pearl【2018年夏休み読書週間】

    書評|統計ではわからない「なぜ」の科学|”The Book of Why” by Judea Pearl【2018年夏休み読書週間】

    ビジネスの現場ではデータを読み取って「なぜそうなるのか?」を考えたり、話し合ったりする場面は多くあります。知りたいのは「広告を出せば売上が伸びる」とか「この薬を飲めば風邪が治る」といった単純なことです。でも、これまでの統計学ではなかなかそこまで踏み込んだことは言えませんでした。

    また、データを理解することは人工知能やそれを実現する機械学習にとっても重要です。データの相関関係だけでなく、「なぜ?」を理解する人工知能は実現するのでしょうか。相関関係だけでなく、因果関係がわかることで、人工知能にどのような影響があるのでしょうか?

    今回紹介するジューディア・パールの”The Book of Why”は「なぜ?」の学問である因果推論(Causal Inference)を紹介する本です。

    The Book of Why: The New Science of Cause and Effect

    The Book of Why: The New Science of Cause and Effect

     

    [:contents]

     

    この本では伝統的な統計学と因果推論の歴史的な成り立ちと、どのように様々な課題を解決してきたのかを解説します。例えば因果推論の源流となる「パス解析」が伝統的な統計学から長い間無視されてきたことなど。

    統計では「相関関係と因果関係は違う」と言われます。統計では「AとBは相関関係がある」とはいえますが、十分に「Aが原因でBが起った」とは言えません。もちろん、因果関係を説明しようとする試みはありました。重回帰分析とか回帰不連続デザインとか様々な手法が統計学の延長として生まれました。そして、これらはデータ解析ソフトを使えば簡単に計算できます。相関係数(AとBがどれくらい強い関連性があるか)くらいならExcelでも出せます。しかし、この本でジューディア・パールは重回帰分析は因果推論として不十分だと言っています。

    日本で出版されている因果推論(Causal Inference)に関する書籍を読むと、因果推論は伝統的な統計学の延長線上にあるように説明されていることが多いです。「介入」や「反事実」など因果推論の用語も使っています。しかし、ジューディア・パールがこの本で紹介する因果推論は伝統的な統計学とは違うものです。日本で出版されている因果推論に関する書籍を読む時にこの点は注意したほうがいいと思います。

    伝統的な統計学でできること、できないこと

    例えばある種の都市伝説として有名なデータ分析の事例で「男性はオムツとビールを一緒に買う傾向にある」があります。しかし、「ビールを買う原因はオムツを買うこと」とは言えません。統計では「なぜビールを買う時にオムツも買うのか?」の質問には答えられません。

    比較テストをして原因を特定する方法もあります。WebでやるA/Bテストなんて代表的な例ですよね。AとBの結果を比較して、Aのほうが良ければAを採用する。このようは比較テストは聖書の時代から行われていて、新しい手法ではありません。統計ではランダム化比較試験といいます。WebのA/Bテストならデータが取れるからいいのですが、多くの場合はデータが取れませんし、バイアスの可能性も排除できません。つまり、一般的に適用するには不十分な手法です。

    喫煙が肺がんの原因と証明するのも伝統的な統計学では時間がかかりました。伝統的な統計学でのランダム化比較試験が因果推論の手法として有効ならば、喫煙と肺がんの因果関係はもっと早く認められていました。推計統計学を確立したロナルド・フィッシャー自身も喫煙と肺がんには因果関係はないと強固に主張してきました。フィッシャーの主張を要約すると以下になります。

    「喫煙と肺がんに相関関係はあるが、喫煙は肺がんの原因とは言えない。なぜなら、肺がんになる原因となる遺伝子があり、その遺伝子を持つ人はタバコを吸う衝動が生まれる可能性がある」

    因果推論が解決できること

    ジューディア・パールの提唱する因果推論は、伝統的な統計学が解決できなかった多くのことを解決することができます。ジューディア・パールの提唱する因果推論を非常に簡単に要約するとモデル(因果ダイアグラム:Causal diagram)とデータで因果関係をよりよく理解できる手法です。伝統的な統計学はデータだけで因果関係を描くモデルがありませんでした。

    この本では因果ダイアグラムを描くためのツールも紹介していて、それぞれどのような統計学的な課題を解決できるのかを説明しています。例えば「モンティ・ホール問題」という有名なパラドックスがあるのですが、これも因果ダイアグラムで説明ができます。この他にも「シンプソンのパラドックス」など因果ダイアグラムで解説しています。

    また、統計的手法に関して「オーバーコントローリングの問題」や「交絡」の問題を因果ダイアグラムの手法(バックドア、フロントドア、Do演算子、Do計算法など)がどのように解決するのかも解説しています。

    この他にも「反事実」の検証方法などが紹介されています。構造方程式モデリング(SEM)をどのようにノンパラメトリックに取り込むのかなど。この辺りは本の後半になるのですが、流石にボクもこの辺りになるとついていけなくなりました。前半も完全に理解できたかかなり怪しいものですが。

    「なぜ?」が理解できる人工知能は生まれるか?

    ジューディア・パールは人工知能においても第一人者で、機械学習の一種であるベイジアンの発展に大きく寄与してきました(機械学習の種類に関してはペドロ・ドミンゴスの”The Master Algorithm”参照)。

    www.catapultsuplex.com

    では、因果推論は人工知能にどのような影響を与えるのでしょうか?「答えはデータの中にある」と考える人は多いが、そうではないとジューディア・パールは言います。「なぜ?」に答えるにはデータだけでは足りない。答えは人間や仮説検証を繰り返す機械学習が生み出すモデルが必要になります。

    ジューディア・パールによれば因果推論を人工知能に取り入れるメリットの一つにトランスポータビリティーがあります。例えば広告の効果をニューヨーク、ロスアンゼルス、ボストン、トロントで計測したとします。そのデータでアーカンソーでの広告効果を予想できるか?という問題です。ジューディア・パールによればアーカンソーのデータがなくとも因果推論を使うことで選択バイアスを排除して因果関係を分析することが可能になるそうです。

    また、強いAI(人間の脳と同じ能力を持つ人工知能)は因果関係を理解できなければいけないそうです。現在、チューリング・テストで50%以上の確率で人間だと信じ込ませたプログラムはありません。

    どのような人にオススメか

    まず、ここまで読んで興味を持てた人にはオススメできます。特に人工知能やデータ分析に携わる人は読む価値があります。データを使ったマーケティングに携わる人も同様です。この書評では「因果推論とは?」という大きな幹の部分については触れていません。むしろ枝葉の部分だけです。この枝葉の部分の解説を読んで面白いと思った人は、是非この本の幹の部分を読んで見てください。

    この本は文系の人でもわかるように咀嚼されていますが、それでも数式やダイアグラムが多く出てきます。数字やロジックにがキライな人にはオススメできません。ある程度、統計の知識があったほうが読みやすいと思います。読んで見たいけど統計がわからない!という場合は『マンガでわかる やさしい統計学』などで基本的な統計の知識を持ってから読む方がいいと思います。

  • シリコンバレーから見たクルマの自動運転

    シリコンバレーから見たクルマの自動運転

    ソース:a16z Podcast: Self-Driving Cars — Where Are We, Really? by a16z

    ざっくり言うと

    • a16z Summitsの自動運転のセッションサマリー。モデレーター:Frank Chen(a16z)、パネル:Qasar Younis, CEO of Applied Intuition、James Wu, CEO and co-founder of DeepMap、Taggart Matthiesen, head of product at Lyft
    • 自動運転のクルマはいつ実現する?
    • 何が実現を遅らせる?
    • 利便性と安全以外にクルマの自動運転のメリットは?何が変わる?

    自動運転のクルマはいつ実現する?

    • 2、3年という近い将来ではない。メジャーなOEM(いわゆる自動車会社)がレベル4の自動運転のクルマを出荷すると発表しているタイムラインは2020年、2021年。ただ、13年もかからないとは思う。
    • 少しづつイノベーションが起きて徐々に自動運転に近づいていく。

    参考:

    • トヨタの例で言えばOEMがトヨタで完成品としてのクルマを作る会社。Tier 1サプライヤーがデンソーとかアイシン精機とか。その下にTier 2以降のサプライヤーが存在。
    • 自動運転の定義(Wikipedia)レベル4は高度自動運転でレベル5は完全自動運転

    何が実現を遅らせる?

    • レベル4やレベル5を大規模で実現するには経済的なメリットがまだない。例えば雪の日や雨の日の対応や地域的に制限がある地域などをどのようにカバーするか。
    • インフラの問題が大きい。ソフトウェアなどのインフラがまだ整備されていないのと、実際のプロダクトのリリースをするインフラも準備ができていない。
    • 人材不足が深刻になる。特にロボティック分野の人材。

    利便性と安全以外にクルマの自動運転のメリットは?何が変わる?

    • 犯罪発生率は下がる。クルマは移動センサーのようなものだから、犯罪の監視には最適。
    • 不動産の価格に影響する。これまで駐車場に必要だった土地が、住宅のために使うことができる。
    • Tier 1のサプライヤーよりもクルマに関連する既存のソフトウェア企業にとって壊滅的なダメージを与える可能性がある。既存のソフトウェアサプライヤーにとっては危機だし、新しいプレーヤーにとっては機会となる。
    • クルマの自動運転によって時間の無駄が削減される。浮いた時間をどのように使うのかが機会となる(Netflixのようなパーソナライゼーション)。
    • クルマのリモートコントロールのサービスが生まれる。そのようなスタートアップがすでにいくつか出てきている。クルマが状況を把握できずに立ち往生をしているときに、何をしていいのかクルマが理解できるようにリモートから助ける。
    • データセンターのDevOpsのようになる。クルマのDevOps。B2Bでは輸送管理のシステムにおける応用は大きい。

    自動運転のクルマを進めるために自分が州知事だとしたら何をする?

    • アリゾナ州、ネバダ州、ミシガン州、フロリダ州などすでに自動運転に積極的な州がある。例えばソフトウェアのアップデート一つをとったとしても1万台ではなく100万台の自動運転のクルマを管理するというのはどういうことなのか。これはクルマだけでなくインテリジェントなロボット全般に言えること。イノベーションを阻害することなく、市民の安全も確保するにはどうしたらいいのか。
    • フィンテックに関わる銀行取引や証券取引に規制があるように、シャトルや運送など人の命に関わることに関して政府が関わる意味は大きい。
    • 政府はデジタルインフラのためにコラボレーションを促進する役目を担える。もう一つは自動運転でできることとできないことの境界線を設定すること。例えば自動運転のクルマの専用レーンを設定するとか。

    クルマの愛好家の中には自動運転に反対する人もいます。どうやってその反対に反論する?

    • これは個人の趣味嗜好の問題ではなく、社会全体で考えないといけないこと。好むと好まざるに関わらず、クルマの自動運転化は進んでいく。
    • クルマの愛好家からクルマを取り上げるわけではなく、クルマをレーストラックのようなところで運転しようと思えばできる。
    • クラシックカーが好きだったり、スポーツカーが好きな人がある日突然にクルマに乗れなくなるなんてことは起きない。この変化は徐々にやってくる。あとは、自動運転のクルマが多くなった時、安全性を考えていつまで人間が運転できるようにするかとという問題。今の時代に馬で通勤している人があまりいないのと同じ。乗馬をしたい人は乗馬ができる場所が今でもある。
    • あまりクルマの出入りがなくデータがない土地では人間が運転する必要があると思う。

    安全性の問題について。監視できるようオープンソースにすべき?ハイジャックをどう防ぐ?

    • Webと同じで問題は起きる。インフラが整うまでに痛みを伴うし、一歩下がって二歩下がることもある。
    • ここにいる誰もその答えは持っていないと思う。これは大きなチャレンジ。
    • クルマにはたくさんのデータが集まる。個人情報やデータのセキュリティーは大きな課題であり、スタートアップにとっては機会だと思う。

    soundcloud.com

    関連記事

     

  • 子供にやさしいクルマの自動運転をデザインする

    子供にやさしいクルマの自動運転をデザインする

    ハロウィーンの仮装をした子供を認識するクルマ (Google)

    原文:”Child-Friendly Autonomous Vehicles” by Leslie Nooteboom, Nov 14, 2017

     2017年11月7日にWaymo(元Googleの自動運転プロジェクト)*1がアメリカはアリゾナ州フェニックス近郊で完全自走車の公道テストを開始したことで、クルマの自動運転が主流になることが日々現実化していきます。「トロリー問題*2」以外にも多くの課題を解決する必要があります。

     現時点で多くの自動運転システムは特殊な状況に対処するのに十分な環境認識をすることができません。通常の道路利用者に関しては学習されていますが、それでも時には自動車が「フリーズロボットの問題(何をするにもリスクがある状況における対応)」を経験します。自動運転のクルマのインタラクションが安全で効率的であることを確実にするには、業界が特定のシナリオ毎に取り組んでいく必要があります。自動運転のクルマと子供との関わりはその中でも特に重要なシナリオの一つです。

     アメリカにおける子供の死亡事故の主な原因の1つは交通事故です。クルマの自動運転はこれを大幅に改善する可能性があります。しかし、子供の認識は大人とは異なるコンピュータビジョン分析とインタラクションが必要となります。この課題はまだ解決されていません。

    一般的な認識

     道路安全、交通工学、交通システムを専門とする研究者であるEleonora Papadimitriou博士は、「渡るか、渡らないか」の判断は道路の種類、交通量、交通管制から大きく影響を受けると述べています。博士は歩行者が道路を横断する上での三つの行動要素を見出しました。「リスクを取る人と最適化」、「保守的な公共交通ユーザー」と「歩行者の喜び」です。この研究は歩行者が道路で「なぜ」「どのように」行動をするのかを理解する上でとても重要な要素です。

     子供の歩行者の交通事故を具体的にみていきましょう。UAB Youth Safety LabのディレクターDavid C. Schwebel博士は同様の要因を示す研究結果を発表しました。大部分の子供の歩行者の傷害は中央ブロックと視界の悪い道路状況で起きています。事故は一般的に「ダートアウト」の状況で起きます。ダートアウトとは子供がオモチャやペットを追いかけるために何も考えずに道路に入ることです。子供が出現することを予期できる環境です。危険ではないと判断してしまう子供の判断ミスはもう一つの事故原因です。実際には安全ではないのに道路に入ってしまう。子供の脳の知覚的および認知的経験不足がこの問題の原因です。

     子供と交通の関係を見るときに、環境だけでなく人間の行動の文脈も考慮に入れる必要があることを二つの研究は示しています。

    トロリー問題の例 (Iyad Rahwan/Popular Mechanics)

    環境

     次のシナリオを考えてみましょう。ボールが通りに転がります。人間の運転手はこの状況を把握するための目を持っています。脳の後頭葉で状況を視覚的に目の前で何が起こっているのかを処理します。その結果としてボールが道路に転がっていることを理解します。

     自動運転のクルマの場合、私たちの目の機能はビジョンセンサーの品質に依存することとなります。カメラの視覚奥行きデータは環境を識別するのに十分高い能力がある必要があります。そして基本的なビジュアル処理を行わなければいけません。視覚の範囲に人がいるか、歩道はどこか、他のクルマが来ているか、視界を妨げているものがあるか、道路に転がっているあの丸い物体はなんなのか。このようなプロセスを実際に実行するためには何年もの研究が必要で、人間が環境をどのように認識できるかに徐々に近づいていっています。

     クルマのセンサーと処理能力でボールが道路に転がっていることがわかりました。次に何が起こるでしょうか?このステップで意思決定が行われます。ボールの経路を予測し、クルマの進路に入る時間を計算します。多くの計算を迅速に行う必要があります。私たちの人間の脳はニューロンのリンクを作り、その状況から子供が飛び出して来る可能性を判断します。自動運転のクルマは予期せぬ状況に対応するために訓練されなければいけません。ボールだけでなく、フリスビー、ドローンなど様々な状況が考えられます。最初の判断は不意な事象には減速することです。そして、子供が姿を現したらクルマの歩行者検出アルゴリズムによって認識されなければいけません。

    Redball Art Project (Jeremy F/YouTube)

     道路に飛び出そうとしている人が大人なのか子供なのかを判断するのも非常に難しいです。身体のサイズとそのほかの相対的な大きさを測るのは一つの方法です。James W. Davis博士が「子供と大人の歩行スタイルの視覚的分類」で説明している別の興味深い方法があります。歩幅の長さと周期の特性から93-95%の確率で大人と子供を見分けました*3。これらの研究でクルマに関して扱っている問題は子供についてだということです。

     これらはクルマのソフトウェアにとって必要であり困難な進化です。自動運転のクルマが人間のドライバーよりも安全であるためには、人間の脳の処理スピードの3/4秒以内に状況全体を理解する必要があると考えています。クルマが街の環境を理解し、子供を認識し、子供の行動を理解する必要があります。それにはコンピューターの視覚技術だけではなく身体運動科学の観点から子供を認識するスマートな方法が必要となってきます。

    子供の行動

     子供の道路での行動は大人とは異なります。同じ研究論文で、Schwebel博士は人間が交通の理解と、その状況に対応する技能がどのように発達していくのかを説明しています。大人の歩行者の事故原因は主に視界が悪い夜に歩くこと、酔って歩くこと、歩きスマホなど集中せずに歩くことです。子供は知覚能力や認知能力は大人ほど発達していません。子供の歩行者の事故で考慮すべき要因は不注意、気性、性格と社会的影響です。 この中のいくつかの要素はコンピューターから認識できるもので、NVIDIAの「co-pilot」には「不注意」を認識する仕組みがあります。視覚センサーを利用することでいくつかの子供の特性を理解することができます。

     Hugo H. van der Molen博士は1981年に「歩行者としての子供の交通への露出:事故と行動」という論文を発表しました。そこでは行動を関数とイベントダイアグラムに分割して「ソフトウェアプログラマブル」になっているところが興味深いです。考慮すべき要因とされているのは子供の個人や社会や環境といったパラメータ、そして子供の交通と行動です。この論文は道路での子供の行動の非常に詳細に解説しています。しかし、1981年に書かれたものなので道路状況は大きく異なります。私たちは自動運転も考慮に入れたこの研究の現代版が必要だと考えています。クルマの自動運転の歩行者に対する反応を分析する研究はいくつかありますが、子供に焦点を当てた研究はまだありません。

    フォードとヴァージニア工科大学によるクルマのコミュニケーションの実験 (Wired)

    反応

     自動運転のクルマがボールが近づいてくるのを認識して速度を落とし、子供を認識できるまでに発達したとします。クルマは環境と人間を理解した後にどのような行動を取るかを決める必要があります。危険な状況では緊急停止を行う必要があります。すぐに危険はないものの、子供が何をするのか完全に理解できない場合は待たなければいけません。その子供自身も何をしていいかわからずに歩道で立ち尽くしている状況もあるでしょう。もしクルマが過度に安全性を重視した設定になっていればかなり長い時間待つことになります。Berkeley AI Lab実行委員会のAnca Dragan氏はこのようなフリーズロボットの問題を「人間が最悪の行動を取る場合クルマが何をするにも事故のリスクがある」と説明しています。クルマは子供が姿を消すまで待つしかありません。

     クルマがとるべき最初の反応はより丁重なモードの変化であり、大人と比べて子供にはより慎重な対応をすることです。例えば減速する、距離を取るといった人間のドライバーの本能的な行動です。子供のためのよりフレンドリーな運転アルゴリズムを実行することとなります。

     クルマの意思決定ツリーにレイヤーを加えることは一つの方法です。子供が大人とは違う行動を取るのであれば、クルマも違う反応をするはずです。下の図では緑色は子供の場合の反応の選択肢を表しています。子供であれば二つのアクション。より注意深く運転し、子供に関するデータベースを利用して歩行者に対処する。これでより安全な環境を作り出し、子供への対応をより正確に判断することができます。

    クルマの子供に対する対応レイヤー

    コミュニケーション

     コミュニケーションは新しいチャレンジです。大人は道路規制を学び、知覚的および認知的なシステムを訓練することで交通を理解する時間がありました。子供はまだこの経験や訓練を十分に受けていません。子供はクルマの運転手とコミュニケーションすることができます。「行っていいよ」といいう手の仕草や軽いホーンは子供でも理解できます。親が子供にいいことをしたら褒め、悪いことをしたらしつけるように。上の図で青がこのようなコミュニケーションとなります。

     たとえドライバーがいなくとも子供はクルマとコミュニケーションが取れ、理解できなければいけません。それには最も基本的なコミュニケーションに戻る必要があります。子供にとって視覚と聴覚はクルマが何をするかを最も理解しやすい合図です。おそらく、クルマには特定の感情やジェスチャーを示すための顔が必要です。もしくはクルマの外部にスピーカーを加えてAmazon Alexaのような音声制御機能を持たせる。GoogleUberは歩行者とのコミュニケーションついて特許を申請しています。まだ公開されている研究は少なく、この分野はさらなる実験が必要です。

    ほほえむクルマ (Semcon)

    まとめ

     自動運転のクルマが子供のいる環境に入るには周囲の環境や子供の行動を理解する認識力が必要です。コンピュータービジョンは交差点や視界が悪い場所といったリスクの高い環境、さらには注意が散漫な傾向のある子供について十分に学習しなければいけません。クルマの反応も様々なレベルでの学習が必要です。それが安全かつ効率的なのかだけでなく、クルマの「脳」の中で何が起こっているのかを子供に伝える必要もあります。そうすれば子供はクルマの行動を理解することができます。

     最もよい方法は子供たちとのテストとフィードバックを通じてからのみ探りあてることができます。大人の設計チームやエンジニアリングチームは子供が自動運転のクルマを見て何を考えるのかを完全に理解することはできません。子供の状況にフォーカスすることで公道でのクルマの自動運転が子供のためのより良い街の環境を作り出すことに貢献することができます。

    解説

    今年6月に神奈川県の東名高速道路で夫婦が亡くなった事故は人間が運転するクルマは本当に安全なのかを考えるきっかけにもなったとても悲しい事故でした。危険運転でヒヤっとしたドライバーも少なくないのではないでしょうか。自動運転のクルマではこのようなことは起きません。物理の法則がある限り事故が全くなくなることはないでしょう。しかし、大幅に減少することはできるはず。交通渋滞の緩和にも効果がありそうです。

    もちろん、クルマを運転する楽しみもあるのでしょう。しかし、社会インフラとしてのクルマの役割を考えると安全の方が優先順位は高い。おそらくクルマの運転を楽しむのは公道では制限される社会になるのではないでしょうか。

    この記事は子供に優しいクルマの自動運転をデザインする上で考慮すべきことをを解説した”Child-Friendly Autonomous Vehicles“の翻訳です。これを書いたのはHumanising Autonomyの共同創設者でCOOのLeslie Nooteboom氏です。

    安全なクルマの自動運転を実現するためにはどのようなことを考慮する必要があるのかを理解することができます。クルマの自動運転に不安を感じる人は多いでしょうが、まずは知ることが大事だとボクは思います。

    関連記事

     

    *1:もともとGoogleが実験していたクルマの自動運転プロジェクトを親会社のAlpabetが子会社化

    *2:ある人を助けるために他の人を犠牲にできるか?という状況判断

    *3:これは2001年の研究で、小さなデータセットが使用されていました

  • 電気自動車とビットコイン共通点の問題|カタパルト式アンリーディング

    電気自動車とビットコイン共通点の問題|カタパルト式アンリーディング

     最近、このカタパルト式スープレックスで集中的に取り上げているのが電気自動車とブロックチェーンです。この二つを調べていくと共通点があります。それはビットコインも電気自動車も電気を食うということです。

    ビットコインも電気自動車も電力を食う

    ビットコインの場合

     ビットコインを運営するにはコンピューターによる計算が必要です。つまり、そのコンピューターを維持するための電力が必要です。これが莫大な電力消費量となっています。ビットコインを国だとすると世界で62番目に電力消費量が多い国(デンマークとセルビアの間)ということになります。イギリスの全電力消費量の10%くらい。ビットコインはヨーロッパの20の国より多く電力を消費しています。

     当然ながら、この問題を解決しようとする動きがたくさんあります。マイニングをもっと効率化する方法や、マイニングが必要ない方法が模索されています。イーサリアムのキャスパーから導入がはじまるPoSやIOTAがそれです。IOTAでは計算処理はエッジで行われるため、大規模なマイニング施設は基本的には必要なくなります。

    電気自動車の場合

     電気自動車もガソリンやディーゼルエンジンと比べて環境に優しいというイメージがあります。電気自動車自体は環境ガスを出しませんが、その動力となる電気は発電所で作られています。電気自動車の普及でイギリスでは全体で15%、ピーク時で最大40%の電力消費が増えると考えられています。テスラのトレーラーも当然ながら電気がたくさん必要になる。

    IEA(国際エネルギー機関)が11月に発表した年次報告書「世界エネルギー展望(World Energy Outlook)」の2017年版は、2040年に世界のEV保有台数は2億8千万台まで膨らむと予測している(現在の世界の自動車保有台数は約13億台)。 そして、日量250万バレルの石油消費の削減効果があるとしている。だがこれは、日量9200万バレルという現在の世界の石油消費量の3%にも満たない。

    電気自動車は石油消費を減らせない?』石油経済研究会 大場 紀章

    ビットコインと電気自動車に共通する電気の問題

     電気自動車が本当の意味で環境に優しくなるためには、発電、送電と配電、電気の再利用、モビリティーの再定義のといった複数の解決が求められるでしょう。

    「発電」は太陽光発電や風力発電などの環境に優しい発電へのシフト。まあ、これはわかりますよね。

    「送電と配電」は環境に優しい発電方法がきちんと供給網に乗ること。電気は作っただけではダメで、ちゃんと家や工場に届けないといけない。その供給網の問題。ソフトバンクの孫さんが問題視しているのはこの部分ですね。エネルギーの事業者がクリーンエネルギーで参入しても送れなければ意味がない。

    「電気の再利用」は作った電気をちゃんと使い切ること。無駄をなくすこと。使ってない電気をバッテリーに貯めたり、それを近所に売ったりということです。以前に掲載したブロックチェーンによるIoT事業にはそういう意味があります。ブロックチェーンは電力のシェア経済にも役に立てる可能性があります。

    「モビリティーの再定義」とはクルマの所有から共有への移行を意味しています。そもそも消費量を下げることもできるのではないかということです。クルマの自動運転が普及すればクルマを運転する意味が大きく変わります。以前にインタビューで紹介したフランスのBlaBlaCarは個人に所有されたクルマの共有でした。Uberも基本的にはそうですよね。

     でも、クルマが自律的に動けるスマートマシンになればクルマが必要とする人を見つけて行きたい場所へ運ぶことができます。そうすればクルマの需要は最適化されて必要なクルマの台数も最適化されると想像できます。

     また、電気ではないエネルギーの利用も検討すべきなのでしょう。小型車での水素燃料は燃料のサプライチェーンを考えると普及には時間がかかると思いますが、電車や長距離輸送のトラックやトレーラーなどには使えるのではないでしょうか。

     アンリーディングはインプット [reading] に対するアウトプット [unreading] の意味で使っています。カンファレンスに対するアンカンファレンス。コーディングに対するデコーディングのようなもの。カタパルト式スープレックスの造語です。英語のアンリーディング [Unreading]はそのままの意味だと「読まないこと」という意味になります。

     このブログのためにいろんな本や情報を読みます。その中で有用だと感じた記事については翻訳して紹介しています。たくさんのインプットがあると、それを咀嚼してアウトプットとしても出したくなってきます。

     なんでカタパルト式スープレックスでコレらの記事を翻訳して出したのか。その思考をアンリーディングとして解説していきます。