タグ: インタビュー

  • Netflixから学ぶコンテンツビジネス成功の秘訣|アヴェンジャーズとディフェンダーズ/スタートアップとハリウッド/ライブストリーミングの可能性

    Netflixから学ぶコンテンツビジネス成功の秘訣|アヴェンジャーズとディフェンダーズ/スタートアップとハリウッド/ライブストリーミングの可能性

    この記事はa16zによるオリジナルインタビュー”a16z Podcast: The Internet of Taste, Streaming Content to Culture“の日本語抄訳です。英文のオリジナルはSoundCloudYouTubeで確認してください。

    創業したての頃のNetflixはどんな感じだった?

    • 当時のNetflixの社員はみんなカッターと定規を持ってた。DVDを郵便で送るのに最適なサイズを計らないといけないから。
    • 創業者でCEOのリード・ヘイスティングスがすごいのは、その当時から現在のモデルを考えていたこと。ホームエンターテイメントはもうすぐインターネットで届けられると見越していた。当時はサウスパークのビデオを電子メールで送ろうとしたら、それを開くのに7日はかかっただろうからね。クレイジーだと思った。

    スタートアップとハリウッドの違いとNetflixの文化

    • シリコンバレーは量を求める。ハリウッドは質を求める。この両方で成功することは滅多にない。
    • Netflixはシリコンバレーにもハリウッドにも拠点を置いて、ハリウッドを拠点としている1000人くらいは世界最高のエンターテインメント企業だと思ってるし、シリコンバレーを拠点としている4000人くらいは世界最高の技術会社だと思ってる。それぞれ正しいし、二つの文化を混ぜ合わせようとしない。
    • このような文化は創業者でありCEOのリード・ヘイスティングスによるところが多い。誰でも発言をしていいし、そして決まったことに関して結果を出す。具体的に何をやってるのかわかんないけど、サポートするよ。そういう文化。

    年間でどれくらいのコンテンツを作る?

    • 1日に7から10くらい。だから大体年間で2000くらい。その中から今年では30本のオリジナルシリーズになって、18のオリジナル映画、35オリジナル子供向けシリーズ、19の各国独自のシリーズ。68ドキュメンタリープロジェクト。だから実際に作られるのは100くらい。
    • 幸いにしてアイデアは無尽蔵に出てくる。足りないのはそれを実行できる人。

    VCにとって気になるのは成功するスタートアップの見極め。それはコンテンツ業界でも同じですよね。成功を見過ごす(False Positive)、失敗を掴む(False Negative)をどうやって見極めますか?

    • ストレンジャー・シングス 未知の世界』のザ・ダファー・ブラザーズがいい例。彼らは若く経験もなかった。でも、素晴らしいビジョンを持っていて、その提案を聞いてすぐにシリーズになるだろうと思った。エピソードが出来上がるに成功の核心は高まった。まさかここまで大成功するとは予想してなかったが。
    • アイデアを実行に移すという意味でも、彼らはあまり経験はなかった。他人のビジョンをシリーズ化したり、ワーナー・ブラザースでゾンビ映画を作ったけど公開はされなかった。あとでそれを見せてもらったんだけど、とてもいい映画だった。ただ、素晴らしい映画体験を作るにはリソースが少なすぎた。
    • それがヒットするかどうかは公開するまでわからない。公開したあとも、徐々に口コミで広まってしばらく経ってからヒットすることもある。『殺人者への道』は2015年12月に公開された。これは作品の良さもあるけど、タイミングもよかった。ほとんどマーケティングしなかったのに口コミがすぐに広がってヒットした。Netflixの社員の中でここまでのヒットを予想した人はいないんじゃないか。

    脚本が良くても、実際の出来が悪かった場合はどうします?

    • 会社がやり直しを命じることはない。ダメだと思ったらクリエーターが自然と方向転換する。クリエーターが「これが自分のショーだ」だと言えばそれを支援する。DVDのメーリングサービス時代の学びでもあるのだけれど、人の好みはものものすごく多様だということ。当時は10万の作品があって、一日6万作品を郵送していた。
    • 失敗と言えるのは制作費と比較して十分な視聴がされなかった時。大ヒット映画『グリーンデスティニー』の続編『ソード・オブ・デスティニー』はヒットはしたけど、かかった制作費を考えると商業的に成功したとは言えなかった。

    インターネットにより嗜好の多様性がなくなってきたと言われています。みんなアメリカのハリウッド映画を見て、みんな同じ音楽を聴いて。でも、Netflixでは多様性が見られる。

    • Netflixでは両方の現象が見られる。『ストレンジャー・シングス』はすごくグローバル。アメリカの八十年代を経験した人だけでなく、全世界様々な世代が見ている。Netflixみたいなサービスがあるからあのテレビで引用されているような音楽や映画を若い世代の人たちも理解できる。
    • 一方で19カ国で独自コンテンツを制作している。その国独自の視聴者のための独自コンテンツ。この外国で製作された独自コンテンツに英語の字幕や吹替をつけて配信すると、アメリカ国内のケーブルテレビの独自番組くらいのヒットになる。アメリカでリメイクしたものより、その国独自で作ったものをそのまま字幕や吹き替えで持ってきた方がヒットする。
    • 自分がアリゾナに住んでいてレンタルビデオ屋で働いていた時、すっごくマイナーな映画は店に置けなかった。それを借りる人が通える範囲の距離にそれほどいないから。外国映画を上映している映画館も長距離バスに乗っていかなければいけなかった。コンテンツ制作者もそういうマイナー映画を気に入った人たちに別の映画のおすすめとかできなかった。アリゾナ州に住んでいる人間でそんな映画が好きなのは自分くらいなのだったから、そんな人間を製作者が探すことは無理だった。

    コンテンツ制作とスタートアップの類似性は

    • スタートアップの創業者に近いのはテレビ番組制作ではショーランナー。映画の場合、ショーランナーは脚本家を指すし、その制作にはもっと多くの人が関わる。そういう意味ではテレビ番組の制作はシリコンバレーのモデルに近い。
    • Netflixは初期からクリエイティブの自由さで評価を得た。これは現実的にそうしないと回らないという面もあった。Netflixがエンターテイメント業界に貢献できるのは「責任の自由(Freedom of Responsibility)」と言えるもの。Netflixの仕事は素晴らしい人材を探すこと。そしてその人材に必要なリソースを提供すること。その道を妨げないこと。
    • ハウス・オブ・カード 野望の階段』がNetflixの最初のオリジナル作品だったが、デビッド・フィンチャー*1との約束はパイロットなしの二つのシーズンの提供。

    技術的には録画のストリーミングだけでなくライブ中継も可能なのでは?

    • Netflixがライブ中継をやらないのはいくつか理由がある。一つはNetflixの価値はオンデマンドであるということ。ライブ中継だとその時にしか見れない。ニュースや音楽、スポーツなどライブ中継は素晴らしいし、それを提供するサービスもある。
    • スポーツ中継などの場合、権利はスポーツリーグにある。最終的な着地点であるNFL.comやNBA.comが一番いい。

    マーベル・シネマティック・ユニバースとの関係は?

    • Netflixと契約した当時のマーヴェルの経営状況は決して良くなかった。破産寸前の時もあった。『アイアンマン』も借金をして作った。『アイアンマン』はマーベル・シネマティック・ユニバースの成否を握る最大の賭けだった。
    • Netflixもその賭けに乗った。『デアデビル』『ジェシカ・ジョーンズ』『アイアン・フィスト』『ルーク・ケイジ』などすべてのフランチャイズに関する契約はいっぺんに行った。
    • 常にリスクとリワードの考え方をする。映画の劣化版しかテレビで実現できないのではないかというリスクはあった。実際にそういう事例はたくさんある。しかし、『ディフェンダーズ』というテレビ版のアヴェンジャーズはNetflixでしか見れないというリワードは大きい。
    • それぞれの作品は関連しているけど適度な距離を保っている。そのために、一つの作品で失敗しても回復可能なモデルとなっている。これは『ディフェンダーズ』と『アヴェンジャーズ』の関係にも言える。

    競合についてどう思います?

    • Amazon Primeは資金力も豊富だし将来的に素晴らしい仕事をするんじゃないかと思う。軽く見たことはない。Netflixはテレビ番組にフォーカスしているけど、Amazonはそれ以外のこともやっていて、それぞれ成功している。ビジネスモデルが違うのでAmazon自体に関するコメントは難しい。
    • Huluはハリウッドが作ったもう一つのバイヤー。バイヤーはすでに市場にたくさんいるけど、Huluのモデルは伝統的なモデルの面白い延長線上にあると思う。
    • YouTubeをみて自分たちのストリーミングモデルが行けると確信できた。直接的な競合だとは考えていない。「ひまつぶし」のマネタイズとして優れている。Facebookや他のプレーヤーが参入してもインターネットにおけるビデオ視聴のシェアを伸ばし続けている。

    soundcloud.com

    関連記事

     

    *1:映画『セブン』や『ファイトクラブ』の監督として有名

  • 世界にサービスデザインを広めるアダム・ローレンスのサービスデザイナーとしての原動力

    世界にサービスデザインを広めるアダム・ローレンスのサービスデザイナーとしての原動力

    アダム・ローレンス(Adam Lawrence)さんはサービスデザインの世界を牽引しているキーパーソンの一人です。エージェンシーの設立者というだけでなく、Global Service Jamという世界的なコミュニティーイベントを運営したり、サービスデザインの実用書『This is Service Design Doing』の著者の一人として幅広くサービスデザインを世界に広めています。今回はそんなアダムさんの日本語による貴重なインタビューとなります。

    カタパルトなかむら(以下なかむら):アダムさんは最近出版されたサービスデザインの書籍『This is Service Design Doing』に参加されているほか、Global Service Jamのようなグローバルなサービスデザインイベントの立ち上げもされています。いろんなことをやっていますが、主に何をされているのでしょうか。

    アダム・ローレンス(以下アダム):職業としてはヨーロッパで最も優れたビジネススクールの一つであるマドリッドのIE Business Schoolのサービスデザイン思考の助教授です。そしてもちろん、中央ヨーロッパを中心に活動しているサービスイノベーションと顧客体験のコンサルティングエージェンシーであるWorkPlayExperienceの創業者の一人でもあります。

    私たちの仕事のほとんどは組織(特に大きな組織)の中の人たちがうまく一緒に働けるお手伝いをすることです。それは彼らの顧客、スタッフを含めた社員、パートナーにどのように良い体験(エクスペリエンス)を提供するかに集中することです。それをどのように柔軟的、効果的、現実的に実行するかです。具体的には実際のプロジェクトに参加したり、スタッフのためのトレーニングや認定までの道筋を作ったり、仕事のためのツールなどを作ったりします。「サービスデザイン導入のサービスデザイン」とも言えますね。

    なかむら:最近出版された『This is Service Design Doing』に関連するのかもしれませんが、日本の組織が直面している課題の一つに「モノづくり」から「コトづくり」へのシフトがあります。おそらく日本企業の中で働いている多くの人は顧客中心であり、サービス思考であるべきだと考えてはいると思います。しかし、実際に変わるには「考える(Thinking)」だけではダメで、「行動(Doing)」が必要になります。行動に移す難しさについて何かお考えになる部分はありますか?

    This Is Service Design Doing: Applying Service Design Thinking in the Real World: A Practitioners' Handbook

    This Is Service Design Doing: Applying Service Design Thinking in the Real World: A Practitioners’ Handbook

    • 作者: Marc Stickdorn,Adam Lawrence,Markus Edgar Hormess,Jakob Schneider
    • 出版社/メーカー: Oreilly & Associates Inc
    • 発売日: 2018/01/12
    • メディア: ペーパーバック
    • この商品を含むブログを見る
     

    アダム:思考の変化は会議室やオフィスで座っているだけでは難しいです。オフィスから出て顧客と時間を過ごし、顧客と行動を共にして彼らが直面する課題に触れると見えてくるものが全く変わります。学術的なプロダクトとサービスの違いや、デジタルと非デジタルの違いは顧客にとって全く意味がないことに気がつきます。顧客は単に自分たちの課題を解決して欲しいだけなんです。生活に役立つ、できれば良い体験ができることが欲しいだけなんです。

    それらの問題はオフィスから出ないと発見できないのと同様に、会議室に立てこもっていては顧客の役に立つこともできません。私たちは顧客やステークホルダーのいる世界に出ていかなければいけません。プロトタイプを作り、実際の世界で試さなければいけません。そうすることで共創の「実行(doing)」が戦略立案会議よりよっぽど効果出来だとわかります。

    Global Service Jamでのマーカスさん(左)とアダムさん(右)。写真クレジット:@kirsty_joan

    人はとにかく話したがります。合意形成の中で安心感を得たいからです。しかし、イノベーションに必ずしも合意形成は必要ありません。プロジェクトの中では意見の多様性が必要な段階があって、複数の方向性を荒くても構わないので素早くプロトタイプを同時進行で作っていく必要があります。そうすることで、私たちはマネージャーへの報告やPowerPointではなく、顧客の近くにいること、現実を基にした実験の文化が成功への近道だと学ぶのです。

    なかむら:アダムさんが創立者の一人となっているGlobal Service Jamについて教えてください。

    アダム:私たちは変革の立ち上げや改善にジャム(Jamming)の方法を使います。また、組織で適切な人たちと協業する時です。これは「圧力鍋」の調理法で、通常は二日間、チームを作って素早い開発のイタレーションを行います。これには素早いゲリラ調査、速射砲的アイデア出し、エクスペリエンスのローファイ*1プロトタイピングを作って実世界に戻って検証や追加調査をします。これはテーマを知り、基本的なツールやサービスデザインのマインドに触れる素晴らしい方法です。

    私たちはこの方法がとても気に入っているので、世界中に共有したいと考えました。そして三つのグローバル・ジャム(Global Jam)をスタートしました。グローバル・サービス・ジャム、グローバル・ガバジャム(Global GovJam:公共サービスのためのGlobal Jam)、グローバル・サステイナビリティー・ジャムです。詳しくはGlobal JamのWebサイトで確認できます。

    なかむら:私たちも『デザイン+ジャパン』という日本の社会的課題をデザインコミュニティーで解決するイニシアティブを立ち上げたんですよ。次回のGlobal Service Jamに参加させていただくかもしれません。

    アダム:それは素晴らしい!

    なかむら:ところで、このような活動をどうしてやってるんですか?

    アダム:私はもともと心理学、マーケティング、プロダクト開発をやってたんですよ。あと、俳優や監督としても長年やってきました。だから、ビジネスの世界を舞台に見立てて探索してきました。そして「サービスデザイナー」と呼ばれる人たちのコミュニティーがあることを知りました。ビジネスパートナーであるマーカスと私はすでに顧客のエクスペリエンスの分野で舞台の手法を使っていました。だから、このコミュニティーと出会って自分たちのしていることを共有することは素晴らしいことでした。

    今やっていることは、人が本当にやりたかったことの実現を助けることができます。いわゆる「仕事」ではなく、他人にとっての価値を生み出し、自分もそれを楽しむことができること。だから、今やっていることをやり続けているんです。

    なかむら:「サービスデザイナー」は比較的新しい職種なので、様々なバックグラウンドの人がいて面白いですよね。ボク自身がサービスデザインのプロジェクトと呼べることをやったのはマイクロソフトでビジネスアナリストをしている時でした。アダムさんのおっしゃる通り、他人に対して情熱を持てることはサービスデザイナーの持つ資質のひとつだとおもいます。優れたサービスデザイナーになる条件ってなんだと思いますか?

    アダム:優れたサービスデザイナーは情熱と同時に批判的なものの見方が必要だと思います。問題の裏側にある課題の発見に情熱を注がなければいけません。そして、それに関わる人たちに情熱を持たなければいけません。そうすることによって耳を傾ける事ができます。そして調査、プロトタイピング、導入といった重要な活動に情熱を持たなければいけません。

    これらの活動を実行する上で、どのように人々が働き、技術がどのように使われているのか、組織がどのように変革するのかを理解しなければいけません。そして、謙虚でありつつも仮説、アイデア、プロトタイプに対して批判的な見方ができなければいけません。常にそれを壊してさらに良いものを作る姿勢が大事です。

    関連記事

     

    *1:プロトタイピングにはいくつかの段階があって、ロウファイ(Low Fidelity)は見た目が荒い簡単なプロトタイプのこと。もっと製品版に千和桁見た目のいいプロトタイプはハイファイ(High Fidelity)プロトタイプという。通常、ロウファイの前にスケッチなどでアイデア出しをする。

  • 次世代のブロックチェーンの最有力、IOTAとTangleとは

    次世代のブロックチェーンの最有力、IOTAとTangleとは

     今回から数回にわたり、ブロックチェーンに関わる海外の人たちのインタビューをお送りします。最初はIOTAとその基盤技術のTangleを初期から追いかけているブロガーのLimoことStephen Vogtさん。IOTAもTangleもまだできたばかりの技術で英語でもあまり具体的な情報はありません。ただ、そのコンセプトは魅力的でマイクロソフトをはじめとした様々な大手企業と提携しています。今回のインタビューでもう少しIOTAについて理解できればなと。

    Limo

     今回はこのインタビューに声をかけてくれてありがとう。私の名前はStephen、またはLimoです、IOTAエコシステムの中ではLimoと名乗っています。最新情報を伝えるためにThe T▲nglerというブログと、Sunday BanterというYouTubeチャネルを運営しています。初期からのサポーターとしてIOTAとIOTA Foundationをボランティアとして支援しています。

     個人的には電気技師で経済と環境地理学を学びました。そのため地球規模の生態系や経済の問題やその解決方法に関して幅広い興味を持っています。そのような興味の中でIOTAも独学で学びました。

    カタパルト式なかむら

     ありがとうございます。まずはリモさんが関わりの深いIOTAとその基盤技術のTangleについて教えていただけますでしょうか。

    Limo

     IOTAの創始者たちはブロックチェーン特有の問題だけでなく、次の進化のステップのためにもっと良いものが必要だと考えました。世界経済フォーラムで言われている「第4次産業革命」はウェブに接続され自動化されたシステムです。これが機能するための十分なバックボーンが必要です。さらには価値とデータの取引をゼロコストで行う必要があります。マイニング、取引手数料や負のスケーラビリティのようなものは無駄です。この問題をブロックチェーンではなく有向非周期グラフで解決しようとする試みがTangleです。

    カタパルト式なかむら

     ブロックチェーンとTangleの具体的な違いは何でしょうか?

    Limo

     Tangleのエコシステムのルールはシンプルです。ノード側で無視できる量の計算能力を持つ2つの他のトランザクションを確認すること、そのための計算能力を提供すること。それだけです。取引手数料はありません。ブロックもマイニングも中国や他の安い国の巨大なマイニング設備も必要ありません。

      インターネットではウェブサイトやピアは常に接続されています。しかし、IoTの場合は必ずしもそうではない。オフラインの状態がある。Tangleはメインネットに常時接続されていない「オフラインクラスター」を作成することを可能にします。情報はネットワーク接続があるときに同期されます。IoTはメッシュのような接続で様々な接続方法があります。5G、blutooth、TCPにLoRaWanのように。これをサポートするには既存のブロックチェーン以外の技術が必要でした。マイクロトランザクション、データマート、ペイオンデマンド、ストリームオンデマンド、スマートコントラクト新しいエコシステムを構築できるソリューションです。

    カタパルト式なかむら

     Limoさんの視点から見て、IOTAとTangleはどのような問題を解決すると思いますか?多くの人はブロックチェーンはコストがかかりすぎるし、パフォーマンスが悪すぎると考えています。

    Limo

     ブロックチェーンは銀行の中央集権からの解放の必要性から生まれた素晴らしい技術です。世界中で様々なブロックチェーンが運営されています。その最大のものはビットコインであり、それに続くイーサリウムなどです。イーサリウムはスマートコントラクト、Dash、ZcashやMoneroは匿名性、データストアのMaidsafeなど革新的なアイデアがどんどん生まれています。しかし(個人的には)ブロックチェーンはすでに古いエンタープライズシステムに属していると考えています。ブロックチェーンを考え出したサトシ・ナカモトはブロックチェーンがこれほど大規模なものになると思っていなかったのではないでしょうか。ビットコインもブロックチェーンもスケールしないからです。

     ブロックチェーンはスケーラビリティーの問題を抱えていると一般的に考えられています。トランザクションのためのスペースが限られており、デジタル通貨を作成する方法は高くなり続けます。使用する人が増えればマイニングの必要が増える。サトシ・ナカモトは人々の中央集権からの開放を目的としていました(と私は考えています)が、あまりに多くの人が使いすぎるとその目的が達成できません。取引の価格などサービスが高価になるという意味でビットコインやイーサリウムは伝統的な銀行とよく似ています。それだけでなくマイニングのためにの電力は環境にあまりいい影響を与えません。

     もちろん、その解決のために多くの提案がされています。IOTAとTangleもその一つです。

    カタパルト式なかむら

     IOTAとTangleはイーサリアムとブロックチェーンのように分散アプリの基盤になるのでしょうか?

    Limo

     ベルリンのスタートアップのNakamo.toがpeak.ioという新しいプラットフォームを発表した。これによってIOTA上でのトークン化が期待できる。イーサリアム上のブロックチェーンプロジェクトの多くはERC20という規格を使ってトークン化してるけど、IOTAで近い将来それができるようになる。 IOTAの開発チームはあまり多くを明かさないけど、このほかに匿名性、外部からのデータ取得をサポートするOracle、Flash Channelsなど計画している。これらのトークン化されたシステムはカラードコインにも似ている。

    カタパルト式なかむら

     IOTAとTangleはIoTで想定されるようなデバイス同士の取引を前提にデザインされています。クルマはセンサーのカタマリみたいなものだし、家もスマートスピーカーのようなスマートデバイスがたくさん入ろうとしています。自動運転が可能になったクルマはスマートカーになるだろうし、家はスマートホームになる。IoTでいうエッジでの処理がすごく大事になってきます。

    Limo

     いまのIOTAとTangleの一般的なユースケースはご近所のシェアリングエコノミーになります。10世帯あったとして、その中の3世帯がソーラーパネルを設置する。それを残りの7世帯にIOTAトークンを通じて最も安価で公正な価格でシェアするとか。その地域のフルノードサーバーその地域世帯のエッジサーバーとなって冷蔵庫や電気自動車の充電ステーションと接続してデバイスでできない重い計算を行う。デバイスの肩代わりにプルーフオブワーク(POW)を行う*1

     将来ビジョンとしてはデバイス同士の価値の取引ができるようになること。デバイスがウォレットを持つ。フルノードで動作するためにはストレージなど機器的な要求が大きい。データ量も大きくなるから、開発者はデータの一部だけを使うSwarmノードのシステムを開発する必要がある。そういうシナリオもIOTAのロードマップにはある。

    関連記事

    *1:IOTAでは参加しているノードがPOWを行う

  • GoogleでGmailを作り、Facebookの「いいね」を作ったポール・ブックハイトが語るスタートアップ

    Paul Buchheit, Fueled by Brawndo

     ポール・ブックハイトはGoogleの23番目の社員でGmailを作ったり、AdSenseのプロトタイプを作った人。Googleの有名なスローガン“Don’t be evil.”も彼の発案。Googleの後、2007年にブレット・テイラー達とFriendfeedを起業。2009年にFacebookに買収される。これがFacebookの「いいね」ボタンとなる。

     すげー!GoogleとFacebookの両方で重要なイノベーションに貢献した人ですよ!

     そんな彼の貴重なインタビューがTwenty Minute VCのポッドキャストで上げられてましたので、要点だけまとめてご紹介します。

    GoogleからY Combinatorへの関わり

    • 学生時代の90年代オハイオにはスタートアップはなかった。だからカリフォルニアに行った。カレッジを卒業してインテルに入った。でもあまり面白くなかった。全てのシステムをLinuxで作っているスタートアップがあったから、そこに入った。そこがGoogleになった。23番目の社員。
    • Googleが大きくなってもスタートアップに興味を持ち続けた。Y Combinatorのやっていることにとても興味があってメールを送った。「なんか手伝えない?」って(笑)
    • Y Combinatorのセカンドバッチから参加した。6回目のバッチで初めてエンジェル投資家としてWufooに投資した。Y Combinatorのポール・グラハムやジェシカ・リビングストンは常に起業家の側に立って考えて行動する。これはずっと変わっていない。そして小さなプロダクトに見えてもその将来のポテンシャルを見極める力がすごい。

    Gmail誕生秘話(プロダクトとカスタマー)

    • すでに既存プレイヤーがいる分野は一見するとすごく大変。Gmailの時もすでにHotmailやYahoo Mailが先行していた。ラリー・ペイジにメールシステムを作ってくれと言われた時も「マイクロソフトなんて数百人がメールシステム作ってるんだよ?マジで?」と答えた。そしたら「だから勝てるんだよ!」だって(笑)
    • 実際にローンチの時ですらGmailのチームは十二人くらい。スタートアップのようにリソースに限りがあるチームはどこかに集中しなければいけない。例え小さな規模のユーザーでもめっちゃくちゃ愛してくれるようなプロダクトにしないといけない。これが「ディープアピール」の意味。ユーザーの深くまでアピールできれば時間をかけてその輪を広げ、もっと多くのユーザーにアピールができるようになる。
    • 多くの失敗は全ての人にアピールしようとすること。ゼロから作り上げる場合、それは不可能。Gmailの最初のゴールは100人のハッピーユーザーを獲得することだった。使ってる人に電話したよ。「Gmail使ってハッピーですか?」って。そしてハッピーじゃないユーザーのところに行ってその原因を知ろうとした(この教えはAirbnbにも受け継がれます)。
    • ある人はOutlookの機能が全部欲しいと言った。君をすぐにハッピーにできそうもないなあとあきらめる。でも、ある人は一つか二つの機能を追加すればハッピーになってくれる。それならできる。そういうのを積み上げていった。もちろん、ローンチの時に全てのユーザーがハッピーだったわけではない。それでもそれなりの数のユーザーが興奮してくれて、eBayでGmail招待状が取引されたりした。

    マーク・ザッカーバーグやラリー・ペイジが持つ起業家としての資質

    • 発明をすることはハックすることと同義であることが多い。その時は悪いアイデアだと思うことも、時代が変われば正しいことになる。振り返ってみれば自然な選択でも、当時はそうではない。例えばGmailは全てをJavaScriptで作ると決めた。当時は反対する人がたくさんいた。ブラウザーが落ちるからと。実際にJavaScriptが原因でよくブラウザーは落ちた。でも十分なハッキングと実験で落ちないようになった。ブラウザーも成熟して今では当たり前になった。
    • 成功する起業家を見極めるのは難しい。でも、マーク・ザッカーバーグやラリー・ペイジに共通しているのは普通の人には持ち得ない強烈な信念。普通の人にとってはほとんど現実的ではない世界観を持っている。これはイーロン・マスクもそうだよね。彼ら以外の全てが「お前は間違ってる」と言っても、彼らは「いや、間違ってないね」と言える。普通の人はこう言った社会的な圧力に屈してしまう。
    • 信念を持つのは頑迷なこととは違う。戦術や手段に執着するのは頑迷さの表れ。正面玄関が開かない、勝手口も開かない。なら窓を破ってしまえばいい。やり方は見つければいい。一つのやり方に固執するのは頑迷さ。

    スタートアップへのアドバイス

    • メンターとしてスタートアップにアドバイスをする時はバカみたいに単純な解決策を提案する。これちょっとやってみない?って。大抵それって最悪の解決策なんだ。それでもやってみれば何かを学べる。大抵の人はすごく複雑な解決策があると思っている。でもそうじゃない。直近の課題を解決するシンプルな解決策が必要なんだ。
    • 一番危険なのはマーケットから離れること。必ずマーケットからフィードバックを受けなければいけない。
    • 一番最近にエンジェル投資家として投資したのは「害毒のないソーシャルネットワーク」と言えるもの。FrendFeedでFacebookの「いいね」ボタンとなるものをブレット達と開発したけど(ほとんどブレットだけど)、それがいい発明だったのかはまだわかってない。もちろん悪いものではないけど、ソーシャルネットワークの根本を変えるには至っていない。今のソーシャルネットワークでは他人を攻撃をした方が役に立つことを言うより目立つしクレジットが上がる。

    翻訳:カタパルトスープレックスなかむらかずや

    soundcloud.com

    関連記事

     

  • デイブ・グレイが語るソースコードとしての「線の言語」とビジュアル思考

    デイブ・グレイが語るソースコードとしての「線の言語」とビジュアル思考

     デイブ・グレイさんはアメリカで最も有名なサービスデザイナーの一人です。XPLANE創業者としてスタンフォード大学d.schoolでも使われている『共感マップ』の作成に携わったり、日本でも出版されている『ゲームストーミング』などの著者でもあります。スケッチでも有名でグラレコ本ではデイブ・グレイ風として紹介されたりもしています。

     そんなデイブさんにサービスデザインやイノベーションにおけるスケッチの役割とか聞いてみました。

    カタパルト式なかむら

     デイブさんはスケッチやドゥードゥルでも有名ですよね。共感マップもとてもビジュアルです。

    デイブ・グレイ

     私がやっているのは全てビジュアル思考(Visual Thinking)と言えるね。ビジュアル思考というのは最も基本的で普遍的な方法だと思うんだ。ビジュアルを使って探索し、実験し、考えを説明できる。ビジュアルを使うとアイデアを見える形にできる。そうすることによって他の人も理解しやすいし、共同作業もしやすくなる。

    スタンダード大学d.schoolでも使われている『共感マップ』

    「書く」ことは「描く」こと。「描く」ことも「書く」こと。作文、数学、音楽、チャート、スケッチ、ドゥードゥルといった表記は全て紙にアイデアを落とし込むという意味では同じなんだ。私はそれを「線の言語(line language)」と呼んでいる。「線の言語」はオリジナルの言語となる。表現のソースコードとも言える。それが文章でも、ドローイングでも、統計のチャートでも、インフォグラフィックや戦略の可視化やシステム思考も全てそう。


    Squiggle birds

     私は「線の言語」を全ての仕事で使う。いろんな人に「線の言語」をソースコードとして使うことを教えている。「線の言語」を使いこなすことによって複雑でぼやっとした構造化されていない問題に取り組むことができるようになる。

    カタパルト式なかむら

     日本企業はビジュアル思考があまり得意でないような気がします。

    デイブ・グレイ

     日本企業はたくさんのイノベーションツールを作り出したよ。それらはアメリカで研究され、広がっていった。例えばリーンマニュファクチャリングはリーンスタートアップになった。日本企業のA3思考(トヨタ自動車で資料を1枚のA3サイズの紙にまとめる方法)はサービスを通じた価値創造、特にクリエイティビティーやイノベーションに役立つ。まだアメリカではそれほど広がっていないけど、可能性は大きいと思う。リーダーたちがA3思考を使って創造性や革新性にフォーカスすることで実際にイノベーションが起きた現場にたくさん居合わせた経験からもそう思う。

    カタパルト式なかむら

     リーンマニュファクチャリングのカンバンもA3思考も日本企業というよりはトヨタ自動車の手法で、海外企業の方がよく研究して取り入れている気がします(笑)

    カタパルト式なかむら

     ところで、”Connected Company”が出版されてから自律的な組織が注目されるようになりました。20世紀の後半はサービスデザインでいうバックステージが注目を集めていました。例えばSCM、ERP、CRMなどです。自律的な組織もそうなのですが21世紀からはフロントステージにおける顧客体験が重視されています。

    デイブ・グレイ

     バックステージとフロントステージを考えるとき、レストランがいい例えになる。調理場がバックステージ。工場や企業の本社機能と同様にバックステージとしての調理場は効率性と生産性を上げることができる。でも、実際の創造性の問題はホールでの顧客体験がカギとなる。ホールでお客様にどのようにいい顧客体験をサービスとして提供できるか。

     バックステージはプロセスなのでリーンにできる。でも、顧客は一人ひとり違うから顧客体験といってもそのバリエーションは無限にある。パーソナライズすればするほど複雑になる。それに対応するにはフロントステージでの自律性を高めるしか方法がない。

     これはレストランに限ったことではなく、全ての産業で言えること。

    カタパルト式なかむら

     ”Connected Company”が出版された2012年と比較して企業がサービス企業”Connected Company”となる必要性は高まっていますか?

    デイブ・グレイ

     企業がConnected Companyとなる必要性は出版してから現代まで変わっていない。変わったとしたらその重要性がさらに高まったこと。企業文化は生きているんだ。私は企業文化を説明するときによく「庭」を比喩として使う。手入れが行き届いた庭は過ごしやすいし、美しい花が咲き果物が実る。行き届いた企業文化は働きやすいし、結果も出る。

    カタパルト式なかむら

     GEのような製造業もデジタルを活用したサービス化を進めています。しかし、GEは先進的な取り組みをしていますが、まだうまくいくには時間がかかりそうです。

    IoTの“手本” GEの見えない針路:日経ビジネスDigital

    デイブ・グレイ

     GEはジャック・ウェルチが経営していた頃にとても難し判断を力強く下した。彼の後の経営者はGEの企業文化をよく手入れしてこなかったんじゃないかな。ジャック・ウェルチは1990年代に「株主価値の最大化はこの世で一番間抜けなアイデアだ」と言った。彼が言わんとしたことは、株主の価値は逆算して考えるということ。顧客のニーズを優先して先に考える。企業が顧客の価値にフォーカスすれば株主の価値は自ずと高まる。顧客の価値が成長の要因であって、株主への価値はその結果でしかない。GEはどこかで道を誤って業績は停滞している。でも、正しいことを続け、顧客中心でいられれば偉大な企業に戻る。

    カタパルト式なかむら

     デイブさんは様々なプロジェクトに関わっています。最後にサービスデザインやイノベーションプロジェクトに関わる人に注意点と言いますか、「これは危険信号!」だから注意しないといけないこととかありますでしょうか。

    デイブ・グレイ

     以前のカンファレンスで話したやつだよね(笑)。次のことにいくつか当てはまるプロジェクトは要注意だ。

    • 強い抵抗勢力がいる
    • 本当にやりたいのかよくわからない
    • 実行する上での障害を取りのぞけない(インセンティブをつけたり、組織改編ができない)
    • 役員の支援がない
    • プロジェクトにかかわる人たちが十分な時間をコミットしてくれない
    • 現場や顧客と直接会話させてくれない

     イノベーションプロジェクトが成功する確率は決して高くない。だから、サービスデザイナーもプロジェクトを選んだほうがいい。これはクライアントにも言える。自社のイノベーションプロジェクトでこれが当てはまらないように準備をしたほうがいい。

    関連記事

  • ルイス・フォン・アンが語るEdTech、人工知能、CEOとしての成長

    2LuisVonAhn MGB

     ルイス・フォン・アンはCAPCHAの開発者であり、20代の時に二つのスタートアップを立ち上げGoogleに売却しています。いまは外国語を学ぶプラットフォームのDuolingoの創立者でCEOです。Duolingoも成功していて、すでに世界中で約1億2000万人が登録していて、100億円の資金調達を行いました。すげーな、マジで。

     そんな彼のとてもよいインタビューがTwenty Minute VCのポッドキャストで上げられてましたので、要点だけまとめてご紹介します。

    Duolingの誕生話

    • 自分自身は外国語は得意じゃない。
    • Googleに二つ目の会社を売却してカーネギーメロン大学で教授をしていたころ、EdTechで何かやりたいと考えていた。その時のPhDの生徒とそんな話をしていた。そして教育の中のいくつかの分野をそれぞれ考えた。
    • なんで言語教育にたどり着いたかと言えば、英語圏では外国語教育ってそれほど大きくないが、非英語圏では大きい。人口で1.2億人くらい。年間で80億ドルが外国語を習うために使われている。特に英語を学ぶことが。
    • ほとんどの人は貧困から抜け出すのために英語を学ぶが、英語を学ぶためのソフトウェアは非常に高価だった。貧困から抜け出すために高価なソフトが必要というのは皮肉な話だった。だから無料のDuolingoを作った。

    EdTechは難しいのか?

    • EdTechは大きく分けて二つある。教育するツール(教育ツール)と教育することを支援するツール(教育支援ツール)。Blackboardは教育支援ツールの代表。教育支援ツールはメインにはなれない。
    • 教育ツールはコンテンツの問題がいつも付きまとう。UGCのように簡単ではない。学びたい人と教えたい人を単につなげるみたいな単純なものでもない。
    • 更に教育は規制されている。予算も地区レベルに細かく分かれていて、州レベルに大きな予算があるわけではない。そして各地域ごとに教え方も異なる。当然ながら国ごとにも異なる。
    • 特に経済先進国では教育は無料でそのクオリティーは高い。教育ツールはその10倍よくなければいけない。
    • 単純に言えばEdTechは確かに難しい。

    人工知能がEdTechで果たす役割は?

    • Duolingoを1対1の先生と同じぐらい効果的にしたい。教育や教育心理学の世界では多くの研究がされている。もっとも有名なのはブルームの2σ問題。1対1の教育と1対nのクラスルーム教育を比べた場合、1対1の教育の方が圧倒的(2標準偏差)に成績がいいという調査結果。これはずいぶん前から分かっていて、最もいいのはすべての人に1対1の教育を実施すること。
    • 当然ながらこれではスケールしない。しかし、AIを活用すれば1対1の先生くらい効果的な教育をできるようになる可能性があると思う。そのためにDuolingoでもAIに大きな投資をしている。
    • 最近立ち上げたチャットボットもその過程的なプロダクト。チャットボットは言語教育においては革新をもたらすと思う。それは言語教育が会話の上に成り立つから。数学などは会話的でないのでチャットボットは合わないかもしれない。チャットボットでピザを注文するよりは自然。
    • 言語習得で一番困難なのは続けること。モチベーションを高く持ち続けること。学校教育は社会がモチベーションとなる。学校に行かなくなると社会と断絶してしまう。しかし個人学習ではそのような力が作用しないので、さらに困難。実際にEdTechの教育ツールでの継続率やプログラム完了率は非常に低い。1%とか2%とかそういうレベル。ゲーミフィケーションはモチベーション維持に役立つ。
    • Duolingoの継続率は非常に高い。人気のゲームと同じくらい。ユーザー登録をした55%の人は次の日も使う。普通の教育ツールは10%から15%くらい。登録して7日後の継続率(D7)は30%の後半。Duolingoの競合はゲームアプリだと考えている。人気ゲームの場合登録してから一年後の継続率(D365)は20%と言われている。Duolingoもそれくらい熱中できるものでなくてはいけない。
    • 50%までいかないまでも、かなり大きな割合のユーザーは「単に時間を浪費したくない」という理由でDuolingoを使う。『キャンディークラッシュ』で遊ぶより罪悪感がない。最初の予想は「いい仕事に就きたい」とか「海外旅行に行きたい」だったのだが。

    会社とともにCEOとして成長すること

    • これまではGoogleにすぐに売却してしまったので、ここまで会社が大きくなったのは初めての経験。
    • 最初に学んだのはマイクロマネージをしないこと。自分でやるのではなくて、チームにやる気を起こさせるのが仕事だということに気が付いた。
    • 会社をスケールするのに伴う困難のひとつは人を解雇すること。Duolingoではそれほど解雇する機会はないが、それでも解雇しなければいけない時がある。「素早く採用、素早く解雇(Hire Fast, Fire Fast)」はいいと思っていない。いま従業員は100名くらいだが、これだけ資金調達をしたのだから雇える余力はもっとずっと多い。それでも採用にはとても時間をかけている。
    • 自分の発言がほかの社員にどれくらい重いのか理解しなければいけない。規模が小さいときはみんな友達みたいなものだった。いまは何気ない一言が組織に大きな影響を与えてしまうことがある。

    翻訳:カタパルト式スープレックスなかむらかずや

    soundcloud.com

    関連記事

     

  • ティム・オライリーが語るプラットフォームの未来

    Tim O'Reilly (3)

     ティム・オライリーは技術系の人なら必ず一冊は持っているオライリーメディアの創始者で、現在でもその発言は大きな影響力を持っています。彼が新しい本『WTF!』を発売するのに合わせてa16z*1のポッドキャストでベネディクト・エヴァンスと対談をしていました。

     非常に示唆にともよい対談でしたので、要点だけ書き起こしました。英語の聞き取りに自信がある人は実際のポッドキャストを聞いてみてください。

    • プラットフォームはうまく行くこともあれば、いかないこともある。ビジネスモデルも同じ。既存のタクシー会社はアプリを使っただけでUberやLyftとの競合に勝つことはできない。アプリはビジネスモデルの構成要素の一つでしかない。基本的なビジネスモデルとそのプラットフォームを変えなければ勝てない。
    • アルゴリズムエコシステムは現在のプラットフォームの中心。アルゴリズムは何かを最適化する。Googleなら関連性を最適化するし、Facebookならエンゲージメントを最適化する。そしてフェイクニュースの論争を見てもわかるようにアルゴリズムは間違った方向に行くこともある。
    • エコシステムがどこで間違ったかといえば、IBMやマイクロソフトの独禁法違反が思い浮かぶ。両方ともテクノロジーエコシステムの企業だがいつのまにかエコシステム自体と競合するようになった。
    • 利益の最大化のために動くのが企業のロジックだが、偉大な企業が必ずしもそれがそのロジックで大きくなったわけではない。例えば初期の広告に対するGoogleの姿勢。自分たちの利益とエコシステムのための利益が相反することがあり、多くの場合はエコシステムの利益を優先した方が中長期的に結果が出る。
    • その企業にとって本当のビジネスモデルとはなんなのか。Googleの競合も移り変わっている。その結果としてエコシステムからでなくGoogle独自のコンテンツを提供するようになってきている。それによりむしろFacebookに対して持っていた優位性(関連性の最適化)を失いかけている。Google自体が目的地にしようとしている。本来の戦略的な強みは目的地にたどり着くための強力な中継地点であったのに。
    • ソフトウェアで儲ける仕組みは二つしかなく(バンドリングとアンバンドリング)、その意味においてモバイルは2000年のPCの位置付けにある。エコシステムは成熟して、次を探している。しかしスマートフォンではUberやLyftのような新しいホワイトスペースが常に発見されている。モバイルバンキングは前から言われてたが、モバイルタクシーを予見する人はいなかった。
    • ノースクリーンの可能性。これまでのインターフェースより摩擦が少ない。Amazon Echoや一部の成功しているスマートウォッチの成功要因の一つはスクリーンがないことを前提に開発されていること。これから複数のデバイスをまたがる水平プラットフォームが出てくるか興味深い。そのための標準化もあるだろうが、必要最低限になるのではないか。
    • フェイクニュースやスパムなどプラットフォーム自体に問題を抱えていて、いまはそれをデバッグするときに来ていると考えている。経済はハードサイエンスというよりもゲームデザインに似ている。ゲームのルールをもう一度見直す大きな機会がある。
    • 自由経済は実験の基盤。2つの実験を一つの大企業でやるよりも数百の実験を数百の小さな企業で行うのがシリコンバレー。昔はスタートアップを立ち上げる目的はビジネスを立ち上げることだった。いまはエグジットすることが前提となっている。彼らのプロダクトはむしろ金融商品に見える。

    翻訳:カタパルト式スープレックスなかむらかずや

    soundcloud.com

    関連記事

     

     

    *1:ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ – Andreessen Horowitzの最初のAと最後のZの間に16のアルファベットがあるのでa16zと表記している。技術でよく使う表記法。例えばローカライゼーションならi10nだし、インターナショナリゼーションならi18nとなる。

  • スケッチポストに🖌📒スケッチノート📒🖌の魅力について教えてもらったよ!

    スケッチポストに🖌📒スケッチノート📒🖌の魅力について教えてもらったよ!

     海外のカンファレンスやイベントではその内容をスケッチとらえて参加者に共有する人たちがいることが多いです。グラフィックレコーディングとかスケッチノートとよばれていますよね!個人的な記録としてスケッチノートを実践する人もいますし、主催者からスポンサーされて公式なスケッチノートを提供するプロフェッショナルもいます。

     バーニー・クゥアさんはアジアで最も有名なスケッチノートの実践者のひとりでSketchpostを創業した起業家です。ボクも最初にスケッチノートを知ったのはシンガポールでのイベントで彼女のスケッチノートでした。リアルタイムでカンファレンスの内容をスケッチしていく様子に「スゲー!」と感動しましたよ!

     今回はそんな彼女がカタパルト式スープレックスのインタビューに応えてくれました。

    まず簡単にスケッチノートについて教えていただけますか?

     グラフィックの持つ力ってすごく大きいですよね。写真やビデオ、インフォグラフィックとかテキストだけでは伝えきれないものがある。スケッチノートはグラフィックとテキストを楽しく組み合わせてイベントに参加した人との繋がりを強めてくれるものです。アイデアがさらに心に残るようになります。

     スケッチノートは完全なサマリーじゃないし、それ自身で全てを語る情報デザインでもないです。そのセッションに参加した人たちがそれを使ってさらに深くないように入り込むような議論ができる素材といったほうがいいかもしれません。

    シンガポールのイベントでバーニーさんのスケッチノートに感銘を受けてボクもスケッチノートをはじめたんですよ!素人なんでレベルは全然違いますけど!バーニーさんはどういうきっかけでSketchpostを起業したんですか?

     新しい可能性に向けてのインスピレーションを他の人に分けられるってすばらしいです。私自身もヨーロッパやアメリカのスケッチノートをオンラインでみてはじめてみようと思いました。

     子供の頃から自然とイラストを描くことに親しんでいたんですよ。カンファレンスに参加してスピーチや議論をスケッチしていたんです。キーポイントや面白いと感じた言葉を絵で表すんです。そうしてとっていたノートを主催者やスピーカーの方々が気に入ってくれたんです。個人的な趣味としてやっていたんですが、数年後に職業的にやっていける自信がついたのでスケッチポストを起業しました。

    ボク自身は最初はマイク・ローデさんの”Sketchnotes Handbook”を教科書にしてました。スケッチノートをはじめるにあったってどういう教材がいいですか?

     そうですね。”Sketchnotes Handbook”はとてもはじめやすいですよね。あとYouTubeにもたくさん参考になるのビデオがありますので、それをみながら練習するといいですよ。

    The Sketchnote Handbook: the illustrated guide to visual note taking

    The Sketchnote Handbook: the illustrated guide to visual note taking

     

    ボクはアウトラインにはシャーピーペン、カラーはコピックのスケッチマーカーを使っています。バーニーさんは何を使っていますか?

     私たちは詰め替えができるノイラントのマーカーとアートライン、あとはブラシペンマーカーですね。あと、デジタルのスケッチノートではiPadかWacomのタブレットを使ってます。使っているのはアドビのPhotoshop SketchIllustrator Drawです。PhotoshopとIllustratorのアプリ版ですね。

    バーニーさんとその仲間のSketchpostの情報

    Website | Facebook | Twitter | Instagram

    オススメのYouTubeチャネル

    過去のスタートアップインタビュー記事


  • デザインツールのFramerにインタラクションデザインについて聞いてきたよ!

    デザインツールのFramerにインタラクションデザインについて聞いてきたよ!

     ボク自身がアプリのデザインをしている関係上、いろんなデザインツールを使います。例えばUIデザインにはSketchやIllustrator、Photoshopを使っているし、Zeplinのようなスタイルガイドを支援してくれるツールも使ってる。

     プロトタイプを作るツールもたくさんあって、InVisionBalsamiqなんて有名ですよね。最近ではAdobe Experience Design (XD) がいい感じなんでとても期待しています!

     ただ、既存のプロトタイピングツールは画面遷移は表現できても、もっと細かいアニメーションやニュアンス、音を含めた総合的なプロトタイプはできないです。それにIoTやウェアラブルのようなUXはサポートしていないですよね。そこで出てくるのがFramerですよ!

     すでに世界中でたくさんのユーザーがいて、FacebookやInstagramなど大手企業のデザイナーもコミュニティーに参加しています。日本でももっと盛り上がって欲しいという期待を込めてインタビューしてきました!

     −−東京でのミートアップはいかがでしたか?

    「おかげさまでFramerはアジアでも人気なんだ。アジアの中では韓国が一番多いんだけど、日本はこれからかな。これは特に大きなプロモーションをしたわけではなくて、自然に増えていったんだ。だからジョーンやボクはアジアに行くのがいつも楽しみなんだ。

     ソウルではGoogle、KakaoやNaverと話をして、東京ではGoodpatchと話をしたよ。幅広いスキルを持った才能豊かな人たちがたくさんいる。そしてクールな会社がたくさんあるね!

     Framerの背景やこれから実装される新機能のデモをするのはすごく楽しかったよ。ただ一番エキサイティングなのはこうした離れた国のクリエイターたちがすごい仕事をしていて、そうした人たちと話ができることだよね」

    −−まず、Framerについて教えて下さい

    「Framerはインタラクションデザインツールだよ。アプリやウェブサイトのインタラクティブなプロトタイプを簡単に作ることができるんだ。FramerはMacアプリでSketchのようなデザインツールとシームレスに連携して静的なイメージを動かすことができるんだよ。実際のイメージはギャラリーで見れますよ。

     そしてライブプレビューができるネイティブアプリも提供していて、自分のデザインを実際にスマホで確認出来る。そして1万5千人以上のデザイナーや起業家が参加している活発なコミュニティーが特徴だね!」

    −−Framerはどんな問題を解決することができるんですか?

    「デザインって単に見た目だけじゃないんだよね。どう感じるかってことなんだ。そしてユーザーが感じることってアニメーションやタッチジェスチャー、3Dや音声とかいろんな要素に依存してる。そういう全ての要素をSketchやPhotoshopだけで作り上げることは難しいんだけど、Framerを使えばそれができる。

     Framerはハイフィデリティ*1のプロトタイプを作ることができる。デザイナーや起業家は自分たちのアイデアを検証することができるし、チームで話し合ったり実際のエンドユーザーに試してもらうこともできるんだ」

    −−今のインタラクションデザインのトレンドは?

    「ものすごい勢いで変わっているよね。Framerはデザイナーが全てのインタラクションをデザインできるように作られている。単に静止画像じゃなくてね。デザイナーはいろいろなことが求められるようになってきている。コーディングやアニメーション、サウンドデザインに3Dデザインもデザインの範疇になってきている。Framerはそういう新しいタイプのデザイナーが使って便利なツールなんだ。

     VRやIA、それにIoTのような新しいプラットフォーム技術に対応するためにデザイナーはもっと広範囲なスキルセットを求められてくる。だから変化はこれからもっと速くなってくると思うよ」

    −−FramerもSketchもオランダの会社ですが、コラボも多いんですか?

    Bohemian Codingの人たちは以前から知っていて、すごい仕事をしているよね。SketchとFramerがちゃんと連携できるようにいつも話をしているし、これからのデザインがどうなっていくのかアイデアも共有しているよ。

     オランダのデザインを取り巻く環境はすごくクールなんだ。ミートアップに行けばすごくクオリティーの高いデザインツールを作った人と直接話ができたりする」

    その他のインタビューシリーズ

    *1:開発を始める前の完成系に近いプロトタイプ。通常は紙などのロウフィデリティのプロトタイプでアイデアを確認して、その後にハイフィデリティなプロトタイプを作り始める。Popとか紙のプロトタイプをデジタルにできるツールもあります

  • オランダの🍺クラフトビールの老舗ブロウワレイ・アイに30年間😎クールでい続ける秘訣を聞いたよ!

    オランダの🍺クラフトビールの老舗ブロウワレイ・アイに30年間😎クールでい続ける秘訣を聞いたよ!

     ブロウワレイ・アイ(Brouwerij ‘t Ij)は間違いなくオランダを代表するクラフトビールです。もちろん世界的に出荷量の一番多いオランダビールはハイネケンですし、他にもフロース(Grolsch)とかアムステル(Amstel)とか伝統的なピルスナーを作っているビール会社はたくさんあります。

     こうした大手ビール会社やさらにはクラフトビールの流行に乗った新興ビールスタートアップがひしめくオランダでブロウワレイ・アイは「ハイネケンじゃないクールなビール」の代表として愛され続けています。

     これってスゴくね?商業的に成功した後でもどうしてクールでい続けられるの?ということをストレートに聞いてきましたよ!インタビューに応えてくれたのはディレクターのPatrick Hendrikseさんです!

    −−ブロウワレイ・アイはオランダのクラフトビールの世界ではすでに老舗の存在ですよね

    「創業は1985年。もう30年以上だよ。創業者のカスパー・ピーターソンは作曲家だったんだ。バンドとツアーをしている時にベルギースタイルのビアに惚れ込んで自分で作りはじめたんだ」

    −−80年代にオランダでは16くらいの醸造所が生まれて、そのほとんどは生き残っていません。どうしてブロウワレイ・アイだけが生き残ったんでしょうか?

    「当時はしっかりと味の乗ったビールってなかったんだ。ピルスナーばっかりだった。俺たちが作ったのは味がたっぷり乗ったビールだった。それが受け入れられたんだろうね。

    (ちょっと考えて)正確にはもう一つすごく小さな醸造所がひとつだけ残ってる。俺たちは彼らに比べるとアムステルダムを拠点にしていたというのはある。そういう意味ではラッキーだった」

    −−30年もそれで生き続けるってすごいことですよね

    「いいものを作りたいというのが芯にあるんだよ。そしてそれをやり続ける。例えばZatteが俺たちの最初のビールだけど、80年代に飲んだZatteと今のZatte(下の写真)は全く何も変わらないよ。昔に飲んだ時もクールでうまいビールだったし、今飲んでもクールでうまいビールなんだ。宣伝もほとんどやらないんだ。ここまで広まったのは俺たちのビールを気に入ってくれた人たちの口コミのおかげだよ。

     あと流行を追わない。流行に合わせて味を変えたりしない。ライトなビールが流行ってるからライトにしたりしない。マーケティングとかやらないんだ。ターゲットオーディエンスがどうこう外部のマーケターがアドバイスしてくれるんだけど、あまり気にしたことないね。うまいビールを作り続けるだけさ」

    −−商業的に成功して30年生き続けるだけで十分にすごいんですが、30年間クールでい続けるというのはさらにすごいんですよね。

    「俺たちはクラフトビールを作るクラフトマンなんだ。マーケターじゃない。成功して大きな会社みたいになった醸造所もあるけど、彼らは最初からそれを目的ではじめたんだと思うよ。彼らは彼らの目的がある。根っこの部分から違うんだ。

     クールでい続けるというのはうまいビールを作り続けるクラフトマンであり続けるということなんだろうな」

    −−最近はクラフトビールがブームで新しい醸造所がオランダだけで今年に入って60以上できたそうです

    「業界が盛り上がるというのはいいことだよ。ただ、その中で本当に自分たちで醸造しているところがどれだけあるのかってことだよね。ビールからパッケージングまでアウトソースをするのはよくあるパターンなんだよ。

     うちでは定番が8種類あって、他にシーズン物や一度だけ作る限定版がある。シーズン物や限定版で色々と試すんだ。一回作った限定版がすごく評判が良くても飲める期間がすごく短くて管理が難しかったり。俺たちのビールは加熱殺菌しないし、ろ過もしない。すべての味がボトルに詰まっていて、ボトルの中で熟成し続ける。出荷する前に何ヶ月か寝かせて出すとかね。

     うまいビールを作るのって本当に大変なんだ。俺たちは今でもこういった試行錯誤をやって新しいビールを出し続けてるよ」

    −−30年間で何か変わったことはありますか?

    「需要に追いつくために醸造所を大きくしたよ。まだこれから大きくなるよ。

     あと、毎日品質管理をしてるんだ。ビールって生き物だからちゃんとチェックしないといけない。今まではテイスティングだけで”いい”とか”あれ?ちょっとおかしいかな?”とかやってたんだ。でも、今はちゃんとラボでも科学的にチェックしてるよ!

     生産量が増えると自分たちの舌だけではチェックしきれないんだよ。品質を一定にしなければいけない。そのチェックをするラボの導入は変わったことの一つだね」

     その他のビールに関するネタ